素性を明かせない国会議員
  日本人は国家意識が薄い。 大抵の日本人は日本人の両親から生まれ、その祖父母も当然日本人だから、自分が日本人かどうかなんて考えたことがないのだろう。生まれた時から日本に住ん で、方言はあれど日本語を話し、日本人と結婚し、日本の土に還るんだから、「あれ ? 私は日本人かなぁ」と思い悩む日本人はいなかった。しかし、在日となっている支那人や朝鮮人、台湾人はアイデンティティーが曖昧になる。生まれと育ちが日 本でも、片親が外国人なら、日本語を話していても何となく日本人離れしているし、現に遺伝子の半分は外人だ。母親が支那人だと、姓は父親の家族名を選んで いるから、友達にバレる危険性は少ない。それでも、結婚する時、戸籍を見ることになるから、どうしても憂鬱になってくる。結婚相手の両親がどう思うか悩ん でしまう。普通の日本人なら気にせず済むことなのに、アジア系の親を持つ混血児は、色々な場面で嫌な経験をする。

renho 2(左/蓮舫)

   最近、民進党の蓮舫議員が「二重国籍」の疑いで話題になった。9月2日附産経新聞のインタヴューで、記者から国籍と帰化について質問された蓮舫は、「帰 化じゃなくて国籍取得です」と答えていた。この返答に違和感を覚えた国民も多いのではないか? なぜ「帰化」という言葉が嫌なのか? もし、日本人がアメリカ人と結婚し、米国籍を取れば、「私は米国に帰化しました」と胸を張って両親や友人に報告するだろう。両親は残念に思うかも知れない が、友人や先輩後輩、職場の同僚で、「帰化(naturalization)」を侮蔑語と考える者はいないだろうし、恥ずかしいこととは思わないはずだ。 日本人の常識だと、「国籍を取った」ことは、たいてい「帰化」を意味する。高名な日本文学者でアメリカ人だったドナルド・キーン博士は、「帰化」という言 葉はもちろん、その意味を充分理解していて、日本への帰化に嫌悪感は一切無かった。どうして、蓮舫は「日本への帰化」を認めたくなかったのか?

   9月6日附産経新聞のインタヴュー記事では、蓮舫が記者から台湾国籍について訊かれて、はっきりと答えていた。彼女は「私の気持ちとしては、生まれ育っ た日本で、生まれたときから日本人という思いが強い」と述べていたから、「日本人という意識」は子供の頃からあったのだろう。好意的に解釈すれば、蓮舫自 身は最初から日本人なので、「帰化しした覚えはない」と言いたかったのではないか。つまり、「台湾人」として育っていたなら、日本国籍取得で「帰化」した と言えるが、そもそも「日本人」だったから、父親のせいで“たまたま”台湾国籍を持っていたに過ぎないとでも言いたいのだろう。でも、世間が問うているの は、蓮舫個人の感情ではなく、彼女の法的身分なのだ。“いつ”中華民国(台湾)の「国籍」を放棄したのか、それを“具体的”に知りたいのである。産経新聞 の記事によれば、蓮舫は31年前の17歳の時、誕生日前とはっきりと記憶しているのだ。国籍取得のため、高校に休暇届を出したのをかろうじて覚えているら しい。「未成年だったから、父親と一緒に台湾の代表部に行って、台湾国籍放棄の手続きをした」と蓮舫は語っている。だが、台湾の国籍離脱は20歳にならな いとできないから、蓮舫の公表した話は嘘だ。

  普段は元気よく物を言う蓮舫なのに、疑惑を晴らすべく、どうして9月2日のインタヴュー で、きっぱりと答えなかったのか? 記者から「国籍放棄を忘れているのでは?」との報道に関して質問され、「ごめんなさい、それ分かんない。それを読んでいないから」と答えていた。たとえ報 道記事を読んでいなくても、「もうとっくに台湾籍の放棄は済んでいますよ。何なら離脱証明書を見せましょうか」と言えばよかった。そうすれば、二重国籍疑 惑を報じた新聞社も訂正記事を出さざるを得ない。疑惑は一瞬で晴れたはず。記者から「首相を目指すのであれば、台湾国籍を保持したままでは、ネックになる のでは?」との問いに、「質問の意味が分からないけど、私は日本人です」といった頓珍漢な事を口にしたのか? こうした簡単な質問の意味も分からない者が、国会議員になっている方が驚きだ。「二重国籍か否か?」なんて直ぐ答えられるだろう。蓮舫は今まで外国旅行や 視察旅行などをした事がないのか? もし、父の実家を訪ねる事となった場合、どのような旅券で台湾に入国するのか? 日本の国会議員なのに、台湾国民として入国したらおかしいし、台湾国籍を持っているけど、外国人として入国したら別の意味でおかしい。そもそも、蓮舫は自 分の法的身分が曖昧なのに、国家の政治を云々できるのか? 自分の家にしまってある「離脱証明書」が何処にあるのか覚えていない人物が、「仕分け作業」を担当したり、それより難しい経済・金融・外交を扱えるとした ら恐ろしい。

  「生まれながらの日本人」と言い張る蓮舫は、台湾出身の貿易商、謝哲信を父に持ち、資生堂の美容部員だった齋藤桂子を母 とする混血児だ。当時の国籍法からすると、蓮舫は父系主義を取る台湾の国籍を持っていたはずだ。ところが、1984年に国籍法が改正され、日本人の母親を 持つ蓮舫は、日本国籍を与えられ、22歳までにどちらの国籍を選ぶのかという猶予が与えられていた。日本国籍を選択すれば、もう一方の台湾国籍を放棄する よう促されるはず。しかし、罰則規定がなかったので、そのまま“ずるずる”と両方の国籍を保持することも可能であった。もしかしたら、蓮舫には台湾国籍を 保持することで、何らかのメリットがあったのかも知れない。とにかく、もし、蓮舫が台湾国籍の離脱をしていたなら、当然、中華民国政府が発行した「国籍喪 失許可書」をもらったはずだ。外国籍を保持したままでも、被選挙権は「日本国民」であれば持てるから、蓮舫は国会議員になれた。議員の資格を定める法制度 に、こんな缺陷(けっかん)があるというのは、もともと日本人に外国人が立候補するという意識が無かったからだ。日本国民は日本人の両親から生まれてく る、という無意識の前提があったから、二重国籍問題に関心が及ばなかったのであろう。こんな日本で移民や難民を受け容れたらどんな事件が起きるのか、想像 しただけでも背中に戦慄が走る。

  マスコミ各社が蓮舫の二重国籍疑惑を追及するようになったから、蓮舫は内心焦っていて、弁護士か顧問 役と相談し、どうやって話の辻褄を合わせるか、を検討しているのかも知れないぞ。蓮舫は「だいぶ昔の話なので記憶が鮮明ではない」と言い訳を述べて時間を 稼いでいたし、「改めて台湾政府に確認を取っております」と返答していたから、台湾国籍を放棄していなかった、という事態も考えられる。新聞記事では、 「父が台湾国籍放棄の手続きを行ったので、父を信じている」と蓮舫は述べていたから、もしかすると、離脱をしていなかった事実を父親の過失にして、上手く 逃げ切ろうと考えているのでは? 「自分はてっきり離脱手続きをしたものと思っていたが、父が手続きを怠っていました」とか、「私の勘違いでした。たいへん申し訳ない」と陳謝して、幕引き にする可能性だってある。きっと弁護士か友人と密談して、釈明会見のリハーサルをしているはずだ。違法状態のような身分でも、具体的な罰則がないから逃げ 切れる、と踏んでいるのだろう。蓮舫は舛添と同じように、法律のグレーゾーンを突いて、国民を丸め込もうとするはずだ。議員辞職なんか絶対考えてない。

   日本人は学歴詐称なら、どんな些細な間違いも許さず、議員辞職をするまで諦めないが、そんな嘘よりもっと深刻な国籍問題については、真剣に考えようとは しないし関心も低い。これは一般国民が国籍を空気のように考えているからだ。日本国籍を必死で獲得した日系日本人なんていないだろう。生まれたら自動的に もらえるんだから誰でも持っている。しかし、有名大学への入学や卒業となると、話が違ってくる。多くの日本人が子供の頃から試験でランクづけされ、通って いる学校で区別され、就職活動で苦汁をなめたりするからだ。一流大学に合格すれば「貴族」みたいな身分となって鼻高々になる。ところが、三流大学だと学力 はおろか人格まで「三流」と評され、一生つきまとってしまうから屈辱的だ。たんなる勉強の場所なのに、就職や結婚にまで影響を及ぼすんだから、国民が抱く 学歴への情熱と怨念は並大抵のものじゃない。だから、学歴詐称の議員には厳しいのである。でも、外国政府と気脈を通じている二重国籍者の方が大問題なの に、それに関心を払わない、あるいは怒りを感じない国民はどうかしている。蓮舫のは野村沙知代の学歴詐称とは次元が違う。故・ミッキー安川が述べていた が、パンパン時代の嘘は仕方ないけど、有名人になってからの「嘘はいけない」と叱っていた。敗戦後の貧しい時代に、単なる小娘がコロンビア大学に留学でき る訳ないだろう。どうせ、ぶら下がっていた米兵から、「コロンビア大学」の名を聞いたんじゃないか? 赤線地帯では、米兵にだけ体を売る「オンリーさん」がいたから、沙知代は米兵からブロークン・イングリッシュを習ったのかも知れない。誰か沙知代を覚えて いる元娼婦はいないものか? (もっとも、日本人の元娼婦は朝鮮ババアと違って自ら名乗り出ないから、少しは人間としての誇りを残している。)

蓮舫の屈辱感
   チャンネル桜を観ていたら、三輪和雄さんが蓮舫の名前について文句を垂れていた。なぜ、亭主の「村田」姓を名乗らないのか、と不満なようだ。マスコミの 報道によれば、蓮舫の子供二人も支那風の名前らしい。蓮舫は支那系の血統にこだわっているようだ。でも、なぜ蓮舫は若い時に直ぐ、中華民国籍を放棄しな かったのか? 父親に「棄てるな」とでも命じられたのか? たぶん、蓮舫自身の意志で保持していたのだろう。彼女には台湾人の系譜を棄てたくない心情があったのかも知れない。これは実に興味深い心理で、特にアジア 系の混血児に多い。有名なのは、在日朝鮮人のケースで、北鮮人はともかく、日本に親子代々住む南鮮人が「帰化」しない理由は複雑だ。まず、親が反対もしく は帰化に消極的な場合がある。これは家族の系譜を尊重する結果である。日本に住むのは経済的理由からで、家族の血筋は朝鮮人のままだから、意地でも日本に 帰化したくないと思っている。朝鮮人は「墓」に異常なまでの執着心があるから、系譜は聖典みたいに扱われている。氏族名を変えるなんてもっての外。たとえ 何世代日本に住もうとも、「金」とか「朴」の名前を残すべし、と考えている。だから、在日朝鮮人20世とか35世とか出現するかも知れない。こうなればも う王侯貴族のようだ。日本人になりたい朝鮮人も多いが、南鮮国籍を棄てると、親戚や友人から「裏切り者」と呼ばれることもあり得る。それに、朝鮮人の仲間 を失うと、日本人から爪弾きにされた時、戻る場所がなくなるから、在日鮮人のままで生きる人もいるようだ。同胞を失う辛さは、自殺した新井将敬議員を思い 出せば分かるだろう。

  蓮舫も「謝」の血筋を絶やしたくない、という意識があるのかも知れない。生まれてからずうっと日本に住んでいて も、意識の奥底には「台湾人」というアイデンティティーが沈殿しているのだろう。幼い時から父親の名前を口にしているんだから、自分は日本人じゃないとい う自覚があっても当然だ。第一、自分の名前だって「蓮舫」と非日本的なんだから、友人の中には国民党の「連戦」を思い浮かべて、蓮舫の姓を「連」氏と勘違 いする者だっているはずだ。普段、父姓の「謝」を表に出さないから、変な誤解をされる場合だってある。一般の日本女性なら結婚すれば旦那の姓に改め、それ で不思議じゃない。しかし、朝鮮人や支那人は結婚しても亭主の氏族名を名乗らず、実家の姓を保っている。つまり、族外婚(exogamy)の風習があっ て、同じ姓の者同士は結婚できない。そして、嫁は家族にならず、単に子供を宿すための子宮を持つ女中くらいの扱いだ。よく、無知な日本人女性が朝鮮人に嫁 いで、南鮮に住んでから後悔する場合がある。亭主の両親から下女のように扱われ、夫の兄弟姉妹からも侮辱されてこき使われるからだ。親戚一同が集まる葬式 や祭祀のときは、針の筵(むしろ)に横たわっているようなものだ。日本人は支那・朝鮮人と結婚するものではない。蓮舫は日本人との結婚で気楽だが、血統意 識は台湾側にあるのだろう。彼女は両脚を日本側に置きたくないのだ。

  蓮舫には台湾への愛着と共に、「日本人になれない」という抵抗 感、ないし「日本に帰化しても日本人とは認めてもらえない」という絶望感があるんじゃないか? 確かに、蓮舫は完璧な日本語を話し、福建語とか台湾語の訛りがない。だが、半分台湾人であることに変わりはないだろう。これは書類で消せるものではないの だ。蓮舫にとって台湾人の側面は、自慢の特徴ではなく、肉体に刻まれた「スティグマ(汚点/stigma)」となっている。この「スティグマ」は心の奥で いつも疼(うず)いている。日本人より“格下”の「アジア人」という屈辱感は、日本のパスポートを持ったからとて容易に蒸発するものではない。もちろん、 蓮舫自身は「劣等感などない」と言うだろう。逆に、「私は台湾人の父を持っていることを誇りに思います」なんてセリフを吐くはずだ。これはよく多民族・多 文化主義者から吹き込まれる“決まり文句”だ。米国でも黒人が「私はアフリカ系アメリカ人であることを誇りにしています」と宣(のたま)うが、縮れ毛の髪 を直毛にし、白人の美意識を用いてファッションを選び、幅広の鼻を整形して北歐人のように細くしたりする。イギリス人を憎むインド人女性でも、高級な「美 白クリーム」を購入し、西歐美人を目指しているのだ。

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(左: 西歐人風に変身したビヨンセ / 中央: 平凡なインド人女性 / 右: 欧米風のインド人女性)

   日本でも多民族主義の偽善で、犠牲者となっているアジア人混血児がいる。本音を言えば、彼らは公の場でその血筋に触れたくない。せっかく氏名を日本風に して「日本人」みたいに生活しているのに、両親や祖父母の素性を暴かれて、「自分が半分だけの日本人」ないしは「アジア人の血が混じった日本人」、「全く のアジア人」という“恥部”を晒したくないのだ。ひと昔前だと、日本名を使って就職した帰化朝鮮人は、絶対に職場の同僚に素性を知られたくなかった。とり わけ、一生懸命勉強して有名大学に入り、「朝鮮人」という「スティグマ」を洗い流し、「名門校卒のエノリート社員」となって、輝かしい未来に向かって歩む 帰化鮮人は、過去を語らなかったという。だから、自宅には「朝鮮」を臭わせるような物は置かなかったし、友人を野暮ったい両親には会わせなかった。だか ら、選挙に出馬するなんてリスクを犯す真似はせず、一流企業で満足したものだ。蓮舫の場合は、キャンペーン・ガールの頃から「蓮舫」なので、家系がバレて いたが、もし日本風の芸名だったら、「謝蓮舫」に戻して立候補したかは疑問である。

  普通の日本人は滅多に口にしないが、アジア人は何 処か対等とは呼べない「劣等種族」という認識がある。例えば、朝鮮人と言えば、薄汚れた路地裏とかドヤ街にうごめく惨めな賤民というイメージがあるし、実 際昔の南鮮を撮した写真を見ると、あまりにも“みすぼらしい”民衆や街並みに唖然としてしまう。在日朝鮮人の子供なら、それを見るだけでも嫌で、唇を震わ せながら目を伏せるし、絶対に本国の朝鮮人と一緒にされたくないと思ってしまうのだ。「朝鮮料理」という言葉さえドキっとするから、「焼き肉店」と言い換 えて暗いイメージを払拭しようとする。支那人だと、もう存在自体が嫌だ。不気味な外国人というより、隣に近づかないでほしい「外来生物」である。フィリピ ン人の親を持つ混血児も不幸だ。大抵の日本人が黙ったまま、「あいつの母ちゃん、売春婦じゃねぇのか」とか「どうせキャバレーで父ちゃんをひっかけたんだ ろう」と心の中でつぶやき、その感情を絶対に表にしようとはしないのだ。家柄の良い日本人と日比混血児が結婚するとなったら大変だ。日本人側の親とか親戚 が、一族の恥だと騒ぎ立てて、婚約を破談にしろとわめき出す。フィリピン人娘と息子が交際すれば、その母親は息子に内緒で彼女に会って、「どうかお金を払 うから別れてくれ」とか、「うちの嫁としては相応しくない」と告げて、結婚を諦めさせようとするはずだ。もっとも、名家の御曹司ならそうした女性とは最初 から付き合わない。とにかく、日本人は露骨な差別を避けようとするから、阿吽の呼吸でアジア系国民と親密な関係を結ぼうとはしないのだ。

   アジア系帰化人やアジア系混血児を、障碍者の譬えを用いて論じるのは、両者にとって失礼だが、分かりやすく説明するために敢えて述べることにする。アジ ア系混血児は日本人と付き合う時、つまり友人とか同僚になろうとする時、その素性を自ら進んで明かすことはない。本当は公表し方がいいんだけど。妙に隠し 立てすると発覚した時に、周囲の人間がどう対応していいか分からなくなる。余計なストレスをみんなに与えてしまうから、明らかに逆効果だ。在日朝鮮人や帰 化鮮人の場合を想像してみれば分かるだろう。ある日本人は「オレは全然気にしないよ」と言うかも知れないし、またある者は「朝鮮人だからといって、別に悪 いことはないよね。偏見には反対 !」と平静を装うだろう。だが、初めて知った時のかすかな衝撃を、誰も口にすることはあるまい。日本人が「あの人、朝鮮系なんだって」と聞いた瞬間に、心 の奥底で微量な電流、あるいは、指先にに感じる程度の極小さい振動だ。アジア系混血児が傷つくのは何も大声の差別ばかりではなく、目に見えない、腫れ物に 触る時のような「配慮」である。NHKように「韓国のかた」なんていう呼び方は、却って南鮮人馬鹿にした言い方だから、NHK職員は無意識のうちに蔑んで いるのだ。したがって、在日朝鮮人は堂々と正体を明かした方がいい。

  ある障碍者が周囲の者をリラックスさせようとして取った行動があ る。彼は両手がなく「鉤手」の義手をしていたらしい。当然、彼に会う者はその障碍にふれまい、と気を遣う。そこで彼はレストランとか酒場、パーティー会場 に入ると、決まって人を笑わそうとしたそうだ。彼は短いタバコの箱を素早く取り出して、これ見よがしに箱を開ける。そして、タバコを一本取り出すと、火を つけて満足そうにふかして椅子に坐ったそうだ。これで十中八九、人の注目を惹きつけることが出来たらしい。周囲の人々は彼のことをまじまじと見つめ、彼は 「ほう、中々やるじゃないか。あの二つのかぎ手で」という他人の囁きを聴いていたそうだ。もし、この芸当に触れる人がいると、彼は笑みを浮かべて、よく冗 談を言ったという。「私が一度も心配したことのないことがあるんですよ。それはね、指をやけどするってことですよ」(エルヴィン・ゴフマン 『スティグマの社会学』 石黒毅 訳 せりか書房 1970年 p.190) 日本だと指や手を失った人が、こういったジョークを述べることは想像できないが、歐米だと気まずい雰囲気を打ち破るため、あえてブラック・ジョークで人々 を和ませる障碍者がいたりする。こう述べてくれれば、対面する相手は、緊張がほぐれて有り難い。

  日本の学校では「全人類みな平等」と か「差別はいけません」と建前論を教えるが、現実の社会では差別や偏見、区別は当り前で、努力でそれを少なくすることはできるが、あまり圧縮すると反動が 出てしまう。アジア系混血児は日本で生まれ育っても、親の出身国に半分属している。朝鮮語や北京語、タガログ語を全く知らなくても、片親の血と肉で異国の 祖父母と繋がっているし、現地の民衆が同胞となっているのだ。したがって、日本人から見れば、アジア混血児は日本人という枠にすっぽりと嵌まっていない、 どこかその枠からはみ出ている。しかも、「アジア的遺伝子」のドロドロした液体が血管に流れているようで忌まわしい。これは混血児自身も自覚せずに持って いる。世間で暮らす彼らには分かっているのだ。以前、このブログて取り上げた藝人の「ローラ」はバングラデッシュ人の父を持つが、その容姿はゲルマン人を 模倣している。ファッション・モデルをしているが、バングラデッシュ人の特徴を隠しているし、ベンガル語を喋る仕事もしていないだろう。もっとも、父親が 国民健康保険を悪用して詐欺を行ったから、自分の民族性に触れたくないのだろう。だが、それだけではなく、バングラデッシュのイメージが悪いので、わざと 言及しないのかも知れない。所属事務所の意向とも考えられる。

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(左: 高校生の時のローラ /中央と右: モデルになってからのローラ)

   一方、西歐系混血児の場合、アジア系児童がもつコンプレックスに悩むことは少ないだろう。例えば、西歐系の混血児だと、その親を恥じることはまずない。 親がコペンハーグ生まれのデイン人とか、バイエルン育ちだがザクセン生まれのゲルマン人、スカンジナヴィア半島のノルマン人、ブリテン島出身だけどオラン ダ系のアングルでも気にしないだろう。祖父がナチ党のエリート官僚だったというゲルマン系混血児だって、自分の中に流れるドイツ人の血を恥じる者はいない んじゃないか。幼稚園の先生だって、「あらヨアキム君のひいおじいしちゃん、フリッツ君の大伯父さんはナチ党員だったの?」とは訊かないし、他の父兄もゲ ルマン系の園児を目にして「ああ、アーリア系混血児人ぢゃ不憫だ。金髪碧眼のドイツ人みたいな顔つきだしね。グレなきゃいいけど」とは思わないだろう。で も、フィリピン系混血児の場合だと、大人は心の中で「フィリピン土人の子供かぁ」とつぶやくし、幼稚園や小学校の子供なら「おい、お前フィリピン人みたい な顔してるぞ」とからかって、イジメることもあるだろう。教師がいくら叱っても、子供の素直な感情は消えないし、きつく怒られれば、益々みんなの心に差別 意識が強まってしまうだろう。恥辱にまみれた混血児は帰宅して、泣きながら親に八つ当たりするしかない。アジア人と結婚する日本人は、よくよく現実を直視 することだ。

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(左: フィリピン人の子供 / 中央: 朝鮮人の少年 / 右: 北歐系の少女)

   蓮舫が日本人の名前を拒絶するのは、台湾人から日本人へ「昇格」することが屈辱に思えるからだろう。もちろん、彼女は否定するはずだ。しかし、日本に住 みながら、ましてや国会議員になったのに、台湾国籍を維持し、子供の名前まで支那風にするということは、強烈な台湾人意識がなければできない。意地でも日 本の軍門に降りたくない、という意志の表れだ。それに、もし自分の名前を日本風に改め、亭主の姓を名乗り、子供にも日本人の名前を授けたとしても、蓮舫は 純粋な日本人とは見なされない。一生「台湾系」日本人という「スティグマ」がまとわりつく。だから、議員になっても心の拠り所となる台湾国籍を離したくな い。それを保持していれば、日本人から「お前は半分台湾人だろう」と批判された時、「そうです。私はちゃんと今でも中華民国籍を持つ立派な台湾人です」と 胸を張って言えるからだ。台湾の国籍は蓮舫にとって自尊心を維持するための「お守り」になっているのだろう。もし、台湾国籍を棄てたら、孤児(みなしご) のように帰る家を失ってしまうのだ。台湾人が蓮舫を温かく迎えるとは思えないが、少なくとも蓮舫の頭には、「日本で何かあれば、いつでも台湾に戻ることが できるんだ」という心の余裕が生まれてくる。日本に「帰化」したら、二級国民として扱われるじゅないか。元台湾人の金美齢や黄文雄みたいな帰化人なら、日 本人は何とも思わないし、立派だと尊敬するから、差別しようとはしないだろう。蓮舫には心のどこかに日本への「敵対心」や「恨み」が残っている。もしかし たら、少女時代に受けた心の傷があるのかも知れない。

  蓮舫は二重国籍疑惑を認め陳謝するかも知れないし、そのままうやむやにして逃げ 切るかも知れない。あるいは、だいぶ昔の事なので、家中を探しても“あったはずの”国籍離脱証明書が見つからないので、改めて台湾政府に国籍離脱の手続き を済ませました、と世間をたぶらかす選択肢もある。いずれにせよ、正直な告白をするとは思えない。舛添だって、家族旅行なのに、温泉旅館で亡くなった出版 社社長と会合をしていた、と言い張り、あくまでも政治目的の宿泊だった、と譲らなかった。見え透いた釈明に国民は唖然としたが、図々しい連中に「羞恥心」 は無いから、至って平気。朝鮮人は息のように嘘を吐くというが、左翼議員も屁のように嘘を放出するから、どっちもどっちだ。それに、世間は一ヶ月もすれば 忘れてしまうから、蓮舫は最後まで真相を語らず民進党の代表になるかも知れない。どうせなら、台湾の「民進党」に所属してもらいたいものだ。日本国籍を離 脱して台湾に渡った方が彼女の為だし、両親に対する親孝行にもなるから、八方丸く収まる。今からでも遅くはない。蓮舫、台湾へGO ! あれ? ポケモンだったかな。




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