中国が本気で狙う沖縄・九州侵略と漢族の移民政策
法案阻止の名目で「自衛官のリスク」を言い募る政党の姑息
2015.9.16(水) 森 清勇 JB PRESS
「木を見て森を見ず」という諺がある。安保法案は「日本のリスク」を抑止する法案であるが、反対派は「自衛官のリスク」を高める戦争法案だと矮小化して宣伝する。また、徴兵制の復活を主張するに至っては、現状を知らなさすぎ、笑止千万である。
政府・与党は国民に法案を理解してもらう必要から、衆参両院の平和安全法制特別委員会で野党に与党の6~9倍も多い質問時間を与え、実のある論戦を期待した。
しかし、廃案を目指す野党は法案の必要性という本質に迫る質問をせず、違憲の主張と法律専門家しか理解できない法的整合性ばかりを問い、また重箱の隅をつつくような議論で政府を混乱させ、「国民の理解が得られない」と難詰するばかりであった。
自衛隊を殺すのは野党だ!
この小見出しは、月刊誌『WiLL』(2015年8月号)掲載の堤堯・久保紘之両氏の「蒟蒻問答」につけられた表題である。安保法案の論戦を聞いていて、まさしくこの通りだと思い、上手い表現に感心して借用した。
最大野党の民主党は安保法案に対する対案さえ出せない体たらくに加え、自衛官に寄り添うかのような欺瞞で真剣な論戦を回避する振る舞いに終始した。
廃案にしたい野党だから一時しのぎの自衛隊寄りも仕方ないが、本質を外らし、単なる自説の開陳か、あるいは自党の宣伝をして国民を混乱させるばかりでは責任を果たしているとは言えない。
イラク派遣に関する陸上自衛隊と航空自衛隊の報告書は、PKO(平和維持活動)や人道復興支援などの「美しい」言葉とは裏腹に、場合によっては「死」を伴 う危険なもので、派遣前に国会で議論された特措法が、「机上の空論」で練り上げられたものでしかなかったという問題の提示であった。
現実に派遣される自衛隊の活動がいかに困難であったかという教訓を生かして安保法案に取り入れるべきであったが、野党はもっぱら「『非戦闘地域』とは言い難かったじゃないか」という批判の材料として政府を責めばかりで、少しも議論に前進が見られなかった。
首相ばかりでなく、テレビで審議状況を観覧している国民にとっても、「早く質問しろよ」と言いたくなる場面が多く、法案の必要性を国民に理解してもらいたい政府としては、一分一秒がもったいなかったに違いない。
参院特別委では「どうでもいいだろう」発言も首相から飛び出した。
防衛大臣の言い間違いを首相が正した。しかし、野党は「主務大臣さえ理解困難な法案」と国民に印象づけるべく、「ここを先途」と追求するので、首相が「先へ進もうよ」という意味で発したのだ。
ともあれ、野党には端から国際情勢との関係で安保法案を進めようとする意思は見られない。そうしたなかで、野党が「自衛隊のリスク」を強調したことは注目に値する。
従来、自衛隊のことをあまり考えなかった野党である。イラクやその他、今も続くPKO活動などにおいて、派遣部隊が柔軟対処できず、リスクを高める現法制は、野党への妥協がもたらしたものである。
また、日常的に繰り返される領空侵犯や自衛艦への射撃用レーダー照射などに対し、自衛隊が国際法や慣習法に則った対処ができない状況も同様である。
そうした諸々の制約から、部隊や自身の防護さえ思うに任せない雁字搦めの自衛隊にされてきたのが、小見出しの「自衛隊を殺すのは野党だ!」に込められた意味である。
自衛官には名誉と処遇改善を
大多数の憲法学者たちが言うように、安保法制が憲法違反であると言う指摘に従って、立憲主義の日本が安保法案を取り下げ、また、一部の憲法学者は自衛隊さえ違憲と見ているので、自衛隊をも解散すれば、日米同盟は必然的に解消されるであろう。
その結果、何が起こるか。間違いなく中国は尖閣諸島どころか、沖縄そして九州全域までにも侵攻し、「日本自治区」を宣言するだろう。現にネット上での中国外務省の地図ではそうなっている。
そして、共産党の支配構造からは、自治区に解放軍と多数の漢人を送り込み、言論の自由ばかりか、集会やデモの自由も、その他現在の日本人が享受しているありとあらゆる権利を剥奪するに違いない。
同時に、合憲論を展開してきた憲法学者、並びに右翼や国家主義者と称されている人物は言うまでもないが、違憲論の憲法学者を含めた知識人も拘束するに違いない。
中国製戦車に立ち向かう素手の日本人という、日本版「天安門事件」が沖縄で、そして九州で、さらには日本国土で展開されることになろう。
これほどの悪夢はなく、日本国民にとっては地獄絵図だ。こんなつもりではなかったと言っても後の祭りである。
安保法案は、この惨劇を抑止する最小限の準備である。
中国は既に、東シナ海上空には防空識別圏を設定し、領空化を図ろうとさえした。南シナ海では軍事基地化を進める行動をとっているように、東シナ海でも日本が注意を逸らしている間に、いつ軍事基地化が行われないとも限らない。
尖閣諸島は古来中国の領土であったと主張しているし、ガス田の採掘にかこつけて施設の拡充を図っている。現在は点としての施設であるが、いずれは線となり面となるであろう。
自衛隊はこうした事態に対処する組織である。「死」を意識するかしないかはともかく、自衛官だけが「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」と宣誓して任務に服している。
自衛官のリスクを軽減することは大切である。そのリスクを承知で、「国家のリスク」を抑止するために避けられない宿命を背負う隊員には、名誉としかるべき処遇を与えることこそが、最大の報いとなる。
憲法違反などと称されることは最大の不名誉であり、警察官や消防などと比べて叙勲(自衛官は警察の半分程度)や賞恤金(しょうじゅつきん:自衛官6000万円に対し他は9000万円)を見ただけでも処遇の低さは一目瞭然である。
徴兵制では機能しない自衛隊
平成27年版「防衛白書」に、「技能集団としての防衛省・自衛隊」という紹介コラムがある。
ここでは、自衛隊が防衛・警備・各種災害などのあらゆる状況下において確実に任務を遂行できるために、自衛官の本務である戦闘・戦技能力に加え、民間のインフラや技術に依存しないで活動できる能力(自己完結性という)を保持していることが必要であるとしている。
このために、自衛隊には民間に存在するほとんどの技能、例えば小型船舶操縦士、自動車整備士、気象予報士、無線通信士などの資格を有する隊員のほかにも、スキー、潜水士、救難員などの特技を有する隊員がいる。
また、隊員が日々勤務する駐屯地や基地などには建築士、電気工事士、ボイラー技士、危険物取扱者、栄養士などの資格や特技を有する隊員もいる。
その他、医師、看護師、薬剤師、救急救命士などの資格を有する隊員が、自衛隊病院や駐屯地医務室などで医療行為を行っており、まさしく技能集団である。
こうした資格や特技は一般隊員が取得するもので、平成25(2013)年度の自衛官の応募・採用状況を同白書で見ると、採用9188人に対し応募者は3万 3534人で、3.6(女子6.0)倍となっている。受験すればだれでも合格できる自衛隊ではないし、女子にあってはさらに高い倍率である。
さらに幹部自衛官や高度技術を要する職域についてみると、一般大学などからの幹部候補生は34.8(女子45.9)倍、防衛大学校は42.5(同 121.2)倍、防衛医科大学校は105.4(同110.2)倍、航空学生は33.9(同61.2)倍などとなっており、すべてが30倍以上である。女子 は一般隊員同様に、さらに高倍率である。
以上から分かるように、現在の自衛隊は知能・技能集団である。単純 比較で、戦前の徴兵制師団は1.5~2万人であったが、現在の志願制師団では7000人ほどである。2分の1から3分の1の兵員で師団が編制されているこ とになる。デジタル師団と呼称されるほど、知能化した組織である。
徴兵制となれば、試験等で採用されなかった人たちも招集されるわけで、選抜されたものに対して行われてきた教育や訓練のように、スムーズにはいかない。
また、現在のような知識集団でも技能集団でもない自衛隊が出現することになり、日常の隊務運営ばかりか、戦闘集団としての訓練などにおいても格段に劣化し、十分に機能しないことになろう。
徴兵制で現在の志願制と同等の能力を発揮することはしょせん不可能である。そのうえ、多数の隊員と長い訓練期間が必要となり、まず人件費がかさむ。
さらに教育訓練や装備品も多数が必要となり、従来のGDP(国内総生産)比1%どころではなくなる。最悪の場合、任務達成にも支障が出るかもしれない。
徴兵制にはこうした多くの問題があるが、こうしたことを認識したうえで、野党は発言してきたのであろうか。
米国で高まる日本への不満
米国では来年の大統領選へ向け、各候補者が名乗りを上げ、支持を勝ち取るために売り込みを図っている。
そうしたなかで、有事において米国が日本を助ける責務はあるが、日本が米国を助ける責務はない、といった批判が民主党の有力議員や共和党のトランプ候補な どから出ているそうである(参照:古森義久氏「一方通行の日米安保に米国で高まる不満 安保法制論議で語られない日本の米軍依存の現実」)。
不動産王のドナルド・トランプ氏が共和党候補者として現在のところ支持を高めている。氏の発言は直截的かつ刺激的である。日米関係で注目を浴びる発言に、安保条約は片務的で日本の防衛で米国の若者が死ぬことになると不満をぶち上げている。
発言には正確でない点もあるが、日本の安保法案で論点になっている集団的自衛権の行使に関連することであり、特別委での議論でも看過するわけにはいかないだろう。
従来、日本の防衛は日米同盟によって支えられてきた。吉田茂総理の時は、敗戦で塗炭の苦しみを味わっていた時期でもあり、防衛は米国に完全依存し、日本は戦後復興に集中する片務的状況を進んで甘受したといってよい。
経済が復興し、日本のプライドが許さないとして、日本人自身で双務的状況に改めようとしたのが岸信介総理の日米安全保障条約の改定であった。
条約改定で、米国が日本防衛の義務を負うと同様に、日本もしかるべき義務を負うことになったが、実際は憲法の制約から「必要最小限」の範囲を超える集団的自衛権は封印され「行使できない」状態で、米国が批判するように片務的であった。
米国の力が超絶していた時代は、自ら「世界の警察官」を宣揚するほど自信満々で、日本が集団的自衛権の行使を封印していても、ほとんど問題にならなかった。
しかし、「世界の警察官でない」いま、米国は日本に応分の負担を期待するようになってきた。また日本の防衛のために日米同盟を機能させるためにも、集団的自衛権の一部行使は十分条件ではないが、「必要条件」となってきたのである。
おわりに
安保法案の審議も最終局面を迎えている。成立すれば、自衛隊の積極的な行動で、抑止力の向上が期待される。他方で、自衛隊の活動機会や範囲は増大し、リスクも高くなるとみられる。
この自衛隊のリスク問題については、『WiLL』前掲誌に石原慎太郎氏が「不毛な議論は百害あって一利なし」で、今のままでは自衛隊・自衛官を救う手だて は非常に限られているとして、正しく自衛隊や自衛官という生き身の組織や個人をいかに守り、救うかということについて、議員として経験したことを踏まえて 論じ、安保法案の審議において本気で考えよと檄を飛ばしている。
野党は安保法案阻止のためとはいえ、「自衛隊のリスク」に大きな懸念を表明してきた。これほど自衛隊のことを思ってくれたからには、法案反対のための方便ではなかったと国民に示すためにも、自衛隊問題に真剣に取り組む責任を帯びたと言えよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44786?utm_source=ldr&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=link
2015.09.15 zakzak
私は、安全保障関連法案の審議が続く国会のまわりを訪れるごとに、反対派の人々の、のぼりやプラカードを見て、「アホ」と思った。
「日本は戦争をしないと誓った国」「戦争反対」「戦争はゴメンだ!」といった、のぼりやプラカードだが、行くべき場所を勘違いしている。国会ではなく、東京・元麻布の中国大使館の前で気勢をあげるべきなのだ。
中国の習近平国家主席は「5000年の偉大な中華文明の復興」を「中国の夢(チュングオモン)」として煽って、しばしば公的な場において、「戦争の準備を進めよ」と命じている。
中国の発表によっても、毎年、国防支出を世界のどの国よりも大きく増している。一体、日本政府と中国政府のどちらが、戦争熱に憑(つか)れているのだろうか。
162年前にペリーが黒船を率いて江戸湾にやってきたときに、もし、浦賀の海岸に「日本は戦争をしないと誓った国」というのぼりを立てて迎えたとしたら、 米国によってたちまち侵略されて、後に米国がフィリピンを奪ったときのように、抵抗した数十万人か、数百万人の国民が虐殺されていただろう。
120年前の日清戦争、110年前の日露戦争にあたって、「戦争反対」といっていたとしたら、日本が中国のチベット、ウイグルになったか、ロシアによる支配を受けていたはずだ。
反対を叫ぶ人々は怠惰だから、日本の幕末からの苦難の歴史を、まったく学んでいないのではないか。
日本に“平和憲法”という「呪(まじな)い札」があるからといって、世界の弱肉強食のあり方が、ちょっとでも変わるわけではない。
平和憲法は、平和をもたらしてくれない。そんなに「第9条」が素晴らしいものなら、中国の脅威を切実に蒙っている、インドからフィリピンまでの諸国が競って改憲して、「第9条」を採用していたに違いない。
ウクライナ憲法に「第9条」があったとしても、ロシアが2014年に白昼、ウクライナからクリミア半島を奪い取るのを、阻止できなかったはずだ。ロシアは軍服から記章をはぎ取った部隊を、民兵として偽装して、クリミアに乱入させた。
東西冷戦が終わってから、1994年に米国と英国はロシアとともに、万一、ウクライナが侵略されたら、軍事的に守ることを保証する合意文書(ブダペスト覚書)を交わしていた。
ところが、米国も、英国も腰が引けて、動かなかった。
■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」 初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書に『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社 新書)、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(ベスト新書)など多数。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150915/dms1509151550003-n1.htm
◆【ニッポンの新常識】世界中が認識 PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国
2015.09.12 zakzak
中華人民共和国(PRC)は3日、「抗日戦争と世界反ファシズム勝利70周年記念」と銘打った式典を開催した。史実を無視したネーミングで、PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国だ-と世界中が認識した。
しかし、これは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。
私は童謡「森のくまさん」を思い出した。日本語の歌詞だと、熊は「お逃げなさい」と警告した後、貝殻のイヤリングを拾う。それを返すためにお嬢さんを追いかけるのだ。熊にも性善説を適用するとは、あきれるほど日本的で平和な歌に生まれ変わっている。
ところが、米国の原曲だと、熊は人間に「銃を持たないなら逃げろ」という。熊の警告には銃の有無を確認し、逃げ回る人間の追跡を楽しみたい意図があるのだ。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)に色気を見せた欧州各国の首脳も今回の式典に招待されたが、熊の危険性を理解して、すたこらサッサと逃げ出した。「嘘つきの仲間に入れ」という踏み絵は踏まなかった。
他方、韓国のお嬢さんは躊躇(ちゅうちょ)しつつも踏み絵を踏んで、2匹の熊陣営にすり寄った。結果、歴史の真実だけでなく、自由主義陣営から受けた70年間の恩義もドブに捨てた。米国はどう出るのか。
余談だが、国連事務総長が式典に参加したのは最高だった。日本人の「国連信仰」を打破するきっかけになるはずだ。
私は、日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織の創設を呼び掛けるべきだと考えている。それこそが「戦後レジーム」の真の終焉(しゅうえん)である。
習近平国家主席らの大嘘にあきれる人は多いが、PRCは「だます方より、だまされる方が悪い」と考えている。平気で大嘘をつく行為は恥ではなく、出世に必要不可欠な能力であり、特権の行使とも言える。
日米欧諸国には倫理や道徳を重んじる建前があるので、PRCの常識は容認できない。この食い違いに、習氏はストレスを感じていたはずだ。
そこで、習氏は大胆な作戦に出た。史実を無視して歴史を捏造し、常識外れの行動を取ってもまったく恥じないことを、自ら全世界に証明したのだ。軍の慣例に反した「左手での敬礼」はその一部だろう。
つまり今後、誰かがPRCを信用してだまされても、だまされた方が悪いということになる。
こうして習氏は、PRCのローカル・ルールを、世界中が認めざるを得ない国際ルールへ昇格させたのだ。肉を切らせて骨を断つ。したたかな戦略には、脱帽せざるを得ない。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。83年、テレビ番組「世界まるごとHOW マッチ」にレギュラー出演し、一躍人気タレントとなる。現在は講演活動や企業経営を行う。自著・共著に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP 研究所)、『素晴らしい国・日本に告ぐ』(青林堂)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150912/dms1509121000004-n1.htm
「中国は核兵器を抑止力とは考えていない。実際に使うことのできる兵器だと思っている。アメリカは核兵器を、戦争を起こさないための抑止力として使っているのに対して、中国は、戦いを有利に進めるための兵器として使おうとしている」
マイケル・フィルスベリー博士は、ニクソン大統領からオバマ大統領に至るまで歴代のアメリカ大統領のもとで核戦略についての専門家として働き、とくに 1989年にソビエトが崩壊して冷戦が終わり、中国の軍事的脅威がアメリカの脅威になって以来、中国の戦略問題を分析してきた人物である。その彼が、支那 の核戦略を以上のように分析している。
それに対抗する北朝鮮の核開発も、最近の動向から通常兵器として核を考えているふしがある。なんとも厄介な特亜の隣国を持ったものだ。市民団体を操る共産党や民主党など反日政党は、明らかに特亜の意を受けた工作政党・売国政党であると断言できる。
◆【国防動員法】
2010年2月26日に全人代・常務員会で可決成立、同年7月1日施行(全14章)
中国の国防動員法要旨
一、国家主権、統一、領土が脅威に直面するとき、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される
一、国務院、中央軍事委員会が全国の動員工作を指導する
一、18~60歳の男性、18歳~55歳の女性は国防勤務を担当する義務がある
一、個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
一、金融、交通、マスコミ、医療施設などは必要に応じて政府や軍に管理される
一、各地方政府は国防動員の宣伝や愛国主義教育を積極的に展開すべきだ
一、国防の義務を履行せず、また拒否する場合、罰金または、刑事責任を問うこともある
国防動員委員会総合弁公室の主任、白自興少将が記者会見で伝えている内容
★民間企業は、戦略物資の準備と徴用に対する義務と責任がある
★外資、合弁企業も国防動員の生産を担うことができる
同国が「有事」と判断した場合の、在中の合弁下にある外資資産や工場ラインなどは総動員の管理下に置かれるとすることを合法化した新たな「法律」
同法律が全人代で可決された当時の様子を伝える記事(AFPBB)には、「チベットなどでの騒乱にも適用」、として、こう記されている。
云く、「中国軍関係者によると、同法は戦争時のほか、近年、チベット自治区や新疆ウイグル自治区で起きた騒乱や、自然災害時などにも適用される見通しだ」と。
いわば、中国共産党政府が「有事」「災害」と判断した、あらゆるケースに適用されることになる。たとえば、軍事弾圧のために、チベットやウィグルでの“騒乱”を新華社が造り出した場合においても、である。
“夢見多き”「中国への進出」を果たした企業は、その国籍を問わず、同国が「有事」と判断した時は、人民解放軍の軍事行動への幇助(ほうじょ)を、同法律下のもとで義務付けられる。
「国防動員法」は明確に「軍民(軍と民間)結合」「全国民参加」「長期準備」と位置づけている
★日本の場合、在日中国籍者、および関連資産もごく当然に含まれる
★「有事」には、駐日の中国大使館や総領事館などを連絡拠点として、総動員がかかる
★「祖国」の方針により、身近な在日中国籍者が、その実、人民解放軍の日本派遣「兵員」へと転じる
多くの中国人が日本に観光などで訪れる。その観光客が「有事」には中国大使館や総領事館に集結し、人民解放軍として日本国内に展開することになる。
軍事に直結する通信や科学技術などの分野に従事する民間の技術者、専門家らも徴用できるわけで、国営新華社通信は「法に基づいて国防の動員力を強め、国家の安全を守るために意義がある」と強調している。
当然この民間の技術者、専門家には外資・合弁企業が含まれる。
中国共産党員は8000万人。
人民解放軍は国民を守るためではなく、共産党を守るために存在する私兵である。
親中派の民主党岡田克也が外務大臣当時出した法案。
軍事基地の縮小、地域通貨の発行、ビザの免除による東アジアとの人的交流の促進、中国語などの学習、長期滞在中心「3000万人ステイ構想」などが組み込まれている。
沖縄は自国の領土だと影で主張している中国は半独立状態の沖縄を放っておくわけがない。
観光ビザで中国人が沖縄に大量に押し寄せて来るのは容易に想定できる。
2008年末に日本国籍を持つ父親の認知だけで子に日本国籍を与えられるように改悪されてしまった法案が今回のビザ緩和で効いて来るだろう。犯罪者に人身売買に利用され、偽装認知による不正な日本国籍取得が横行すると、容易に予想される。
子が日本国籍を持てば、その母親や親族は容易に日本定住の道が開ける。
2010年日本政府の統計によると在日中国人は約80万人、在日朝鮮人の60万人をこえた。
恐るべきは、教授として2440人も存在すると云う事実である。
韓国もこれと同様に、国防動員法を成立させている。
◆2012年3月24日民主と中国共産党中央対外連絡部(中連部)と、ホットライン設置で合意
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE24001_U2A320C1PE8000/?at=DGXZZO0195570008122009000000
民主党は樽床伸二幹事長代行、中国共産党は中央対外連絡部(中連部)の劉結一副部長が窓口を担う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
民主党は中共中央対外連絡部(中連部)と、ホットラインを開設している。中国共産党の中央対外連絡部(中連部)とは、スパイ組織の総本部である。おそらくそこから指令が出ているだろう。
もし人民解放軍と尖閣諸島で衝突すれば、民主党は党ぐるみで外患罪に問われることになる。
2015年米韓相互防衛条約が終了、統制権委譲の後は米の押さえがなくなり、日本はともかく韓国は竹島問題で 往生するだろう。武力衝突は必至で、同時にテロゲリラ作戦が実施される。2015年中には機動戦闘車200両を対テロゲリラ対策に配備の予定だ。そのため 従来は機甲部隊配備を普通化部隊配備と軍の編成を変更している。
◆集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり-最高裁
2015/07/31 時事通信
集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定は違憲だとして、元三重県職員の珍道世直さん(76)=津市=が閣議決定の無効確認を求めた訴訟で、最高 裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は29日付で、珍道さん側の上告を棄却する決定をした。訴えを却下した一、二審判決が確定した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507%2F2015073101067&g=soc
憲法学者や野党やプロ市民団体が違憲合憲を判定するわけではない。まして内閣法制局が判定するわけでもない。法制局は内閣に助言をするだけだ。日本は三権分立の法治国家である。最終的に、判定を下せるのは最高裁判所法廷である。
その最高裁判所が集団的自衛権の行使を違憲ではないと判定した。
民主党は安倍政権の集団的自衛権の憲法解釈見直しを批判している。行使容認の必要性は突然出てきたものではなく、安全保障政策の観点から長年、議論されてきた。そしてこの憲法解釈を変更するには、相当の議論と重みがあった。
民 主党が政権に就いていた一時期、「政治主導」の名の下に、内閣法制局長官を国会審議で答弁する「政府特別補佐人」から外し、法令解釈の答弁を官房長官らが 担っていた。岡田氏はじめ民主党幹部は国民の前で安易に「徴兵制復活」を連呼しているが、憲法解釈を見直す意味や重みをどう考えているのだろうか。
フェイスブック、関芳弘氏の記事より
日本国憲法第13条で、日本国民はその生命を日本国の行政上で最大限尊重されるとしている。つまり、政府は当然ながら、日本国民の生命 が危機に瀕した時、護る義務があるとしているのだ。もちろん当たり前の話。外国が攻めて来た時、政府たる自衛隊が日本国民を一切助けないなど、考えられな い。その意味において、外国のパワーが強くなってきているから、安全を図るため法律を改正する。このことに意義を唱える際には、どのように国民を護ろうと しているか、その方法を具体的に示して欲しい。9条と13条。その整合性こそ、「自衛権」の根本の意味である。外国が日本に対して悪いことをしなければ、 効力の発生しない今回の法律。その成立を阻止しようとすることこそ、憲法13条に如何に言い訳するのだろうか?客観的に自衛権を考える世界の人から見て、 不思議に見えないのだろか?
現在のデモや野党の発言では冒頭の記事にあるように、「戦争法案反対」「自衛隊員が 戦闘で死ぬリスクが」となり、自衛隊は違憲から、「集団的自衛権は違憲」という論調に変わった。災害時の自衛隊出動に、2~3人未だに自衛隊が違憲だから 救助を受けるなという変な人は居るが、共産党にしろ民主党にしろ明らかに変化した。
今後これで野党は「自衛隊は違憲」という論理は使えない。自分で縛りをかけたのも同然だろう。多分民主党は、大きなブーメランを投げそうな予感はするが。
目覚めよ日本!
法案阻止の名目で「自衛官のリスク」を言い募る政党の姑息
2015.9.16(水) 森 清勇 JB PRESS
「木を見て森を見ず」という諺がある。安保法案は「日本のリスク」を抑止する法案であるが、反対派は「自衛官のリスク」を高める戦争法案だと矮小化して宣伝する。また、徴兵制の復活を主張するに至っては、現状を知らなさすぎ、笑止千万である。
政府・与党は国民に法案を理解してもらう必要から、衆参両院の平和安全法制特別委員会で野党に与党の6~9倍も多い質問時間を与え、実のある論戦を期待した。
しかし、廃案を目指す野党は法案の必要性という本質に迫る質問をせず、違憲の主張と法律専門家しか理解できない法的整合性ばかりを問い、また重箱の隅をつつくような議論で政府を混乱させ、「国民の理解が得られない」と難詰するばかりであった。
自衛隊を殺すのは野党だ!
この小見出しは、月刊誌『WiLL』(2015年8月号)掲載の堤堯・久保紘之両氏の「蒟蒻問答」につけられた表題である。安保法案の論戦を聞いていて、まさしくこの通りだと思い、上手い表現に感心して借用した。
最大野党の民主党は安保法案に対する対案さえ出せない体たらくに加え、自衛官に寄り添うかのような欺瞞で真剣な論戦を回避する振る舞いに終始した。
廃案にしたい野党だから一時しのぎの自衛隊寄りも仕方ないが、本質を外らし、単なる自説の開陳か、あるいは自党の宣伝をして国民を混乱させるばかりでは責任を果たしているとは言えない。
イラク派遣に関する陸上自衛隊と航空自衛隊の報告書は、PKO(平和維持活動)や人道復興支援などの「美しい」言葉とは裏腹に、場合によっては「死」を伴 う危険なもので、派遣前に国会で議論された特措法が、「机上の空論」で練り上げられたものでしかなかったという問題の提示であった。
現実に派遣される自衛隊の活動がいかに困難であったかという教訓を生かして安保法案に取り入れるべきであったが、野党はもっぱら「『非戦闘地域』とは言い難かったじゃないか」という批判の材料として政府を責めばかりで、少しも議論に前進が見られなかった。
首相ばかりでなく、テレビで審議状況を観覧している国民にとっても、「早く質問しろよ」と言いたくなる場面が多く、法案の必要性を国民に理解してもらいたい政府としては、一分一秒がもったいなかったに違いない。
参院特別委では「どうでもいいだろう」発言も首相から飛び出した。
防衛大臣の言い間違いを首相が正した。しかし、野党は「主務大臣さえ理解困難な法案」と国民に印象づけるべく、「ここを先途」と追求するので、首相が「先へ進もうよ」という意味で発したのだ。
ともあれ、野党には端から国際情勢との関係で安保法案を進めようとする意思は見られない。そうしたなかで、野党が「自衛隊のリスク」を強調したことは注目に値する。
従来、自衛隊のことをあまり考えなかった野党である。イラクやその他、今も続くPKO活動などにおいて、派遣部隊が柔軟対処できず、リスクを高める現法制は、野党への妥協がもたらしたものである。
また、日常的に繰り返される領空侵犯や自衛艦への射撃用レーダー照射などに対し、自衛隊が国際法や慣習法に則った対処ができない状況も同様である。
そうした諸々の制約から、部隊や自身の防護さえ思うに任せない雁字搦めの自衛隊にされてきたのが、小見出しの「自衛隊を殺すのは野党だ!」に込められた意味である。
自衛官には名誉と処遇改善を
大多数の憲法学者たちが言うように、安保法制が憲法違反であると言う指摘に従って、立憲主義の日本が安保法案を取り下げ、また、一部の憲法学者は自衛隊さえ違憲と見ているので、自衛隊をも解散すれば、日米同盟は必然的に解消されるであろう。
その結果、何が起こるか。間違いなく中国は尖閣諸島どころか、沖縄そして九州全域までにも侵攻し、「日本自治区」を宣言するだろう。現にネット上での中国外務省の地図ではそうなっている。
そして、共産党の支配構造からは、自治区に解放軍と多数の漢人を送り込み、言論の自由ばかりか、集会やデモの自由も、その他現在の日本人が享受しているありとあらゆる権利を剥奪するに違いない。
同時に、合憲論を展開してきた憲法学者、並びに右翼や国家主義者と称されている人物は言うまでもないが、違憲論の憲法学者を含めた知識人も拘束するに違いない。
中国製戦車に立ち向かう素手の日本人という、日本版「天安門事件」が沖縄で、そして九州で、さらには日本国土で展開されることになろう。
これほどの悪夢はなく、日本国民にとっては地獄絵図だ。こんなつもりではなかったと言っても後の祭りである。
安保法案は、この惨劇を抑止する最小限の準備である。
中国は既に、東シナ海上空には防空識別圏を設定し、領空化を図ろうとさえした。南シナ海では軍事基地化を進める行動をとっているように、東シナ海でも日本が注意を逸らしている間に、いつ軍事基地化が行われないとも限らない。
尖閣諸島は古来中国の領土であったと主張しているし、ガス田の採掘にかこつけて施設の拡充を図っている。現在は点としての施設であるが、いずれは線となり面となるであろう。
自衛隊はこうした事態に対処する組織である。「死」を意識するかしないかはともかく、自衛官だけが「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」と宣誓して任務に服している。
自衛官のリスクを軽減することは大切である。そのリスクを承知で、「国家のリスク」を抑止するために避けられない宿命を背負う隊員には、名誉としかるべき処遇を与えることこそが、最大の報いとなる。
憲法違反などと称されることは最大の不名誉であり、警察官や消防などと比べて叙勲(自衛官は警察の半分程度)や賞恤金(しょうじゅつきん:自衛官6000万円に対し他は9000万円)を見ただけでも処遇の低さは一目瞭然である。
徴兵制では機能しない自衛隊
平成27年版「防衛白書」に、「技能集団としての防衛省・自衛隊」という紹介コラムがある。
ここでは、自衛隊が防衛・警備・各種災害などのあらゆる状況下において確実に任務を遂行できるために、自衛官の本務である戦闘・戦技能力に加え、民間のインフラや技術に依存しないで活動できる能力(自己完結性という)を保持していることが必要であるとしている。
このために、自衛隊には民間に存在するほとんどの技能、例えば小型船舶操縦士、自動車整備士、気象予報士、無線通信士などの資格を有する隊員のほかにも、スキー、潜水士、救難員などの特技を有する隊員がいる。
また、隊員が日々勤務する駐屯地や基地などには建築士、電気工事士、ボイラー技士、危険物取扱者、栄養士などの資格や特技を有する隊員もいる。
その他、医師、看護師、薬剤師、救急救命士などの資格を有する隊員が、自衛隊病院や駐屯地医務室などで医療行為を行っており、まさしく技能集団である。
こうした資格や特技は一般隊員が取得するもので、平成25(2013)年度の自衛官の応募・採用状況を同白書で見ると、採用9188人に対し応募者は3万 3534人で、3.6(女子6.0)倍となっている。受験すればだれでも合格できる自衛隊ではないし、女子にあってはさらに高い倍率である。
さらに幹部自衛官や高度技術を要する職域についてみると、一般大学などからの幹部候補生は34.8(女子45.9)倍、防衛大学校は42.5(同 121.2)倍、防衛医科大学校は105.4(同110.2)倍、航空学生は33.9(同61.2)倍などとなっており、すべてが30倍以上である。女子 は一般隊員同様に、さらに高倍率である。
以上から分かるように、現在の自衛隊は知能・技能集団である。単純 比較で、戦前の徴兵制師団は1.5~2万人であったが、現在の志願制師団では7000人ほどである。2分の1から3分の1の兵員で師団が編制されているこ とになる。デジタル師団と呼称されるほど、知能化した組織である。
徴兵制となれば、試験等で採用されなかった人たちも招集されるわけで、選抜されたものに対して行われてきた教育や訓練のように、スムーズにはいかない。
また、現在のような知識集団でも技能集団でもない自衛隊が出現することになり、日常の隊務運営ばかりか、戦闘集団としての訓練などにおいても格段に劣化し、十分に機能しないことになろう。
徴兵制で現在の志願制と同等の能力を発揮することはしょせん不可能である。そのうえ、多数の隊員と長い訓練期間が必要となり、まず人件費がかさむ。
さらに教育訓練や装備品も多数が必要となり、従来のGDP(国内総生産)比1%どころではなくなる。最悪の場合、任務達成にも支障が出るかもしれない。
徴兵制にはこうした多くの問題があるが、こうしたことを認識したうえで、野党は発言してきたのであろうか。
米国で高まる日本への不満
米国では来年の大統領選へ向け、各候補者が名乗りを上げ、支持を勝ち取るために売り込みを図っている。
そうしたなかで、有事において米国が日本を助ける責務はあるが、日本が米国を助ける責務はない、といった批判が民主党の有力議員や共和党のトランプ候補な どから出ているそうである(参照:古森義久氏「一方通行の日米安保に米国で高まる不満 安保法制論議で語られない日本の米軍依存の現実」)。
不動産王のドナルド・トランプ氏が共和党候補者として現在のところ支持を高めている。氏の発言は直截的かつ刺激的である。日米関係で注目を浴びる発言に、安保条約は片務的で日本の防衛で米国の若者が死ぬことになると不満をぶち上げている。
発言には正確でない点もあるが、日本の安保法案で論点になっている集団的自衛権の行使に関連することであり、特別委での議論でも看過するわけにはいかないだろう。
従来、日本の防衛は日米同盟によって支えられてきた。吉田茂総理の時は、敗戦で塗炭の苦しみを味わっていた時期でもあり、防衛は米国に完全依存し、日本は戦後復興に集中する片務的状況を進んで甘受したといってよい。
経済が復興し、日本のプライドが許さないとして、日本人自身で双務的状況に改めようとしたのが岸信介総理の日米安全保障条約の改定であった。
条約改定で、米国が日本防衛の義務を負うと同様に、日本もしかるべき義務を負うことになったが、実際は憲法の制約から「必要最小限」の範囲を超える集団的自衛権は封印され「行使できない」状態で、米国が批判するように片務的であった。
米国の力が超絶していた時代は、自ら「世界の警察官」を宣揚するほど自信満々で、日本が集団的自衛権の行使を封印していても、ほとんど問題にならなかった。
しかし、「世界の警察官でない」いま、米国は日本に応分の負担を期待するようになってきた。また日本の防衛のために日米同盟を機能させるためにも、集団的自衛権の一部行使は十分条件ではないが、「必要条件」となってきたのである。
おわりに
安保法案の審議も最終局面を迎えている。成立すれば、自衛隊の積極的な行動で、抑止力の向上が期待される。他方で、自衛隊の活動機会や範囲は増大し、リスクも高くなるとみられる。
この自衛隊のリスク問題については、『WiLL』前掲誌に石原慎太郎氏が「不毛な議論は百害あって一利なし」で、今のままでは自衛隊・自衛官を救う手だて は非常に限られているとして、正しく自衛隊や自衛官という生き身の組織や個人をいかに守り、救うかということについて、議員として経験したことを踏まえて 論じ、安保法案の審議において本気で考えよと檄を飛ばしている。
野党は安保法案阻止のためとはいえ、「自衛隊のリスク」に大きな懸念を表明してきた。これほど自衛隊のことを思ってくれたからには、法案反対のための方便ではなかったと国民に示すためにも、自衛隊問題に真剣に取り組む責任を帯びたと言えよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44786?utm_source=ldr&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=link
◆中国国営テレビ局がなぜNHK内部にあるのか
中国中央電視台 日本支局
オフィス
神南2-2-1 (NHK放送センタービル内), 渋谷区,
中国国営テレビCCTV(中国名称は中国中央電視台)といえば、反日の評論や報道、そして日本人を殺人鬼のように描く反日ドラマの放映で知られています。
その中国国営テレビの日本支局というのが、なんとわが日本国の公営放送のNHKの内部に存在しているのです。
中国国営テレビは中国共産党の対外宣伝武器です。
そのテレビは中国当局の対日プロパガンダ発信の担い手です。
そんな中国の国営テレビが日本の公営放送のNHKの施設を使っている。
なぜなのでしょうか。
NHKはいうまでもなく単なるテレビ局、放送局ではありません。
日本の政府や国民に守られ、法的にも特権を得ているオールジャパンのメディアです。日本の公共資産ともいえます。
そんな日本の公共資産のNHKが日本を敵視する中国の国営テレビに特別に施設を供与する。なぜなのでしょうか。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/3224046/
中国中央電視台 日本支局
オフィス
神南2-2-1 (NHK放送センタービル内), 渋谷区,
中国国営テレビCCTV(中国名称は中国中央電視台)といえば、反日の評論や報道、そして日本人を殺人鬼のように描く反日ドラマの放映で知られています。
その中国国営テレビの日本支局というのが、なんとわが日本国の公営放送のNHKの内部に存在しているのです。
中国国営テレビは中国共産党の対外宣伝武器です。
そのテレビは中国当局の対日プロパガンダ発信の担い手です。
そんな中国の国営テレビが日本の公営放送のNHKの施設を使っている。
なぜなのでしょうか。
NHKはいうまでもなく単なるテレビ局、放送局ではありません。
日本の政府や国民に守られ、法的にも特権を得ているオールジャパンのメディアです。日本の公共資産ともいえます。
そんな日本の公共資産のNHKが日本を敵視する中国の国営テレビに特別に施設を供与する。なぜなのでしょうか。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/3224046/
◆【SEALDs】学習院大学教授「私たちはこの歩行者天国をハイジャックした。この力で安倍から日本を取り戻そう」
2015年09月11日 保守速報
「SEALDs」と「安全保障関連法案に反対する学者の会」が共同で、同法案に反対する抗議集会を、
2015年の9月6日(日)に、買い物客でにぎわう東京・新宿で行なった。
参加人数は主催者発表で1万2千人。(中略)
「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人である学習院大学教授の佐藤学氏によれば、
学生と学者の会が、7月31日に第一弾の共同行動を砂防会館(東京・千代田区)で開催した際は、
参加者4000人だったとのこと。それから一ヶ月余りで、同法案に反対の声をあげる人々が、格段に
増えていることに手応えを示した。その上で、
「私たちはこの歩行者天国をハイジャックしました。この力で安倍から日本を取り戻しましょう」
とステージから呼びかけ、一週間後に再度抗議集会を開催すると述べた。
暴力という手段で平和を訴える矛盾~ピース暴徒
福島瑞穂が1998年から2009年まで学習院女子大学の客員教授だった事実と、担当した科目が必須科目で4単位とは非常に大きな影響力を持っていたことになる。
皇族方が多く学ぶ学園が、私たちの知らない間に反日の巣窟と化していたことは、由々しき問題である。今回のSEALDsに参加した佐藤学や反日教授 諏訪哲郎が「文学部教育学科」を新設し、授業の一環としての、訪中、訪韓旅行では、皇族のお一人である佳子様に、旅行先の現地で、頭を下げさせようと考えていたようである。
第二外国語で中国語もしくは朝鮮語の履修を義務づけるとし、佳子様が中国語を希望されたが希望は通らず、韓国語になった 。
韓国で土下座させられて、「天皇の孫が土下座」と大々的に宣伝される前に逃げて正解だろう。
このような学内の状況を知った宮家としては、事を荒立てることを避け転校を決断されたようだ。
◆【日本を守る】「9条」だけで平和は守れない 中国は「戦争の準備を進めよ」と公言している2015年の9月6日(日)に、買い物客でにぎわう東京・新宿で行なった。
参加人数は主催者発表で1万2千人。(中略)
「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人である学習院大学教授の佐藤学氏によれば、
学生と学者の会が、7月31日に第一弾の共同行動を砂防会館(東京・千代田区)で開催した際は、
参加者4000人だったとのこと。それから一ヶ月余りで、同法案に反対の声をあげる人々が、格段に
増えていることに手応えを示した。その上で、
「私たちはこの歩行者天国をハイジャックしました。この力で安倍から日本を取り戻しましょう」
とステージから呼びかけ、一週間後に再度抗議集会を開催すると述べた。
暴力という手段で平和を訴える矛盾~ピース暴徒
福島瑞穂が1998年から2009年まで学習院女子大学の客員教授だった事実と、担当した科目が必須科目で4単位とは非常に大きな影響力を持っていたことになる。
皇族方が多く学ぶ学園が、私たちの知らない間に反日の巣窟と化していたことは、由々しき問題である。今回のSEALDsに参加した佐藤学や反日教授 諏訪哲郎が「文学部教育学科」を新設し、授業の一環としての、訪中、訪韓旅行では、皇族のお一人である佳子様に、旅行先の現地で、頭を下げさせようと考えていたようである。
第二外国語で中国語もしくは朝鮮語の履修を義務づけるとし、佳子様が中国語を希望されたが希望は通らず、韓国語になった 。
韓国で土下座させられて、「天皇の孫が土下座」と大々的に宣伝される前に逃げて正解だろう。
このような学内の状況を知った宮家としては、事を荒立てることを避け転校を決断されたようだ。
2015.09.15 zakzak
私は、安全保障関連法案の審議が続く国会のまわりを訪れるごとに、反対派の人々の、のぼりやプラカードを見て、「アホ」と思った。
「日本は戦争をしないと誓った国」「戦争反対」「戦争はゴメンだ!」といった、のぼりやプラカードだが、行くべき場所を勘違いしている。国会ではなく、東京・元麻布の中国大使館の前で気勢をあげるべきなのだ。
中国の習近平国家主席は「5000年の偉大な中華文明の復興」を「中国の夢(チュングオモン)」として煽って、しばしば公的な場において、「戦争の準備を進めよ」と命じている。
中国の発表によっても、毎年、国防支出を世界のどの国よりも大きく増している。一体、日本政府と中国政府のどちらが、戦争熱に憑(つか)れているのだろうか。
162年前にペリーが黒船を率いて江戸湾にやってきたときに、もし、浦賀の海岸に「日本は戦争をしないと誓った国」というのぼりを立てて迎えたとしたら、 米国によってたちまち侵略されて、後に米国がフィリピンを奪ったときのように、抵抗した数十万人か、数百万人の国民が虐殺されていただろう。
120年前の日清戦争、110年前の日露戦争にあたって、「戦争反対」といっていたとしたら、日本が中国のチベット、ウイグルになったか、ロシアによる支配を受けていたはずだ。
反対を叫ぶ人々は怠惰だから、日本の幕末からの苦難の歴史を、まったく学んでいないのではないか。
日本に“平和憲法”という「呪(まじな)い札」があるからといって、世界の弱肉強食のあり方が、ちょっとでも変わるわけではない。
平和憲法は、平和をもたらしてくれない。そんなに「第9条」が素晴らしいものなら、中国の脅威を切実に蒙っている、インドからフィリピンまでの諸国が競って改憲して、「第9条」を採用していたに違いない。
ウクライナ憲法に「第9条」があったとしても、ロシアが2014年に白昼、ウクライナからクリミア半島を奪い取るのを、阻止できなかったはずだ。ロシアは軍服から記章をはぎ取った部隊を、民兵として偽装して、クリミアに乱入させた。
東西冷戦が終わってから、1994年に米国と英国はロシアとともに、万一、ウクライナが侵略されたら、軍事的に守ることを保証する合意文書(ブダペスト覚書)を交わしていた。
ところが、米国も、英国も腰が引けて、動かなかった。
■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」 初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書に『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社 新書)、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(ベスト新書)など多数。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150915/dms1509151550003-n1.htm
◆【ニッポンの新常識】世界中が認識 PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国
2015.09.12 zakzak
中華人民共和国(PRC)は3日、「抗日戦争と世界反ファシズム勝利70周年記念」と銘打った式典を開催した。史実を無視したネーミングで、PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国だ-と世界中が認識した。
しかし、これは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。
私は童謡「森のくまさん」を思い出した。日本語の歌詞だと、熊は「お逃げなさい」と警告した後、貝殻のイヤリングを拾う。それを返すためにお嬢さんを追いかけるのだ。熊にも性善説を適用するとは、あきれるほど日本的で平和な歌に生まれ変わっている。
ところが、米国の原曲だと、熊は人間に「銃を持たないなら逃げろ」という。熊の警告には銃の有無を確認し、逃げ回る人間の追跡を楽しみたい意図があるのだ。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)に色気を見せた欧州各国の首脳も今回の式典に招待されたが、熊の危険性を理解して、すたこらサッサと逃げ出した。「嘘つきの仲間に入れ」という踏み絵は踏まなかった。
他方、韓国のお嬢さんは躊躇(ちゅうちょ)しつつも踏み絵を踏んで、2匹の熊陣営にすり寄った。結果、歴史の真実だけでなく、自由主義陣営から受けた70年間の恩義もドブに捨てた。米国はどう出るのか。
余談だが、国連事務総長が式典に参加したのは最高だった。日本人の「国連信仰」を打破するきっかけになるはずだ。
私は、日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織の創設を呼び掛けるべきだと考えている。それこそが「戦後レジーム」の真の終焉(しゅうえん)である。
習近平国家主席らの大嘘にあきれる人は多いが、PRCは「だます方より、だまされる方が悪い」と考えている。平気で大嘘をつく行為は恥ではなく、出世に必要不可欠な能力であり、特権の行使とも言える。
日米欧諸国には倫理や道徳を重んじる建前があるので、PRCの常識は容認できない。この食い違いに、習氏はストレスを感じていたはずだ。
そこで、習氏は大胆な作戦に出た。史実を無視して歴史を捏造し、常識外れの行動を取ってもまったく恥じないことを、自ら全世界に証明したのだ。軍の慣例に反した「左手での敬礼」はその一部だろう。
つまり今後、誰かがPRCを信用してだまされても、だまされた方が悪いということになる。
こうして習氏は、PRCのローカル・ルールを、世界中が認めざるを得ない国際ルールへ昇格させたのだ。肉を切らせて骨を断つ。したたかな戦略には、脱帽せざるを得ない。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。83年、テレビ番組「世界まるごとHOW マッチ」にレギュラー出演し、一躍人気タレントとなる。現在は講演活動や企業経営を行う。自著・共著に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP 研究所)、『素晴らしい国・日本に告ぐ』(青林堂)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150912/dms1509121000004-n1.htm
「中国は核兵器を抑止力とは考えていない。実際に使うことのできる兵器だと思っている。アメリカは核兵器を、戦争を起こさないための抑止力として使っているのに対して、中国は、戦いを有利に進めるための兵器として使おうとしている」
マイケル・フィルスベリー博士は、ニクソン大統領からオバマ大統領に至るまで歴代のアメリカ大統領のもとで核戦略についての専門家として働き、とくに 1989年にソビエトが崩壊して冷戦が終わり、中国の軍事的脅威がアメリカの脅威になって以来、中国の戦略問題を分析してきた人物である。その彼が、支那 の核戦略を以上のように分析している。
それに対抗する北朝鮮の核開発も、最近の動向から通常兵器として核を考えているふしがある。なんとも厄介な特亜の隣国を持ったものだ。市民団体を操る共産党や民主党など反日政党は、明らかに特亜の意を受けた工作政党・売国政党であると断言できる。
◆【国防動員法】
2010年2月26日に全人代・常務員会で可決成立、同年7月1日施行(全14章)
中国の国防動員法要旨
一、国家主権、統一、領土が脅威に直面するとき、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される
一、国務院、中央軍事委員会が全国の動員工作を指導する
一、18~60歳の男性、18歳~55歳の女性は国防勤務を担当する義務がある
一、個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
一、金融、交通、マスコミ、医療施設などは必要に応じて政府や軍に管理される
一、各地方政府は国防動員の宣伝や愛国主義教育を積極的に展開すべきだ
一、国防の義務を履行せず、また拒否する場合、罰金または、刑事責任を問うこともある
国防動員委員会総合弁公室の主任、白自興少将が記者会見で伝えている内容
★民間企業は、戦略物資の準備と徴用に対する義務と責任がある
★外資、合弁企業も国防動員の生産を担うことができる
同国が「有事」と判断した場合の、在中の合弁下にある外資資産や工場ラインなどは総動員の管理下に置かれるとすることを合法化した新たな「法律」
同法律が全人代で可決された当時の様子を伝える記事(AFPBB)には、「チベットなどでの騒乱にも適用」、として、こう記されている。
云く、「中国軍関係者によると、同法は戦争時のほか、近年、チベット自治区や新疆ウイグル自治区で起きた騒乱や、自然災害時などにも適用される見通しだ」と。
いわば、中国共産党政府が「有事」「災害」と判断した、あらゆるケースに適用されることになる。たとえば、軍事弾圧のために、チベットやウィグルでの“騒乱”を新華社が造り出した場合においても、である。
“夢見多き”「中国への進出」を果たした企業は、その国籍を問わず、同国が「有事」と判断した時は、人民解放軍の軍事行動への幇助(ほうじょ)を、同法律下のもとで義務付けられる。
「国防動員法」は明確に「軍民(軍と民間)結合」「全国民参加」「長期準備」と位置づけている
★日本の場合、在日中国籍者、および関連資産もごく当然に含まれる
★「有事」には、駐日の中国大使館や総領事館などを連絡拠点として、総動員がかかる
★「祖国」の方針により、身近な在日中国籍者が、その実、人民解放軍の日本派遣「兵員」へと転じる
多くの中国人が日本に観光などで訪れる。その観光客が「有事」には中国大使館や総領事館に集結し、人民解放軍として日本国内に展開することになる。
軍事に直結する通信や科学技術などの分野に従事する民間の技術者、専門家らも徴用できるわけで、国営新華社通信は「法に基づいて国防の動員力を強め、国家の安全を守るために意義がある」と強調している。
当然この民間の技術者、専門家には外資・合弁企業が含まれる。
中国共産党員は8000万人。
人民解放軍は国民を守るためではなく、共産党を守るために存在する私兵である。
親中派の民主党岡田克也が外務大臣当時出した法案。
軍事基地の縮小、地域通貨の発行、ビザの免除による東アジアとの人的交流の促進、中国語などの学習、長期滞在中心「3000万人ステイ構想」などが組み込まれている。
沖縄は自国の領土だと影で主張している中国は半独立状態の沖縄を放っておくわけがない。
観光ビザで中国人が沖縄に大量に押し寄せて来るのは容易に想定できる。
2008年末に日本国籍を持つ父親の認知だけで子に日本国籍を与えられるように改悪されてしまった法案が今回のビザ緩和で効いて来るだろう。犯罪者に人身売買に利用され、偽装認知による不正な日本国籍取得が横行すると、容易に予想される。
子が日本国籍を持てば、その母親や親族は容易に日本定住の道が開ける。
2010年日本政府の統計によると在日中国人は約80万人、在日朝鮮人の60万人をこえた。
恐るべきは、教授として2440人も存在すると云う事実である。
韓国もこれと同様に、国防動員法を成立させている。
◆2012年3月24日民主と中国共産党中央対外連絡部(中連部)と、ホットライン設置で合意
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE24001_U2A320C1PE8000/?at=DGXZZO0195570008122009000000
民主党は樽床伸二幹事長代行、中国共産党は中央対外連絡部(中連部)の劉結一副部長が窓口を担う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
民主党は中共中央対外連絡部(中連部)と、ホットラインを開設している。中国共産党の中央対外連絡部(中連部)とは、スパイ組織の総本部である。おそらくそこから指令が出ているだろう。
もし人民解放軍と尖閣諸島で衝突すれば、民主党は党ぐるみで外患罪に問われることになる。
2015年米韓相互防衛条約が終了、統制権委譲の後は米の押さえがなくなり、日本はともかく韓国は竹島問題で 往生するだろう。武力衝突は必至で、同時にテロゲリラ作戦が実施される。2015年中には機動戦闘車200両を対テロゲリラ対策に配備の予定だ。そのため 従来は機甲部隊配備を普通化部隊配備と軍の編成を変更している。
◆集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり-最高裁
2015/07/31 時事通信
集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定は違憲だとして、元三重県職員の珍道世直さん(76)=津市=が閣議決定の無効確認を求めた訴訟で、最高 裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は29日付で、珍道さん側の上告を棄却する決定をした。訴えを却下した一、二審判決が確定した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507%2F2015073101067&g=soc
憲法学者や野党やプロ市民団体が違憲合憲を判定するわけではない。まして内閣法制局が判定するわけでもない。法制局は内閣に助言をするだけだ。日本は三権分立の法治国家である。最終的に、判定を下せるのは最高裁判所法廷である。
その最高裁判所が集団的自衛権の行使を違憲ではないと判定した。
民主党は安倍政権の集団的自衛権の憲法解釈見直しを批判している。行使容認の必要性は突然出てきたものではなく、安全保障政策の観点から長年、議論されてきた。そしてこの憲法解釈を変更するには、相当の議論と重みがあった。
民 主党が政権に就いていた一時期、「政治主導」の名の下に、内閣法制局長官を国会審議で答弁する「政府特別補佐人」から外し、法令解釈の答弁を官房長官らが 担っていた。岡田氏はじめ民主党幹部は国民の前で安易に「徴兵制復活」を連呼しているが、憲法解釈を見直す意味や重みをどう考えているのだろうか。
フェイスブック、関芳弘氏の記事より
日本国憲法第13条で、日本国民はその生命を日本国の行政上で最大限尊重されるとしている。つまり、政府は当然ながら、日本国民の生命 が危機に瀕した時、護る義務があるとしているのだ。もちろん当たり前の話。外国が攻めて来た時、政府たる自衛隊が日本国民を一切助けないなど、考えられな い。その意味において、外国のパワーが強くなってきているから、安全を図るため法律を改正する。このことに意義を唱える際には、どのように国民を護ろうと しているか、その方法を具体的に示して欲しい。9条と13条。その整合性こそ、「自衛権」の根本の意味である。外国が日本に対して悪いことをしなければ、 効力の発生しない今回の法律。その成立を阻止しようとすることこそ、憲法13条に如何に言い訳するのだろうか?客観的に自衛権を考える世界の人から見て、 不思議に見えないのだろか?
現在のデモや野党の発言では冒頭の記事にあるように、「戦争法案反対」「自衛隊員が 戦闘で死ぬリスクが」となり、自衛隊は違憲から、「集団的自衛権は違憲」という論調に変わった。災害時の自衛隊出動に、2~3人未だに自衛隊が違憲だから 救助を受けるなという変な人は居るが、共産党にしろ民主党にしろ明らかに変化した。
今後これで野党は「自衛隊は違憲」という論理は使えない。自分で縛りをかけたのも同然だろう。多分民主党は、大きなブーメランを投げそうな予感はするが。
目覚めよ日本!
アメリカが爆弾を投下し、EUが難民と非難を受ける。これは正気ではない。
2015年9月9日 マスコミに載らない海外記事
Eric ZUESSE
2015年9月7日 | 00:00
Strategic Culture Foundation
2011 年から、アメリカ合州国は、親ロシア派の独裁者ムアマル・カダフィを打倒する為にリビアへの爆弾投下を開始した。現在、このアメリカのリビア爆撃作戦と、 更には、シリア爆撃作戦によって、引き起こされている難民危機に対する、ヨーロッパ諸国の態度への罪悪感で、EU自身が引き裂かれている。
ヨー ロッパは、東ウクライナにおける、アメリカが支援する爆撃作戦(2014年にアメリカが据えた反ロシア・ウクライナ政府が、2014年2月のアメリカ・ クーデターを拒否しているこの親ロシア地域の人々に、‘テロリスト’とレッテルを貼り、それゆえ爆撃されても、あるいは焼夷弾爆撃までされても当然だとい うことで‘対テロリスト作戦’略称‘ATO’と呼ぶ爆撃作戦)からの難民も受け入れている。
ところが、アメリ カが引き起こした、ヨーロッパへのこの何百万人もの難民にもかかわらず、NATO自体の存在理由(東からの共産主義者の侵略に対するヨーロッパ防衛)が すっかり消滅してから何十年もたっても、ヨーロッパ諸国は、いまだにアメリカ軍が、ヨーロッパの地に駐留したままでいるのを認めている。(ソ連版のこの等 価物、ワルシャワ条約は、1991年、ソ連自身が解体した際に、解散し消滅したのに、NATOは存続し続け、ソ連の脅威を喧伝したのと同様に、あたかも、 共産主義が崩壊した際に、何の変化もなかったかの様に、まるで、冷戦のイデオロギー的理由が、ずっとインチキであったかのごとく、‘ロシアの脅威’を絶え ずしつこく宣伝している。“新冷戦”は、どの様にしても、正当化などできようがない。) ロシアは今、この新たに変貌したNATOの対ロシア軍事演習で、益々可能性が高まっているNATOのロシア侵略に備える為、同様なロシアの防衛戦略で対応 することで、アメリカが作り出したヨーロッパのこの新たなロシアに対する敵意に対応しようとしているのだ。
だ から、現在の難民危機は、実際、ロシアを破壊しようという、アメリカの持続的な執念、EUが同調している執念によって引き起こされており、今やEUは、ロ シアという貿易相手国を失ったためのみならず、この新冷戦によってもたらされた、ヨーロッパへの何百万人もの難民流入で、大いに苦しんでいるのだ。この危 機は、益々攻撃的になるNATOに対する、ロシアの防衛措置手段によってもたらされたわけではない。それはEUが支持し続けているアメリカの武力侵略に よって引き起こされたのだ。
現在の危機の、そもそもの発端に戻ろう。
2013 年10月7日、偉大な調査ジャーナリストのクリストフ・レーマンは、彼のnsnbcニュース・サイト、“シリアでの化学兵器使用に、アメリカとサウジアラ ビア幹部が関与”という見出し記事を書いたが、書き出しはこうだった。“ホワイト・ハウスと、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と、ジョン・ブレナ ンCIA長官と、サウジアラビア諜報機関のトップ、バンダル王子と、サウジアラビア内務省と、証拠は直接つながっている”。(1945年以来、アメリカ は、サウジアラビア王家と同盟している。)
http://nsnbc.me/2013/10/07/top-us-and-saudi-officials-responsible-for-chemical-weapons-in-syria/
“オ バマが化学兵器攻撃は彼のせいだと非難して、親ロシア派のシリア独裁者バッシャール・アル・アサドを倒す為、爆撃を計画した理由として、バラク・オバマ大 統領が言及している、2013年8月21日のダマスカス・東グータ地域”での化学兵器攻撃についてレーマンは論じている。
http://www.aljazeera.com/news/americas/2013/06/2013613212110550.html
だ が、もう一人の偉大な調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュが、その後、2014年4月17日、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで報じたのと同様 (異なる情報源を用いて)、 レーマンの更に前の調査で、アメリカが化学兵器攻撃をお膳立てしたこと、そして攻撃は、実際、アメリカ自身がトルコ経由でシリアに送り込んだ、イスラム原 理主義聖戦戦士によって遂行されたことが判明している。レーマンはこう報じている。
http://www.lrb.co.uk/v36/n08/seymour-m-hersh/the-red-line-and-the-rat-line
主 にカタールが支援したムスリム同胞団と、2012年6月と7月に、リビア人を入れて増強された、自由シリア軍(FSA)勢力が敗北した後、アメリカ-サウ ジアラビア枢軸は強化された。新たな司令部を受け入れなかった、カタールが率いる非協力的な旅団は排除せざるを得なかった。サラフィー・ワッハーブ主義戦 士のシリア流入は、国際危機グループICGによる“暫定的聖戦”と題する報告書で文書化されている。
ハーシュ の記事は、化学兵器攻撃の原因が、アサドの軍ではあり得ないことを発見したイギリス諜報機関による、レーマンの有力な確認を強化するものだ。ところがイギ リスは、もちろん、オバマのウソを公に明らかにはしなかった。結局、トニー・ブレアが、イラクとアフガニスタンにおいて、ジョージ・W・ブッシュの“ポ チ”だったのと同様、デービッド・キャメロンは、シリアとリビアにおいて、オバマのポチなのだ。
シリア作戦が今そうしているのと同様(そしてウクライナ作戦も、その方向に向かっている様に)、リビア作戦はリビアを破綻国家に変え、ヨーロッパは現在、結果として生じた難民を迎えているのだ。
偉 大な調査ジャーナリストのジョン・ピルガーが、オバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が、リビア国民に対して、しでかした、恐ろしい意図的大惨事 について、最高の要約説明をしてくれている。例えば“2011年、NATOは、リビアに対し、9,700回の‘作戦出撃’を行ったが、そのうち三分の一以 上が民間標的を狙ったものだった。劣化ウラン弾頭が使用された。リビアの都市、ミスラタとスルトは絨毯爆撃された。赤十字は、集団墓地を発見し、国連児童 基金は‘[殺害された子供達の]大半は十歳未満’だと報じていた”。こうしたものは、決して起訴されないだろう国際戦争犯罪だ。その過程で非常に多数の 人々の命が失わたことも、おかまいなしに、彼女とオバマが、カダフィ殺害でしたことを、ヒラリー・クリントンは、誇らしげに陽気に語った(“来た、見た、 彼は死んだ! (笑い)”)。ヨーロッパは、アメリカが犯した悪事が元で、酷い報いを受けているのだ。
これら三つの爆撃作戦全てが、いかに、ヨーロッパ向けの石油とガスの主要供給源から、ロシアを外し、サウジアラビアや他のアラブの王国に向けようという、オバマ政権とサウジアラビア王家による取り組みの一環であるのかを随所でご説明してきた。
ア ラブ産油諸国の王家から資金を提供されているイスラム原理主義聖戦を辞めさせる為にも、そして、こうした難民の流れの根源に終止符を打つためにも、そし て、堕落し衰えつつあるアメリカ帝国を、最終的に失墜させ、恐らくは、平和に対する世界最大の単一の脅威であり、果てしない戦争の世界最大の単一スポン サーでもある国を、終わらせるであろうユーラシア新興経済圏を立ち上げ、その一環となる為にも、一体なぜ全てのEU諸国が、NATOを放り出し、ロシアと 組まないのか説明できるEU指導者が、多分誰かいるだろう。
http://www.washingtonsblog.com/2015/04/u-s-force-good-world.html
そ れとも、EU指導者達はアメリカに雇われているのだろうか? 例えば、2012年、アンゲラ・メルケルのドイツが、シリアの反政府聖戦戦士に、スパイ支援をしていた理由が他にあるだろうか? (メルケルのスパイは、同時期、サーラ・ワーゲンクネヒトや、メルケルの反ロシア政策に反対する他のドイツ連邦議会議員達をスパイしていた)。ドイツ指導 者メルケルは、それだけで、ドイツや他のヨーロッパの国々に安全な避難場所を見いだそうとするシリア人殺到の助長に加担していることになる。(そして、こ の難民流入に実際は加担したのだが、加担したのではなく、まるで反対したようなふりをすることで、EUの指導者達は、極右反政府派の台頭を難民流入のせい にすることができるのだ。)この背後にある堕落だけでも途方もないものだ。だがその背後にある偽善は、確実に耐え難い。
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/geheimdienst-verfassungsschutz-beobachtet-27-linken-abgeordnete-a-810651.html
す ると、ヨーロッパの有権者達は、一体なぜ、これを受け入れているのだろう? (例えば、一体なぜ、誰かワーゲンクネヒトの様な人物がドイツを率いないのだろう?) 一体なぜメルケルの様なアメリカのポチが権力の座にいるのだろう? 一体なぜ、彼等は拒絶されないのだろう? 国民は、彼らのおかげで、大いに苦しんでいる。ヨーロッパは彼等、アメリカの代理人によって破壊されつつあるのだ。
今 何が起きていて、その理由が何なのかを、ヨーロッパ人は知らないのだろうか? アメリカのくびきからの自由を実現するものは国粋主義ではない。右翼ではない。それは愛国心だ。退行ではなく、進歩だ。過去にではなく、将来に目を向ける ことだ。指導者が、その代表なのだと主張している、国民の為に奉仕することだ。それが本当の民主主義だ。アメリカは、もはやマーシャル・プランで援助をし てくれた国ではない。その国は、不幸にも、他のものにとって代わられてしまったのだ。新たな集団が乗っ取ったのだが、彼らが執念を抱いているのは帝国だ。 あるいは、オバマ大統領自身が傲慢にも語っている様に“アメリカ合州国は、一つの必要欠くべからざる国であり、そして、そうあり続けるのだ”。彼は、それ をそのまま維持すると約束した。“これは過ぎ去った世紀には真実だったし[彼は‘過去’の綴りを間違えた [[ホワイト・ハウスの重要人物は‘過去’と‘過ぎさった’の違いさえわからなかったのだ]] 、次の世紀にも真実となろう”。(少なくとも彼は、1000年王国の予言はしなかった。彼とて、それほどまでひどくはないのだ。)
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/05/28/remarks-president-united-states-military-academy-commencement-ceremony
ア メリカ帝国は少なくともあと一世紀は続くのだと彼は語った。ヨーロッパの人々は、本当にそれを許容できるのだろうか、とりわけ、それが自分たちを、一体ど のような方向に向かわせているのかが見えるようになった今? これら難民に対する本当の思いやりは、アメリカを、EUから追い出すよう要求することだろう。そしてNATOを終わらせることだ。EUでは、反難民等々の 代わりに、反アメリカという大衆の大規模な意思表示が、一体なぜ行われないのだろう? ヨーロッパ人は、マーシャル・プランで援助をしてくれた国がまだ存在していると本当に思っているのだろうか? もしそうなら、彼等は間違っている。大いに間違っている。
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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/07/us-drops-bombs-eu-gets-refugees-and-blame-this-is-insane.html
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/eu-6070.html
◆ガス・パイプラインに煽られた難民危機
2015年9月13日 マスコミに載らない海外記事
Mnar Muhawesh
2015年9月9日
Mint Press News
決して、だまされてはならない。シリアの宗派対立は、石油とガスの入手と、それに伴って得られる権力と金を巡る戦争の口実として、画策されているのだ。
北ギリシャの村、イドメニから、南マケドニアへの国境越えを待つ難民と移民、2015年9月7日、月曜。ギリシャは、欧州連合に向かう、大量の難民と移民の流入で矛先を向けられている。(AP Photo/Giannis Papanikos)
編集者注: 本記事は、2006年という早い時点に、シリアを不安定化し、シリア政府を打倒する計画を示すアメリカ国務省の漏洩文書の最近のウイキリークスによる暴露を反映する為に更新された。
http://www.rt.com/news/314852-assange-wikileaks-us-syria/
漏 洩で、こうした計画が、イスラエル政府から、アメリカに直接与えられており、内戦と宗派抗争を引き起こすことや、本質的に、イランとヒズボラを弱体化させ る為、シリア国内の権力構造を破壊する為、サウジアラビア、トルコ、カタールや、エジプトのような国々とまで協力するのを正式なものにするのを明らかに なった。漏洩は、この危機を、更なる石油採掘と軍事拡大の為、ゴラン高原占領を拡大するのに利用しようというイスラエルの計画も暴露した。
ミネアポリス発 戦争で荒廃したシリアから、家族が逃れる取り組みで、地中海海岸に打ち上げられた三歳のシリア男児アイラン・クルディの写真が世界中の人々の注目を集め、戦争の本当の代償に関する激怒の火付け役となった。
危 機中東全体とヨーロッパ国境で展開している痛ましい難民が、シリア、リビアやイラク等の国々人々を、自宅から追い出している現在継続している争いと不安定 に関して、大いに必要とされていた会話を引き起こした。万一、これは重要な“万一”なのだが、ヨーロッパの戸口にたどりつけた際、これらの難民が受けてい る非人道的な扱いに、国際的注目がもたらされている。
例えば、シリアでは、外国勢力が、シリアを、内戦と外国 侵略とテロという悪夢の組み合わせにおとしめた。シリア国民は、戦争地帯で暮らして、ISISの様な集団の標的にされ、シリア政府の残虐な弾圧を受ける か、あるいは最小限の救命具で、危険な海域に乗り出し、万一、対岸にたどりついても、結局ヨーロッパ政府から、食糧、水や安全の提供を拒否されるかを選ば ねばならないという耐えられない立場にある。
国内の混乱を逃れる他のシリア国民は、近隣のアラブ・イスラム諸国に向かっている。ヨルダンだけでも、50万人以上のシリア難民を受け入れている。レバノンは、約150万人を受け入れている。また、イラクとエジプトは、数十万人を受け入れている。
アラブ国家でも、中東の一部でもないにもかかわらず、イランは、昨年、3,000張りのテントと、10,000枚の毛布を含む150トンの人道物資を、ヨルダン、イラクとレバノンの赤新月社にこの三国で暮らすシリア難民の間で配布するよう、陸路で送付した。
トルコは、これまでに、約200万人の難民を受け入れている。トルコのレジェップ・エルドアン首相は、国際的に大見出しの記事に登場し、トルコを移民に解放したことで、その過程で、ある種救世主の様な位置についた。
2015年9月2日水曜日早朝、トルコのリゾート地ボドラム近くで、彼と家族が乗ったボートが転覆して、溺れた三歳のアイラン・クルディの亡骸を抱く準憲兵隊員。(Photo: Nilüfer Demir/DHA)
一方、サウジアラビア、カタール、クウェートやアラブ首長国連邦等の湾岸アラブ諸国のシリア難民受け入れはゼロだ。
難民について、彼等は一体何者なのか、どこに行こうとしているのか、誰が彼等を支援しているのか、誰が支援していないのかという会話が確かに行われ てはいるが、そもそも、こうした戦争が起きるのを、いかにして防ぐのかという議論が欠けている。マスコミや政治評論家連中は、責任のなすり合いで非難をす る多くの機会を見いだしているものの、マスコミの一社たりとも、一体何がこの混乱を推進しているのか正確に分析してはいない。それは、ガスや石油や他資源 の支配なのだ。
確かに、これは問うに値する。4年前、シリアの経済改革を要求して行われた“数百人”の抗議行動が、一体なぜ、恐ろしい宗派内戦へと悪化し、過激主義を煽り立て、現在、世界を悩ませ、世界で二番目に大きな難民危機を生み出しているのだろう?
マスコミは、シリアのバシャール・アサド大統領の樽爆弾を非難し、政治評論家達は更なる対ISIS空爆と、より厳しい対シリア経済制裁を呼びかけ、危機が始まって4年目なのに、大半の人々は、この戦争が、一体どのようにして始まったのか全く知らない。
この“内戦”は、宗教を巡るものではない
2014年1月、現地へのアクセスが不可能なことが理由で、国連はシリア内戦での死傷者数の定期更新を停止した。国連によれば、推計死亡者数は、140,200人から、330,380人の間で、600万人ものシリア国民が家を追われた。
残酷な弾圧で、シリア政府に多くの死傷者に対する責任があることに疑問の余地はないが、これは単に、シリアの問題ではない。
シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計 画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビ ア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラ を弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加す る為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。
BBCや、AP通信等の主要マスコミによれば、シリアで行われたとされる抗議行動は、わずか数百人の人々によるものだったが、更なるウイキリークス が公開した電報が、2011年3月という早い時期に、こうした抗議行動そのものを引き起こす為の、シリア国内でのCIAの関与を明らかにした。
資料 – 2011年12月19日月曜日、資料写真、シリア、ダマスカスでの集会で、シリアのバッシャール・アサド大統領を描いた巨大なポスターを掲げるシリア人 達。活動家の一部は一年後に、バッシャール・アサド大統領の支配に対する彼等の“革命”が、暴力で泥沼化したことを残念がった。(AP Photo/Muzaffar Salman, File)
抗議行動は、わずか数カ月後に、CIAとつながる何百もの武装抗議行動参加者と化し、デモが拡大し、シリア人でない武装反政府集団がシリアに押し寄 せ、シリア全土を政府の厳しい弾圧が覆う中、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、 資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、 2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあ きらかにした。)
こうした諸外国は、2012年、実態とは遥かにほど遠い名前の“シリア国民の友人”と呼ばれる会議を開いた。彼らの狙いは、バシャール・アサド大統領の打倒を狙って、シリア全土で、大混乱を引き起こす為、分割して、統治することだった。
シリア・イドリブ県北部の町サルマダで、武器を持つ自由シリア軍兵士 2012年8月1日、水曜。(AP Photo)
評論家連中はシリアのイランとの同盟は、アメリカ合州国と、地域における同盟諸国の安全保障と権益に対する脅威だと主張して、シリアの反乱を乗っ取 る本当の狙いは、すぐに明らかになった。シリア政府が、軍と、石油とガスと、兵器で、イランとレバノンの反体制政治集団ヒズボラの同盟であることは誰もが 知っている。
この時期に留意することが重要だ。この連合と、シリアへの介入は、2014年から2016年の間に、イランの巨大なサウス・パース・ガス田から、イ ラクとシリアを経由して建設されるはずだったイラン-イラク-シリア・ガス・パイプライン議論の直後に起きた。レバノンに延長する可能性があり、最終的に 標的の輸出市場、ヨーロッパへと至るはずだった。
シリアで猛威を振るっている、ガス、石油とパイプラインを巡る現在の危機に関する、恐らく最も正確な説明は、ドミトリー・ミーニンが、2013年5月、Strategic Cultural Foundation書いたものだろう。
http://www.strategic-culture.org/news/2013/05/31/the-geopolitics-of-gas-and-the-syrian-crisis.html
“ヨーロッパに向けて、パイプラインを、東から西へ、イランとイラクから、シリアの地中海沿岸で通すか、あるいは、 カタールと、サウジアラビアから、シリアとトルコ経由という、より北回り経路にするかを巡って、戦いがおこなわれている。こう着状態のナブッコ・パイプラ イン、実際、南ガス回廊丸ごとが、アゼルバイジャンの埋蔵量しか裏付けがないため、ヨーロッパへのロシアの供給には決して拮抗できないことを悟り、サウ ス・ストリーム建設を阻止する為、欧米はペルシャ湾からの資源で置き換える必要にせまられていた。シリアはこの連鎖における主要リンクであり、イランとロ シア寄りの傾向がある。そこで、欧米の首都で、シリア政権は倒して変える必要があると決定されたのだ。
石油、ガスと、パイプラインが問題なのだ!
実際、ヨーロッパのガス市場が、ロシアの巨大ガス企業、ガスプロムの人質に取られてしまうのではという懸念の中、ロシア、アメリカと欧州連合の間の 緊張が高まった。ロシアから離れ、ヨーロッパのエネルギー供給を多様化するには、提案された、イラン-イラク-シリア ガス・パイプラインは、不可欠なのだ。
トルコは、ガスプロムの二番目に大きな顧客だ。トルコのエネルギー安全保障構造丸ごと、ロシアとイランからのガスに依存しているのだ。更に、トルコ は、ロシア、カスピ海-中央アジア、イラクや、イランの石油、さらにはガスの、ヨーロッパへの輸出における戦略的分岐点になるという、オスマン帝国風な野 望を抱いている。
2013年8月、ガーディアンは、こう報じた。
“アサドは、ヨーロッパ市場への供給目的で、重要なことに、ロシアを回避しながら、イランのサウスパース・ガス田と隣接しているカタールのノース・ フィールドから、サウジアラビア、ヨルダン、シリアを経由し、トルコへ向かう、カタールと、トルコが提案したパイプラインの協定に署名することを拒否し た。アサドの論理は、‘ヨーロッパへの天然ガスの最大供給国である [彼の同盟]ロシアの権益を守るため’だった”。
http://www.theguardian.com/environment/earth-insight/2013/aug/30/syria-chemical-attack-war-intervention-oil-gas-energy-pipelines
提案されている、カタール-トルコ天然ガス・パイプラインを辿る紫色の線 と、赤く塗った全ての国が、トルコが 最終的に(エルドアンの政治的動機による、対PKK戦争への、NATOの同意と引き換えに)、アメリカが、インシルリク空軍基地から、ISIS標的に対す る空爆作戦を発進させることに同意した後、急遽まとめられた新たな連合の一環であるのに留意のこと。紫の線沿いの、どの国が赤く塗られていないのかに留意 のこと。これは、バッシャール・アル・アサドが、パイプラインを支持せず、中東の独裁者が、アメリカと、サウジアラビアが実現したいことを支持しないこと に決めると、一体なにが起きるかを我々が目にしているためだ。(地図: ZeroHedge.com)
シリアが、自国のエネルギー戦略において極めて重要な部分であるのを理解しているトルコは、このイラン・パイプライン案は改め、 究極的に、トルコや湾岸アラブ諸国のガス供給支配の追求を満足させる、カタール-トルコ・パイプライン提案に協力するよう、シリアのバッシャール・アサド 大統領説得を試みた。しかし、アサドが、トルコの提案を拒否した後、トルコと同盟諸国は、シリア“内戦”の主要計画立案者となった。
https://www.youtube.com/watch?v=G1p_tFnKqMA
現在進行中の戦略の多くは、さかのぼって、アメリカ軍が資金を提供している2008年のRAND報告書“長い戦争という未来を明らかにする”の中で記述されていた。
この枠組みが興味深い枢軸を生み出した。トルコ、カタール、サウジアラビア、アメリカ、イギリスと、フランス対、シリア、イランとロシアだ。
分割して、支配: 政権転覆への道
アメリカ、フランス、イギリス、カタール、サウジアラビアと、トルコ - 別名、新“シリアの友人”連合が、公式に、ガス・パイプラインへの署名をアサドが拒否した後、2011年から2012年の間、シリアのバッシャール・アサ ド大統領打倒を、公式に呼びかけ、シリアを、人道的危機に押しやるいわゆる“穏健”反政府派に与えるべく資金と武器が、シリアに流入した。反政府集団は、 あれやこれやの連中を組織したもので、その多くは外人戦士で、多くがアルカイダと同盟していた。
2015年1月20日、火曜日、シリアで、レバノンの戦闘集団メンバー6人 と、イラン人将軍を殺害した空爆で死亡したヒズボラ・メンバー、モハンマド・イッサの柩を、レバノン南部のアラブ・サリム村での彼の葬儀で、担ぐヒズボラ 戦士達。ヒズボラは、ゴラン高原のシリア側で行われた日曜の空爆に対して、イスラエルを非難した。イッサは、このグループの中では最高位で、スンナ派が率 いる反乱に対する集団のシリアでのを率いる作戦幹部の一員だった。(AP Photo/Mohammed Zaatari)
報道によれば、ヒズボラは、シリア内戦のレバノンへの波及で、シリアからレバノンへの反政府派の侵入を防ぐのに積極的だったし、今も最も積極的な勢力の一つだ。それにもかかわらず、2012年、アメリカは、シリア政府とヒズボラの両方を経済制裁した。
そして、その年、ロシアとイランは、テロ集団鎮圧でシリア政府を支援すべく軍事顧問を派遣したが、この当時、イラン軍部隊は現地にはいなかった。
かつては、非宗教的で、多様で、平和な国家だったものが、益々、次のアフガニスタンとなる道を進んでいるかのように見える。聖戦戦士連中が、益々多くの領土を占領し、より多くの都市を征服する中、国民は、タリバン風支配者の下で暮らしている
外国介入の影響が自決に勝っている
もし読者がこれを理解するのが困難だとお考えであれば、そればあなただけではない。
大半の宗派内戦は、大規模な権力の集中を、同盟するのが容易ではない小さな諸派に分裂させる“分割して支配”手法が使えるようにすべく、お互いに戦 わせて、意図的に作られている。これは、大英帝国が利用してきたことで有名な植民ドクトリンで、我々がシリアで起きているのを目にしているものも、違いは ない。
だから、一つはっきりさせよう。これは宗教問題ではないのだ。アラブ人や、イスラム教徒はお互いに殺し合うというのは好都合で、地域や人々を野蛮に 描き出す為に、こうした紛争を宗派的なものとして表現するのは容易かも知れない。だが、この東洋学者風の、中東紛争の極端に単純化した見方は、こうした戦 争の犠牲者を非人間的にし、直接、間接の軍事行動を正当化する。
これらの戦争は、経済権益を狙うものであるという視点から、真実が、人々に示されれば、大半の人々は、反政府派への秘密資金援助も、武器供与も、直 接介入も支持するまい。実際、大多数の大衆は、戦争に反対するだろう。しかし大衆に対して、何か善対悪の問題として提示された場合には、我々は自然“善” 側に与して、“悪”とされるものを撃退する戦争を正当化しがちだ。
政治的言辞は、ウソを、いかにももっともらしく聞こえる様、殺人が立派なことであるかのようにすべく、入念に作り上げられる。究極的には、外国の介 入によってもたらされた狙い、同盟や、不安定はどうであれ、2011年に噴出した、自由、民主主義と平等への要求は、当時も、現実のものであり、今も、そ うなのだ。そして、自由、民主主義と、平等の欠如は、自決によるものではなく、残虐な独裁者にてこ入れし、テロ集団に武器を与える、外国の介入によっても たらされてきたことを忘れてはならない。
2015年8月21日、金曜日、北ギリシャ国境の駅イドメニ近くで、ギリ シャから、マケドニアへと、国境を越えるのを、マケドニア警察に許されるのを待ちながら衝突した際、マケドニア機動隊員と難民の間で板挟みになった男の子 を抱えた難民を救おうとする難民。北のヨーロッパへと向かう難民の膨大な流入に対処する為、マケドニアが国境で非常事態を宣言した翌日、ギリシャとの緩衝 地帯に留まっている何千人もの難民を散らすべく、マケドニアの特殊警察部隊は、スタン擲弾を発射した。(AP Photo/Darko Vojinovic)
かつて、中東の人々は、宗教や文化的背景と無関係に、外国の介入や搾取や植民地主義に対し、共に団結し、立ち上がった。ところが、石油とガスを入手 する為、宗教を基に人々をお互いに戦わせるという巧みな操作手法で、現在、中東はバラバラにされている。それに続く混乱が、石油パイプライン設置により従 順で、最高入札者に、有利な経路を保障する新政権を据えつける為の、良い隠れ蓑になるのだ。
そして、このエネルギーを求める動きの中で、最も苦しむのは民衆だ。シリアでは、人々は大挙して脱出している。彼等は幼い男の子や女の子を起こし て、スニーカーを履かせ、救命胴衣も着けずに、別の海岸にたどり着けることだけを願って、ボートに飛び乗る。どこかでの希望の方が、自国の現実より良いが ゆえに、対岸に決してたどりつけないかも知れないのを十分に知りながら、彼等は命を懸けるのだ。
記事原文のurl:http://www.mintpressnews.com/migrant-crisis-syria-war-fueled-by-competing-gas-pipelines/209294/
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-e61d.html
2015年9月9日 マスコミに載らない海外記事
Eric ZUESSE
2015年9月7日 | 00:00
Strategic Culture Foundation
2011 年から、アメリカ合州国は、親ロシア派の独裁者ムアマル・カダフィを打倒する為にリビアへの爆弾投下を開始した。現在、このアメリカのリビア爆撃作戦と、 更には、シリア爆撃作戦によって、引き起こされている難民危機に対する、ヨーロッパ諸国の態度への罪悪感で、EU自身が引き裂かれている。
ヨー ロッパは、東ウクライナにおける、アメリカが支援する爆撃作戦(2014年にアメリカが据えた反ロシア・ウクライナ政府が、2014年2月のアメリカ・ クーデターを拒否しているこの親ロシア地域の人々に、‘テロリスト’とレッテルを貼り、それゆえ爆撃されても、あるいは焼夷弾爆撃までされても当然だとい うことで‘対テロリスト作戦’略称‘ATO’と呼ぶ爆撃作戦)からの難民も受け入れている。
ところが、アメリ カが引き起こした、ヨーロッパへのこの何百万人もの難民にもかかわらず、NATO自体の存在理由(東からの共産主義者の侵略に対するヨーロッパ防衛)が すっかり消滅してから何十年もたっても、ヨーロッパ諸国は、いまだにアメリカ軍が、ヨーロッパの地に駐留したままでいるのを認めている。(ソ連版のこの等 価物、ワルシャワ条約は、1991年、ソ連自身が解体した際に、解散し消滅したのに、NATOは存続し続け、ソ連の脅威を喧伝したのと同様に、あたかも、 共産主義が崩壊した際に、何の変化もなかったかの様に、まるで、冷戦のイデオロギー的理由が、ずっとインチキであったかのごとく、‘ロシアの脅威’を絶え ずしつこく宣伝している。“新冷戦”は、どの様にしても、正当化などできようがない。) ロシアは今、この新たに変貌したNATOの対ロシア軍事演習で、益々可能性が高まっているNATOのロシア侵略に備える為、同様なロシアの防衛戦略で対応 することで、アメリカが作り出したヨーロッパのこの新たなロシアに対する敵意に対応しようとしているのだ。
だ から、現在の難民危機は、実際、ロシアを破壊しようという、アメリカの持続的な執念、EUが同調している執念によって引き起こされており、今やEUは、ロ シアという貿易相手国を失ったためのみならず、この新冷戦によってもたらされた、ヨーロッパへの何百万人もの難民流入で、大いに苦しんでいるのだ。この危 機は、益々攻撃的になるNATOに対する、ロシアの防衛措置手段によってもたらされたわけではない。それはEUが支持し続けているアメリカの武力侵略に よって引き起こされたのだ。
現在の危機の、そもそもの発端に戻ろう。
2013 年10月7日、偉大な調査ジャーナリストのクリストフ・レーマンは、彼のnsnbcニュース・サイト、“シリアでの化学兵器使用に、アメリカとサウジアラ ビア幹部が関与”という見出し記事を書いたが、書き出しはこうだった。“ホワイト・ハウスと、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と、ジョン・ブレナ ンCIA長官と、サウジアラビア諜報機関のトップ、バンダル王子と、サウジアラビア内務省と、証拠は直接つながっている”。(1945年以来、アメリカ は、サウジアラビア王家と同盟している。)
http://nsnbc.me/2013/10/07/top-us-and-saudi-officials-responsible-for-chemical-weapons-in-syria/
“オ バマが化学兵器攻撃は彼のせいだと非難して、親ロシア派のシリア独裁者バッシャール・アル・アサドを倒す為、爆撃を計画した理由として、バラク・オバマ大 統領が言及している、2013年8月21日のダマスカス・東グータ地域”での化学兵器攻撃についてレーマンは論じている。
http://www.aljazeera.com/news/americas/2013/06/2013613212110550.html
だ が、もう一人の偉大な調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュが、その後、2014年4月17日、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで報じたのと同様 (異なる情報源を用いて)、 レーマンの更に前の調査で、アメリカが化学兵器攻撃をお膳立てしたこと、そして攻撃は、実際、アメリカ自身がトルコ経由でシリアに送り込んだ、イスラム原 理主義聖戦戦士によって遂行されたことが判明している。レーマンはこう報じている。
http://www.lrb.co.uk/v36/n08/seymour-m-hersh/the-red-line-and-the-rat-line
主 にカタールが支援したムスリム同胞団と、2012年6月と7月に、リビア人を入れて増強された、自由シリア軍(FSA)勢力が敗北した後、アメリカ-サウ ジアラビア枢軸は強化された。新たな司令部を受け入れなかった、カタールが率いる非協力的な旅団は排除せざるを得なかった。サラフィー・ワッハーブ主義戦 士のシリア流入は、国際危機グループICGによる“暫定的聖戦”と題する報告書で文書化されている。
ハーシュ の記事は、化学兵器攻撃の原因が、アサドの軍ではあり得ないことを発見したイギリス諜報機関による、レーマンの有力な確認を強化するものだ。ところがイギ リスは、もちろん、オバマのウソを公に明らかにはしなかった。結局、トニー・ブレアが、イラクとアフガニスタンにおいて、ジョージ・W・ブッシュの“ポ チ”だったのと同様、デービッド・キャメロンは、シリアとリビアにおいて、オバマのポチなのだ。
シリア作戦が今そうしているのと同様(そしてウクライナ作戦も、その方向に向かっている様に)、リビア作戦はリビアを破綻国家に変え、ヨーロッパは現在、結果として生じた難民を迎えているのだ。
偉 大な調査ジャーナリストのジョン・ピルガーが、オバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が、リビア国民に対して、しでかした、恐ろしい意図的大惨事 について、最高の要約説明をしてくれている。例えば“2011年、NATOは、リビアに対し、9,700回の‘作戦出撃’を行ったが、そのうち三分の一以 上が民間標的を狙ったものだった。劣化ウラン弾頭が使用された。リビアの都市、ミスラタとスルトは絨毯爆撃された。赤十字は、集団墓地を発見し、国連児童 基金は‘[殺害された子供達の]大半は十歳未満’だと報じていた”。こうしたものは、決して起訴されないだろう国際戦争犯罪だ。その過程で非常に多数の 人々の命が失わたことも、おかまいなしに、彼女とオバマが、カダフィ殺害でしたことを、ヒラリー・クリントンは、誇らしげに陽気に語った(“来た、見た、 彼は死んだ! (笑い)”)。ヨーロッパは、アメリカが犯した悪事が元で、酷い報いを受けているのだ。
これら三つの爆撃作戦全てが、いかに、ヨーロッパ向けの石油とガスの主要供給源から、ロシアを外し、サウジアラビアや他のアラブの王国に向けようという、オバマ政権とサウジアラビア王家による取り組みの一環であるのかを随所でご説明してきた。
ア ラブ産油諸国の王家から資金を提供されているイスラム原理主義聖戦を辞めさせる為にも、そして、こうした難民の流れの根源に終止符を打つためにも、そし て、堕落し衰えつつあるアメリカ帝国を、最終的に失墜させ、恐らくは、平和に対する世界最大の単一の脅威であり、果てしない戦争の世界最大の単一スポン サーでもある国を、終わらせるであろうユーラシア新興経済圏を立ち上げ、その一環となる為にも、一体なぜ全てのEU諸国が、NATOを放り出し、ロシアと 組まないのか説明できるEU指導者が、多分誰かいるだろう。
http://www.washingtonsblog.com/2015/04/u-s-force-good-world.html
そ れとも、EU指導者達はアメリカに雇われているのだろうか? 例えば、2012年、アンゲラ・メルケルのドイツが、シリアの反政府聖戦戦士に、スパイ支援をしていた理由が他にあるだろうか? (メルケルのスパイは、同時期、サーラ・ワーゲンクネヒトや、メルケルの反ロシア政策に反対する他のドイツ連邦議会議員達をスパイしていた)。ドイツ指導 者メルケルは、それだけで、ドイツや他のヨーロッパの国々に安全な避難場所を見いだそうとするシリア人殺到の助長に加担していることになる。(そして、こ の難民流入に実際は加担したのだが、加担したのではなく、まるで反対したようなふりをすることで、EUの指導者達は、極右反政府派の台頭を難民流入のせい にすることができるのだ。)この背後にある堕落だけでも途方もないものだ。だがその背後にある偽善は、確実に耐え難い。
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/geheimdienst-verfassungsschutz-beobachtet-27-linken-abgeordnete-a-810651.html
す ると、ヨーロッパの有権者達は、一体なぜ、これを受け入れているのだろう? (例えば、一体なぜ、誰かワーゲンクネヒトの様な人物がドイツを率いないのだろう?) 一体なぜメルケルの様なアメリカのポチが権力の座にいるのだろう? 一体なぜ、彼等は拒絶されないのだろう? 国民は、彼らのおかげで、大いに苦しんでいる。ヨーロッパは彼等、アメリカの代理人によって破壊されつつあるのだ。
今 何が起きていて、その理由が何なのかを、ヨーロッパ人は知らないのだろうか? アメリカのくびきからの自由を実現するものは国粋主義ではない。右翼ではない。それは愛国心だ。退行ではなく、進歩だ。過去にではなく、将来に目を向ける ことだ。指導者が、その代表なのだと主張している、国民の為に奉仕することだ。それが本当の民主主義だ。アメリカは、もはやマーシャル・プランで援助をし てくれた国ではない。その国は、不幸にも、他のものにとって代わられてしまったのだ。新たな集団が乗っ取ったのだが、彼らが執念を抱いているのは帝国だ。 あるいは、オバマ大統領自身が傲慢にも語っている様に“アメリカ合州国は、一つの必要欠くべからざる国であり、そして、そうあり続けるのだ”。彼は、それ をそのまま維持すると約束した。“これは過ぎ去った世紀には真実だったし[彼は‘過去’の綴りを間違えた [[ホワイト・ハウスの重要人物は‘過去’と‘過ぎさった’の違いさえわからなかったのだ]] 、次の世紀にも真実となろう”。(少なくとも彼は、1000年王国の予言はしなかった。彼とて、それほどまでひどくはないのだ。)
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/05/28/remarks-president-united-states-military-academy-commencement-ceremony
ア メリカ帝国は少なくともあと一世紀は続くのだと彼は語った。ヨーロッパの人々は、本当にそれを許容できるのだろうか、とりわけ、それが自分たちを、一体ど のような方向に向かわせているのかが見えるようになった今? これら難民に対する本当の思いやりは、アメリカを、EUから追い出すよう要求することだろう。そしてNATOを終わらせることだ。EUでは、反難民等々の 代わりに、反アメリカという大衆の大規模な意思表示が、一体なぜ行われないのだろう? ヨーロッパ人は、マーシャル・プランで援助をしてくれた国がまだ存在していると本当に思っているのだろうか? もしそうなら、彼等は間違っている。大いに間違っている。
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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/07/us-drops-bombs-eu-gets-refugees-and-blame-this-is-insane.html
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/eu-6070.html
◆ガス・パイプラインに煽られた難民危機
2015年9月13日 マスコミに載らない海外記事
Mnar Muhawesh
2015年9月9日
Mint Press News
決して、だまされてはならない。シリアの宗派対立は、石油とガスの入手と、それに伴って得られる権力と金を巡る戦争の口実として、画策されているのだ。
北ギリシャの村、イドメニから、南マケドニアへの国境越えを待つ難民と移民、2015年9月7日、月曜。ギリシャは、欧州連合に向かう、大量の難民と移民の流入で矛先を向けられている。(AP Photo/Giannis Papanikos)
編集者注: 本記事は、2006年という早い時点に、シリアを不安定化し、シリア政府を打倒する計画を示すアメリカ国務省の漏洩文書の最近のウイキリークスによる暴露を反映する為に更新された。
http://www.rt.com/news/314852-assange-wikileaks-us-syria/
漏 洩で、こうした計画が、イスラエル政府から、アメリカに直接与えられており、内戦と宗派抗争を引き起こすことや、本質的に、イランとヒズボラを弱体化させ る為、シリア国内の権力構造を破壊する為、サウジアラビア、トルコ、カタールや、エジプトのような国々とまで協力するのを正式なものにするのを明らかに なった。漏洩は、この危機を、更なる石油採掘と軍事拡大の為、ゴラン高原占領を拡大するのに利用しようというイスラエルの計画も暴露した。
ミネアポリス発 戦争で荒廃したシリアから、家族が逃れる取り組みで、地中海海岸に打ち上げられた三歳のシリア男児アイラン・クルディの写真が世界中の人々の注目を集め、戦争の本当の代償に関する激怒の火付け役となった。
危 機中東全体とヨーロッパ国境で展開している痛ましい難民が、シリア、リビアやイラク等の国々人々を、自宅から追い出している現在継続している争いと不安定 に関して、大いに必要とされていた会話を引き起こした。万一、これは重要な“万一”なのだが、ヨーロッパの戸口にたどりつけた際、これらの難民が受けてい る非人道的な扱いに、国際的注目がもたらされている。
例えば、シリアでは、外国勢力が、シリアを、内戦と外国 侵略とテロという悪夢の組み合わせにおとしめた。シリア国民は、戦争地帯で暮らして、ISISの様な集団の標的にされ、シリア政府の残虐な弾圧を受ける か、あるいは最小限の救命具で、危険な海域に乗り出し、万一、対岸にたどりついても、結局ヨーロッパ政府から、食糧、水や安全の提供を拒否されるかを選ば ねばならないという耐えられない立場にある。
国内の混乱を逃れる他のシリア国民は、近隣のアラブ・イスラム諸国に向かっている。ヨルダンだけでも、50万人以上のシリア難民を受け入れている。レバノンは、約150万人を受け入れている。また、イラクとエジプトは、数十万人を受け入れている。
アラブ国家でも、中東の一部でもないにもかかわらず、イランは、昨年、3,000張りのテントと、10,000枚の毛布を含む150トンの人道物資を、ヨルダン、イラクとレバノンの赤新月社にこの三国で暮らすシリア難民の間で配布するよう、陸路で送付した。
トルコは、これまでに、約200万人の難民を受け入れている。トルコのレジェップ・エルドアン首相は、国際的に大見出しの記事に登場し、トルコを移民に解放したことで、その過程で、ある種救世主の様な位置についた。
2015年9月2日水曜日早朝、トルコのリゾート地ボドラム近くで、彼と家族が乗ったボートが転覆して、溺れた三歳のアイラン・クルディの亡骸を抱く準憲兵隊員。(Photo: Nilüfer Demir/DHA)
一方、サウジアラビア、カタール、クウェートやアラブ首長国連邦等の湾岸アラブ諸国のシリア難民受け入れはゼロだ。
難民について、彼等は一体何者なのか、どこに行こうとしているのか、誰が彼等を支援しているのか、誰が支援していないのかという会話が確かに行われ てはいるが、そもそも、こうした戦争が起きるのを、いかにして防ぐのかという議論が欠けている。マスコミや政治評論家連中は、責任のなすり合いで非難をす る多くの機会を見いだしているものの、マスコミの一社たりとも、一体何がこの混乱を推進しているのか正確に分析してはいない。それは、ガスや石油や他資源 の支配なのだ。
確かに、これは問うに値する。4年前、シリアの経済改革を要求して行われた“数百人”の抗議行動が、一体なぜ、恐ろしい宗派内戦へと悪化し、過激主義を煽り立て、現在、世界を悩ませ、世界で二番目に大きな難民危機を生み出しているのだろう?
マスコミは、シリアのバシャール・アサド大統領の樽爆弾を非難し、政治評論家達は更なる対ISIS空爆と、より厳しい対シリア経済制裁を呼びかけ、危機が始まって4年目なのに、大半の人々は、この戦争が、一体どのようにして始まったのか全く知らない。
この“内戦”は、宗教を巡るものではない
2014年1月、現地へのアクセスが不可能なことが理由で、国連はシリア内戦での死傷者数の定期更新を停止した。国連によれば、推計死亡者数は、140,200人から、330,380人の間で、600万人ものシリア国民が家を追われた。
残酷な弾圧で、シリア政府に多くの死傷者に対する責任があることに疑問の余地はないが、これは単に、シリアの問題ではない。
シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計 画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビ ア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラ を弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加す る為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。
BBCや、AP通信等の主要マスコミによれば、シリアで行われたとされる抗議行動は、わずか数百人の人々によるものだったが、更なるウイキリークス が公開した電報が、2011年3月という早い時期に、こうした抗議行動そのものを引き起こす為の、シリア国内でのCIAの関与を明らかにした。
資料 – 2011年12月19日月曜日、資料写真、シリア、ダマスカスでの集会で、シリアのバッシャール・アサド大統領を描いた巨大なポスターを掲げるシリア人 達。活動家の一部は一年後に、バッシャール・アサド大統領の支配に対する彼等の“革命”が、暴力で泥沼化したことを残念がった。(AP Photo/Muzaffar Salman, File)
抗議行動は、わずか数カ月後に、CIAとつながる何百もの武装抗議行動参加者と化し、デモが拡大し、シリア人でない武装反政府集団がシリアに押し寄 せ、シリア全土を政府の厳しい弾圧が覆う中、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、 資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、 2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあ きらかにした。)
こうした諸外国は、2012年、実態とは遥かにほど遠い名前の“シリア国民の友人”と呼ばれる会議を開いた。彼らの狙いは、バシャール・アサド大統領の打倒を狙って、シリア全土で、大混乱を引き起こす為、分割して、統治することだった。
シリア・イドリブ県北部の町サルマダで、武器を持つ自由シリア軍兵士 2012年8月1日、水曜。(AP Photo)
評論家連中はシリアのイランとの同盟は、アメリカ合州国と、地域における同盟諸国の安全保障と権益に対する脅威だと主張して、シリアの反乱を乗っ取 る本当の狙いは、すぐに明らかになった。シリア政府が、軍と、石油とガスと、兵器で、イランとレバノンの反体制政治集団ヒズボラの同盟であることは誰もが 知っている。
この時期に留意することが重要だ。この連合と、シリアへの介入は、2014年から2016年の間に、イランの巨大なサウス・パース・ガス田から、イ ラクとシリアを経由して建設されるはずだったイラン-イラク-シリア・ガス・パイプライン議論の直後に起きた。レバノンに延長する可能性があり、最終的に 標的の輸出市場、ヨーロッパへと至るはずだった。
シリアで猛威を振るっている、ガス、石油とパイプラインを巡る現在の危機に関する、恐らく最も正確な説明は、ドミトリー・ミーニンが、2013年5月、Strategic Cultural Foundation書いたものだろう。
http://www.strategic-culture.org/news/2013/05/31/the-geopolitics-of-gas-and-the-syrian-crisis.html
“ヨーロッパに向けて、パイプラインを、東から西へ、イランとイラクから、シリアの地中海沿岸で通すか、あるいは、 カタールと、サウジアラビアから、シリアとトルコ経由という、より北回り経路にするかを巡って、戦いがおこなわれている。こう着状態のナブッコ・パイプラ イン、実際、南ガス回廊丸ごとが、アゼルバイジャンの埋蔵量しか裏付けがないため、ヨーロッパへのロシアの供給には決して拮抗できないことを悟り、サウ ス・ストリーム建設を阻止する為、欧米はペルシャ湾からの資源で置き換える必要にせまられていた。シリアはこの連鎖における主要リンクであり、イランとロ シア寄りの傾向がある。そこで、欧米の首都で、シリア政権は倒して変える必要があると決定されたのだ。
石油、ガスと、パイプラインが問題なのだ!
実際、ヨーロッパのガス市場が、ロシアの巨大ガス企業、ガスプロムの人質に取られてしまうのではという懸念の中、ロシア、アメリカと欧州連合の間の 緊張が高まった。ロシアから離れ、ヨーロッパのエネルギー供給を多様化するには、提案された、イラン-イラク-シリア ガス・パイプラインは、不可欠なのだ。
トルコは、ガスプロムの二番目に大きな顧客だ。トルコのエネルギー安全保障構造丸ごと、ロシアとイランからのガスに依存しているのだ。更に、トルコ は、ロシア、カスピ海-中央アジア、イラクや、イランの石油、さらにはガスの、ヨーロッパへの輸出における戦略的分岐点になるという、オスマン帝国風な野 望を抱いている。
2013年8月、ガーディアンは、こう報じた。
“アサドは、ヨーロッパ市場への供給目的で、重要なことに、ロシアを回避しながら、イランのサウスパース・ガス田と隣接しているカタールのノース・ フィールドから、サウジアラビア、ヨルダン、シリアを経由し、トルコへ向かう、カタールと、トルコが提案したパイプラインの協定に署名することを拒否し た。アサドの論理は、‘ヨーロッパへの天然ガスの最大供給国である [彼の同盟]ロシアの権益を守るため’だった”。
http://www.theguardian.com/environment/earth-insight/2013/aug/30/syria-chemical-attack-war-intervention-oil-gas-energy-pipelines
提案されている、カタール-トルコ天然ガス・パイプラインを辿る紫色の線 と、赤く塗った全ての国が、トルコが 最終的に(エルドアンの政治的動機による、対PKK戦争への、NATOの同意と引き換えに)、アメリカが、インシルリク空軍基地から、ISIS標的に対す る空爆作戦を発進させることに同意した後、急遽まとめられた新たな連合の一環であるのに留意のこと。紫の線沿いの、どの国が赤く塗られていないのかに留意 のこと。これは、バッシャール・アル・アサドが、パイプラインを支持せず、中東の独裁者が、アメリカと、サウジアラビアが実現したいことを支持しないこと に決めると、一体なにが起きるかを我々が目にしているためだ。(地図: ZeroHedge.com)
シリアが、自国のエネルギー戦略において極めて重要な部分であるのを理解しているトルコは、このイラン・パイプライン案は改め、 究極的に、トルコや湾岸アラブ諸国のガス供給支配の追求を満足させる、カタール-トルコ・パイプライン提案に協力するよう、シリアのバッシャール・アサド 大統領説得を試みた。しかし、アサドが、トルコの提案を拒否した後、トルコと同盟諸国は、シリア“内戦”の主要計画立案者となった。
https://www.youtube.com/watch?v=G1p_tFnKqMA
現在進行中の戦略の多くは、さかのぼって、アメリカ軍が資金を提供している2008年のRAND報告書“長い戦争という未来を明らかにする”の中で記述されていた。
http://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/monographs/2008/RAND_MG738.pdf
“石 油埋蔵があることがわかっている地理的領域は、大半のサラフィー主義-聖戦士ネットワークの権力基盤と一致している。これが、石油供給と、容易に止めた り、単純に特徴付けたりできない長い戦争とのつながりを生み出す。… 予見し得る将来、世界の石油生産増大と、総生産量は、ペルシャ湾の資源によって支配される。 … 地域は、それゆえ、戦略的優先事項であり続け、この優先度は長い戦争を遂行と強く相互作用する。”
“石 油埋蔵があることがわかっている地理的領域は、大半のサラフィー主義-聖戦士ネットワークの権力基盤と一致している。これが、石油供給と、容易に止めた り、単純に特徴付けたりできない長い戦争とのつながりを生み出す。… 予見し得る将来、世界の石油生産増大と、総生産量は、ペルシャ湾の資源によって支配される。 … 地域は、それゆえ、戦略的優先事項であり続け、この優先度は長い戦争を遂行と強く相互作用する。”
この文脈で、報告書は、石油市場を巡る湾岸アラブ諸国の支配を維持しながら、湾岸石油とガス供給を守るのに、スンナ派-シーア派分裂を利用する、分割して、支配する戦略を説明している。
“「分割して統治」で、様々なサラフィー主義-聖戦士集団間の断層を利用し、彼等をお互いに戦
わせる様にし、彼らのエネルギーを、内部抗争で発散させることに重点的に取り組む。この戦略は、秘密活動、情報作戦(IO)、非正規戦と、先住民の治安部
隊への支援に強く依存している。 …
アメリカ合州国と、現地の同盟諸国は、現地住民の目から見て、国際的聖戦戦士の評判を落とすべく、代理IO作戦をたちあげるのに、国粋主義派の聖戦戦士が
利用できる。 …
アメリカ指導部は、イスラム世界における‘シーア派-スンナ派紛争継続’の軌跡を十分に活用することも可能だ、シーア派権利拡張運動に対して、保守派のス
ンナ派政権を十分に利用することだ…. 恐らくは、一貫して敵対的なイランに対し、権威あるスンナ派政府を支持することだ。”
報告書は、もう一つの選択肢は“恐らくは、一貫して敵対的なイランに対し、権威あるスンナ派政府を支持することで、紛争で、一方の側につくこと”だろうと書いている。この枠組みが興味深い枢軸を生み出した。トルコ、カタール、サウジアラビア、アメリカ、イギリスと、フランス対、シリア、イランとロシアだ。
分割して、支配: 政権転覆への道
アメリカ、フランス、イギリス、カタール、サウジアラビアと、トルコ - 別名、新“シリアの友人”連合が、公式に、ガス・パイプラインへの署名をアサドが拒否した後、2011年から2012年の間、シリアのバッシャール・アサ ド大統領打倒を、公式に呼びかけ、シリアを、人道的危機に押しやるいわゆる“穏健”反政府派に与えるべく資金と武器が、シリアに流入した。反政府集団は、 あれやこれやの連中を組織したもので、その多くは外人戦士で、多くがアルカイダと同盟していた。
中央は、イラク・バグダッドでの、アラブ連盟サミットに出席する、サウジアラビアのアラブ諸国連盟常任委員、アフマド・アル-カッタン, 2012年3月29日木曜日 (AP Photo)
反政府派が確保する地域を標的にして、シリア政府は、強権的手法で対応し、その過程で、一般市民を殺害した。
シリアは宗教的に多様なので、いわゆる“シリアの友”は、アサド打倒の為の“分割して統治”戦略の公式として宗派心を煽った。アメリカが支援する“穏健”反政府派による、アラウィー派が、スンナ派が多数派の国家を支配しているという主張が、スンナ派解放の主張となった。
この戦争は、大衆には、スンナ派-シーア派紛争として売り込まれているが、ISISや、 シリアのアルカイダ分派、アル・ヌスラ戦線等のいわゆるスンナ派集団や、“穏健派” 自由シリア軍までもが、無差別に、シリアのスンナ派、シーア派、キリスト教徒やユダヤ人を標的にしている。同時に、正に同じ諸外国が、国中をおおっている 多数派のシーア派による民主主義推進抗議行動に対する暴力的弾圧で、スンナ派だと主張しているバハレーン政府を支援し、武器まで与えている。
シリア政府軍自身、80パーセント以上がスンナ派で、本当の狙いの動機は、政治的なものであって、宗教的なものではないことを示している。
これに加え、アサド一家は、大半のシーア派が、この二つは無関係であることに同意しているのに、マスコミが、シーア派とひとまとめにしているイスラ ム教の宗派、アラウィー派だ。更に、アサド一家は、非宗教的で、非宗教国家を支配しているとされている。アラウィー派を、シーア派として見なすのは、紛争 の為に宗派的枠組みを押しつける一つの方法に過ぎない。それが、シリア-イラン同盟が実際は経済関係なのに、宗教に基づくものだという前提を許容してしま う。
この枠組みは,イランが、イラク、シリアとレバノンに広げているとされるシーア派の影響力から自らを解放する為のスンナ派革命として、入念に仕立てられたシリア紛争だ。
だが、真実は、シリアのスンナ派社会は分裂しており、多くの人々が、自由シリア軍、ISISやアルカイダ等の集団に加わる為にくらがえした。また先に述べた通り、80パーセント以上のアサド軍兵士はスンナ派だ。
2012年という早い時期に、アラビア湾岸諸国やトルコに武器を与えられ、資金提供を受ける、アルカイダやムスリム同胞団等の更なる反政府派が、 シーア派に対する全面戦争を宣言した。彼等は、アサド政権を打倒した後、レバノンのヒズボラやイラク政府を攻撃するとまで威嚇した。
間もなく、大多数のムスリム同胞団反政府派は、アルカイダとつながる集団の一部となった。彼等は、シーア派にとって特に重要なものだけでなく、あらゆる寺院を共に破壊すると宣言した。
ヒズボラは、2012年に登場し 公式に、カタール、サウジアラビアとトルコによって武器を与えられ、資金を得ている、アル・ヌスラ戦線や、ISISとの戦いで、シリア政府と同盟してい る。そして、全ての武器は、アメリカ合州国が、積極的にこれらの国々に売ったものだ。こうした、アメリカの兵器が、アメリカ が広範な対テロ戦争で戦っていると主張する同じテロ集団の手に落ちていたのだ。
シリアは宗教的に多様なので、いわゆる“シリアの友”は、アサド打倒の為の“分割して統治”戦略の公式として宗派心を煽った。アメリカが支援する“穏健”反政府派による、アラウィー派が、スンナ派が多数派の国家を支配しているという主張が、スンナ派解放の主張となった。
この戦争は、大衆には、スンナ派-シーア派紛争として売り込まれているが、ISISや、 シリアのアルカイダ分派、アル・ヌスラ戦線等のいわゆるスンナ派集団や、“穏健派” 自由シリア軍までもが、無差別に、シリアのスンナ派、シーア派、キリスト教徒やユダヤ人を標的にしている。同時に、正に同じ諸外国が、国中をおおっている 多数派のシーア派による民主主義推進抗議行動に対する暴力的弾圧で、スンナ派だと主張しているバハレーン政府を支援し、武器まで与えている。
シリア政府軍自身、80パーセント以上がスンナ派で、本当の狙いの動機は、政治的なものであって、宗教的なものではないことを示している。
これに加え、アサド一家は、大半のシーア派が、この二つは無関係であることに同意しているのに、マスコミが、シーア派とひとまとめにしているイスラ ム教の宗派、アラウィー派だ。更に、アサド一家は、非宗教的で、非宗教国家を支配しているとされている。アラウィー派を、シーア派として見なすのは、紛争 の為に宗派的枠組みを押しつける一つの方法に過ぎない。それが、シリア-イラン同盟が実際は経済関係なのに、宗教に基づくものだという前提を許容してしま う。
この枠組みは,イランが、イラク、シリアとレバノンに広げているとされるシーア派の影響力から自らを解放する為のスンナ派革命として、入念に仕立てられたシリア紛争だ。
だが、真実は、シリアのスンナ派社会は分裂しており、多くの人々が、自由シリア軍、ISISやアルカイダ等の集団に加わる為にくらがえした。また先に述べた通り、80パーセント以上のアサド軍兵士はスンナ派だ。
2012年という早い時期に、アラビア湾岸諸国やトルコに武器を与えられ、資金提供を受ける、アルカイダやムスリム同胞団等の更なる反政府派が、 シーア派に対する全面戦争を宣言した。彼等は、アサド政権を打倒した後、レバノンのヒズボラやイラク政府を攻撃するとまで威嚇した。
間もなく、大多数のムスリム同胞団反政府派は、アルカイダとつながる集団の一部となった。彼等は、シーア派にとって特に重要なものだけでなく、あらゆる寺院を共に破壊すると宣言した。
ヒズボラは、2012年に登場し 公式に、カタール、サウジアラビアとトルコによって武器を与えられ、資金を得ている、アル・ヌスラ戦線や、ISISとの戦いで、シリア政府と同盟してい る。そして、全ての武器は、アメリカ合州国が、積極的にこれらの国々に売ったものだ。こうした、アメリカの兵器が、アメリカ が広範な対テロ戦争で戦っていると主張する同じテロ集団の手に落ちていたのだ。
2015年1月20日、火曜日、シリアで、レバノンの戦闘集団メンバー6人 と、イラン人将軍を殺害した空爆で死亡したヒズボラ・メンバー、モハンマド・イッサの柩を、レバノン南部のアラブ・サリム村での彼の葬儀で、担ぐヒズボラ 戦士達。ヒズボラは、ゴラン高原のシリア側で行われた日曜の空爆に対して、イスラエルを非難した。イッサは、このグループの中では最高位で、スンナ派が率 いる反乱に対する集団のシリアでのを率いる作戦幹部の一員だった。(AP Photo/Mohammed Zaatari)
報道によれば、ヒズボラは、シリア内戦のレバノンへの波及で、シリアからレバノンへの反政府派の侵入を防ぐのに積極的だったし、今も最も積極的な勢力の一つだ。それにもかかわらず、2012年、アメリカは、シリア政府とヒズボラの両方を経済制裁した。
そして、その年、ロシアとイランは、テロ集団鎮圧でシリア政府を支援すべく軍事顧問を派遣したが、この当時、イラン軍部隊は現地にはいなかった。
かつては、非宗教的で、多様で、平和な国家だったものが、益々、次のアフガニスタンとなる道を進んでいるかのように見える。聖戦戦士連中が、益々多くの領土を占領し、より多くの都市を征服する中、国民は、タリバン風支配者の下で暮らしている
外国介入の影響が自決に勝っている
もし読者がこれを理解するのが困難だとお考えであれば、そればあなただけではない。
大半の宗派内戦は、大規模な権力の集中を、同盟するのが容易ではない小さな諸派に分裂させる“分割して支配”手法が使えるようにすべく、お互いに戦 わせて、意図的に作られている。これは、大英帝国が利用してきたことで有名な植民ドクトリンで、我々がシリアで起きているのを目にしているものも、違いは ない。
だから、一つはっきりさせよう。これは宗教問題ではないのだ。アラブ人や、イスラム教徒はお互いに殺し合うというのは好都合で、地域や人々を野蛮に 描き出す為に、こうした紛争を宗派的なものとして表現するのは容易かも知れない。だが、この東洋学者風の、中東紛争の極端に単純化した見方は、こうした戦 争の犠牲者を非人間的にし、直接、間接の軍事行動を正当化する。
これらの戦争は、経済権益を狙うものであるという視点から、真実が、人々に示されれば、大半の人々は、反政府派への秘密資金援助も、武器供与も、直 接介入も支持するまい。実際、大多数の大衆は、戦争に反対するだろう。しかし大衆に対して、何か善対悪の問題として提示された場合には、我々は自然“善” 側に与して、“悪”とされるものを撃退する戦争を正当化しがちだ。
政治的言辞は、ウソを、いかにももっともらしく聞こえる様、殺人が立派なことであるかのようにすべく、入念に作り上げられる。究極的には、外国の介 入によってもたらされた狙い、同盟や、不安定はどうであれ、2011年に噴出した、自由、民主主義と平等への要求は、当時も、現実のものであり、今も、そ うなのだ。そして、自由、民主主義と、平等の欠如は、自決によるものではなく、残虐な独裁者にてこ入れし、テロ集団に武器を与える、外国の介入によっても たらされてきたことを忘れてはならない。
2015年8月21日、金曜日、北ギリシャ国境の駅イドメニ近くで、ギリ シャから、マケドニアへと、国境を越えるのを、マケドニア警察に許されるのを待ちながら衝突した際、マケドニア機動隊員と難民の間で板挟みになった男の子 を抱えた難民を救おうとする難民。北のヨーロッパへと向かう難民の膨大な流入に対処する為、マケドニアが国境で非常事態を宣言した翌日、ギリシャとの緩衝 地帯に留まっている何千人もの難民を散らすべく、マケドニアの特殊警察部隊は、スタン擲弾を発射した。(AP Photo/Darko Vojinovic)
かつて、中東の人々は、宗教や文化的背景と無関係に、外国の介入や搾取や植民地主義に対し、共に団結し、立ち上がった。ところが、石油とガスを入手 する為、宗教を基に人々をお互いに戦わせるという巧みな操作手法で、現在、中東はバラバラにされている。それに続く混乱が、石油パイプライン設置により従 順で、最高入札者に、有利な経路を保障する新政権を据えつける為の、良い隠れ蓑になるのだ。
そして、このエネルギーを求める動きの中で、最も苦しむのは民衆だ。シリアでは、人々は大挙して脱出している。彼等は幼い男の子や女の子を起こし て、スニーカーを履かせ、救命胴衣も着けずに、別の海岸にたどり着けることだけを願って、ボートに飛び乗る。どこかでの希望の方が、自国の現実より良いが ゆえに、対岸に決してたどりつけないかも知れないのを十分に知りながら、彼等は命を懸けるのだ。
記事原文のurl:http://www.mintpressnews.com/migrant-crisis-syria-war-fueled-by-competing-gas-pipelines/209294/
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-e61d.html
ロシア軍、シリアで戦闘に参加 アサド政権支援
2015年09月10日 ロイター
[モスクワ/ベイルート/ワシントン 9日 ロイター] - ロシア軍が、内戦の続くシリアでアサド政権軍を支援するため、戦闘に加わったことが分かった。事情に詳しいレバノンの関係筋3人が明らかにした。
ロシア軍のシリア内戦への関与拡大は米国が懸念する事態。ただ、レバノンの関係筋によると、戦闘に参加しているロシア軍兵士は、今のところ少人数だという。
複数の米当局者は、ロシアが最近シリアに戦車揚陸艦2隻や輸送機などを派遣し、少数の海軍歩兵部隊も派遣されたと述べた。ロシア側の意図は不明だという。
しかし、米当局者の1人は、シリアのアサド大統領の拠点である港町ラタキア近郊で航空基地を整備しているのではないかとの見方を示した。この基地が出撃拠点となる可能性があり、米当局者もその可能性を否定しなかった。
一方、ケリー米国務長官は、ロシアのラブロフ外相にロシア軍のシリアでの動きに関する報道について懸念を伝達。内戦の悪化につながると強い警戒感を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150910-00000015-reut-n_ame
帝政ロシアからの常套手段
これで難民はヨーロッパへ加速的に流れる
EUはウクライナ批判やロシア包囲どころではなくなり
ロシアはウクライナ方面の安定化の為の時間稼ぎが出来るようになる。
ロシアはいつもこうだ、第二戦線を作り上げて相手を搦め手で締め上げる
◆シリアへの軍事介入を始めたロシア
ロシア側の見方とその狙い
2015年09月10日 小泉悠 WEDGE Infinity
ここ数日、ロシアがシリアに軍事介入を始めたのではないかとの観測が高まっており、米国も懸念を表明し始めた。筆者も別の媒体(http://bylines.news.yahoo.co.jp/koizumiyu/20150906-00049218/)で詳しく検証したが、様々な傍証からシリアにロシア軍がかなりの規模で展開していることはほぼ確実と思われ、一部では軍事作戦に参加している可能性も考えられる。
だが、それが事実であるとして、ロシアの狙いは何であろうか。これについてロシアの軍事評論家で有力紙『独立新聞』の軍事問題記者であるウラジミール・ムーヒンの見解が『独立新聞』に掲載されたので以下に紹介したい。
『独立新聞』に掲載されたムーヒンの見解
(翻訳)
ウラジミール・ムーヒン「ダマスカスはロシア軍人を待っている:ウラジミール・プーチンは国連総会でシリアに対する具体的な支援策を提起するだろう」『独立新聞』2015年9月7日
米国は、シリアにおいてロシアが軍事プレゼンスを増強し、ロシア連邦の軍人がバシャール・アサド側について戦闘に参加することを真剣に恐れている。先週の 土曜日、ジョン・ケリー米国務長官はこの問題についてセルゲイ・ラヴロフ露外相と電話会談を行った。西側メディアでは、ロシア軍人やロシアの最新型兵器が シリアに存在し、戦闘行動に参加しているという多くの記事(写真を含む)がこの以前から出回っていた。そしてついにプーチン露大統領がこうした主張を否定 するまでになったのである。
米国務省報道官が述べたところによると、米国務長官はセルゲイ・ラヴロフに対 し、「同地(『独立新聞』註:シリアを指す)におけるロシアの軍事プレゼンス増強の懸念が事実であるとすれば、個別の戦闘が紛争の更なるエスカレーション につながる可能性がある」と伝えたという。これに対する我が外相の反応は明らかでない。しかし、ロシアの報道各社は、ラヴロフとケリーがシリアに関する協 議をニューヨークで継続する見込みであると伝えている。同地では9月15-22日にかけて第70回国連総会が開催される。
その年次会合では、ウラジミール・プーチンの演説が予定されている。ラヴロフは以前、この機会に、ロシアはシリア情勢を収拾するための独自案を提案する計 画だと述べていた。特に国連安保理においては、対「イスラム国(IS)」連合の設立を検討するよう提案が行われるであろう。これは安保理に「完全な法的正 統性を与え、国際社会の支持を取り付ける」ことを目的としたものとされる。ウラジミール・プーチンは、金曜日、すでに多くの政府がこの構想を支持している と述べた。同人はこの問題に関して、対IS軍事作戦にロシアが参加することを云々するのは時期尚早であるとマスコミとの会見において発言している。大統領 は、記者の質問に答えて、「我々は様々な可能性を検討しているが、しかし、あなたが今おっしゃったようなこと(『独立新聞』註:軍事作戦への参加を指す) は我々の議題とはなっていない」と述べた。また、大統領は「シリアの我が友人達、そして同地域の各国との協議を進めることになろう」とした。
一方、『ニューヨーク・タイムズ』紙は先週の金曜日、匿名の米政府関係者の話として、シリアの空軍基地にロシア軍の先遣隊と移動式航空管制システムが現れ たと報じた。これに先立ち、イスラエルのメディアでは、アサド政権側に立って戦うスンニ派勢力の情報として、シリアにはロシア人パイロット、最新型の Su-34及びSu-27戦闘機、そして「プチェラ-1T」無人偵察機が到着したと報じた。ロシア外務省は先週、この情報を否定している。だが、過去2週 間の間に少なくとも3隻のロシアの揚陸艦(「ニコライ・フィルチェンコフ」、「コロリョフ」、「ノヴォチェルカッスク」)と練習艦「スモーリヌィ」が「カ モフラージュネットを被せた武器とともに」ボスポラス海峡を通過したというトルコのメディアには情報には何も言及がなかった。英『タイムズ』は最近、ロシ アの軍人と見られる人物が最新型のBTR-82A装甲兵員輸送車に乗って政府側部隊の側で戦う映像を紹介した。これには会話を拾ったらしいトランスクリプ トが付されていた。
軍事専門家であるユーリー・ネトカチョフ少将は、ロシアの軍事顧問団の増強はまったく当 然のことであると見ている。「彼らは当然、自らの同僚達とロシア語で話している。そしてシリア軍人の多く、特に将校は我が国の軍事教育施設で学んでいるの だから、ロシア語をよく知っている。したがって、無線の会話でロシア語が聴こえてきても当然なのだ」と彼は言う。また、ネトカチョフ将軍は、シリアでロシ ア人が戦闘行動を行っているとは考えていない。同人は、「我々はシリアに対して非常に充分な支援と物資、軍人の訓練、武器を提供している」という金曜日の プーチン発言を引用した。
だが、将来的にロシアの軍人がISとの戦いに参加することは排除されていないよう だ。第一に、アサド政権に忠実な「アル・ワタン」紙の情報によれば、ロシアは地中海沿岸のジャブラに新たな軍事基地を建設することを計画しており、ダマス カスはこれに好意的な反応を示しているという。ラタキアの南方25kmにあるジャブラは、シリア最大の港にしてこの地域の中核都市であり、バッシャール・ アサドを支持するアラブ・ムスリムの居住地である。
ロシア海軍の物資装備拠点があるタルトゥース港と異な り、同地は部隊や艦隊が安全に集結し、より多くの予備物資や武器を集積する上で好適な条件を備える。第二に、ウラジミール・プーチンはウラジオストクにお いて、ロシアの参加する連合を結成する可能性を示唆した。「我々はテロリズム及び過激主義との戦いに関する何らかの国際連合を結成することを実際に望んで いる」とした上で、同人は、「我々は国防当局のラインで連絡を取っており、最近、モスクワでこの紛争(『独立新聞』註:シリアとイラクにおける紛争を指 す)と関わりのある国々の参謀本部の指導部と協議を行った」と述べた。
第三に、アサド政権を支援するロシ ア、イラン、中国が対IS連合の主要参加国となるとの観測がマスコミで流れている。最近モスクワを訪問したイランのモハメド・ジャワド・ザリフ外相は、テ ロリズム及び過激主義との戦いにおける経済的な協力関係以外の優先分野として、イランとロシアの連携を挙げた。そして中露は今年5月、シリア沿岸から遠く ない海域で合同軍事訓練を行っている。
このようにしてみれば、中東地域におけるロシアの軍事的な活発さに対 する米国の懸念は理解できるものだ。ペンタゴンはすでにアサド政府軍に対する爆撃を考慮し始めているが、シリア軍の戦闘序列にロシア軍人が含まれる可能性 があれば、このようなシナリオは排除される。アサド政権がISよりも危険性が少ないと信じるイスラエルは、この点では米国に同調していない。旧ソ連やロシ ア出身の国民も勤務しているイスラエル国防軍では、米国とは異なり、イスラム過激主義との戦いのためにロシアが軍事連合を形成することはより実際的である と見なされている。
(翻訳終わり)
ロシアがシリアに軍事介入を始める狙いとは
ムーヒンは、シリアへのロシア軍展開に関する欧米及び中東の報道を手際よくまとめた上で、これが単なる軍事顧問団の増強に過ぎないとするネトカチョフ少将 の主張(プーチン大統領の主張に沿ったもの)を引用している。シリアの軍人の多くがロシア語を喋れるのだというネトカチョフの主張の正当性はさて措くとし て(バッシャール・アサド大統領の父であるハーフィズ・アサド大統領をはじめとして、シリア軍人にソ連・ロシア留学組が多いことは事実であるが)、 BTR-82A装甲兵員輸送車やSu-34戦闘爆撃機のようにロシア軍しか保有していない装備がシリアで目撃されている以上、ただの「軍事顧問」であると する主張はかなり根拠薄弱であろう。ムーヒンは敢えてこの点に踏み込まずにお茶を濁しているが、軍事評論家である同人にもこの点はよく分かっている筈だ。
これはこれでシリア介入に関するロシア側の立場を知る上では興味深いが、さらに注目したいのは、その狙いに関する部分である。ロシアがシリアに軍事プレゼ ンスを展開し、しかもそれがシリア軍と一体となってしまえば、米国は容易にアサド政権への攻撃を行う訳にはいかないとムーヒンは見ている。
記事中でも触れられているように、米国はロシアの軍事プレゼンスが紛争の「エスカレーション」につながりかねないとの懸念を示しているが、むしろこのよう な懸念を惹起することこそがロシアの狙いであるのかもしれない。いうなればシリアに展開するロシア軍は単にアサド政権を支えるだけでなく一種の「トリッ プ・ワイヤ」(朝鮮半島で最前線に配備されている米軍と同様、同盟国への攻撃があれば域外大国の介入につながりかねないことを相手国に認識させるためのも の)としての役割を期待されているのであり、その存在によって米軍の対アサド政権攻撃を回避することがロシアの狙いなのだと考えられよう。米軍は2013 年からシリア領内への空爆を開始し、今年8月にはトルコのインシルリク基地を拠点として無人機及び有人機でISの拠点を攻撃しているが、今のところアサド 政権側の部隊には攻撃は及んでいない。
また、記事中でも触れられているように、ロシアは今後、シリア紛争を ISに対する「対テロ戦争」と再定義することを狙っている。つまり、「アサド政権vs反体制派」であった当初のシリア内戦にISが参入してきたことを契機 に、「IS vs 反IS連合(アサド政権+反体制派+その他諸国)」へと紛争の構図を書き換えてしまおうということだ。
8月11日に行われたロシアとサウジアラビアの外相会談において、ラヴロフ外相はロシア、中東諸国、アサド政権による「対IS連合」の創設を提起したもの の、この際は反アサド政権を掲げるサウジアラビアの同意を得られることなく終わった。だが、ロシアが依然としてこの構想を諦めていないことは、記事中でも 引用されているプーチン大統領やラヴロフ外相の発言からも明らかである。
ところでロシアがシリアで軍事プレ ゼンスの増強を始めたのは今年8月半ば以降と見られるが、これはムーヒンが触れている9月の国連総会を見据えたものであろう。シリアにおける軍事プレゼン スによって米国の対アサド政権攻撃を封じた上で改めて対IS連合構想を提起し、これを認めさせる思惑があるものと思われる。
その背景には、IS対策のためにアサド政権を容認してもよいのではないかとの空気が一部の西側諸国に見られるようになってきたことであろう。今年3月、ケ リー米国務長官が「最終的にはアサド政権と交渉する必要がある」と述べたことや、記事中で触れられているイスラエルの態度に見られるように、ロシアは「大 連合」構想でアサド政権の生き残りを図るチャンスが出てきたと読んでいるのではないか。
ただし、サウジアラ ビアとの交渉決裂からも想起されるように、「大連合」構想の成立は簡単な話ではない。この場合、まさにプーチン大統領が「将来の可能性」として示唆してい るように、ロシアが公にシリアで対IS軍事作戦に踏み切ることも考えられよう。いずれにせよ、目前に迫った国連総会でプーチン大統領が何を語り、各国がど のような反応を示すかが注目される。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5352
これで、欧米はISISを叩くふりをしてシリア攻撃をすることが出来ない。万が一米 軍や欧州の戦闘機がロシア軍を空爆すれば、必ずプーチンは報復するだろう。それこそプーチンの罠に嵌ることになる。まかり間違えば、第三次世界大戦の口火 をきることになる。今の米国にもEUにもそんな余裕は無い。
◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益
2015年09月08日 岡崎研究所 WEDGE Infinity
8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露は イランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。
すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。
中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。
中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁 解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。
通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアは Su-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜 水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。
さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド 大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、 イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。
今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。
出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822
* * *
極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響とい う2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響 力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がありま す。
イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化 させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、 今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して 来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思 表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。
ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。
(1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。
(2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないで しょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常 化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。
(3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。
(4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。
(5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320
◆マスコミ:サウジアラビアはロシアとの同盟を必要としている
2015年06月26日 Sputnik 日本
サウジアラビアの国防相を務めるムハンマド・ビン・サルマン王子のロシア訪問は、サウジアラビアが支援を獲得し、新たな同盟国を見つけようとしていることを物語っている。チェコのサイトParlamentnilisty.czは、このように伝えた。
サ ルマン王子は、ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた国際経済フォーラムの場で、ロシアのプーチン大統領と会談した。プーチン大統領は会談の席で、サウ ジアラビアに招待されたことに言及し、ぜひ訪問したいとの考えを表した。またサルマン王子は、サウジアラビア国王が、ロシア訪問の招待を受け入れたことを 確認した。
サウジアラビア代表団は、ロシアと、原子力や軍事分野に関する計6つの協定に調印した。 Parlamentnilisty.czの記事では、「石油に関する協力協定は、近い将来、世界の原油価格を再び上昇させるだろう。これは非常に重要、か つ驚くべきことである」と指摘されている。なぜならサウジアラビアは今まで、米国とこのようなことを行ってきたからだ。
記 事の執筆者は、サウジアラビアは、2年連続で原油価格を最低限にまで落として、ロシアに打撃を与えているため、サウジアラビアとロシアの「石油同盟」とい う響きは、サウジアラビアの政策を考慮した場合、自分にとって不思議なものだ、と指摘している。サウジアラビアの王家「サウード家」は、新たな指導部を 持った。その指導部は、サウジアラビアにとって困難な時期であることに関連して、「友人」を増やそうという点で、これまでの指導部とは異なる可能性がある という。記事の中では、「サウジアラビアは、信頼できる国であるものの、最近は、中東における米国のさらに不屈な従属国となり、多くの問題で袋小路に迷い 込み、出口を模索している」と指摘されている。
またサウジアラビアは、リビア、シリア、イラク、そして、度合いは少ないものの、エジプトの情勢不安定化に手をかけたが、これら全ての地政学的、そして現実的な戦いの場は、サウジアラビアの管理下から抜け出てしまった、という。
また原油の低価格によって財政赤字が増え、非常に裕福な国であるサウジアラビアの国民の大多数が貧困に耐えながら暮らしており、不満が高まっている。
記事の中では、「ロシア大統領府は、必ずしもサウジアラビアと、何らかの真剣な同盟を結ぶ必要はないように思われる。なぜなら今、この同盟を一番必要としているのはロシアではなく、サウジアラビアだから」と指摘されている。
http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150626/498858.html#ixzz3e7dEOkf3
◆ギリシャ「対ロ制裁に反対」 ロシアと首脳会談
2015/4/9 日本経済新聞
【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン大統領は8日、債務問題で欧州連合(EU)と対立するギリシャのチプラス首相とモスクワで会談した。EU の対ロ制裁への対抗策としてロシアが発動した欧州の農産物の禁輸措置の中で、ギリシャ産の規制を緩和することなどを協議。チプラス首相はEUの対ロ制裁に 反対を表明した。ロシアはギリシャなどの取り込みを進め、EUの切り崩しを狙う。
チプラス首相は会談後の共同会見で「EUの対ロ制裁には賛成していない」「制裁による悪循環を断ち切るべきだ」などと主張した。プーチン大統領は「ギリシャから金融支援の要請はなかった」としたうえで、農業やエネルギー、インフラ分野での協力を提案した。
ウリュカエフ経済発展相によると、ロシアはギリシャ産の果物などの輸入規制を緩和する方向で、ロシアのメドベージェフ首相が9日、チプラス首相に具体策を提案する。プーチン大統領はトルコとの間で計画する天然ガスの供給計画への参加もギリシャに呼びかけた。
チプラス首相は当初、モスクワで5月9日に開く対独戦勝70周年記念式典に合わせて訪ロする予定だったが、金融支援の延長交渉でEUと対立を深める中で訪問を前倒しした。
ギリシャの財政改革を前提とするEUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の金融支援の継続を巡る交渉は難航しており、ギリシャの資金繰りは逼迫している。チプラス首相はロシアに接近する姿勢を見せることで、EUに揺さぶりを掛ける思惑があるとみられる。
ギリシャは経済的な実利の確保も目指している。同国政府によると、イチゴや桃などの果物は対ロ輸出の2割程度を占め、農産物の禁輸措置により2014年後半だけで8000万ユーロ規模の損害が出ている。天然ガスの6割強もロシアからの輸入に依存している。
EUはロシアのウクライナへの軍事介入を受けて導入したロシアの金融機関や銀行を対象にした制裁を延長するかどうかを6月に判断する。延長には加 盟28カ国すべての賛成が必要となる。ロシア政府筋はギリシャが1国で延長に拒否権を発動するとは期待していないとしながら、「EU内の制裁反対勢力を増 やせば、フランスやスペインなど大国も動かせる」と発言した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85461250Z00C15A4FF2000/
ロシアは帝政初期に旧東ローマ帝国の皇女を嫁に迎えているから、コンスタンチノープルがオスマントルコに陥落させられたときいらい、東ローマ帝国の正当な後継者にして正教会の守護者を任じている。
だから現在のロシア連邦の国章は東ローマ帝国と同じ双頭の鷲だ。
そしてギリシァは冷戦時代に西欧陣営にあったが、文明的にいえば東ローマ帝国に属し、ロシアと同じ正教会である。
ロシアにとってギリシァを自陣営に取り込むことは、大きな地政学的メリットがある。 ロシア黒海艦隊はNATO加盟国である東ローマ帝国を滅亡させた宿敵トルコのコントーロルするボスポラス海峡を通過しなければ地中海に出ることができな い。ギリシァに基地を設けることができれば、その必要はなくなる。
旧西ローマ帝国=カトリックとその後継のプロテスタント=ラテン語文明圏の末裔同士の文明の衝突ということになる。
EUにとってこれ以上底なし沼の援助は難しいと成れば、新たな冷戦を生む可能性がある。最早腰抜けオバマにはどうすることも出来まい。イスラエルもサウジアラビアもエジプトも全部反米にしてしまった。
◆北方領土事業に日本参加を=望まなければ韓国を検討-ロシア知事代行
2015/07/25 時事通信
【モスクワ時事】タス通信によると、ロシア極東のサハリン州のコジェミャコ知事代行は25日、記者会見で「クリール諸島(北方領土と千島列島)発 展の共同プロジェクトに日本も参加するよう今後活発に提案していく」と述べた。一方で「日本にその希望がなければ、韓国などの合弁企業参加を検討する」と の考えを示した。
ロシア政府は23日、現行の「クリール諸島社会・経済発展計画」(2007~15年)の次期計画(16~25年)を閣議決定。予算は700億ルーブル(約1500億円)で、インフラを整備して事実上の支配を固定化する狙いがある。
発展状況を視察するため、メドベージェフ首相は3回目の北方領土訪問を8月にも予定。プーチン大統領の年内訪日を控え、日ロ関係への影響が懸念されている。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507/2015072500287
◆北朝鮮にロシアが異常接近
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)6月3日(水曜日)
通算第4562号
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中国の北朝鮮冷遇の隙間につけいったロシアの巧緻
最高人民会議議長、国防相、外相らが相次いでモスクワ詣で
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中国の北朝鮮への冷たい態度はまるで氷のように凍てついて、駐平壌大使は軽量級。虫の居所が極端に悪い習近平が言ったことは「中国はこの地域の安定を望んでいるが、政権の安定を望んでいる訳ではない」だ。
この中朝冷却の政治状況に巧みに乗じて北朝鮮に影響力を増大させているのがロシアである。ソ連時代、北の最大の保護者でもあった。
2014年2月以来、両国の要人の往来は激しくなり、金永南(最高人民会議委員長)がソチ五輪に出席したのを皮切りに、同年十月にはリ・スヨン外相、十一月にはヒョン・ヨンチョル国防相がモスクワを訪問した。
答礼にモスクワからはガルシェカ極東開発大臣が3回、ユーリ・ツルゼフ(副大臣)らが平壌を訪問している。
2015年になって四月にヒョン・ヨンチョル国防相が改めてモスクワを訪問し、同年五月に金永南が赤の広場の軍事パレードに参列した。頻度激しい相互訪問に比べると、北京の反応は冷たい。
ロシアは2015年を「北朝鮮友好年」として政治イベント計画中といわれる。
五月9日の軍事パレードに参加しなかった金正恩は、国際デビューの機会を見逃したことになるが、ロシアは北朝鮮に対して暖かい姿勢を続ける。
金正恩が大事な外遊と認識しながらも、平壌を留守に出来ないのは、不在中の軍事クーデターを警戒するからであろう。
ロシア極東部に出稼ぎにでている北朝鮮労働者は、すでに五十万人といわれ、この労賃収入によって、北朝鮮は食料危機を回避しているとも観測されている。
実際にウラジオストクやナホトカをあるくと建設現場には北朝鮮からと見られる労働者が3K現場で働いており、カザフスタンやウズベキスタンの出稼ぎ労働者と一緒に建設作業をしていた。
「2013年二月の三回目の北の核実験以後、中国は対北政策を極端に冷却化させてきた。6者協議も、おそらく16年秋の米国大統領選挙以後に持ち越されるだろう」(ジェイムズタウン財団『チャイナ・ブリーフ』、5月29日号)。
▼中国の苛立ちは本物だが、時間的余裕が狭まった
北朝鮮に対する中国の不快感は宗主国として、家来が言うことを聞かないという単純な理由からの反発、冷遇だが、中国軍の配置を一覧すると、遼寧省の北朝鮮 国境に瀋陽軍区の主力部隊およそ10万から20万人ていどを貼り付けており、いざという場合に軍事介入できる態勢にある。
たとえば親中派の軍人等がクーデターを起こし、非常事態宣言布告後、治安維持のために中国軍を「平和維持部隊」として派遣要請するシナリオが考えられるだろう。
瀋陽軍区は装備に優れ、機動力もある。鴨緑江を挟んだ国境の町=丹東(日本時代の安東)までの鉄道を利用して多くの装甲車、戦車が運び込まれている。それもこれも北朝鮮の核爆弾は、日本向けというより、いつでも中国に向けられる懼れがあるからだ。
中国はロシアの北への急接近を過剰には評価しておらず、その経済的破綻情況を根本から立て直すほどの意気込みも資金もロシアにはないと踏んでいる。むし ろ、この平壌のモスクワ異常接近は、金正恩の危険な綱渡りだと認識している。「ロシアはルーブル下落やインフラ建設能力の問題があり、北朝鮮へおおきなプ ロジェクトを運べない」というアキレス腱があるからだ。
そして北京は北朝鮮の外相の訪問を受け入れても、数時間もまたせたうえ、いままで経験したこともない冷遇で対応した。このことに象徴されるように習近平の絶対的要求は北朝鮮の核開発凍結である。
とはいうものの北京も九月三日に予定している「抗日戦争勝利軍事パレード」には、プーチン大統領の出席に加えて、金正恩の出席を望んでおり、最近、中国外交部は駐平壌大使を外交官僚の重鎮と交替させた。そのうえで食料援助をカードに再接近を試みているフシがある。
http://melma.com/backnumber_45206_6216341/
◆アルゼンチンがSu-24を配備!?英政府フォークランド諸島防衛を見直し
2015/01/02 FlyTeam
アルゼンチンが、ロシアからスホーイSu-24フェンサー戦闘爆撃機12機のリースを受ける模様で、イギリス国防省はフォークランド諸島の防衛について見直しを迫られています。イギリスのDaily Expressが、2014年12月28日に報じています。
ロ シアは、クリミア問題でEUから牛肉や小麦粉などの食料の禁輸措置を受けています。プーチン大統領は2014年7月にアルゼンチンを訪問した際に、禁輸に より不足する食料と、ロシア製兵器の交換を話し合いました。食料と交換される兵器の中にSu-24 12機のリースが含まれています。
Su- 24は2,000マイル(約3,220キロ)の航続力があり、レーザー誘導ミサイルを搭載できる長距離戦闘爆撃機であることから、アルゼンチン本土から フォークランド諸島への攻撃が容易になります。イギリスは国防予算削減のため、フォークランド諸島の防衛に、タイフーン戦闘機4機とレイピア地対空ミサイ ル、1,200名の兵員しか派遣していません。
イギリス国防省では、2020年に空母HMSクイーン・エリザベスが実戦化するまでに、Su-24が配備されたらピンチと考え、対策を検討しているとのことです。
http://flyteam.jp/news/article/44716
ロシアは英国の一番痛いところを狙って来たな。
戦闘は無いにしても、外交戦争では一歩先を越された英国に、果たして対抗策が出せるのか?
2015年09月10日 ロイター
[モスクワ/ベイルート/ワシントン 9日 ロイター] - ロシア軍が、内戦の続くシリアでアサド政権軍を支援するため、戦闘に加わったことが分かった。事情に詳しいレバノンの関係筋3人が明らかにした。
ロシア軍のシリア内戦への関与拡大は米国が懸念する事態。ただ、レバノンの関係筋によると、戦闘に参加しているロシア軍兵士は、今のところ少人数だという。
複数の米当局者は、ロシアが最近シリアに戦車揚陸艦2隻や輸送機などを派遣し、少数の海軍歩兵部隊も派遣されたと述べた。ロシア側の意図は不明だという。
しかし、米当局者の1人は、シリアのアサド大統領の拠点である港町ラタキア近郊で航空基地を整備しているのではないかとの見方を示した。この基地が出撃拠点となる可能性があり、米当局者もその可能性を否定しなかった。
一方、ケリー米国務長官は、ロシアのラブロフ外相にロシア軍のシリアでの動きに関する報道について懸念を伝達。内戦の悪化につながると強い警戒感を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150910-00000015-reut-n_ame
帝政ロシアからの常套手段
これで難民はヨーロッパへ加速的に流れる
EUはウクライナ批判やロシア包囲どころではなくなり
ロシアはウクライナ方面の安定化の為の時間稼ぎが出来るようになる。
ロシアはいつもこうだ、第二戦線を作り上げて相手を搦め手で締め上げる
◆シリアへの軍事介入を始めたロシア
ロシア側の見方とその狙い
2015年09月10日 小泉悠 WEDGE Infinity
ここ数日、ロシアがシリアに軍事介入を始めたのではないかとの観測が高まっており、米国も懸念を表明し始めた。筆者も別の媒体(http://bylines.news.yahoo.co.jp/koizumiyu/20150906-00049218/)で詳しく検証したが、様々な傍証からシリアにロシア軍がかなりの規模で展開していることはほぼ確実と思われ、一部では軍事作戦に参加している可能性も考えられる。
だが、それが事実であるとして、ロシアの狙いは何であろうか。これについてロシアの軍事評論家で有力紙『独立新聞』の軍事問題記者であるウラジミール・ムーヒンの見解が『独立新聞』に掲載されたので以下に紹介したい。
『独立新聞』に掲載されたムーヒンの見解
(翻訳)
ウラジミール・ムーヒン「ダマスカスはロシア軍人を待っている:ウラジミール・プーチンは国連総会でシリアに対する具体的な支援策を提起するだろう」『独立新聞』2015年9月7日
米国は、シリアにおいてロシアが軍事プレゼンスを増強し、ロシア連邦の軍人がバシャール・アサド側について戦闘に参加することを真剣に恐れている。先週の 土曜日、ジョン・ケリー米国務長官はこの問題についてセルゲイ・ラヴロフ露外相と電話会談を行った。西側メディアでは、ロシア軍人やロシアの最新型兵器が シリアに存在し、戦闘行動に参加しているという多くの記事(写真を含む)がこの以前から出回っていた。そしてついにプーチン露大統領がこうした主張を否定 するまでになったのである。
米国務省報道官が述べたところによると、米国務長官はセルゲイ・ラヴロフに対 し、「同地(『独立新聞』註:シリアを指す)におけるロシアの軍事プレゼンス増強の懸念が事実であるとすれば、個別の戦闘が紛争の更なるエスカレーション につながる可能性がある」と伝えたという。これに対する我が外相の反応は明らかでない。しかし、ロシアの報道各社は、ラヴロフとケリーがシリアに関する協 議をニューヨークで継続する見込みであると伝えている。同地では9月15-22日にかけて第70回国連総会が開催される。
その年次会合では、ウラジミール・プーチンの演説が予定されている。ラヴロフは以前、この機会に、ロシアはシリア情勢を収拾するための独自案を提案する計 画だと述べていた。特に国連安保理においては、対「イスラム国(IS)」連合の設立を検討するよう提案が行われるであろう。これは安保理に「完全な法的正 統性を与え、国際社会の支持を取り付ける」ことを目的としたものとされる。ウラジミール・プーチンは、金曜日、すでに多くの政府がこの構想を支持している と述べた。同人はこの問題に関して、対IS軍事作戦にロシアが参加することを云々するのは時期尚早であるとマスコミとの会見において発言している。大統領 は、記者の質問に答えて、「我々は様々な可能性を検討しているが、しかし、あなたが今おっしゃったようなこと(『独立新聞』註:軍事作戦への参加を指す) は我々の議題とはなっていない」と述べた。また、大統領は「シリアの我が友人達、そして同地域の各国との協議を進めることになろう」とした。
一方、『ニューヨーク・タイムズ』紙は先週の金曜日、匿名の米政府関係者の話として、シリアの空軍基地にロシア軍の先遣隊と移動式航空管制システムが現れ たと報じた。これに先立ち、イスラエルのメディアでは、アサド政権側に立って戦うスンニ派勢力の情報として、シリアにはロシア人パイロット、最新型の Su-34及びSu-27戦闘機、そして「プチェラ-1T」無人偵察機が到着したと報じた。ロシア外務省は先週、この情報を否定している。だが、過去2週 間の間に少なくとも3隻のロシアの揚陸艦(「ニコライ・フィルチェンコフ」、「コロリョフ」、「ノヴォチェルカッスク」)と練習艦「スモーリヌィ」が「カ モフラージュネットを被せた武器とともに」ボスポラス海峡を通過したというトルコのメディアには情報には何も言及がなかった。英『タイムズ』は最近、ロシ アの軍人と見られる人物が最新型のBTR-82A装甲兵員輸送車に乗って政府側部隊の側で戦う映像を紹介した。これには会話を拾ったらしいトランスクリプ トが付されていた。
軍事専門家であるユーリー・ネトカチョフ少将は、ロシアの軍事顧問団の増強はまったく当 然のことであると見ている。「彼らは当然、自らの同僚達とロシア語で話している。そしてシリア軍人の多く、特に将校は我が国の軍事教育施設で学んでいるの だから、ロシア語をよく知っている。したがって、無線の会話でロシア語が聴こえてきても当然なのだ」と彼は言う。また、ネトカチョフ将軍は、シリアでロシ ア人が戦闘行動を行っているとは考えていない。同人は、「我々はシリアに対して非常に充分な支援と物資、軍人の訓練、武器を提供している」という金曜日の プーチン発言を引用した。
だが、将来的にロシアの軍人がISとの戦いに参加することは排除されていないよう だ。第一に、アサド政権に忠実な「アル・ワタン」紙の情報によれば、ロシアは地中海沿岸のジャブラに新たな軍事基地を建設することを計画しており、ダマス カスはこれに好意的な反応を示しているという。ラタキアの南方25kmにあるジャブラは、シリア最大の港にしてこの地域の中核都市であり、バッシャール・ アサドを支持するアラブ・ムスリムの居住地である。
ロシア海軍の物資装備拠点があるタルトゥース港と異な り、同地は部隊や艦隊が安全に集結し、より多くの予備物資や武器を集積する上で好適な条件を備える。第二に、ウラジミール・プーチンはウラジオストクにお いて、ロシアの参加する連合を結成する可能性を示唆した。「我々はテロリズム及び過激主義との戦いに関する何らかの国際連合を結成することを実際に望んで いる」とした上で、同人は、「我々は国防当局のラインで連絡を取っており、最近、モスクワでこの紛争(『独立新聞』註:シリアとイラクにおける紛争を指 す)と関わりのある国々の参謀本部の指導部と協議を行った」と述べた。
第三に、アサド政権を支援するロシ ア、イラン、中国が対IS連合の主要参加国となるとの観測がマスコミで流れている。最近モスクワを訪問したイランのモハメド・ジャワド・ザリフ外相は、テ ロリズム及び過激主義との戦いにおける経済的な協力関係以外の優先分野として、イランとロシアの連携を挙げた。そして中露は今年5月、シリア沿岸から遠く ない海域で合同軍事訓練を行っている。
このようにしてみれば、中東地域におけるロシアの軍事的な活発さに対 する米国の懸念は理解できるものだ。ペンタゴンはすでにアサド政府軍に対する爆撃を考慮し始めているが、シリア軍の戦闘序列にロシア軍人が含まれる可能性 があれば、このようなシナリオは排除される。アサド政権がISよりも危険性が少ないと信じるイスラエルは、この点では米国に同調していない。旧ソ連やロシ ア出身の国民も勤務しているイスラエル国防軍では、米国とは異なり、イスラム過激主義との戦いのためにロシアが軍事連合を形成することはより実際的である と見なされている。
(翻訳終わり)
ロシアがシリアに軍事介入を始める狙いとは
ムーヒンは、シリアへのロシア軍展開に関する欧米及び中東の報道を手際よくまとめた上で、これが単なる軍事顧問団の増強に過ぎないとするネトカチョフ少将 の主張(プーチン大統領の主張に沿ったもの)を引用している。シリアの軍人の多くがロシア語を喋れるのだというネトカチョフの主張の正当性はさて措くとし て(バッシャール・アサド大統領の父であるハーフィズ・アサド大統領をはじめとして、シリア軍人にソ連・ロシア留学組が多いことは事実であるが)、 BTR-82A装甲兵員輸送車やSu-34戦闘爆撃機のようにロシア軍しか保有していない装備がシリアで目撃されている以上、ただの「軍事顧問」であると する主張はかなり根拠薄弱であろう。ムーヒンは敢えてこの点に踏み込まずにお茶を濁しているが、軍事評論家である同人にもこの点はよく分かっている筈だ。
これはこれでシリア介入に関するロシア側の立場を知る上では興味深いが、さらに注目したいのは、その狙いに関する部分である。ロシアがシリアに軍事プレゼ ンスを展開し、しかもそれがシリア軍と一体となってしまえば、米国は容易にアサド政権への攻撃を行う訳にはいかないとムーヒンは見ている。
記事中でも触れられているように、米国はロシアの軍事プレゼンスが紛争の「エスカレーション」につながりかねないとの懸念を示しているが、むしろこのよう な懸念を惹起することこそがロシアの狙いであるのかもしれない。いうなればシリアに展開するロシア軍は単にアサド政権を支えるだけでなく一種の「トリッ プ・ワイヤ」(朝鮮半島で最前線に配備されている米軍と同様、同盟国への攻撃があれば域外大国の介入につながりかねないことを相手国に認識させるためのも の)としての役割を期待されているのであり、その存在によって米軍の対アサド政権攻撃を回避することがロシアの狙いなのだと考えられよう。米軍は2013 年からシリア領内への空爆を開始し、今年8月にはトルコのインシルリク基地を拠点として無人機及び有人機でISの拠点を攻撃しているが、今のところアサド 政権側の部隊には攻撃は及んでいない。
また、記事中でも触れられているように、ロシアは今後、シリア紛争を ISに対する「対テロ戦争」と再定義することを狙っている。つまり、「アサド政権vs反体制派」であった当初のシリア内戦にISが参入してきたことを契機 に、「IS vs 反IS連合(アサド政権+反体制派+その他諸国)」へと紛争の構図を書き換えてしまおうということだ。
8月11日に行われたロシアとサウジアラビアの外相会談において、ラヴロフ外相はロシア、中東諸国、アサド政権による「対IS連合」の創設を提起したもの の、この際は反アサド政権を掲げるサウジアラビアの同意を得られることなく終わった。だが、ロシアが依然としてこの構想を諦めていないことは、記事中でも 引用されているプーチン大統領やラヴロフ外相の発言からも明らかである。
ところでロシアがシリアで軍事プレ ゼンスの増強を始めたのは今年8月半ば以降と見られるが、これはムーヒンが触れている9月の国連総会を見据えたものであろう。シリアにおける軍事プレゼン スによって米国の対アサド政権攻撃を封じた上で改めて対IS連合構想を提起し、これを認めさせる思惑があるものと思われる。
その背景には、IS対策のためにアサド政権を容認してもよいのではないかとの空気が一部の西側諸国に見られるようになってきたことであろう。今年3月、ケ リー米国務長官が「最終的にはアサド政権と交渉する必要がある」と述べたことや、記事中で触れられているイスラエルの態度に見られるように、ロシアは「大 連合」構想でアサド政権の生き残りを図るチャンスが出てきたと読んでいるのではないか。
ただし、サウジアラ ビアとの交渉決裂からも想起されるように、「大連合」構想の成立は簡単な話ではない。この場合、まさにプーチン大統領が「将来の可能性」として示唆してい るように、ロシアが公にシリアで対IS軍事作戦に踏み切ることも考えられよう。いずれにせよ、目前に迫った国連総会でプーチン大統領が何を語り、各国がど のような反応を示すかが注目される。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5352
これで、欧米はISISを叩くふりをしてシリア攻撃をすることが出来ない。万が一米 軍や欧州の戦闘機がロシア軍を空爆すれば、必ずプーチンは報復するだろう。それこそプーチンの罠に嵌ることになる。まかり間違えば、第三次世界大戦の口火 をきることになる。今の米国にもEUにもそんな余裕は無い。
◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益
2015年09月08日 岡崎研究所 WEDGE Infinity
8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露は イランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。
すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。
中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。
中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁 解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。
通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアは Su-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜 水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。
さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド 大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、 イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。
今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。
出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822
* * *
極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響とい う2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響 力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がありま す。
イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化 させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、 今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して 来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思 表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。
ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。
(1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。
(2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないで しょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常 化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。
(3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。
(4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。
(5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320
◆マスコミ:サウジアラビアはロシアとの同盟を必要としている
2015年06月26日 Sputnik 日本
サウジアラビアの国防相を務めるムハンマド・ビン・サルマン王子のロシア訪問は、サウジアラビアが支援を獲得し、新たな同盟国を見つけようとしていることを物語っている。チェコのサイトParlamentnilisty.czは、このように伝えた。
サ ルマン王子は、ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた国際経済フォーラムの場で、ロシアのプーチン大統領と会談した。プーチン大統領は会談の席で、サウ ジアラビアに招待されたことに言及し、ぜひ訪問したいとの考えを表した。またサルマン王子は、サウジアラビア国王が、ロシア訪問の招待を受け入れたことを 確認した。
サウジアラビア代表団は、ロシアと、原子力や軍事分野に関する計6つの協定に調印した。 Parlamentnilisty.czの記事では、「石油に関する協力協定は、近い将来、世界の原油価格を再び上昇させるだろう。これは非常に重要、か つ驚くべきことである」と指摘されている。なぜならサウジアラビアは今まで、米国とこのようなことを行ってきたからだ。
記 事の執筆者は、サウジアラビアは、2年連続で原油価格を最低限にまで落として、ロシアに打撃を与えているため、サウジアラビアとロシアの「石油同盟」とい う響きは、サウジアラビアの政策を考慮した場合、自分にとって不思議なものだ、と指摘している。サウジアラビアの王家「サウード家」は、新たな指導部を 持った。その指導部は、サウジアラビアにとって困難な時期であることに関連して、「友人」を増やそうという点で、これまでの指導部とは異なる可能性がある という。記事の中では、「サウジアラビアは、信頼できる国であるものの、最近は、中東における米国のさらに不屈な従属国となり、多くの問題で袋小路に迷い 込み、出口を模索している」と指摘されている。
またサウジアラビアは、リビア、シリア、イラク、そして、度合いは少ないものの、エジプトの情勢不安定化に手をかけたが、これら全ての地政学的、そして現実的な戦いの場は、サウジアラビアの管理下から抜け出てしまった、という。
また原油の低価格によって財政赤字が増え、非常に裕福な国であるサウジアラビアの国民の大多数が貧困に耐えながら暮らしており、不満が高まっている。
記事の中では、「ロシア大統領府は、必ずしもサウジアラビアと、何らかの真剣な同盟を結ぶ必要はないように思われる。なぜなら今、この同盟を一番必要としているのはロシアではなく、サウジアラビアだから」と指摘されている。
http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150626/498858.html#ixzz3e7dEOkf3
◆ギリシャ「対ロ制裁に反対」 ロシアと首脳会談
2015/4/9 日本経済新聞
【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン大統領は8日、債務問題で欧州連合(EU)と対立するギリシャのチプラス首相とモスクワで会談した。EU の対ロ制裁への対抗策としてロシアが発動した欧州の農産物の禁輸措置の中で、ギリシャ産の規制を緩和することなどを協議。チプラス首相はEUの対ロ制裁に 反対を表明した。ロシアはギリシャなどの取り込みを進め、EUの切り崩しを狙う。
チプラス首相は会談後の共同会見で「EUの対ロ制裁には賛成していない」「制裁による悪循環を断ち切るべきだ」などと主張した。プーチン大統領は「ギリシャから金融支援の要請はなかった」としたうえで、農業やエネルギー、インフラ分野での協力を提案した。
ウリュカエフ経済発展相によると、ロシアはギリシャ産の果物などの輸入規制を緩和する方向で、ロシアのメドベージェフ首相が9日、チプラス首相に具体策を提案する。プーチン大統領はトルコとの間で計画する天然ガスの供給計画への参加もギリシャに呼びかけた。
チプラス首相は当初、モスクワで5月9日に開く対独戦勝70周年記念式典に合わせて訪ロする予定だったが、金融支援の延長交渉でEUと対立を深める中で訪問を前倒しした。
ギリシャの財政改革を前提とするEUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の金融支援の継続を巡る交渉は難航しており、ギリシャの資金繰りは逼迫している。チプラス首相はロシアに接近する姿勢を見せることで、EUに揺さぶりを掛ける思惑があるとみられる。
ギリシャは経済的な実利の確保も目指している。同国政府によると、イチゴや桃などの果物は対ロ輸出の2割程度を占め、農産物の禁輸措置により2014年後半だけで8000万ユーロ規模の損害が出ている。天然ガスの6割強もロシアからの輸入に依存している。
EUはロシアのウクライナへの軍事介入を受けて導入したロシアの金融機関や銀行を対象にした制裁を延長するかどうかを6月に判断する。延長には加 盟28カ国すべての賛成が必要となる。ロシア政府筋はギリシャが1国で延長に拒否権を発動するとは期待していないとしながら、「EU内の制裁反対勢力を増 やせば、フランスやスペインなど大国も動かせる」と発言した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85461250Z00C15A4FF2000/
ロシアは帝政初期に旧東ローマ帝国の皇女を嫁に迎えているから、コンスタンチノープルがオスマントルコに陥落させられたときいらい、東ローマ帝国の正当な後継者にして正教会の守護者を任じている。
だから現在のロシア連邦の国章は東ローマ帝国と同じ双頭の鷲だ。
そしてギリシァは冷戦時代に西欧陣営にあったが、文明的にいえば東ローマ帝国に属し、ロシアと同じ正教会である。
ロシアにとってギリシァを自陣営に取り込むことは、大きな地政学的メリットがある。 ロシア黒海艦隊はNATO加盟国である東ローマ帝国を滅亡させた宿敵トルコのコントーロルするボスポラス海峡を通過しなければ地中海に出ることができな い。ギリシァに基地を設けることができれば、その必要はなくなる。
旧西ローマ帝国=カトリックとその後継のプロテスタント=ラテン語文明圏の末裔同士の文明の衝突ということになる。
EUにとってこれ以上底なし沼の援助は難しいと成れば、新たな冷戦を生む可能性がある。最早腰抜けオバマにはどうすることも出来まい。イスラエルもサウジアラビアもエジプトも全部反米にしてしまった。
◆北方領土事業に日本参加を=望まなければ韓国を検討-ロシア知事代行
2015/07/25 時事通信
【モスクワ時事】タス通信によると、ロシア極東のサハリン州のコジェミャコ知事代行は25日、記者会見で「クリール諸島(北方領土と千島列島)発 展の共同プロジェクトに日本も参加するよう今後活発に提案していく」と述べた。一方で「日本にその希望がなければ、韓国などの合弁企業参加を検討する」と の考えを示した。
ロシア政府は23日、現行の「クリール諸島社会・経済発展計画」(2007~15年)の次期計画(16~25年)を閣議決定。予算は700億ルーブル(約1500億円)で、インフラを整備して事実上の支配を固定化する狙いがある。
発展状況を視察するため、メドベージェフ首相は3回目の北方領土訪問を8月にも予定。プーチン大統領の年内訪日を控え、日ロ関係への影響が懸念されている。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507/2015072500287
◆北朝鮮にロシアが異常接近
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)6月3日(水曜日)
通算第4562号
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中国の北朝鮮冷遇の隙間につけいったロシアの巧緻
最高人民会議議長、国防相、外相らが相次いでモスクワ詣で
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中国の北朝鮮への冷たい態度はまるで氷のように凍てついて、駐平壌大使は軽量級。虫の居所が極端に悪い習近平が言ったことは「中国はこの地域の安定を望んでいるが、政権の安定を望んでいる訳ではない」だ。
この中朝冷却の政治状況に巧みに乗じて北朝鮮に影響力を増大させているのがロシアである。ソ連時代、北の最大の保護者でもあった。
2014年2月以来、両国の要人の往来は激しくなり、金永南(最高人民会議委員長)がソチ五輪に出席したのを皮切りに、同年十月にはリ・スヨン外相、十一月にはヒョン・ヨンチョル国防相がモスクワを訪問した。
答礼にモスクワからはガルシェカ極東開発大臣が3回、ユーリ・ツルゼフ(副大臣)らが平壌を訪問している。
2015年になって四月にヒョン・ヨンチョル国防相が改めてモスクワを訪問し、同年五月に金永南が赤の広場の軍事パレードに参列した。頻度激しい相互訪問に比べると、北京の反応は冷たい。
ロシアは2015年を「北朝鮮友好年」として政治イベント計画中といわれる。
五月9日の軍事パレードに参加しなかった金正恩は、国際デビューの機会を見逃したことになるが、ロシアは北朝鮮に対して暖かい姿勢を続ける。
金正恩が大事な外遊と認識しながらも、平壌を留守に出来ないのは、不在中の軍事クーデターを警戒するからであろう。
ロシア極東部に出稼ぎにでている北朝鮮労働者は、すでに五十万人といわれ、この労賃収入によって、北朝鮮は食料危機を回避しているとも観測されている。
実際にウラジオストクやナホトカをあるくと建設現場には北朝鮮からと見られる労働者が3K現場で働いており、カザフスタンやウズベキスタンの出稼ぎ労働者と一緒に建設作業をしていた。
「2013年二月の三回目の北の核実験以後、中国は対北政策を極端に冷却化させてきた。6者協議も、おそらく16年秋の米国大統領選挙以後に持ち越されるだろう」(ジェイムズタウン財団『チャイナ・ブリーフ』、5月29日号)。
▼中国の苛立ちは本物だが、時間的余裕が狭まった
北朝鮮に対する中国の不快感は宗主国として、家来が言うことを聞かないという単純な理由からの反発、冷遇だが、中国軍の配置を一覧すると、遼寧省の北朝鮮 国境に瀋陽軍区の主力部隊およそ10万から20万人ていどを貼り付けており、いざという場合に軍事介入できる態勢にある。
たとえば親中派の軍人等がクーデターを起こし、非常事態宣言布告後、治安維持のために中国軍を「平和維持部隊」として派遣要請するシナリオが考えられるだろう。
瀋陽軍区は装備に優れ、機動力もある。鴨緑江を挟んだ国境の町=丹東(日本時代の安東)までの鉄道を利用して多くの装甲車、戦車が運び込まれている。それもこれも北朝鮮の核爆弾は、日本向けというより、いつでも中国に向けられる懼れがあるからだ。
中国はロシアの北への急接近を過剰には評価しておらず、その経済的破綻情況を根本から立て直すほどの意気込みも資金もロシアにはないと踏んでいる。むし ろ、この平壌のモスクワ異常接近は、金正恩の危険な綱渡りだと認識している。「ロシアはルーブル下落やインフラ建設能力の問題があり、北朝鮮へおおきなプ ロジェクトを運べない」というアキレス腱があるからだ。
そして北京は北朝鮮の外相の訪問を受け入れても、数時間もまたせたうえ、いままで経験したこともない冷遇で対応した。このことに象徴されるように習近平の絶対的要求は北朝鮮の核開発凍結である。
とはいうものの北京も九月三日に予定している「抗日戦争勝利軍事パレード」には、プーチン大統領の出席に加えて、金正恩の出席を望んでおり、最近、中国外交部は駐平壌大使を外交官僚の重鎮と交替させた。そのうえで食料援助をカードに再接近を試みているフシがある。
http://melma.com/backnumber_45206_6216341/
◆アルゼンチンがSu-24を配備!?英政府フォークランド諸島防衛を見直し
2015/01/02 FlyTeam
アルゼンチンが、ロシアからスホーイSu-24フェンサー戦闘爆撃機12機のリースを受ける模様で、イギリス国防省はフォークランド諸島の防衛について見直しを迫られています。イギリスのDaily Expressが、2014年12月28日に報じています。
ロ シアは、クリミア問題でEUから牛肉や小麦粉などの食料の禁輸措置を受けています。プーチン大統領は2014年7月にアルゼンチンを訪問した際に、禁輸に より不足する食料と、ロシア製兵器の交換を話し合いました。食料と交換される兵器の中にSu-24 12機のリースが含まれています。
Su- 24は2,000マイル(約3,220キロ)の航続力があり、レーザー誘導ミサイルを搭載できる長距離戦闘爆撃機であることから、アルゼンチン本土から フォークランド諸島への攻撃が容易になります。イギリスは国防予算削減のため、フォークランド諸島の防衛に、タイフーン戦闘機4機とレイピア地対空ミサイ ル、1,200名の兵員しか派遣していません。
イギリス国防省では、2020年に空母HMSクイーン・エリザベスが実戦化するまでに、Su-24が配備されたらピンチと考え、対策を検討しているとのことです。
http://flyteam.jp/news/article/44716
ロシアは英国の一番痛いところを狙って来たな。
戦闘は無いにしても、外交戦争では一歩先を越された英国に、果たして対抗策が出せるのか?
堅気の私たちには全く迷惑な話だが、生活圏における抗争や暴力行為はまったく無縁とはいえない話でもある。危険回避には、最低限の知識を持っておく必要があるだろう。
テロ資金凍結法の施行が国会で決定した。施行日は今年の10月5日である。これを期した様に国際的にも国内でも凍結対象であった広域暴力団の山口組が分裂した。
この新興「神戸山口組」はまだ広域暴力団の指定も無い。米国や国連などの国際的テロ・マフィアの指定にもなってはいない。このままだと新たに指定されるまでには1年から1年半はかかるものと思われる。
昨年の司忍6代目山口組の年間収入は、アメリカのビジネス誌『FORTUNE』によると8.6兆円と発表された。
第一位 日本山口組 年収約8.6兆円
山口組は世界最大の反社会組織で、構成員は 2.8万人に上るとされ、主な収入源は自家製の麻薬関連品、賭博、恐喝行為や囲い込みであるとされる。組織内の分類は精緻を極め構成員は一度組織に参加す ると、組織に対する忠誠を誓う必要があり、求心力も高い。日本政府は近年になって取り締まりを強化しているものの、勢力は依然として強大であるとされ る。
第二位 ロシアSolntsevskaya Bratva 年収約9119億円
第三位 イタリアCamorra 年収約5257億円
第四位 イタリア’Ndrangheta年收約4827億円
第五位 メキシコSinaloa Cartel年收約3219億円
http://fortune.com/2014/09/14/biggest-organized-crime-groups-in-the-world/
旧6代目山口組の資産凍結が執行されることになれば、そちらはそれで大きなテロや犯行活動も予想される。まして住民票無登録の不法滞在ともなれば、強制送還逃れにも人質を取っての集団テロも予想がつく。
今回神戸山口組に分離した山健組と宅見組のものと分かっている証券や株式などだけでも、その資産は約2兆円あると推察されている。そちらは今回のテロ資金凍結法からは全くの対象外と言う理不尽な事実となる。 http://www.nikaidou.com/archives/70822
◆「神戸山口組」これが人事一覧と掟だ
2015.8.8 暴力団ニュース~ヤクザ事件簿
世間を震撼させている日本最大の指定暴力団、山口組の分裂劇は今後、どんな展開を見せるのか。この分裂劇の裏側に何があって、真相は何か。
■月会費は大幅減額、組長への贈り物禁止
今月5日、神戸市花隈の山健組本部に、山口組を離れた「神戸山口組」のメンバーたちが集まり、発足に向けて人事や月会費を決めた。
出席したメンバーによれば、人事は次の通りである。煩雑になるが、よそではまだ報じられていないようなので、記すことにする。
神戸山口組の組長は事前予想通り
井上邦雄(山健組組長)
若頭は寺岡修(侠友会、淡路市)
若頭補佐・剣柾和(黒誠会会長、大阪市)
同・織田絆誠(今回、山健組から抜擢)
入江禎(宅見組組長)
副組長・入江禎(宅見組組長、大阪)
正木年男(正木組組長)
総本部長・正木年男(正木組組長、福井県敦賀市)
本部長・毛利善長(毛利組組長、吹田市)
舎弟頭・池田孝志(池田組組長、岡山市)
舎弟・岡本久男(松下組組長、神戸市)
同・宮下和美(西脇組組長、神戸市)
顧問・奥浦清司(奥浦組組長、東大阪市)
若中・池田幸治(真鍋組組長、尼崎市)
同・高橋久雄(雄成会会長、京都市)
同・清崎達也(大志会会長、熊本県八代市)
(順不同)
注目すべきは神戸山口組が新しく決めた月会費の額である。役付き30万円、中堅20万円、若中10万円と安い。弘道会が支配する従来の山口組では若中が支 払う最低額でも100万円以上だから、その10分の1以下といえる。さらに中元、歳暮を組長に贈ることは禁止、組長は誕生日祝いをせず、組長への贈り物も 禁止となった。
従来の山口組では中元の時期、直系組長たちが拠出して司忍組長に贈るカネが5000万円、歳 暮として同じく直系組長たちが分担拠出するのが1億円、1月25日の誕生日祝いにも1億円を司忍組長に差し出している。両派組員の支払額はえらい違いで、 神戸山口組は今の不況にかなっている。
当然、弘道会支配の山口組が行っているミネラルウオーターや日用雑貨品の強制売り付け(月額50万円以上)も神戸山口組はやらない。
メンバーたちの多くは「会費の安さと水などの強制売り付けなしはものすごく助かります。6代目山口組が異常なわけで、執行部は脅迫的に直参たちからカネをむしっている。こういうことをまだ続けるつもりか、常識を疑う」などと批判している。
また6代目山口組が今回、神戸山口組の副組長に納まった宅見組・入江禎組長に対する切り崩し工作を中止するよう指令を出した。これについては、6代目山口組は、よほど入江副組長が握る司忍組長の脱税データと証言が怖いのだろう、との声が参加者からも湧いた。
こうして両派は対決局面に入ったが、まだどこからも拳銃の音は聞こえてこない。両派の並立が長く続くのかもしれない。
http://yakuzanews.blog36.fc2.com/blog-entry-7754.html
■神戸山口組勢力図
組長 – 井上邦雄(四代目山健組組長)
■執行部
入江 禎-副組長(二代目宅見組組長)
寺岡 修-若頭(侠友会会長)
正木年男(正木組組長)
池田孝志(池田組組長)
奥浦清司(奥浦組組長)
毛利善長(毛利組組長)
岡本久男(二代目松下組組長)
剣 柾和(二代目黒誠会会長)
宮下和美(二代目西脇組組長)
高橋久雄(雄成会会長)
池田幸治(四代目真鍋組組長)
清崎達也(大志会会長)
本部:兵庫県淡路市
◆神戸、大阪地区を中心に見ると
神戸山口組参画組織 (現在の勢力)
井上邦雄(四代目山健組組長)(兵庫)
入江 禎(二代目宅見組組長) (大阪)(ミナミ)
寺岡 修(侠友会会長) (兵庫)
正木年男(正木組組長) (福井)
池田孝志(池田組組長) (岡山)
毛利善長(毛利組組長) (大阪)
岡本久男(二代目松下組組長) (兵庫)
剣 柾和(二代目黒誠会会長) (大阪)(北)
奥浦清司(奥浦組組長) (東大阪)
宮下和美(二代目西脇組組長)(神戸)
高橋久雄(雄成会会長) (京都)
池田幸治(四代目真鍋組組長) (尼崎)
清崎達也(大志会会長)(熊本)
・邦尽会(大阪)(中央区)
・竜心会(大阪)(中央区)
・勝心連合(大阪)(中央区)
・秀誠会((大阪)西区)
・生島組(大阪)(浪速)
・姫野組(大阪)(西区)
・兼一会(大阪)(中央区)
・忠心会(大阪)(生野)
・神仁会(大阪)(平野)
・柏田組(大阪)(東住吉)
・牧野興業(大阪)(東大阪)
・禎心実業(大阪)(東住吉)
・竜道会(大阪)(豊中)
・砂子会(大阪)(北)
住吉会から合流
加藤孝次郎 (幸平一家) 東京都板橋区大山金井町
約900人 住吉会きっての武闘派だった
縄張りは広範囲に渡り池袋、上板橋、高田馬場、椎名町、江古田、沼袋、
中野、新宿落合、早稲田、雑司ヶ谷、牛込、神楽坂、中井、目白、
井草、旧二本木一家の埼玉地域。
どうもこちらが本流の山口組になりそうだ。
それと10月5日施行のテロ資金凍結法の対象になっていないことが重要。
6代目山口組は、米国でも国連でも日本国内でも凍結対象になっているが、神戸山口組は広域指定暴力団にもまだ指定されていない。
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住吉会(すみよしかい)は、東京都港区赤坂に本拠を置く博徒系指定暴力団。米政府より薬物や武器の密輸、人身売買等の犯罪に関与する国際犯罪組織と 認定されている。 勢力範囲は1都1道1府16県、構成員は5,900人であり準構成員を含めると約12,800人。(2012年2月時点)
住吉一家を中心とする、歴代の住吉一家総長を重んじる組織である。会内で住吉一家の傘下でない組織は幸平一家のみだった。この幸平一家が抜けたことにより、実質の住吉会は住吉一家となる。もちろん日本国内でも住吉会はテロ資産凍結法の指定暴力に指定されている。
◆山口組分裂で一触即発臨界点越す 防弾チョッキ両陣営に送付
2015.09.09 NEWSポストセブン
“日本最大の暴力団”山口組の分裂が明らかになった。いま最も恐れられているのは分裂による抗争が起きるかどうかだ。日本でもっともヤクザに詳しいライター・鈴木智彦氏が、その可能性について各方面からの情報を基に分析する。
* * *
かなり早い段階で、山口組からの離脱組は自分たちの大義を新聞社経由で発表したがっていることが分かった。抗争になれば大義名分が不可欠になる。
現実には強い者の言い分が筋で、最終的に暴力の勝負とはいえ、離脱という大罪を背負った側は、その理由を喧伝しなければならない。というのも暴力団には「親分が絶対」という建前があり、これをひっくり返すのは難儀なのだ。
だからクーデターの大半はトップが死に、または引退し、親分・子分の疑似血縁制度の縛りが消滅した時に表面化する。その点、今回のクーデターは、極めて異例だ。
「一和会のほうがまだマシだ。今回はみなが司忍六代目と縁を持っている。なにを言ったところで、大義なき逆賊だろう」(山口組二次団体幹部)
1981年に田岡一雄三代目が病死して以降、跡目を巡って勃発した山一抗争(※注)とは、ここが決定的に違う。ヤクザ的な物差しでは、離脱組は明らかに不利なのだ。
【※注/1984年に竹中正久が四代目を襲名したことに反発した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害されたが、山口組の報復が激化。1989年の終結までに双方で25人もの死者を出した】
抗争の可能性は極めて高い。暴対法も暴排条例もヤクザのメンツの前には意味がない。確信しているのには理由がある。山口組関係者からかかってくる電話は、明らかに変化している。
http://www.news-postseven.com/archives/20150909_348965.html
◆山口組分裂問題 半グレ同士の対立をもたらす危険性指摘される
2015.09.04 NEWSポストセブン
日本中の注目の的となっている山口組の分裂問題。8月27日、「山健組」を中心に13団体が六代目山口組を離脱することが決定的になった。離脱グループの構成員数は組全体の3分の1近くに上り、今後、新組織を結成すると見られている。
六代目山口組はそれらの団体に対し、「絶縁」や「破門」の処分を出した。特に重い処分が、山健組など5団体が受けた「絶縁」だ。暴力団の事情に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。
「絶 縁とは、六代目山口組から“今後一切、ヤクザを名乗って活動してはいけない”と宣告されることです。ところが、山口組の主流をなしていた山健組は“兄弟 盃”を交わすなどして山口組以外の暴力団とも友好的につきあってきた。たとえば、東京・板橋に拠点を置く有力団体は、山口組に次ぐ規模を持つ『住吉会』の 傘下組織だが、山健組と近い。福岡・大牟田に拠点を置く有力団体もそう。そうした全国の団体が、これまで通りに山健組とつきあいを続けることは六代目山口 組にとっては許されない。彼らも六代目山口組と敵対することになります」
日本最大の山口組の分裂は、他団体をも二分する動きに繋がりかねないという。影響はそれだけではない。
「東京の西麻布や六本木などの繁華街では、“半グレ”と呼ばれる不良グループが過去に何度もグループ同士で凄惨な暴力事件を起こしています。彼らは暴力団の影響下にあるので、ヤクザが抗争を始めれば、半グレ連中同士も対立を始める可能性があります」(伊藤氏)
日本全国に広がる抗争の火種――それが山口組分裂がここまで注目される理由だ。
過去、抗争事件には多くの一般人が巻き込まれている。1984年から1989年に山口組の一部が分裂して起こった「山一抗争」の時には、尼崎市のスナックでバンド演奏のアルバイトをしていた19才女性が流れ弾に当たって亡くなる事件も起きた。
当時に比べると警察の取り締まりは厳しくなっているが、予断は許さない。特に繁華街では事件の危険性が高まっている。
過去の事件をみると、事件が頻発しているのは暴力団事務所や幹部自宅やその周辺の路上。クラブやスナックなどのネオン街も危ない。さらに、意外に危険な場所も浮かび上がってきた。
「事 件が起きやすいのは、暴力団幹部が頻繁に訪れている“行きつけ”の場所です。たとえば、繁華街に近いシティーホテルやビジネスホテル。ヤクザの組や幹部に はお気に入りのホテルがあり、宿泊や会合は同じホテルで行うことが多い。過去には、山口組の最高幹部が神戸市内のシティーホテルのティーラウンジで銃撃さ れ、一般人が巻き添えになって亡くなった事件も起きました」(伊藤氏)
繁華街の中の老舗喫茶店も危ない。たばこを吸えたり、ソファがあるなど組員の集合場所になりがちだ。繁華街にあるファミレスが行きつけの打ち合わせ場所になっていることもある。
「かつて山口組の竹中正久四代目組長は愛人宅のマンションに入るところを暗殺されました。その他、持病の治療のために通っている病院の駐車場や出入り口なども待ち伏せされやすく、過去に事件が起きています」(伊藤氏)
※女性セブン2015年9月17日号
http://www.news-postseven.com/archives/20150904_348049.html
東京で危ないのは、六本木と池袋北口西口方面らしい。
事務所近辺とか、暴力団幹部の行きつけの飲み屋とかには近づかない方が得策。
山口組の分裂騒動が大手マスコミの格好の報道テーマになっているが、なぜ日本の暴力団がこれほどまでに勢力を伸ばしてきたかの検証報道は一切されていない。
元公安調査官・菅沼光弘は、2006年10月19日に行われた東京・外国特派員協会における講演で、山口組のナンバー2である高山清司から聞いた 話として、暴力団の出自の内訳は部落(同和)60%、在日韓国・朝鮮人30%、一般の日本人など10%であるという見解を示した。
なお、菅沼の現職時代の担当は共産圏分析。また公安調査庁は暴力団自体が担当外。
山口組顧問弁護士を務めた山之内幸夫は『文藝春秋』昭和59年11月号に寄せた「山口組顧問弁護士の手記」において「ヤクザには在日朝鮮人や同和地 区出身者が多いのも事実である」「約65万人といわれる在日朝鮮人のうち約50%が兵庫・大阪・京都に集中していることと山口組の発展は決して無関係では なく、山口組は部落差別や在日朝鮮人差別の問題をなしにしては語れない」と述べた。
被差別部落の詩人植松安太郎は「ご承知のとおり山口組のなかの70%は部落民だといわれているけれど、関東だって切った張ったのやくざの手下や用心棒のなかには部落民がいっぱいいるわけですよ」と語っている。
「杉並からの情報発信です」
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/0f36d3bdf48b327b0f29d37979a0f14f
◆ 山口組分裂、それでも大抗争が起きない理由 「やくざの時代」の終焉か?
2015年09月10日 伊藤 博敏 現代ビジネス
司組長が離脱者に送った「通達文書」
本来なら、血で血を洗う抗争が始まっていてもおかしくないが、いまだ静けさを保っているのが、山口組分裂騒動である。
8月末に山口組を割って出た一派は、9月5日に定例会を開き、組長は井上邦雄・山健組組長、副組長は入江禎・宅見組組長、若頭は寺岡修・侠友会会長といった人事を明らかにするとともに、組名は「神戸山口組」で代紋は「山菱」を使うと宣言した。
「親」である司忍6代目を裏切って外に出た「子」の井上組長らが、山口組という名称も代紋も継続使用するというのだから「やくざの論理」では許されない。
だが、山口組のみならず全国の暴力団で、最も資金力のある戦闘部隊を持つと言われる名古屋の弘道会を支配下に置く司組長は、「軽挙妄動を慎め」と、文書で通達。また、山口組に戻りたい離脱者には、「寛容な気持ち」で接するように伝えている。
神戸山口組も同じだ。構成員約3000人で、全国的には約1万人の山口組の3割に過ぎないが、神戸では圧倒、大阪でも五分の勢力を誇る。しかし、抗争を起こすことがないように厳命。それでも「夜の盛り場」でトラブルが起きかねないと、自警団を組んでパトロールしている。
両山口組の関係者はもちろん、警察幹部も他の暴力団幹部も、「山一戦争のようなことはない」と、口を揃えた。30年前にも山口組は、4代目襲名をめぐって分裂、山口組VS一和会の抗争となり、竹中正久4代目を始め25人もの死者を出したが、その“再来”はないというのだ。
第一に挙げられるのは、時代の変化である。
1984 年の山一戦争勃発は、バブル経済の前夜だった。その後、旧住友銀行に山口組の企業舎弟が入り込んで3000億円を闇に流したといわれるイトマン事件、竹下 登政権誕生に功績のあった稲川会会長への謝礼が、4000億円の債務保証となって東急電鉄仕手戦などに繋がった東京佐川急便事件に象徴されるように、バブ ル期、「裏の世界」の住人であるはずのやくざが、「表の社会」を侵食し始めた。
これを放置できなくなった国家 権力は、92年施行の暴対法を皮切りに、改正を重ねて組長の使用者責任を厳格にし、11年には暴排条例を全国施行して、やくざの糧道を絶った。違法行為は もちろん、合法的な事業も禁じられ、配下の組員が犯した罪でも組長が被って賠償責任を取らされる。
がんじがらめのなか、暴力団社会は衰退を余儀なくされ、暴力団の構成員と準構成員を含めた数は、毎年1割減が続いて、14年末には約5万3000人となった。
「儲かっているのは弘道会だけ」という不満
この危機を、内部にあっては厳しい管理、外部とは平和外交路線で乗り切ろうとしたのが山口組である。正確には、司6代目の出身母体でナンバー2の高山清司若頭が会長を務めていた「弘道会方式」と言われる。
執行部への批判は許さず、ウィークデーは神戸の「山口組本部」への“顔出し”を義務付け、上納金は月に80万円以上にアップさせ、ペットボトル入りの水や石鹸、歯ブラシといった日用雑貨品の購入を強制した。
直参と呼ばれる直系組長に、使用者責任が6代目に及ぶような手荒なしのぎをさせず、完全管理下に置き、中央集権的に資金を執行部に集めるシステムの確立である。
一方で、他の団体との盃外交は積極的に進めて友好団体を増やした。指定暴力団の半数は山口組の友好・親戚団体である。そのために、襲名、葬式などの義理事はもちろん、墓参や誕生祝いもかかさず、その平和外交路線の費用もまた傘下への割り当てだった。
結局、儲かっているのは弘道会だけじゃないか――。その鬱積した不満が爆発したのが、渡辺芳則5代目の出身母体である山健組を中核とした今回の分裂騒動だった。
不満は山口組の内部だけではない。
平 和外交路線は実を結び、対山口組の「箱根から先に菱の代紋を掲げさせない組織」だった関東二十日会は、山口組の一員となった国粋会をメンバーに加え、関東 親睦会として再スタートした。確かに、抗争の芽は摘まれた。だが、山口組は他にも、落合金町連合を直参にしており、都合2団体が東京に進出したことにな る。
半グレの代表格である関東連合OBのケツ持ちの主流は弘道会で、芸能界に勢力を築いたのも、暴力団が群雄 割拠する歌舞伎町に拠点を持ったのも弘道会。関東の組織からすれば、「平和外交」と言いつつ、静かに侵食を果たしていい目を見ているのは山口組=弘道会 じゃないか、という思いがある。
今回、5日の定例会に、住吉会のなかの一大勢力である「幸平一家」の加藤英幸 総長が顔を見せて話題となった。住吉会を割って出るかどうかは定かではないが、他にも福岡の浪川睦会など井上組長と信頼関係を結んでいる組は少なくない し、他の組織のなかにも、山口組との関係が危うくなっても神戸山口組と親戚関係を結ぶところがありそうだ。
「やくざの時代」の終焉
司 組長と高山若頭が主導した「弘道会方式」とは、言葉を換えれば、弘道会をトップに暴力団のピラミッドを構築、攻勢を強める国家権力に対抗しようというもの だった。だがそれは、10年前、司6代目のクーデターによって当代の座を奪取された山健組の怨念の前に潰えたことになる。
かつての暴力団社会なら、山口組は分派の神戸山口組をたたきつぶさねばならないが、それは即ち、双方の共倒れを意味する。
そういう意味で、安藤隆春・元警察庁長官が、「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化はない」と、弘道会壊滅作戦を指示したのは正しい。
抗争なき山口組VS神戸山口組の姿は、「やくざの時代」の終焉を物語っている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45198
◆ 【山口組】 「世界最大の犯罪組織」の分裂危機に海外も注目“出自のタブー”にも言及 ~根源は韓国・朝鮮系vs被差別部落系の争い
2015年08月31日 キムチ速報
「世界最大の犯罪組織」山口組の分裂危機に海外も注目 “出自のタブー”にも言及
http://newsphere.jp/national/20150831-1/
http://newsphere.jp/wp-content/uploads/2015/08/yakuza.jpg
最大の指定暴力団・山口組で組織分裂の動きがあり、警察と政府は大規模な抗争に発展
する恐れもあるとして警戒を強めている。映画などから“YAKUZA”の存在が広く知られる海外でも、複数のメディアでこの話題が詳しく報じられている。(省略...)
◆関西派閥が傘下から離脱か
山口組は神戸市に本拠を置く構成員・準構成員数2万3000人余りの巨大組織だ。
米フォーチュン誌は昨年、世界でダントツの800億ドルの収益を上げたとし、「世界の組織犯罪グループトップ5」の1位に挙げた。これに従えば、日本メディアは山口組を「国内最大の指定暴力団」と表現することが多いが、海外視点では「世界最大の犯罪組織」ということになる。
それだけに、政府もその動きに敏感だ。菅義偉官房長官は28日、山口組内部で混乱の兆候
があると、異例の声明を発表。政府と警察にとっては、組織を弱体化させる絶好の機会だと力を込めた(ウォール・ストリート・ジャーナル紙『Japan Realtime』)。
警察庁によれば、最近、組織運営に不満を唱えた傘下13団体の組長が「絶縁」や「破門」の
処分を受けた。これらの反対勢力が来月初めの幹部会に向け、山口組を離脱し、新たな組織
を立ち上げようとする分裂の動きがあるのだという。
背景には、傘下の名古屋を拠点にする『弘道会』と、『山健組』を中心とした関西グループとの
派閥争いがあると見られている。NHKなどの国内報道によれば、分裂の動きに合わせ、総本部を神戸から名古屋に移そうとする動きもあるという。
六代目の司忍(つかさ・しのぶ、本名・篠田建市)現組長は、『弘道会』出身だ。同組長が
就任した2005年以降、『弘道会』出身者を優遇した人事が行われていることや、組織に収める上納金が高額になったことが、『山健組』を中心とした関西派閥の不満につながっているようだ。
警察当局によれば、司組長派は約7000人、トップが更迭された関西13団体の構成員は合計3300人程度だが、実際に分裂に向かう場合、この通りの勢力図になるかどうかは今のところ
不透明だ。
◆背景に東日本と国際犯罪へのシフトも(省略...)
◆「根源は韓国・朝鮮系vs被差別部落系の争い」と米メディア
フォーチュン誌のランキングでは、山口組は、2位のロシアン・マフィア『ブラトヴァ』(収益85億ドル)を大きく引き離してトップに立っている。同誌は、「中国マフィアなどの東アジアの犯罪グループは、多くは血縁関係で結ばれているが、ヤクザは“入念に作り上げられたヒエラルキー”で結ばれている。メンバーは一度加入すれば、全ての忠誠心を優先的にヤクザ社会に捧げなければならない」と記す。この「世界で最も中央集権化された組織運営」が、群を抜いた収益を上げる鍵だとしている。
山口組の分裂は、この中央集権化されたピラミッドの一角が崩れることを意味する。警察や政府が抗争の一般市民への影響を懸念すると同時に、組織弱体化の千載一遇のチャンスと見るのはそのためだ。組側もそれを十分に認識していると見える。山口組は1980年代にも分裂の危機を迎え、30人以上の死者を出す抗争に発展した。その際には組員を呼び戻すために高額の“退職金”を用意するなどの“年金プラン”を導入し、組員の離反を防いだという(『Daily Beast』)。今回も何らかの懐柔策が取られるかもしれない。
ただし、対立の根はもっと根深い所にあるようだ。『Daily Beast』は、国内メディアがあまり触れない、ヤクザの出自に関する“タブー”に触れている。
同メディアは、日本のヤクザの多くは、帰化した韓国・朝鮮系(または在日韓国・朝鮮人)と、
かつての被差別部落出身者だと指摘する。
そして、「山口組(山健組・関西派)には被差別部落出身のメンバーが多く、『弘道会』は韓国
(・朝鮮)系の割合が高い。これが2つの派閥の緊張を作り出している」と記している。
(内村浩介)
引用元:http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1441007626
http://kimsoku.com/archives/8951553.html
◆<山口組分裂>“分裂に至る病根”になってしまった田岡三代目組長の「山口組コングロマリット化」
http://totalwar.doorblog.jp/archives/45363265.html
中国インチキ政策に世界市場“激怒” 米国で高まる中国への不信感
2015.08.27 zakzak
上海総合指数が暴落続きでクラッシュしたことを受けて、中国当局は緊急利下げを含む追加金融緩和を決めた。だが、中国経済や習近平政権に対する市場の不信 感は根強く、利下げ効果は限定的との見方がある。米国からは9月に予定される習主席の国賓としての訪問を拒否する声が挙がり、国内では政権の基盤が揺らぐ 可能性が高まるなど、八方塞がりに追い込まれた。
26日、上海総合指数は朝方は追加金融緩和を受けてプラスで始まったが、その後は3%超の下落に転じるなど乱高下。5営業日続落し、前日比1・27%安の2927・29で取引を終えた。前日に続いて年初来安値を更新した。
25日の市場で上海総合指数が約8カ月ぶりに3000を下回り、中国人民銀行は同日夜、0・25%の緊急の追加利下げに踏み切ると発表。預金準備率も引き下げる異例の追加金融緩和を決めていた。
大和総研の斎藤尚登シニアエコノミストは、「総合指数が3000の大台を割るまで株価が下がってからやったので、切羽詰まって金融政策を実施した印象を受 ける。追加利下げをしたからといって中国経済の先行きがバラ色になるわけではないが、不動産開発投資には若干明るさが出てくるだろう」と指摘する。
李克強首相は25日午後、「中国には、今年の経済発展の主要目標を達成する能力と条件がある」と強調したが、中国経済は製造業や不動産など幅広い分野で不 振が続いている。市場の疑念は中国株にとどまらず、経済そのものや習政権の不透明な政策運営に及んでいるためだ。人民銀は「中国経済には低下圧力があり、 グローバル金融市場には大きな変動が現れている」と説明した。
人民元の切り下げや、利下げなど金融緩和を進めれば、資金の海外流出や不動産バブルを再燃させる懸念もあるが、一方で景気の低迷を放置すれば習指導部に対する不満も高まるとあって、習指導部は苦しい立場に追い込まれている。
『中国経済まっさかさま』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「中国経済がインチキだということが世界的にばれてしまった。金融緩和で一時的なカンフル剤となっても、中国経済の本質は変わらない」とみる。
ロイター通信は、「共産党にとって株価急落の最も厄介な点は、市場を操作しようとしたという事実ではなく、取り組みが効果を上げなかったことが白日の下にさらされたことだ。共産党の経済運営能力の面での威信は国内でも国外でもいたく傷ついた」と報じた。
習政権が対策を打ち出しても中国株が下げ止まらない状況について、豪大手メディアは、巨大な岩を山頂まで運んだ瞬間に岩は転がり落ちてまたやり直しという 罰を受けたギリシャ神話の「シジフォスの岩」の逸話にたとえた。そのうえで「神話では罰を受けたのはシジフォス王1人だけだが、習主席は中国の納税者に数 百兆円の損害を与えている」と批判した。
習主席について、米国からも憤る声が出始めた。米大統領選の共和党 候補の1人でウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏は、「米国人が苦しんでいる市場の下落は中国の経済減速による部分があり、その中国経済は操作 されている。オバマ大統領は、習主席を招くより、米国の利益を失わせようとする中国に説明責任を取らせるべきだ」と声明を出し、習主席が国賓としての訪米 をキャンセルするようオバマ大統領に促した。選挙戦が背景にあるとはいえ、米国内で中国への不信感が高まっていることをうかがわせる。
前出の勝又氏はこう警鐘を鳴らした。
「一党独裁だった旧ソ連では経済危機が直線的に政治危機につながったが、高い成長で国民の信頼をつなぎ止めていた中国でも、経済危機で中国人民の共産党離れや政変など不測の事態が生じる可能性もある」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150827/frn1508271140001-n1.htm
◆上海株暴落をチャンスに 無意味な「国際協調」言い出すメディアにはあきれる
2015.8.29 産経ニュース
上海株価は北京の下支え策をぶっ飛ばして、フリーフォール(底なしの下落)だ。「中国発、世界同時株安」だと、世界がパニックに陥っている。そしてどう対 応すべきか、となると、日経新聞などは決まり文句の「国際政策協調を」と叫ぶが、「火元が中国だけに、伝家の宝刀である『国際協調』を引き抜くのが難し い」(25日付ロイター通信)とみるのが正解だ。(夕刊フジ)
本欄で以前から指摘しているように、共産党が支配する異形の市場経済が膨張しすぎて統御できなくなって破綻、自壊。株暴落はその帰結だ。無意味な「国際協調」を言い出す一部メディアの安直さ、無定見ぶりにはあきれる。
それでもまだ中国成長幻想を持ち続ける企業もいるようだが、どんな根拠でそう考えるのか、知りたいものだ。空前絶後の産業部門の設備過剰をみればよい。鉄 鋼は余剰能力が日本の年産規模1億1000万トンの4倍以上、中国自動車産業の総生産能力は国内販売の2倍以上、年間4000万台を超える。
過剰生産は党による市場経済支配の副産物である。鉄鋼の場合、中国国内の需要の5割以上が建設、不動産およびインフラ部門で、党中央が中国人民銀行にカネ を刷らせて不動産開発に回し、需要をつくり出した。自動車部門も党内の実力者たちが利権拡張動機で、影響下に置く国有企業各社の増産、シェアを競わせてき た。
これまでの4~5%の元切り下げ幅程度で、輸出を大幅に伸ばし、過剰生産を緩和できるはずはない。人民銀行がもう一段の元安に踏み出そうとすれば資本逃避はさらに加速しよう。どう転んでも、中国経済も上海株にも回復の見込みはどこにも見当たらない。
日本を含む世界はいかにチャイナリスクを自国経済から遮断するか、リスクをどうチャンスに変えるか腐心するべきだ。条件は目の前にぶら下がっている。
グラフは国際商品市況と中国の鉄道貨物輸送量の推移である。同輸送量は「北京当局のファンタジー」とまで多くの専門家から評される国 内総生産(GDP)に対し、信頼度がかなり高い経済指標である。一目瞭然、中国景気は昨年はじめから下降局面に入り、それに連動する形で鉄鉱石、天然ゴム 相場が下がり、その後を追うように原油相場が急落した。貴金属、穀物市況のトレンドも共通する。
国際商品市 況の低迷は世界景気不安につながるとの見方がメディアでよく報じられるが、変な話である。確かにロシア、中東など資源輸出国にとってみればマイナスだろう が、世界景気を引っ張るのは日米欧など消費国にとってみれば好材料になる。インフレ懸念がないのだから、米国は利上げを急ぐ必要はない。
日本の実質成長率は、消費税増税による後遺症から抜けきれず、前年度に続きこの4~6月期もマイナスが続いている。家計消費、さらに企業の設備投資もよくない。政府と日銀は内需振興に向け財政・金融の両輪をフル回転させるべきだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
http://www.sankei.com/premium/news/150829/prm1508290014-n1.html
◆「オバマが中国重視日本軽視なのを日本メディアは理解出来ないらしい…」 【中国の反応】
(日本経済新聞より)
日本から見て、どうも腑に落ちないことがある。
オバマ米大統領がしばしば、そこまでしなくてもいいのではないかと思うくらい、中国にリップサービスをすることだ。
たとえば、昨年11月、習近平中国国家主席と会談した後、そろって臨んだ記者会見がそうだ。
中国との協力関係は、アジア戦略の「核心だ」と断言した。
日韓やオーストラリアなどの同盟国より、中国を重視するような印象を与えかねない。
なぜ、そんな発言をするのだろうか。
「オバマ政権は中国による東シナ海や南シナ海での軍拡に危機感が薄い。 だから軽々しい発言が出るのでは」。
日本の当局者からはこんな不満が漏れる。
それだけが理由なら、オバマ政権が交代すれば、状況は変わる。
だが、日本が知らない米中の黙契が背後にあるとすれば、ことはさらに複雑だ。
その一端がうかがえるのかが、日本が多額の援助を注ぎ込むアフガニスタンである。
これまでアフガンへの深入りを嫌がっていた中国が突然、和平の仲介に動き出した。
複数の外交筋によると、中国は昨年11月、アフガン反政府武装勢力であるタリバン幹部を北京に招いた。
昨年10月末には、アフガン復興の国際会議を北京で主催し、アフガンのガニ大統領に3億3千万ドルの援助を約束した。
そこでちらつくのが米国の影だ。
「アフガンの資源開発を狙うだけでなく、和平にも貢献してほしい」。
内情を知る米国の援助関係者によると、米政権は中国に、重ねてこう要請しているという。
中国とアフガンの高官を引き合わせるため、昨年末、米国がひそかに3カ国会合をおぜん立てしたとの情報も流れる。
中国に不信感を抱きながらも、オバマ氏が彼らとの協力をアジア戦略の「核心」と呼ぶわけがここにある。
日本外しをいたずらに警戒する必要はないにしても、アフガンをめぐる外交戦でも米中の蚊帳(かや)の外に置かれるとしたら、やはり寂しい。
http://asiareaction.com/blog-entry-1896.html
「日本の右傾化・ファシスト」と罵るこの「支那共産党」
そもそも「ファシスト」の第一条件とは「一党独裁」である事を自覚していない。
ファシストにファシストと呼ばれれば、簡単な算数の定理で、民主主義となる。
人間の欲とは底無しと言うがこのファシスト集団「支那共産党首脳部」の強欲こそ留まる事を知らない。
この8200万人の党員が年間に掠め取る内外賄賂の総計は約80兆円。(日本の国家予算とほぼ一緒)
温家宝の一族の有する財産、約2兆7000億円とロイターは報じた。お仲間も皆 同額程度の隠し財産を持つという。
日本のメディアは温家宝はオーストラリアに亡命と報じ、習近平が必死で行方を追及し、財産を没収するとか言ってたが、70年戦勝記念の天安門広場の壇上にしっかり姿を現した。
しかも、拘束され完全失脚と報じていた江沢民も曽慶紅、賀国強までが壇上に姿を見せた。
その言い訳をちゃんと報じたメディアがあっただろうか。
VWは世界一を取った代償に、中国の支配を受け入れた
ドイツはこのところ日米と対立し中国に肩入れする事が多いが、過剰投資で経済リスクを負っている。
中国に進出したVWなどの企業は経営権を中国政府に握られ、撤退もできない。
中国に肩入れする欧州
中国の景気が落ち込んで、中国経済の先行きも不透明になっているが、欧州各国は中国に肩入れしているように見える。
イギリスは中国の投資銀行AIIBに真っ先に参加表明し、フランスは中国への技術輸出にとても熱心です。
中でも入れ込んでいるのがドイツで、先日はメルケル首相自ら訪日し、日本もAIIBに参加するよう働きかけた。
2012年に温家宝首相がドイツを訪問したとき、中国は150億ドルの輸入契約を発表しました。
将来はドイツ中国間の貿易を年間3000億ドルに拡大する事でも合意していました。
この後、中国経済の減速で中国の輸入は頭打ちになり、最近は減少しています。
ドイツはユーロ成立以来ずっと好景気だったのですが、これは輸出が好調だったのが原因でした。
ユーロの中で貿易黒字国はドイツだけで、他は全部貿易赤字といっても良い状況です。
するとドイツがいくら輸出しても通貨が安いまま維持され、他のユーロ国が貧しくなります。
もう少し詳しく説明すると、日本のような一国家一通貨の国は、貿易黒字を貯めるとすぐに円高に成ります。
円高になるともう輸出できないので、輸出には明確な限界があり、いくらでも増やす事はできない。
しかしドイツは、ユーロ内貿易赤字国のおかげで通貨が安いままなので、無限に輸出を増やしました。
中国に夢を見たドイツ
日本とドイツの輸出競争力は元々同じくらいで、日本のほうが強かったが、現在はドイツの方が強い。
ドイツの輸出依存度は34%で1/3を超えていますが、日本の輸出依存度は11.5%です。
これはドイツが通貨安の恩恵を受け、日本は円高の打撃を受けたためと考えられます。
そのドイツの輸出先の1位は圧倒的に同じユーロ圏で、何しろ統一通貨で為替変動が無いので、輸出し放題です。
ユーロ加盟国間では関税も無いので、ドイツ製品は制限を受けずに欧州各国に輸出されています。
ギリシャ破綻の一因はおそらく、ドイツに食い物にされた事でしょうね。
輸出先2位がアメリカで3位が中国、中国への輸出は最近まで2桁増を続けていて、期待が大きかった。
VW、ベンツ、BMWなど有名自動車メーカーは中国に巨大工場を建設し、ドイツは中国に賭けました。
中国こそアメリカに代わる超大国になると読んだのですが、賭けは外れたのです。
今や中国のバブルは崩壊し、中国に投資したドイツ資産が回収出来ないのがはっきりしました。
何しろ中国の自動車販売は年間2000万台なのに、生産能力は5000万台以上なのです。
中国の2015年7月までの自動車販売は前年比0.7%増と成長が止まりました。
中国はドイツに希望をもたらすように見えたが、実際はアリ地獄だった
独中蜜月は短期間だった
盗聴事件を契機にドイツとアメリカが対立したのは記憶に新しいですが、このところドイツのアメリカ離れが顕著です。
経済でも安全保障でも、ドイツはアメリカの言い分に反対する事が多く、アメリカは不信感を募らせている。
2014年のウクライナ騒動でも大混乱しましたし、ギリシャ支援や対中国外交でも米独は対立しました。
ドイツは「我々は大国として復活したのだ」という間違った誇りを持っていて、周辺国を食い物にしています。
イタリアや東欧やギリシャを貧困にしたお陰で、ドイツは経済好調なのであって、この状態が続く筈がありません。
中国と築いた深い関係も、日米との対立を引き起こし、過剰投資で損失が発生しようとしています。
日本メーカーはフランス人が社長をやっているアホ企業を除いて、中国に過大な投資を避けてきました。
尖閣騒動以降はもう「いつでも撤退できるように」腰を上げた状態でしか投資していません。
ドイツの3メーカーは中国で薄利多売、増産体制を続けた結果、重大なリスクを背負ってしまいました。
一つは経済リスクで、中国市場が吹っ飛べば、ベンツもVWもBMWも吹っ飛びます。
倒産はしないでしょうが、80年代に日本車の猛攻にさらされた時くらいの危機に陥るでしょう。
二つ目は政治リスクで、中国で商売をするには中国の支配を受け入れなければなりません。
VWを人質に取った中国
例えば中国トヨタとか中国VWとか色々ありますが、所有権は100%中国にあり、ネジ一本国外に持ち出せません。
外資との合弁会社は中国人(つまり中国政府の代理人)が経営権の50%以上を握る事になっています。
これを嫌ったトヨタは中国でのシェアを捨てて、他のメーカーより小規模の工場しか持っていません。
経営権は中国政府にあるので、撤退しようと思っても中国の役員が全員反対すれば、工場を閉鎖する事もできません。
進出した工場と投資した資産は人質に取られてしまい、撤退も閉鎖も売却もできない。
もし撤退に成功しても、資産の持ち出しはできないので、全てを捨てて中国から脱出する事になる。
中国政府は常に外資を叩いて国内企業を優遇しており、定期的な日本企業叩きもこの為に行っている。
日本だけを叩いているのではなく、アメリカもドイツも平等に叩いています。
そうする事で日本車やドイツ車から中国車がシェアを奪う機会を与えているのです。
この先ドイツ企業が中国で大きくシェアを伸ばす可能性は小さく、中国市場が縮小すれば衰退するでしょう。
撤退の準備をしてこなかったドイツ企業は大変な目に遭う可能性があり、既に酷い目に会っています。
生産台数世界一を達成したVWは中国に頼りすぎ、中国に干渉される立場になった。
http://thutmose.blog.jp/archives/39739515.html
◆中国バブル崩壊!中国のAIIBバスに乗れと旗を振った経済オンチ&売国奴リスト
朝日新聞 「アジア投資銀に48カ国・地域 日米抜き、戦略欠き孤立」
日刊ゲンダイ 「悪い高利貸」呼ばわり 首相の放言が招く日本孤立
週刊東洋経済 「日米の孤立を演出、中国AIIBの高笑い」
以下、中国の代弁者になりAIIBへの参加の旗振りを行った売国奴リスト
・政治家 二階俊博、河野洋平、福田康夫、石原伸晃、岡田克也、辻元清美、藤井裕久、志位和夫、江田憲司、小沢鋭仁
・コメンテーター 孫崎享、天木直人、田中均、古賀茂明、須田慎一郎、伊藤惇夫、青木理、姫田小夏
・記者・アナウンサー 川村晃司、岸井成格、龍崎孝、与良正男、福本容子、恵村順一郎、加藤青延
・テレビ・新聞等 NHK、TBS、テレビ朝日、朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、日経ビジネス、週刊東洋経済、日刊ゲンダイ
http://ameblo.jp/fuuko-protector/entry-12048082535.html
支那への企業進出を盛んに煽ったのも同じような面々だが、流れに乗り遅れるなと競い 合った企業も、相手が共産党の一党独裁政権ということを軽視していただろう。旧ソ連も支那も共産党独裁政権は、今までしばしば強権発令で、企業の国際的 ルールなど無視して独自の政策を強要してきた。
市場経済導入、金融市場や株式市場開設など、民主主義国にでもなったようにはしゃいで、まんまと罠に陥った。むしろ自ら飛び込んだと言うのが適当なのだろうか。案の定企業秘密や製造技術の詳細まで要求するようになった。相手は名うてのパクリ国家である。
◆「中国よ、さようなら」と李嘉誠
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月9日(水曜日)
通算第4651号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「中国と香港よ、さようなら」を不言実行の李嘉誠(華僑最大財閥)
傘下企業をさらに合併させ、香港の株式市場からも訣別
***********************
前から噂されていたが香港最大財閥の李嘉誠は、本格的に香港から去る。
2011年以来、李嘉誠は中国大陸に保有していためぼしい不動産をほぼ売却した。
上海の金融街に開発していた40階建てのビルも処分し、およそ二兆円の財産を処分した(多維新聞網、2015年9月7日)。
翌2012年以後は、拠点の香港でさえ、土地購入を止めた。
そして傘下の二大企業だった「長江実業」と「ハッチソンワンポア(和記)」を合併し、「長江和記実業」(CKハチソン・ホールディング)として、本社登記をカリブ海のタックスヘブンへ移した。
他方、カナダ、豪などでは資源、エネルギー、インフラ建設などの企業を次々と買収し、香港でも電力、ガス事業を統合し、また本業でもある不動産部門も海外展開を拡大してきた。
そして以前から倫敦の高級住宅地開発などに投資をしてきたが、華僑世界より西側世界への投資比率が急増し、ウォールストリードジャーナルなどによれば、過去18ヶ月で2兆4000億円を投じて西側での事業展開に比重を移していたことが分かった。
つまり、公言はしていないが「中国よ、さようなら」「香港もいずれ、さようなら」を地でいっていることになる。
http://melma.com/backnumber_45206_6257901/
◆中国外貨準備高が急減している
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月9日(水曜日)弐
通算第4652号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつまでもあると思うな、親とカネ
3兆3000億ドルとされる中国の外貨準備は、本当にあるのか?
**********************
中国の外貨準備高に「からくり」があることは屡々指摘してきたが、直近の統計数字から判断する限り、それは限りなく空っぽに近いようだ。
8日発表の中国輸出入統計8月速報では、輸出が5・5%の急減、とくに天津港からの輸出は17・3%も減っていた。輸入もじつに13・8%の急減、10ヶ月連続で前月比を割り込んでいた。
上海株がかろうじて3000台を維持できているのは、依然として「売るな」という当局の指令。それでも売りが絶えないため、すでに70兆円以上の資金を投入している。
中国からの資本流失が急増している。
15年上半期だけで5000億ドルが海外へ流れた(シティグループの調査)という。
アフリカの農地買収、スリランカとパキスタンの港湾整備事業、ニュージーランドとカナダのエネルギー企業買収などが最近目立つ投資だが、加えてAIIB、BRICS銀行ならびに「シルクロード構想」への資金拠出が予定されている。
このため保有する米国債や海外資産を取り崩し、さらに当局が目の敵とし始めたのが、海外旅行ブームによる外貨流失の列に加わり、とりわけ敵対する日本への爆買いツアーがやまないことに敵意さえ抱いているかのような論調が華字紙に散見される。
中国一の資産家とされる万達集団(CEO=王健林)は米国の私募債に6億5000万ドルを投じた。王健林ははやくから不動産ビジネスに見切りを付け、米国の映画館チェーンなどを買収してきた。
中国生保ナンバースリーの「安邦保険」はポルトガル企業買収に資金投入直前、ポルトガル当局から待ったをかけられているが、ことほど左様に「海外企業買収」に名を借りて、外国への資本逃避が起きている。
▲中国の対外債務は1兆5000億ドルと見積もられている
2014年末、中国の外貨準備高は3兆9900億ドルとされた。
2015年8月末の速報値で、それは3兆300億ドルに激減した。中国当局の発表でも「外貨準備高は3557億ドルに減った」とされた。
「原因は上海株暴落、人民元切り下げに嫌気しただけの逃避ではない」とするドイチェ銀行のジョージ・サラベロスは「もっとも重要なことは中国の外貨準備の性格の変化であり、世界の金融の流動性と連動している」
また中国の対外債務はすでに1兆5000億ドルに達しており、保有する米国債よりも多く、GDPの15%である。この先、さらに2兆ドルの外貨が必要である。
したがってある日突然、中国の外貨準備はブラックホールに吸い込まれるように消失する危険性が増している。
http://melma.com/backnumber_45206_6257944/
目覚めよ日本!
2015.08.27 zakzak
上海総合指数が暴落続きでクラッシュしたことを受けて、中国当局は緊急利下げを含む追加金融緩和を決めた。だが、中国経済や習近平政権に対する市場の不信 感は根強く、利下げ効果は限定的との見方がある。米国からは9月に予定される習主席の国賓としての訪問を拒否する声が挙がり、国内では政権の基盤が揺らぐ 可能性が高まるなど、八方塞がりに追い込まれた。
26日、上海総合指数は朝方は追加金融緩和を受けてプラスで始まったが、その後は3%超の下落に転じるなど乱高下。5営業日続落し、前日比1・27%安の2927・29で取引を終えた。前日に続いて年初来安値を更新した。
25日の市場で上海総合指数が約8カ月ぶりに3000を下回り、中国人民銀行は同日夜、0・25%の緊急の追加利下げに踏み切ると発表。預金準備率も引き下げる異例の追加金融緩和を決めていた。
大和総研の斎藤尚登シニアエコノミストは、「総合指数が3000の大台を割るまで株価が下がってからやったので、切羽詰まって金融政策を実施した印象を受 ける。追加利下げをしたからといって中国経済の先行きがバラ色になるわけではないが、不動産開発投資には若干明るさが出てくるだろう」と指摘する。
李克強首相は25日午後、「中国には、今年の経済発展の主要目標を達成する能力と条件がある」と強調したが、中国経済は製造業や不動産など幅広い分野で不 振が続いている。市場の疑念は中国株にとどまらず、経済そのものや習政権の不透明な政策運営に及んでいるためだ。人民銀は「中国経済には低下圧力があり、 グローバル金融市場には大きな変動が現れている」と説明した。
人民元の切り下げや、利下げなど金融緩和を進めれば、資金の海外流出や不動産バブルを再燃させる懸念もあるが、一方で景気の低迷を放置すれば習指導部に対する不満も高まるとあって、習指導部は苦しい立場に追い込まれている。
『中国経済まっさかさま』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「中国経済がインチキだということが世界的にばれてしまった。金融緩和で一時的なカンフル剤となっても、中国経済の本質は変わらない」とみる。
ロイター通信は、「共産党にとって株価急落の最も厄介な点は、市場を操作しようとしたという事実ではなく、取り組みが効果を上げなかったことが白日の下にさらされたことだ。共産党の経済運営能力の面での威信は国内でも国外でもいたく傷ついた」と報じた。
習政権が対策を打ち出しても中国株が下げ止まらない状況について、豪大手メディアは、巨大な岩を山頂まで運んだ瞬間に岩は転がり落ちてまたやり直しという 罰を受けたギリシャ神話の「シジフォスの岩」の逸話にたとえた。そのうえで「神話では罰を受けたのはシジフォス王1人だけだが、習主席は中国の納税者に数 百兆円の損害を与えている」と批判した。
習主席について、米国からも憤る声が出始めた。米大統領選の共和党 候補の1人でウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏は、「米国人が苦しんでいる市場の下落は中国の経済減速による部分があり、その中国経済は操作 されている。オバマ大統領は、習主席を招くより、米国の利益を失わせようとする中国に説明責任を取らせるべきだ」と声明を出し、習主席が国賓としての訪米 をキャンセルするようオバマ大統領に促した。選挙戦が背景にあるとはいえ、米国内で中国への不信感が高まっていることをうかがわせる。
前出の勝又氏はこう警鐘を鳴らした。
「一党独裁だった旧ソ連では経済危機が直線的に政治危機につながったが、高い成長で国民の信頼をつなぎ止めていた中国でも、経済危機で中国人民の共産党離れや政変など不測の事態が生じる可能性もある」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150827/frn1508271140001-n1.htm
◆上海株暴落をチャンスに 無意味な「国際協調」言い出すメディアにはあきれる
2015.8.29 産経ニュース
上海株価は北京の下支え策をぶっ飛ばして、フリーフォール(底なしの下落)だ。「中国発、世界同時株安」だと、世界がパニックに陥っている。そしてどう対 応すべきか、となると、日経新聞などは決まり文句の「国際政策協調を」と叫ぶが、「火元が中国だけに、伝家の宝刀である『国際協調』を引き抜くのが難し い」(25日付ロイター通信)とみるのが正解だ。(夕刊フジ)
本欄で以前から指摘しているように、共産党が支配する異形の市場経済が膨張しすぎて統御できなくなって破綻、自壊。株暴落はその帰結だ。無意味な「国際協調」を言い出す一部メディアの安直さ、無定見ぶりにはあきれる。
それでもまだ中国成長幻想を持ち続ける企業もいるようだが、どんな根拠でそう考えるのか、知りたいものだ。空前絶後の産業部門の設備過剰をみればよい。鉄 鋼は余剰能力が日本の年産規模1億1000万トンの4倍以上、中国自動車産業の総生産能力は国内販売の2倍以上、年間4000万台を超える。
過剰生産は党による市場経済支配の副産物である。鉄鋼の場合、中国国内の需要の5割以上が建設、不動産およびインフラ部門で、党中央が中国人民銀行にカネ を刷らせて不動産開発に回し、需要をつくり出した。自動車部門も党内の実力者たちが利権拡張動機で、影響下に置く国有企業各社の増産、シェアを競わせてき た。
これまでの4~5%の元切り下げ幅程度で、輸出を大幅に伸ばし、過剰生産を緩和できるはずはない。人民銀行がもう一段の元安に踏み出そうとすれば資本逃避はさらに加速しよう。どう転んでも、中国経済も上海株にも回復の見込みはどこにも見当たらない。
日本を含む世界はいかにチャイナリスクを自国経済から遮断するか、リスクをどうチャンスに変えるか腐心するべきだ。条件は目の前にぶら下がっている。
グラフは国際商品市況と中国の鉄道貨物輸送量の推移である。同輸送量は「北京当局のファンタジー」とまで多くの専門家から評される国 内総生産(GDP)に対し、信頼度がかなり高い経済指標である。一目瞭然、中国景気は昨年はじめから下降局面に入り、それに連動する形で鉄鉱石、天然ゴム 相場が下がり、その後を追うように原油相場が急落した。貴金属、穀物市況のトレンドも共通する。
国際商品市 況の低迷は世界景気不安につながるとの見方がメディアでよく報じられるが、変な話である。確かにロシア、中東など資源輸出国にとってみればマイナスだろう が、世界景気を引っ張るのは日米欧など消費国にとってみれば好材料になる。インフレ懸念がないのだから、米国は利上げを急ぐ必要はない。
日本の実質成長率は、消費税増税による後遺症から抜けきれず、前年度に続きこの4~6月期もマイナスが続いている。家計消費、さらに企業の設備投資もよくない。政府と日銀は内需振興に向け財政・金融の両輪をフル回転させるべきだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
http://www.sankei.com/premium/news/150829/prm1508290014-n1.html
◆「オバマが中国重視日本軽視なのを日本メディアは理解出来ないらしい…」 【中国の反応】
(日本経済新聞より)
日本から見て、どうも腑に落ちないことがある。
オバマ米大統領がしばしば、そこまでしなくてもいいのではないかと思うくらい、中国にリップサービスをすることだ。
たとえば、昨年11月、習近平中国国家主席と会談した後、そろって臨んだ記者会見がそうだ。
中国との協力関係は、アジア戦略の「核心だ」と断言した。
日韓やオーストラリアなどの同盟国より、中国を重視するような印象を与えかねない。
なぜ、そんな発言をするのだろうか。
「オバマ政権は中国による東シナ海や南シナ海での軍拡に危機感が薄い。 だから軽々しい発言が出るのでは」。
日本の当局者からはこんな不満が漏れる。
それだけが理由なら、オバマ政権が交代すれば、状況は変わる。
だが、日本が知らない米中の黙契が背後にあるとすれば、ことはさらに複雑だ。
その一端がうかがえるのかが、日本が多額の援助を注ぎ込むアフガニスタンである。
これまでアフガンへの深入りを嫌がっていた中国が突然、和平の仲介に動き出した。
複数の外交筋によると、中国は昨年11月、アフガン反政府武装勢力であるタリバン幹部を北京に招いた。
昨年10月末には、アフガン復興の国際会議を北京で主催し、アフガンのガニ大統領に3億3千万ドルの援助を約束した。
そこでちらつくのが米国の影だ。
「アフガンの資源開発を狙うだけでなく、和平にも貢献してほしい」。
内情を知る米国の援助関係者によると、米政権は中国に、重ねてこう要請しているという。
中国とアフガンの高官を引き合わせるため、昨年末、米国がひそかに3カ国会合をおぜん立てしたとの情報も流れる。
中国に不信感を抱きながらも、オバマ氏が彼らとの協力をアジア戦略の「核心」と呼ぶわけがここにある。
日本外しをいたずらに警戒する必要はないにしても、アフガンをめぐる外交戦でも米中の蚊帳(かや)の外に置かれるとしたら、やはり寂しい。
http://asiareaction.com/blog-entry-1896.html
「日本の右傾化・ファシスト」と罵るこの「支那共産党」
そもそも「ファシスト」の第一条件とは「一党独裁」である事を自覚していない。
ファシストにファシストと呼ばれれば、簡単な算数の定理で、民主主義となる。
人間の欲とは底無しと言うがこのファシスト集団「支那共産党首脳部」の強欲こそ留まる事を知らない。
この8200万人の党員が年間に掠め取る内外賄賂の総計は約80兆円。(日本の国家予算とほぼ一緒)
温家宝の一族の有する財産、約2兆7000億円とロイターは報じた。お仲間も皆 同額程度の隠し財産を持つという。
日本のメディアは温家宝はオーストラリアに亡命と報じ、習近平が必死で行方を追及し、財産を没収するとか言ってたが、70年戦勝記念の天安門広場の壇上にしっかり姿を現した。
しかも、拘束され完全失脚と報じていた江沢民も曽慶紅、賀国強までが壇上に姿を見せた。
その言い訳をちゃんと報じたメディアがあっただろうか。
◆人民元と株式下落、中国の企業倒産、そして日本企業の連鎖懸念が拡大
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)8月20日(木曜日)
通算第4633号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人民元の小幅な切り下げでは「焼け石に水」
中国の個人投資家心理はパニック寸前
*************************
人民元を小手調べのように切り下げてみたが、世界の通貨市場に動揺を与えて、中途半端なまま、輸出増大に直結したという現象はまだない。
人民元高は原油・ガス・鉄鉱石などの原材料の輸入に有利だが、すでに生産の低迷と在庫の積み上げで、あまり意味がない。
それより人民元安はインフレをまねく可能性が高い。
しかし、いま最も懸念されていることは外国資本のエクソダスであり、しかも加速度をつけて中国から大量の資金が逃げ去っている。
社債のデフォルトは太陽光パネルの超日太陽能科学技術集団が嚆矢となって以来、佳兆業集団(不動産開発)などへと続いているが、社債が紙切れになるというのは企業倒産である。
しかも後者の佳兆業集団は社債をオフショアで発行しているため、外国の機関投資家の落胆ぶりは激しく、中国経済への不信が欧米に一挙に広がった。
温州からはじまった企業倒産は中国全土に拡大しており、年末に償還をむかえる社債ならびに融資平台の償還、地方政府の固定資産税の急減により支払い不能状態になるのは目に見えており、現時点でGDP282%という債務は更に急速に増えていくだろう。
国有企業は16万社あるが、最後まで生き残れ、中国共産党がメンツをかけても守る国有企業は最悪の場合、130社でしかないという見方もある。
▲中国の企業倒産が日本にもたらしている悪影響はかなり深刻だ
すでに日本企業への悪影響は顕著にでてきたが、中国の取引先の倒産によって、連鎖倒産に追い込まれた日本企業が目立つようになった。
専門家の山口義正氏が書いた「中国バブル崩壊の足音」(『新潮45』、15年9月号)に拠ると、優良会社と評価の高かった「江守グループは中国現法が不正 な取引で売上高を膨らましていたとこが発覚」し、倒産した。「前期末に225億円あった自己資本は、343億円の債務超過」となっていた。優良企業として 調査会社がノーマークだったのに一夜にして奈落の底に沈んだのだ。
また「昭光通商も、顧客である中国の鉄鋼メーカーが支払い遅延を起したことで、大やけどを負った(中略)。売り掛け債権は回収困難であるとして128億円の特別損出を計上。自己資本の七割が消し飛ぶという深刻な事態に陥った」(親会社は昭和電工)。
住宅設備投資の大手LIXILは、「ドイツの子会社が過去に買収した中国企業で」不正会計が行われており、410億円にものぼる特別損出となって経営がふらつく。同社の株価は2900円台から2300円台へ急落した。
ことほど左様に、中国の経済破談は、日本経済に直截な破壊力をともなっており、日本株の上昇の可能性は当面、遠のいたと見るべきであろう。
http://melma.com/backnumber_45206_6250453/
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)8月20日(木曜日)
通算第4633号
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人民元の小幅な切り下げでは「焼け石に水」
中国の個人投資家心理はパニック寸前
*************************
人民元を小手調べのように切り下げてみたが、世界の通貨市場に動揺を与えて、中途半端なまま、輸出増大に直結したという現象はまだない。
人民元高は原油・ガス・鉄鉱石などの原材料の輸入に有利だが、すでに生産の低迷と在庫の積み上げで、あまり意味がない。
それより人民元安はインフレをまねく可能性が高い。
しかし、いま最も懸念されていることは外国資本のエクソダスであり、しかも加速度をつけて中国から大量の資金が逃げ去っている。
社債のデフォルトは太陽光パネルの超日太陽能科学技術集団が嚆矢となって以来、佳兆業集団(不動産開発)などへと続いているが、社債が紙切れになるというのは企業倒産である。
しかも後者の佳兆業集団は社債をオフショアで発行しているため、外国の機関投資家の落胆ぶりは激しく、中国経済への不信が欧米に一挙に広がった。
温州からはじまった企業倒産は中国全土に拡大しており、年末に償還をむかえる社債ならびに融資平台の償還、地方政府の固定資産税の急減により支払い不能状態になるのは目に見えており、現時点でGDP282%という債務は更に急速に増えていくだろう。
国有企業は16万社あるが、最後まで生き残れ、中国共産党がメンツをかけても守る国有企業は最悪の場合、130社でしかないという見方もある。
▲中国の企業倒産が日本にもたらしている悪影響はかなり深刻だ
すでに日本企業への悪影響は顕著にでてきたが、中国の取引先の倒産によって、連鎖倒産に追い込まれた日本企業が目立つようになった。
専門家の山口義正氏が書いた「中国バブル崩壊の足音」(『新潮45』、15年9月号)に拠ると、優良会社と評価の高かった「江守グループは中国現法が不正 な取引で売上高を膨らましていたとこが発覚」し、倒産した。「前期末に225億円あった自己資本は、343億円の債務超過」となっていた。優良企業として 調査会社がノーマークだったのに一夜にして奈落の底に沈んだのだ。
また「昭光通商も、顧客である中国の鉄鋼メーカーが支払い遅延を起したことで、大やけどを負った(中略)。売り掛け債権は回収困難であるとして128億円の特別損出を計上。自己資本の七割が消し飛ぶという深刻な事態に陥った」(親会社は昭和電工)。
住宅設備投資の大手LIXILは、「ドイツの子会社が過去に買収した中国企業で」不正会計が行われており、410億円にものぼる特別損出となって経営がふらつく。同社の株価は2900円台から2300円台へ急落した。
ことほど左様に、中国の経済破談は、日本経済に直截な破壊力をともなっており、日本株の上昇の可能性は当面、遠のいたと見るべきであろう。
http://melma.com/backnumber_45206_6250453/
◆中国から抜けられないドイツ経済 アリ地獄ぶり
2015年08月12日 世界のニュース トトメス5世
2015年08月12日 世界のニュース トトメス5世
VWは世界一を取った代償に、中国の支配を受け入れた
ドイツはこのところ日米と対立し中国に肩入れする事が多いが、過剰投資で経済リスクを負っている。
中国に進出したVWなどの企業は経営権を中国政府に握られ、撤退もできない。
中国に肩入れする欧州
中国の景気が落ち込んで、中国経済の先行きも不透明になっているが、欧州各国は中国に肩入れしているように見える。
イギリスは中国の投資銀行AIIBに真っ先に参加表明し、フランスは中国への技術輸出にとても熱心です。
中でも入れ込んでいるのがドイツで、先日はメルケル首相自ら訪日し、日本もAIIBに参加するよう働きかけた。
2012年に温家宝首相がドイツを訪問したとき、中国は150億ドルの輸入契約を発表しました。
将来はドイツ中国間の貿易を年間3000億ドルに拡大する事でも合意していました。
この後、中国経済の減速で中国の輸入は頭打ちになり、最近は減少しています。
ドイツはユーロ成立以来ずっと好景気だったのですが、これは輸出が好調だったのが原因でした。
ユーロの中で貿易黒字国はドイツだけで、他は全部貿易赤字といっても良い状況です。
するとドイツがいくら輸出しても通貨が安いまま維持され、他のユーロ国が貧しくなります。
もう少し詳しく説明すると、日本のような一国家一通貨の国は、貿易黒字を貯めるとすぐに円高に成ります。
円高になるともう輸出できないので、輸出には明確な限界があり、いくらでも増やす事はできない。
しかしドイツは、ユーロ内貿易赤字国のおかげで通貨が安いままなので、無限に輸出を増やしました。
中国に夢を見たドイツ
日本とドイツの輸出競争力は元々同じくらいで、日本のほうが強かったが、現在はドイツの方が強い。
ドイツの輸出依存度は34%で1/3を超えていますが、日本の輸出依存度は11.5%です。
これはドイツが通貨安の恩恵を受け、日本は円高の打撃を受けたためと考えられます。
そのドイツの輸出先の1位は圧倒的に同じユーロ圏で、何しろ統一通貨で為替変動が無いので、輸出し放題です。
ユーロ加盟国間では関税も無いので、ドイツ製品は制限を受けずに欧州各国に輸出されています。
ギリシャ破綻の一因はおそらく、ドイツに食い物にされた事でしょうね。
輸出先2位がアメリカで3位が中国、中国への輸出は最近まで2桁増を続けていて、期待が大きかった。
VW、ベンツ、BMWなど有名自動車メーカーは中国に巨大工場を建設し、ドイツは中国に賭けました。
中国こそアメリカに代わる超大国になると読んだのですが、賭けは外れたのです。
今や中国のバブルは崩壊し、中国に投資したドイツ資産が回収出来ないのがはっきりしました。
何しろ中国の自動車販売は年間2000万台なのに、生産能力は5000万台以上なのです。
中国の2015年7月までの自動車販売は前年比0.7%増と成長が止まりました。
中国はドイツに希望をもたらすように見えたが、実際はアリ地獄だった
独中蜜月は短期間だった
盗聴事件を契機にドイツとアメリカが対立したのは記憶に新しいですが、このところドイツのアメリカ離れが顕著です。
経済でも安全保障でも、ドイツはアメリカの言い分に反対する事が多く、アメリカは不信感を募らせている。
2014年のウクライナ騒動でも大混乱しましたし、ギリシャ支援や対中国外交でも米独は対立しました。
ドイツは「我々は大国として復活したのだ」という間違った誇りを持っていて、周辺国を食い物にしています。
イタリアや東欧やギリシャを貧困にしたお陰で、ドイツは経済好調なのであって、この状態が続く筈がありません。
中国と築いた深い関係も、日米との対立を引き起こし、過剰投資で損失が発生しようとしています。
日本メーカーはフランス人が社長をやっているアホ企業を除いて、中国に過大な投資を避けてきました。
尖閣騒動以降はもう「いつでも撤退できるように」腰を上げた状態でしか投資していません。
ドイツの3メーカーは中国で薄利多売、増産体制を続けた結果、重大なリスクを背負ってしまいました。
一つは経済リスクで、中国市場が吹っ飛べば、ベンツもVWもBMWも吹っ飛びます。
倒産はしないでしょうが、80年代に日本車の猛攻にさらされた時くらいの危機に陥るでしょう。
二つ目は政治リスクで、中国で商売をするには中国の支配を受け入れなければなりません。
VWを人質に取った中国
例えば中国トヨタとか中国VWとか色々ありますが、所有権は100%中国にあり、ネジ一本国外に持ち出せません。
外資との合弁会社は中国人(つまり中国政府の代理人)が経営権の50%以上を握る事になっています。
これを嫌ったトヨタは中国でのシェアを捨てて、他のメーカーより小規模の工場しか持っていません。
経営権は中国政府にあるので、撤退しようと思っても中国の役員が全員反対すれば、工場を閉鎖する事もできません。
進出した工場と投資した資産は人質に取られてしまい、撤退も閉鎖も売却もできない。
もし撤退に成功しても、資産の持ち出しはできないので、全てを捨てて中国から脱出する事になる。
中国政府は常に外資を叩いて国内企業を優遇しており、定期的な日本企業叩きもこの為に行っている。
日本だけを叩いているのではなく、アメリカもドイツも平等に叩いています。
そうする事で日本車やドイツ車から中国車がシェアを奪う機会を与えているのです。
この先ドイツ企業が中国で大きくシェアを伸ばす可能性は小さく、中国市場が縮小すれば衰退するでしょう。
撤退の準備をしてこなかったドイツ企業は大変な目に遭う可能性があり、既に酷い目に会っています。
生産台数世界一を達成したVWは中国に頼りすぎ、中国に干渉される立場になった。
http://thutmose.blog.jp/archives/39739515.html
◆中国バブル崩壊!中国のAIIBバスに乗れと旗を振った経済オンチ&売国奴リスト
朝日新聞 「アジア投資銀に48カ国・地域 日米抜き、戦略欠き孤立」
日刊ゲンダイ 「悪い高利貸」呼ばわり 首相の放言が招く日本孤立
週刊東洋経済 「日米の孤立を演出、中国AIIBの高笑い」
以下、中国の代弁者になりAIIBへの参加の旗振りを行った売国奴リスト
・政治家 二階俊博、河野洋平、福田康夫、石原伸晃、岡田克也、辻元清美、藤井裕久、志位和夫、江田憲司、小沢鋭仁
・コメンテーター 孫崎享、天木直人、田中均、古賀茂明、須田慎一郎、伊藤惇夫、青木理、姫田小夏
・記者・アナウンサー 川村晃司、岸井成格、龍崎孝、与良正男、福本容子、恵村順一郎、加藤青延
・テレビ・新聞等 NHK、TBS、テレビ朝日、朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、日経ビジネス、週刊東洋経済、日刊ゲンダイ
http://ameblo.jp/fuuko-protector/entry-12048082535.html
支那への企業進出を盛んに煽ったのも同じような面々だが、流れに乗り遅れるなと競い 合った企業も、相手が共産党の一党独裁政権ということを軽視していただろう。旧ソ連も支那も共産党独裁政権は、今までしばしば強権発令で、企業の国際的 ルールなど無視して独自の政策を強要してきた。
市場経済導入、金融市場や株式市場開設など、民主主義国にでもなったようにはしゃいで、まんまと罠に陥った。むしろ自ら飛び込んだと言うのが適当なのだろうか。案の定企業秘密や製造技術の詳細まで要求するようになった。相手は名うてのパクリ国家である。
◆「中国よ、さようなら」と李嘉誠
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月9日(水曜日)
通算第4651号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「中国と香港よ、さようなら」を不言実行の李嘉誠(華僑最大財閥)
傘下企業をさらに合併させ、香港の株式市場からも訣別
***********************
前から噂されていたが香港最大財閥の李嘉誠は、本格的に香港から去る。
2011年以来、李嘉誠は中国大陸に保有していためぼしい不動産をほぼ売却した。
上海の金融街に開発していた40階建てのビルも処分し、およそ二兆円の財産を処分した(多維新聞網、2015年9月7日)。
翌2012年以後は、拠点の香港でさえ、土地購入を止めた。
そして傘下の二大企業だった「長江実業」と「ハッチソンワンポア(和記)」を合併し、「長江和記実業」(CKハチソン・ホールディング)として、本社登記をカリブ海のタックスヘブンへ移した。
他方、カナダ、豪などでは資源、エネルギー、インフラ建設などの企業を次々と買収し、香港でも電力、ガス事業を統合し、また本業でもある不動産部門も海外展開を拡大してきた。
そして以前から倫敦の高級住宅地開発などに投資をしてきたが、華僑世界より西側世界への投資比率が急増し、ウォールストリードジャーナルなどによれば、過去18ヶ月で2兆4000億円を投じて西側での事業展開に比重を移していたことが分かった。
つまり、公言はしていないが「中国よ、さようなら」「香港もいずれ、さようなら」を地でいっていることになる。
http://melma.com/backnumber_45206_6257901/
◆中国外貨準備高が急減している
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月9日(水曜日)弐
通算第4652号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いつまでもあると思うな、親とカネ
3兆3000億ドルとされる中国の外貨準備は、本当にあるのか?
**********************
中国の外貨準備高に「からくり」があることは屡々指摘してきたが、直近の統計数字から判断する限り、それは限りなく空っぽに近いようだ。
8日発表の中国輸出入統計8月速報では、輸出が5・5%の急減、とくに天津港からの輸出は17・3%も減っていた。輸入もじつに13・8%の急減、10ヶ月連続で前月比を割り込んでいた。
上海株がかろうじて3000台を維持できているのは、依然として「売るな」という当局の指令。それでも売りが絶えないため、すでに70兆円以上の資金を投入している。
中国からの資本流失が急増している。
15年上半期だけで5000億ドルが海外へ流れた(シティグループの調査)という。
アフリカの農地買収、スリランカとパキスタンの港湾整備事業、ニュージーランドとカナダのエネルギー企業買収などが最近目立つ投資だが、加えてAIIB、BRICS銀行ならびに「シルクロード構想」への資金拠出が予定されている。
このため保有する米国債や海外資産を取り崩し、さらに当局が目の敵とし始めたのが、海外旅行ブームによる外貨流失の列に加わり、とりわけ敵対する日本への爆買いツアーがやまないことに敵意さえ抱いているかのような論調が華字紙に散見される。
中国一の資産家とされる万達集団(CEO=王健林)は米国の私募債に6億5000万ドルを投じた。王健林ははやくから不動産ビジネスに見切りを付け、米国の映画館チェーンなどを買収してきた。
中国生保ナンバースリーの「安邦保険」はポルトガル企業買収に資金投入直前、ポルトガル当局から待ったをかけられているが、ことほど左様に「海外企業買収」に名を借りて、外国への資本逃避が起きている。
▲中国の対外債務は1兆5000億ドルと見積もられている
2014年末、中国の外貨準備高は3兆9900億ドルとされた。
2015年8月末の速報値で、それは3兆300億ドルに激減した。中国当局の発表でも「外貨準備高は3557億ドルに減った」とされた。
「原因は上海株暴落、人民元切り下げに嫌気しただけの逃避ではない」とするドイチェ銀行のジョージ・サラベロスは「もっとも重要なことは中国の外貨準備の性格の変化であり、世界の金融の流動性と連動している」
また中国の対外債務はすでに1兆5000億ドルに達しており、保有する米国債よりも多く、GDPの15%である。この先、さらに2兆ドルの外貨が必要である。
したがってある日突然、中国の外貨準備はブラックホールに吸い込まれるように消失する危険性が増している。
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目覚めよ日本!
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