シリアのラタキアをロシアが「ラバウル化」
2015年09月23日 Market Hack
シリアの内戦が長期化していますが、地中海に面した町、ラタキアはこれまで比較的戦火から遠いロケーションでした。
ここはバシャール・アル・アサド大統領の勢力下にある地域です。
そのラタキア空港を、いまロシアが「ラバウル化」しています。
最新鋭の戦闘機が発進できるよう滑走路を整備し直し、管制塔、航空隊員の宿舎などを建設しました。
最新の衛星写真ではこれまでに4機のSu-30S戦闘機、12機のSu-25攻撃機、7機のMi-24攻撃ヘリコプターの到着が確認されています。
このようにロシアがシリアへの関与を深めている意図は、アサド政権を盛り立て、ISに代表されるテロリスト達を掃討する点にあると思われます。
シリアは、もう元の姿に戻る事は期待薄で、平和が訪れても国土の分裂は避けられない見通しです。
その場合、ロシアはシリアのどこかに足掛かりを確保しておきたいと考えているに違いありません。ラタキアは地中海に面しており、キプロス、トルコ、イスラエルは目と鼻の先です。
NATOがウクライナとの関係を強化し、クリミアや東ウクライナを刺激した場合、ロシアは逆にラタキアから周辺国にプレッシャーをかけることが出来るわけです。
この空域はイスラエル空軍をはじめ各国の空軍がひしめいている、一つ間違えば事件になりかねない窮屈な空域です。
http://markethack.net/archives/51982337.html
◆続々と配備されるロシア空軍機
2015年09月23日 小泉悠 BLOGOS
シリアに展開していると見られるSu-30SM戦闘爆撃機の同型機(筆者撮影)
先日の小欄「内戦続くシリアにロシアが軍事介入を開始?」で紹介したように、ロシアは8月半ば頃からシリアにロシア軍を展開させ始めたと見られる。
その後もロシア軍はシリアへの展開を強化し続けているようだ。
最も顕著なのは、アサド一族の出身地であり、現在も重要な支持基盤である北西部ラタキア県のバーシィル・アサド国際空港である。
9月以降、ロシアは同空港の拡張工事を行うとともに、強力な航空戦力を配備しつつある。
先週末、同空港にロシアがSu-30SM戦闘爆撃機4機(1個小隊)を配備したと伝えられたのを皮切りに、今週に入ってからSu-25攻撃機12機(1個飛行隊)の配備が衛星写真で確認された。
アサド空港に展開したSu-30SM戦闘爆撃機とSu-25攻撃機
アサド空港で撮影されたSu-30SM(手前)とSu-25(奥)
Su- 30SMは現在ロシア空軍や海軍航空隊が導入を進めている新鋭機で、高い対空戦闘力と対地攻撃能力を誇る。一方、Su-25は低速ながら頑丈なジェット攻 撃機で、地上部隊と密接に協力しながら航空支援を提供することを任務としており、昨年7月には「イスラム国(IS)」の侵攻を受けたイラクにも緊急供与さ れた。
22日には、やや不鮮明ながらこれを地上から撮影した映像もネット上に出回るようになり、その塗装等からロシア空軍機がアサド空港に展開していることはさらに確実となっている。
一方、動画サイトYoutubeでは、シリアのホムス上空で撮影されたロシア空軍機と思しき画像がアップロードされ始めた。
内 陸部のホムスで撮影されたもので、前述のSu-30SMと思しき機体や、それよりも旧式のSu-24M戦闘爆撃機がIl-78M空中給油機と見られる機体 から給油を受ける様子が写っている。映像には、「アッラーは偉大なり!アッラーは偉大なり!ロシアの飛行機だ。北に向かって飛んでいる!」アラビア語で叫 ぶ声が一緒に収録されている。
https://www.youtube.com/watch?v=bIG-KJTxUTw
その後に公開された衛星写真では、12機のSu-24Mが前述のSu-30SMやSu-25とともにアサド空港に配備されたことが確認された。
有力な航空戦力
合計すると、Su-30SM戦闘爆撃機4機、Su-24M戦闘爆撃機12機、Su-25攻撃機12機の合計28機である。
合計で1個混成航空連隊+1個戦闘機飛行隊だが、ロシア空軍の基準では1つの飛行場に概ね1個航空連隊を配備することになっているので、ほぼ上限一杯の兵力を配備していることになる。
内 戦前にシリア空軍が保有していた兵力は、MiG-29戦闘機約60機、MiG-21戦闘機約65機、MiG-23戦闘爆撃機約60機、MiG-25戦闘機 11機、Su-24MK戦闘爆撃機約20機、Su-22戦闘爆撃機約40機などとされるが、その多くは旧式化していたり、稼働状態にはなかったり、反政府 勢力に鹵獲されていると見られ、最新鋭機を含む28機のロシア空軍機は極めて有力な航空戦力と言える。
加えて アサド空港にはMi-24攻撃ヘリやMi-8輸送ヘリなどが合計20機配備されていると言われるほか、ヘリパッド2カ所も新たに増設された。ロシアの 『ヴェードモスチ』紙7月31日付によると、シリア空軍の保有するヘリコプターのうち9割は稼働不能に陥っているとされるため、やはりシリアにとっては有 力な航空支援である。
アサド空港には、これらの航空部隊を防衛する為、最新鋭のパンツィリ-S1防空システムを配備しているともいう。
海軍歩兵や陸軍も展開
アサド空港に配備されたと見られるT-90戦車(戦勝記念パレードで筆者撮影)
ロシアはアサド空港に装甲車両の駐車スペースを整備していることも以前から衛星写真で看取されていたが、ここにはT-90戦車6両や装甲兵員輸送車多数が駐車されていることも確認されている。
こ れまでシリアにはロシア海軍の海軍歩兵部隊(海兵隊)が派遣されたことは確認されているが、海軍歩兵部隊は戦車を保有していない。つまり、アサド空港には 海軍歩兵部隊のみならず陸軍部隊が展開している可能性も濃厚ということになる(陸軍とは独立の空挺部隊にも戦車部隊を創設すると言われていることから、空 挺部隊である可能性も排除できない)。
ロシア空軍の空爆が始まる?
問題は、これだけの航空戦力がこれから何をするかである。
米ニュースサービス 『デイリー・ビースト』9月21日付は、米政府関係者3名の話として、ロシアは間もなくシリア国内での空爆を開始するだろうとの観測を紹介している。ロシ ア・シリア両政府は、シリアに展開しているロシア軍はあくまで軍事顧問団であるという立場を取っているが、強力な航空部隊を展開させている以上、ロシアが 直接介入を目論んでいる可能性は排除できない。
ロシアはこれ以前からシリア国内で無人偵察機を飛行させていたが、これもアサド政権への情報提供のみならず、ロシア空軍の攻撃目標選定も意図したものと考えられる。
た だし、ロシア政府がシリアへの介入を「イスラム国(IS)」対策と位置づけているのに対し、前述の『デイリー・ビースト』は、実際の攻撃目標がヌスラ戦線 などIS以外の反体制派であろうと見ている。実際問題として、ラタキアに隣接するイドリブ県ではヌスラ戦線を中心とするファタハ軍であり、実際の標的はこ ちらであろう。
もちろん、これだけの規模のロシア軍がシリアに展開するとなれば、すでにシリアに軍事介入を 行っているNATOとの直接衝突の懸念が高まる。前回の拙稿で取り上げたように、このような懸念を惹起することでアサド政権軍に対するNATOの攻撃を回 避するのがロシア側の狙いと考えられよう。
9月16日にケリー米国務長官が明らかにしたところによると、その 前日に行われたロシアのラヴロフ外相との電話会談で、ロシア側は昨年から途絶えている米露国防当局の協議を提案したことが明らかになっている。同18日に はカーター米国防長官とショイグ露国防相との電話会談で偶発的な衝突回避のための対話を進めることが合意されており、ラタキアに軍事プレゼンスを展開する ことでアサド政権への攻撃回避を図るというロシアの戦略は、現在のところ一定の成功を収めているように見える。
し たがって、アサド空港に展開するロシア空軍部隊が戦闘に直接介入するのか同地から睨みを効かせるに留まるのかは今のところ流動的であると考えられる。折し も今月末の第70回国連総会にプーチン大統領らが出席し、アサド政権を含む対IS大連合構想を訴えると見られ、その成否も大いに注目されよう。
http://blogos.com/article/135422/
◆オバマ政権の対シリア政策が破綻
ロシア、巻き返しの絶好機
「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」
2015年09月22日 佐々木伸 (星槎大学客員教授)WEDGE Infinity
米 国が過激派組織「イスラム国」(IS)に対抗するため中核的な政策として進めていた「シリア人部隊の創設」計画が破綻した。軌を一にするようにロシアのシ リアでの軍備増強が明るみに出たが、そこにはプーチン大統領のしたたかな政治的思惑が隠されており、オバマ政権は対応に四苦八苦だ。
残ったのはわずか4、5人
このシリア人部隊の創設計画の破綻は16日、中東を統括する米中央軍司令官オースティン将軍が上院の議会証言で明らかにした。将軍は米国が訓練した部隊の 戦闘員のうち、シリアに残っているのはわずか「4、5人」にすぎないと証言、ショックを受けた議員から「完全な失敗だ」との声が漏れた。
この計画は米国の対シリア政策の中核。ISが2年前、イラクとシリアの広大な一帯を占領した後、ISと戦わせるため穏健な反体制派を訓練し、武器を供与す るという5億ドルの計画が固まった。部隊の規模は5000人で、5月からサウジアラビアやヨルダンで訓練が始まった。ところが、穏健なシリア人の選別に時 間がかかり、訓練されたのは約100人にとどまった。
この訓練を終了した第1陣54人は7月、シリアに投入 されたが、そこで国際テロ組織アルカイダの分派「ヌスラ戦線」の攻撃を受け、多数が死傷してしまった。この結果、シリアに残留している部隊の戦闘員は4、 5人だけとなった。ホワイトハウスの報道官はこの失敗について、大統領は計画にずっと懐疑的だったと指摘、非難されるべきは計画の実現に圧力を掛けた人々 だと責任を回避するような姿勢を示している。
報道官はこの計画が困難なものであることが分かった、と見切り をつけたことを明らかにしたが、この計画に代わる案があるわけではない。オバマ政権にISを壊滅し、内戦の終結に向けた戦略はない。当面は空爆に依存して いかざるを得ないが、今後は最も信頼できる武装勢力であるクルド人武装勢力との連携を強めていくことになるだろう。
ウクライナの敵をシリアで返す
こうした米国のシリア政策の混乱を尻目に、ロシアのプーチン大統領は9月初めからシリアへの軍事支援強化、ロシア軍のプレゼンスの増強に乗り出した。
地中海沿いのシリア西部ラタキア近郊の飛行場に戦車など膨大な軍事物資と海兵隊員200人など兵員を送り込んだ。大型輸送機による空輸は20回以上に及んだ。さらにここ数日のうちにSU27戦闘機4機、武装ヘリ4機、輸送ヘリなども配備された。
米国はこうしたロシアの動きが内戦を激化させるものとして非難したが、プーチン大統領は全く無視。それどころか、アサド政権に対する軍事支援を続行することを強調、ISと戦うためロシアに合流するよう各国に呼び掛け、米主導の有志連合に挑戦する姿勢さえ見せた。
ロシアがアサド政権を支援してISに対する空爆に踏み切るようなことがあれば、有志連合軍機と偶発的な衝突に発展しかねない。このため米国のカーター国防 長官とロシアのショイグ国防相が急きょ会談したが、逆にロシアのシリアでの軍事力増強を事実上“追認”する形になった。
プーチン大統領はなぜ今、シリアで軍事力増強に踏み切ったのか。いくつか理由があるが、最大の動機は「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」という 国際政治の駆け引きだ。ロシアはクリミア併合、ウクライナの親ロシア勢力支援などで、西側から経済制裁を受け、主要な輸出品である原油価格の低迷もあって 苦境に立たされている。
西側諸国は現在、欧州へのシリア難民の流入で危機に陥っており、プーチン大統領とし ては、この機会にシリアにおけるプレゼンスを拡大し、危機の解決の主導権の一端を握ることで、ウクライナ問題での出口を見出したいという狙いだろう。この 他、無論、内戦解決のためアサド政権に代わる新政府の発足の機会がめぐってくれば、その拡大した影響力を行使するという思惑もある。
プーチン大統領は28日に予定されている国連総会での演説で、世界の耳目を「ウクライナからシリア」に向ける一方、冷え切っているオバマ大統領との首脳会談の実現を要望している。しかしホワイトハウスは会談に応じるべきかどうかで二分している。
会談拒否派は、会談すれば、ウクライナの暴挙に報償を与えることになると反対しているが、両首脳は互いに「オバマ大統領を“弱虫”、プーチン大統領を“悪党”と見なしている」(米紙)とされ、国連総会の場が2人のしのぎを削る舞台になるのは間違いない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5399
ウクライナは事実上ロシア義勇軍と親ロシア派軍に兵糧責めに合い降伏した。オバマと欧州の企みは破綻した。
◆ドイツのマスコミ:CIA代表団がモスクワを極秘訪問
2015年09月20日 Sputnik 日本
ドイツ紙ビルト日曜版は、米情報機関関係筋の話として、米中央情報局(CIA)の代表団がモスクワを極秘訪問し、ロシア対外情報庁(SVR)の代表者たちと会談、シリアにおける共同行動の調整について協議したと伝えた。
ビ ルト日曜版によると、米国側は、ロシアで活動が禁止されているテロ組織「IS(イスラム国)」に対するロシアの行動をサポートするために、諜報データを共 有する用意がある。米国は、ISの戦闘員が増加することを危惧しているため、このようなコンタクトの発展に関心を持っているという。
なおビルト日曜版は、ドイツのシュタインマイヤー外相が、シリア問題における露米の協力を歓迎していると報じた。
9月18日、ロシアのショイグ国防相と米国のカーター国防長官は、シリア情勢について初めて協議した。
http://jp.sputniknews.com/russia/20150920/924741.html#ixzz3mK5QjDLe
◆プーチン大統領、「イスラム国」対策作戦へのロシア参加は時期尚早
2015年09月04日 Sputnik 日本
プーチン大統領は、テロ組織「イスラム国」対策の軍事作戦にロシアが加わる可能性について記者団からの問いに答えた中で、現時点では時期尚早と語った。
「イスラム国」対策の連合軍が組織された場合、ロシアはこれに参加するかという問いに対し、プーチン大統領は、「様々な可能性を検討しているが、現段階では(「イスラム国」に対抗した)軍事作戦への参加は我々は予定していない」と答えた。
「現時点で我々はシリアには十分な専門的支援、機器をおくっており、軍人養成も行い、兵器も供与している。」
http://jp.sputniknews.com/world/20150904/847900.html#ixzz3lNWkxRDv
◆ウォールストリート紙、シリアで米国を負かしたのはプーチン氏の大胆さ
2015年09月17日 Sputnik 日本
プー チン氏がシリアにおけるロシアの軍事アピアランスを拡大する上で指針とする動機は現段階では完全にはわからないものの、唯一明白なのはロシアの積極性と大 胆さは米国の中東政策の覆う大混乱とは正反対だということだ。ウォールストリートジャーナル紙が16日、中東専門家のアアロン・デヴィッド・ミラー氏のこ うした記事を発表した。
「あなたがロシア大統領の戦略を考えなくとも、プーチン氏は合目的的に行動し、事がロシアの国益になるところまで達したと彼が判断したときに、何をすべきかを知っている。この場合、シリアのアサド大統領の戦闘準備を支援しつつ、それを行っている。」
記 事では、米国はシリアでの目的を今のところ何一つ達成していないことが指摘されている。米国のシリアでの目的は、新たな版図を広げる「イスラム国」を阻害 し、「イスラム国」対策用にもアサド体制との闘い用にも使えるあいまいな反体制勢力を作り、アサド氏を政治舞台から退却させることにある。
ま た、こうした一方でロシアにとっては「イスラム国」との対抗策(チェチェンでジハード主義者を引き入れる条件となりかない)はアサド氏の支援と十分相関関 係がとれており、政権転覆が行なわれたとしても、アサド氏の跡を誰が引き継ぐか、それを決定する力はロシアが握っているという手ごたえをもっていることが 指摘されている。
ミラー氏は「シリアにおけるロシアの影響力がどんなに弱くとも、プーチン氏はロシアの立場の強化策を とっていれば、強力に見える。ロシアは主たる敵は『イスラム国』だと宣言しつつ、アサド氏への供給、支援を行う上での条件作りにむけ、重要な一歩を踏み出 している」と書いている。
「一方で米国のシリア政策が混乱し、脆弱に見えているなかで、プーチン氏は逆に大胆 さをアピールしている。これはどんな意味をもっているのか? 米国はイランと核プログラムで重要な条約を結んだにもかかわらず、シリア問題でイランの支持 を取り付けたのはプーチン氏だということだけは指摘しておかねばならない。こういうことから、中東で米国がやっていることは単なる西洋碁であり、その一方 で他全員は3次元のチェスに取り組んでいるのではないかという考えがますます強くなる。」
16日、ペスコフ露大統領報道官は9月21日のイスラエルのネタニヤフ首相のモスクワ訪問計画を明らかにした。これまで明らかにされていたところでは、ネタニアフ首相はプーチン大統領とシリアにおけるロシア軍のプレゼンスについて話し合う構え。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150917/908016.html#ixzz3lz3iDDU0
◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益
2015年09月08日 岡崎研究所 WEDGE Infinity
8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露は イランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。
すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。
中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。
中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁 解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。
通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアは Su-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜 水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。
さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド 大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、 イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。
今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。
出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822
* * *
極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響とい う2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響 力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がありま す。
イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化 させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、 今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して 来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思 表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。
ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。
(1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。
(2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないで しょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常 化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。
(3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。
(4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。
(5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320
◆ロシアより、制裁への返礼「宇宙では米国と提携しない」
2014.5.16 FRI WIRED
ロシア副首相は、ロケットエンジンの米国への販売を停止し、国際宇宙ステーションにおける協力も2020年までにすると表明した。ロシアにある米国のGPS地上局11カ所の運用も停止される可能性がある。
ロシアの副首相ドミトリー・ロゴージンは5月13日(現地時間)、米国は2024年まで国際宇宙ステーション(ISS)を利用したいと希望しているが、ロシアは米国への協力を2020年までで終わりにすると述べた。
米 国航空宇宙局(NASA)は現在、ISSプロジェクトで使える有人飛行用ロケットを持っておらず、軌道を回るISSへは、料金を支払って、ロシアのロケッ トに乗組員を搭乗させている。米国は現在、宇宙飛行士をISSに運ぶために、ひとりあたり約6,000万ドルをロシアに支払っている。NASAは有人宇宙 飛行の打ち上げロケットを開発中(日本語版記事)だが、これは2017年までは確たるものにはならない。
ロ ゴージン副首相はまた、ロシアはロケットエンジン「RD-180」と「NK-33」を、米国に対して軍事目的ではもう販売しないと語った。RD-180 は、軍事衛星など、米軍の積載物も含むさまざまな荷物を打ち上げるのに使われている米国のロケット「Atlas V」に採用されている。
ロ ゴージン副首相はさらに、両国が合意に至ることができなければ、米国はロシア国内にあるGPS地上局11カ所の運用を6月1日に停止することが必要になる と語った。6月1日の期限以降、ロシアは3か月の交渉期間を認めるが、ここで合意に至らなければ、11カ所の地上局は「永久に停止される」とロシア政府は 述べていると、「RT」(旧称ロシア・トゥデイ、ロシア政府が所有するニュースサイト)は報じている。
さらにロゴージン副首相はTwitterで、「ロ中首脳会談前夜の5月19日、われわれは北京のパートナーたちと、宇宙における2国間協力の今後のプロジェクトについて話し合う」とツイートした。
NASA は4月初め、職員に対して、ロシア政府関係者とのかかわりを停止するよう指令した(日本語版記事)。しかしそれ以降も、Boeing社と Lockheed-Martin社の合弁事業であるUnited Launch Alliance(ULA)社に対しては、Atlas Vの打ち上げに使うロケットエンジンRD-180の購入を許可していた。NK-33ロケットエンジンについても、ロシアからの輸入がまだ可能だった。
一方、米国の民間宇宙企業SpaceX社は、米国連邦請求裁判所(United States Court of Federal Claims)に対して、ULA社の宇宙事業契約の差し止め請求を行い、4月30日に請求が認められた(日本語版記事)。
SpaceX社は、この契約は競争入札の過程を経ていないほか、打ち上げロケットの大部分がNPO Energomash社製のRD-180ロケットエンジンを採用しているが、同社はロシア政府が所有し、コントロールしている企業だと指摘していた。
この差し止め命令はその後取り消されたが、ロシアがロケットエンジンの提供打ち切りを決めたことで、イーロン・マスク率いるSpaceX社は結局、希望していた方向に向かえそうだ。
http://wired.jp/2014/05/16/russia-may-abandon-space-station/?utm_source%3dfeed%26utm_medium%3d
◆プーチンが握る米国の陰謀
プーチン大統領へ
私たちは世界平和に必要不可欠な資料の公開を要求します
3月10日【Veterans Today】
http://www.veteranstoday.com/…/we-demand-president-putin-r…/ より翻訳
ウラジミール・プーチン ロシア連邦大統領
23, Ilyinka Street,
Moscow, 103132, Russia.
大統領閣下:
アメリカ国内の政治的分断が世界平和への脅威となっていることは今や明白です。
アメリカ国内の親イスラエル派閥は、イランとの原子力に関する合意内容を妨害しようとしているばかりではなく、それよりもずっと進めようと働きかけています。
最近のNATOのブリードラブ米国空軍大将による判断上およびマナー上の過失のため、アメリカによるISIS/ISILへの内密の援助、そして一部の派閥によるリビアやその他アフリカにおけるテロリスト・グループを支援する動きの危険性が高くなっています。
私 たちベテランズ・トゥデイはスタッフメンバー、そしてあなた方もご存知のソ連やロシアの諜報機関の元職員数名を含む名前を記載していない仲間達と協議し、 ロシア連邦の諜報機関は今、公開されるべきファイルを所有し、その一部は何年も保管されているものであると認識しています。
私たちの当初の要求の通り、ロシアが保管している次の資料を求めます。
*戦争捕虜であった間、ジョン・マケインが行った32回分のプロパガンダ放送を録音したテープとその書き下し文書。その一部では、アメリカが北ベトナムに対して生物戦争を行ったとマケインが主張している。
*ベトナムのハノイでKGBが行ったジョン・マケインとの事情聴取を文書化したものには、すべての戦闘序列に関する情報が含まれている。この情報の漏洩により防空の再配置が行われ、アメリカの航空機の撃墜成功率がずっと高くなった。
*ジョナサン・ポラードをソ連の諜報員として操っていたネタニヤフの役目に関する全情報
*1990年、国連休戦監視機構(UNTSO)からアメリカの暗号一覧をソビエトの諜報員として盗み出したネタニヤフの役割、ネタニヤフがソビエト政府に手渡したそのデータの内容、NATOの軍事機密、アメリカ国務省の通信内容、アメリカ海軍のコードに関する全情報
*ミット・ロムニーがハバナ(キューバの首都)を訪問した際にロシアの諜報員と会合した際の全情報
*ロムニーがラウル・カストロと会合した際の会話内容、ロムニーによる密約の録音および書き下し文書
*ジョン・マケインとジョセフ・リーバーマンが、アフガニスタンの首都カブールに訪問し、北部同盟(アフガニスタンの反タリバン勢力)の麻薬王と会合した後、チューリッヒで銀行施設に入るところが写された監視ビデオの動画
*2001年9月の出来事の前に、高濃度の原子力マテリアルがNY市に持ち込まれ移動していた動きを示す衛星画像
*サウジアラビアへの核兵器の販売を含めるがそれに限定されない核兵器の拡散に対するイスラエル関与の役割を示すファイル
*アメリカ合衆国連邦議員300人以上を代表して、(タックス・ヘイブンの)ケイマン諸島にある銀行にベイン社が管理している預金内容を明らかにするファイル
*イスラエルから北朝鮮へ核物質を輸送したことを示す証拠
あなた方ロシア政府が所有している資料の中で、上記一覧はごくわずかな一部に過ぎませんが、率直に申し上げ、世界中の出来事が現在のような崩壊へ向かうレベルで発生し続けている場合、この資料の価値は発揮されていないと言えるでしょう。
ありがとうございます。
ゴードン・ダフ(Gordon Duff)
ベテランズ・トゥデイ編集主任
(翻訳終了)
***
【関連記事】
*ロシアが911の真相に関する情報(核爆発)を大量放出
*911の衛星画像でロシアがアメリカを脅迫/素人によるレア動画の公開”
http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12002809433.html
2015年09月23日 Market Hack
シリアの内戦が長期化していますが、地中海に面した町、ラタキアはこれまで比較的戦火から遠いロケーションでした。
ここはバシャール・アル・アサド大統領の勢力下にある地域です。
そのラタキア空港を、いまロシアが「ラバウル化」しています。
最新鋭の戦闘機が発進できるよう滑走路を整備し直し、管制塔、航空隊員の宿舎などを建設しました。
最新の衛星写真ではこれまでに4機のSu-30S戦闘機、12機のSu-25攻撃機、7機のMi-24攻撃ヘリコプターの到着が確認されています。
このようにロシアがシリアへの関与を深めている意図は、アサド政権を盛り立て、ISに代表されるテロリスト達を掃討する点にあると思われます。
シリアは、もう元の姿に戻る事は期待薄で、平和が訪れても国土の分裂は避けられない見通しです。
その場合、ロシアはシリアのどこかに足掛かりを確保しておきたいと考えているに違いありません。ラタキアは地中海に面しており、キプロス、トルコ、イスラエルは目と鼻の先です。
NATOがウクライナとの関係を強化し、クリミアや東ウクライナを刺激した場合、ロシアは逆にラタキアから周辺国にプレッシャーをかけることが出来るわけです。
この空域はイスラエル空軍をはじめ各国の空軍がひしめいている、一つ間違えば事件になりかねない窮屈な空域です。
http://markethack.net/archives/51982337.html
◆続々と配備されるロシア空軍機
2015年09月23日 小泉悠 BLOGOS
シリアに展開していると見られるSu-30SM戦闘爆撃機の同型機(筆者撮影)
先日の小欄「内戦続くシリアにロシアが軍事介入を開始?」で紹介したように、ロシアは8月半ば頃からシリアにロシア軍を展開させ始めたと見られる。
その後もロシア軍はシリアへの展開を強化し続けているようだ。
最も顕著なのは、アサド一族の出身地であり、現在も重要な支持基盤である北西部ラタキア県のバーシィル・アサド国際空港である。
9月以降、ロシアは同空港の拡張工事を行うとともに、強力な航空戦力を配備しつつある。
先週末、同空港にロシアがSu-30SM戦闘爆撃機4機(1個小隊)を配備したと伝えられたのを皮切りに、今週に入ってからSu-25攻撃機12機(1個飛行隊)の配備が衛星写真で確認された。
アサド空港に展開したSu-30SM戦闘爆撃機とSu-25攻撃機
アサド空港で撮影されたSu-30SM(手前)とSu-25(奥)
Su- 30SMは現在ロシア空軍や海軍航空隊が導入を進めている新鋭機で、高い対空戦闘力と対地攻撃能力を誇る。一方、Su-25は低速ながら頑丈なジェット攻 撃機で、地上部隊と密接に協力しながら航空支援を提供することを任務としており、昨年7月には「イスラム国(IS)」の侵攻を受けたイラクにも緊急供与さ れた。
22日には、やや不鮮明ながらこれを地上から撮影した映像もネット上に出回るようになり、その塗装等からロシア空軍機がアサド空港に展開していることはさらに確実となっている。
一方、動画サイトYoutubeでは、シリアのホムス上空で撮影されたロシア空軍機と思しき画像がアップロードされ始めた。
内 陸部のホムスで撮影されたもので、前述のSu-30SMと思しき機体や、それよりも旧式のSu-24M戦闘爆撃機がIl-78M空中給油機と見られる機体 から給油を受ける様子が写っている。映像には、「アッラーは偉大なり!アッラーは偉大なり!ロシアの飛行機だ。北に向かって飛んでいる!」アラビア語で叫 ぶ声が一緒に収録されている。
https://www.youtube.com/watch?v=bIG-KJTxUTw
その後に公開された衛星写真では、12機のSu-24Mが前述のSu-30SMやSu-25とともにアサド空港に配備されたことが確認された。
有力な航空戦力
合計すると、Su-30SM戦闘爆撃機4機、Su-24M戦闘爆撃機12機、Su-25攻撃機12機の合計28機である。
合計で1個混成航空連隊+1個戦闘機飛行隊だが、ロシア空軍の基準では1つの飛行場に概ね1個航空連隊を配備することになっているので、ほぼ上限一杯の兵力を配備していることになる。
内 戦前にシリア空軍が保有していた兵力は、MiG-29戦闘機約60機、MiG-21戦闘機約65機、MiG-23戦闘爆撃機約60機、MiG-25戦闘機 11機、Su-24MK戦闘爆撃機約20機、Su-22戦闘爆撃機約40機などとされるが、その多くは旧式化していたり、稼働状態にはなかったり、反政府 勢力に鹵獲されていると見られ、最新鋭機を含む28機のロシア空軍機は極めて有力な航空戦力と言える。
加えて アサド空港にはMi-24攻撃ヘリやMi-8輸送ヘリなどが合計20機配備されていると言われるほか、ヘリパッド2カ所も新たに増設された。ロシアの 『ヴェードモスチ』紙7月31日付によると、シリア空軍の保有するヘリコプターのうち9割は稼働不能に陥っているとされるため、やはりシリアにとっては有 力な航空支援である。
アサド空港には、これらの航空部隊を防衛する為、最新鋭のパンツィリ-S1防空システムを配備しているともいう。
海軍歩兵や陸軍も展開
アサド空港に配備されたと見られるT-90戦車(戦勝記念パレードで筆者撮影)
ロシアはアサド空港に装甲車両の駐車スペースを整備していることも以前から衛星写真で看取されていたが、ここにはT-90戦車6両や装甲兵員輸送車多数が駐車されていることも確認されている。
こ れまでシリアにはロシア海軍の海軍歩兵部隊(海兵隊)が派遣されたことは確認されているが、海軍歩兵部隊は戦車を保有していない。つまり、アサド空港には 海軍歩兵部隊のみならず陸軍部隊が展開している可能性も濃厚ということになる(陸軍とは独立の空挺部隊にも戦車部隊を創設すると言われていることから、空 挺部隊である可能性も排除できない)。
ロシア空軍の空爆が始まる?
問題は、これだけの航空戦力がこれから何をするかである。
米ニュースサービス 『デイリー・ビースト』9月21日付は、米政府関係者3名の話として、ロシアは間もなくシリア国内での空爆を開始するだろうとの観測を紹介している。ロシ ア・シリア両政府は、シリアに展開しているロシア軍はあくまで軍事顧問団であるという立場を取っているが、強力な航空部隊を展開させている以上、ロシアが 直接介入を目論んでいる可能性は排除できない。
ロシアはこれ以前からシリア国内で無人偵察機を飛行させていたが、これもアサド政権への情報提供のみならず、ロシア空軍の攻撃目標選定も意図したものと考えられる。
た だし、ロシア政府がシリアへの介入を「イスラム国(IS)」対策と位置づけているのに対し、前述の『デイリー・ビースト』は、実際の攻撃目標がヌスラ戦線 などIS以外の反体制派であろうと見ている。実際問題として、ラタキアに隣接するイドリブ県ではヌスラ戦線を中心とするファタハ軍であり、実際の標的はこ ちらであろう。
もちろん、これだけの規模のロシア軍がシリアに展開するとなれば、すでにシリアに軍事介入を 行っているNATOとの直接衝突の懸念が高まる。前回の拙稿で取り上げたように、このような懸念を惹起することでアサド政権軍に対するNATOの攻撃を回 避するのがロシア側の狙いと考えられよう。
9月16日にケリー米国務長官が明らかにしたところによると、その 前日に行われたロシアのラヴロフ外相との電話会談で、ロシア側は昨年から途絶えている米露国防当局の協議を提案したことが明らかになっている。同18日に はカーター米国防長官とショイグ露国防相との電話会談で偶発的な衝突回避のための対話を進めることが合意されており、ラタキアに軍事プレゼンスを展開する ことでアサド政権への攻撃回避を図るというロシアの戦略は、現在のところ一定の成功を収めているように見える。
し たがって、アサド空港に展開するロシア空軍部隊が戦闘に直接介入するのか同地から睨みを効かせるに留まるのかは今のところ流動的であると考えられる。折し も今月末の第70回国連総会にプーチン大統領らが出席し、アサド政権を含む対IS大連合構想を訴えると見られ、その成否も大いに注目されよう。
http://blogos.com/article/135422/
◆オバマ政権の対シリア政策が破綻
ロシア、巻き返しの絶好機
「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」
2015年09月22日 佐々木伸 (星槎大学客員教授)WEDGE Infinity
米 国が過激派組織「イスラム国」(IS)に対抗するため中核的な政策として進めていた「シリア人部隊の創設」計画が破綻した。軌を一にするようにロシアのシ リアでの軍備増強が明るみに出たが、そこにはプーチン大統領のしたたかな政治的思惑が隠されており、オバマ政権は対応に四苦八苦だ。
残ったのはわずか4、5人
このシリア人部隊の創設計画の破綻は16日、中東を統括する米中央軍司令官オースティン将軍が上院の議会証言で明らかにした。将軍は米国が訓練した部隊の 戦闘員のうち、シリアに残っているのはわずか「4、5人」にすぎないと証言、ショックを受けた議員から「完全な失敗だ」との声が漏れた。
この計画は米国の対シリア政策の中核。ISが2年前、イラクとシリアの広大な一帯を占領した後、ISと戦わせるため穏健な反体制派を訓練し、武器を供与す るという5億ドルの計画が固まった。部隊の規模は5000人で、5月からサウジアラビアやヨルダンで訓練が始まった。ところが、穏健なシリア人の選別に時 間がかかり、訓練されたのは約100人にとどまった。
この訓練を終了した第1陣54人は7月、シリアに投入 されたが、そこで国際テロ組織アルカイダの分派「ヌスラ戦線」の攻撃を受け、多数が死傷してしまった。この結果、シリアに残留している部隊の戦闘員は4、 5人だけとなった。ホワイトハウスの報道官はこの失敗について、大統領は計画にずっと懐疑的だったと指摘、非難されるべきは計画の実現に圧力を掛けた人々 だと責任を回避するような姿勢を示している。
報道官はこの計画が困難なものであることが分かった、と見切り をつけたことを明らかにしたが、この計画に代わる案があるわけではない。オバマ政権にISを壊滅し、内戦の終結に向けた戦略はない。当面は空爆に依存して いかざるを得ないが、今後は最も信頼できる武装勢力であるクルド人武装勢力との連携を強めていくことになるだろう。
ウクライナの敵をシリアで返す
こうした米国のシリア政策の混乱を尻目に、ロシアのプーチン大統領は9月初めからシリアへの軍事支援強化、ロシア軍のプレゼンスの増強に乗り出した。
地中海沿いのシリア西部ラタキア近郊の飛行場に戦車など膨大な軍事物資と海兵隊員200人など兵員を送り込んだ。大型輸送機による空輸は20回以上に及んだ。さらにここ数日のうちにSU27戦闘機4機、武装ヘリ4機、輸送ヘリなども配備された。
米国はこうしたロシアの動きが内戦を激化させるものとして非難したが、プーチン大統領は全く無視。それどころか、アサド政権に対する軍事支援を続行することを強調、ISと戦うためロシアに合流するよう各国に呼び掛け、米主導の有志連合に挑戦する姿勢さえ見せた。
ロシアがアサド政権を支援してISに対する空爆に踏み切るようなことがあれば、有志連合軍機と偶発的な衝突に発展しかねない。このため米国のカーター国防 長官とロシアのショイグ国防相が急きょ会談したが、逆にロシアのシリアでの軍事力増強を事実上“追認”する形になった。
プーチン大統領はなぜ今、シリアで軍事力増強に踏み切ったのか。いくつか理由があるが、最大の動機は「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」という 国際政治の駆け引きだ。ロシアはクリミア併合、ウクライナの親ロシア勢力支援などで、西側から経済制裁を受け、主要な輸出品である原油価格の低迷もあって 苦境に立たされている。
西側諸国は現在、欧州へのシリア難民の流入で危機に陥っており、プーチン大統領とし ては、この機会にシリアにおけるプレゼンスを拡大し、危機の解決の主導権の一端を握ることで、ウクライナ問題での出口を見出したいという狙いだろう。この 他、無論、内戦解決のためアサド政権に代わる新政府の発足の機会がめぐってくれば、その拡大した影響力を行使するという思惑もある。
プーチン大統領は28日に予定されている国連総会での演説で、世界の耳目を「ウクライナからシリア」に向ける一方、冷え切っているオバマ大統領との首脳会談の実現を要望している。しかしホワイトハウスは会談に応じるべきかどうかで二分している。
会談拒否派は、会談すれば、ウクライナの暴挙に報償を与えることになると反対しているが、両首脳は互いに「オバマ大統領を“弱虫”、プーチン大統領を“悪党”と見なしている」(米紙)とされ、国連総会の場が2人のしのぎを削る舞台になるのは間違いない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5399
ウクライナは事実上ロシア義勇軍と親ロシア派軍に兵糧責めに合い降伏した。オバマと欧州の企みは破綻した。
◆ドイツのマスコミ:CIA代表団がモスクワを極秘訪問
2015年09月20日 Sputnik 日本
ドイツ紙ビルト日曜版は、米情報機関関係筋の話として、米中央情報局(CIA)の代表団がモスクワを極秘訪問し、ロシア対外情報庁(SVR)の代表者たちと会談、シリアにおける共同行動の調整について協議したと伝えた。
ビ ルト日曜版によると、米国側は、ロシアで活動が禁止されているテロ組織「IS(イスラム国)」に対するロシアの行動をサポートするために、諜報データを共 有する用意がある。米国は、ISの戦闘員が増加することを危惧しているため、このようなコンタクトの発展に関心を持っているという。
なおビルト日曜版は、ドイツのシュタインマイヤー外相が、シリア問題における露米の協力を歓迎していると報じた。
9月18日、ロシアのショイグ国防相と米国のカーター国防長官は、シリア情勢について初めて協議した。
http://jp.sputniknews.com/russia/20150920/924741.html#ixzz3mK5QjDLe
◆プーチン大統領、「イスラム国」対策作戦へのロシア参加は時期尚早
2015年09月04日 Sputnik 日本
プーチン大統領は、テロ組織「イスラム国」対策の軍事作戦にロシアが加わる可能性について記者団からの問いに答えた中で、現時点では時期尚早と語った。
「イスラム国」対策の連合軍が組織された場合、ロシアはこれに参加するかという問いに対し、プーチン大統領は、「様々な可能性を検討しているが、現段階では(「イスラム国」に対抗した)軍事作戦への参加は我々は予定していない」と答えた。
「現時点で我々はシリアには十分な専門的支援、機器をおくっており、軍人養成も行い、兵器も供与している。」
http://jp.sputniknews.com/world/20150904/847900.html#ixzz3lNWkxRDv
◆ウォールストリート紙、シリアで米国を負かしたのはプーチン氏の大胆さ
2015年09月17日 Sputnik 日本
プー チン氏がシリアにおけるロシアの軍事アピアランスを拡大する上で指針とする動機は現段階では完全にはわからないものの、唯一明白なのはロシアの積極性と大 胆さは米国の中東政策の覆う大混乱とは正反対だということだ。ウォールストリートジャーナル紙が16日、中東専門家のアアロン・デヴィッド・ミラー氏のこ うした記事を発表した。
「あなたがロシア大統領の戦略を考えなくとも、プーチン氏は合目的的に行動し、事がロシアの国益になるところまで達したと彼が判断したときに、何をすべきかを知っている。この場合、シリアのアサド大統領の戦闘準備を支援しつつ、それを行っている。」
記 事では、米国はシリアでの目的を今のところ何一つ達成していないことが指摘されている。米国のシリアでの目的は、新たな版図を広げる「イスラム国」を阻害 し、「イスラム国」対策用にもアサド体制との闘い用にも使えるあいまいな反体制勢力を作り、アサド氏を政治舞台から退却させることにある。
ま た、こうした一方でロシアにとっては「イスラム国」との対抗策(チェチェンでジハード主義者を引き入れる条件となりかない)はアサド氏の支援と十分相関関 係がとれており、政権転覆が行なわれたとしても、アサド氏の跡を誰が引き継ぐか、それを決定する力はロシアが握っているという手ごたえをもっていることが 指摘されている。
ミラー氏は「シリアにおけるロシアの影響力がどんなに弱くとも、プーチン氏はロシアの立場の強化策を とっていれば、強力に見える。ロシアは主たる敵は『イスラム国』だと宣言しつつ、アサド氏への供給、支援を行う上での条件作りにむけ、重要な一歩を踏み出 している」と書いている。
「一方で米国のシリア政策が混乱し、脆弱に見えているなかで、プーチン氏は逆に大胆 さをアピールしている。これはどんな意味をもっているのか? 米国はイランと核プログラムで重要な条約を結んだにもかかわらず、シリア問題でイランの支持 を取り付けたのはプーチン氏だということだけは指摘しておかねばならない。こういうことから、中東で米国がやっていることは単なる西洋碁であり、その一方 で他全員は3次元のチェスに取り組んでいるのではないかという考えがますます強くなる。」
16日、ペスコフ露大統領報道官は9月21日のイスラエルのネタニヤフ首相のモスクワ訪問計画を明らかにした。これまで明らかにされていたところでは、ネタニアフ首相はプーチン大統領とシリアにおけるロシア軍のプレゼンスについて話し合う構え。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150917/908016.html#ixzz3lz3iDDU0
◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益
2015年09月08日 岡崎研究所 WEDGE Infinity
8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露は イランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。
すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。
中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。
中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁 解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。
通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアは Su-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜 水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。
さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド 大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、 イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。
今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。
出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822
* * *
極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響とい う2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響 力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がありま す。
イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化 させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、 今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して 来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思 表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。
ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。
(1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。
(2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないで しょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常 化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。
(3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。
(4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。
(5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320
◆ロシアより、制裁への返礼「宇宙では米国と提携しない」
2014.5.16 FRI WIRED
ロシア副首相は、ロケットエンジンの米国への販売を停止し、国際宇宙ステーションにおける協力も2020年までにすると表明した。ロシアにある米国のGPS地上局11カ所の運用も停止される可能性がある。
ロシアの副首相ドミトリー・ロゴージンは5月13日(現地時間)、米国は2024年まで国際宇宙ステーション(ISS)を利用したいと希望しているが、ロシアは米国への協力を2020年までで終わりにすると述べた。
米 国航空宇宙局(NASA)は現在、ISSプロジェクトで使える有人飛行用ロケットを持っておらず、軌道を回るISSへは、料金を支払って、ロシアのロケッ トに乗組員を搭乗させている。米国は現在、宇宙飛行士をISSに運ぶために、ひとりあたり約6,000万ドルをロシアに支払っている。NASAは有人宇宙 飛行の打ち上げロケットを開発中(日本語版記事)だが、これは2017年までは確たるものにはならない。
ロ ゴージン副首相はまた、ロシアはロケットエンジン「RD-180」と「NK-33」を、米国に対して軍事目的ではもう販売しないと語った。RD-180 は、軍事衛星など、米軍の積載物も含むさまざまな荷物を打ち上げるのに使われている米国のロケット「Atlas V」に採用されている。
ロ ゴージン副首相はさらに、両国が合意に至ることができなければ、米国はロシア国内にあるGPS地上局11カ所の運用を6月1日に停止することが必要になる と語った。6月1日の期限以降、ロシアは3か月の交渉期間を認めるが、ここで合意に至らなければ、11カ所の地上局は「永久に停止される」とロシア政府は 述べていると、「RT」(旧称ロシア・トゥデイ、ロシア政府が所有するニュースサイト)は報じている。
さらにロゴージン副首相はTwitterで、「ロ中首脳会談前夜の5月19日、われわれは北京のパートナーたちと、宇宙における2国間協力の今後のプロジェクトについて話し合う」とツイートした。
NASA は4月初め、職員に対して、ロシア政府関係者とのかかわりを停止するよう指令した(日本語版記事)。しかしそれ以降も、Boeing社と Lockheed-Martin社の合弁事業であるUnited Launch Alliance(ULA)社に対しては、Atlas Vの打ち上げに使うロケットエンジンRD-180の購入を許可していた。NK-33ロケットエンジンについても、ロシアからの輸入がまだ可能だった。
一方、米国の民間宇宙企業SpaceX社は、米国連邦請求裁判所(United States Court of Federal Claims)に対して、ULA社の宇宙事業契約の差し止め請求を行い、4月30日に請求が認められた(日本語版記事)。
SpaceX社は、この契約は競争入札の過程を経ていないほか、打ち上げロケットの大部分がNPO Energomash社製のRD-180ロケットエンジンを採用しているが、同社はロシア政府が所有し、コントロールしている企業だと指摘していた。
この差し止め命令はその後取り消されたが、ロシアがロケットエンジンの提供打ち切りを決めたことで、イーロン・マスク率いるSpaceX社は結局、希望していた方向に向かえそうだ。
http://wired.jp/2014/05/16/russia-may-abandon-space-station/?utm_source%3dfeed%26utm_medium%3d
◆プーチンが握る米国の陰謀
プーチン大統領へ
私たちは世界平和に必要不可欠な資料の公開を要求します
3月10日【Veterans Today】
http://www.veteranstoday.com/…/we-demand-president-putin-r…/ より翻訳
ウラジミール・プーチン ロシア連邦大統領
23, Ilyinka Street,
Moscow, 103132, Russia.
大統領閣下:
アメリカ国内の政治的分断が世界平和への脅威となっていることは今や明白です。
アメリカ国内の親イスラエル派閥は、イランとの原子力に関する合意内容を妨害しようとしているばかりではなく、それよりもずっと進めようと働きかけています。
最近のNATOのブリードラブ米国空軍大将による判断上およびマナー上の過失のため、アメリカによるISIS/ISILへの内密の援助、そして一部の派閥によるリビアやその他アフリカにおけるテロリスト・グループを支援する動きの危険性が高くなっています。
私 たちベテランズ・トゥデイはスタッフメンバー、そしてあなた方もご存知のソ連やロシアの諜報機関の元職員数名を含む名前を記載していない仲間達と協議し、 ロシア連邦の諜報機関は今、公開されるべきファイルを所有し、その一部は何年も保管されているものであると認識しています。
私たちの当初の要求の通り、ロシアが保管している次の資料を求めます。
*戦争捕虜であった間、ジョン・マケインが行った32回分のプロパガンダ放送を録音したテープとその書き下し文書。その一部では、アメリカが北ベトナムに対して生物戦争を行ったとマケインが主張している。
*ベトナムのハノイでKGBが行ったジョン・マケインとの事情聴取を文書化したものには、すべての戦闘序列に関する情報が含まれている。この情報の漏洩により防空の再配置が行われ、アメリカの航空機の撃墜成功率がずっと高くなった。
*ジョナサン・ポラードをソ連の諜報員として操っていたネタニヤフの役目に関する全情報
*1990年、国連休戦監視機構(UNTSO)からアメリカの暗号一覧をソビエトの諜報員として盗み出したネタニヤフの役割、ネタニヤフがソビエト政府に手渡したそのデータの内容、NATOの軍事機密、アメリカ国務省の通信内容、アメリカ海軍のコードに関する全情報
*ミット・ロムニーがハバナ(キューバの首都)を訪問した際にロシアの諜報員と会合した際の全情報
*ロムニーがラウル・カストロと会合した際の会話内容、ロムニーによる密約の録音および書き下し文書
*ジョン・マケインとジョセフ・リーバーマンが、アフガニスタンの首都カブールに訪問し、北部同盟(アフガニスタンの反タリバン勢力)の麻薬王と会合した後、チューリッヒで銀行施設に入るところが写された監視ビデオの動画
*2001年9月の出来事の前に、高濃度の原子力マテリアルがNY市に持ち込まれ移動していた動きを示す衛星画像
*サウジアラビアへの核兵器の販売を含めるがそれに限定されない核兵器の拡散に対するイスラエル関与の役割を示すファイル
*アメリカ合衆国連邦議員300人以上を代表して、(タックス・ヘイブンの)ケイマン諸島にある銀行にベイン社が管理している預金内容を明らかにするファイル
*イスラエルから北朝鮮へ核物質を輸送したことを示す証拠
あなた方ロシア政府が所有している資料の中で、上記一覧はごくわずかな一部に過ぎませんが、率直に申し上げ、世界中の出来事が現在のような崩壊へ向かうレベルで発生し続けている場合、この資料の価値は発揮されていないと言えるでしょう。
ありがとうございます。
ゴードン・ダフ(Gordon Duff)
ベテランズ・トゥデイ編集主任
(翻訳終了)
***
【関連記事】
*ロシアが911の真相に関する情報(核爆発)を大量放出
*911の衛星画像でロシアがアメリカを脅迫/素人によるレア動画の公開”
http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12002809433.html
キッシンジャー:西側はロシアの統合などに興味はない、望むのは崩壊のみ
2015年08月21日 Sputnik 日本
元 国家安全保障問題担当大統領補佐官で元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏がNational Interestの公開インタビューで、米国の外交政策を厳しく批判した。米国はロシアを破壊することを目指して、「限度というものを完全に失って」い る、という。以下にその概要を紹介する。
ムスリム部隊がウクライナ側で戦っているなど読むと、限度というもの が全く失われている、と思う。これではお終いだ。ここには、西側のめざすところがロシアの西側社会への長期的統合ではなく、ロシアの崩壊である、というこ とが示されている。これはロシアにとっても米国にとっても何の利益もないことだ。このようなやり方では、グローバリゼーションのもとに進む新世界秩序建設 に終止符が打たれてしまう。
米国政府はロシアをグローバルなプロジェクトに組み込む可能性を故意に無視し、むしろグローバルな世界像から締め出すことに集中している。
米 国の外交政策は多くの点で近視眼的である。第二次世界大戦後に米国が参加した軍事紛争の問題は、戦略を国内で実現可能なことに近づける能力がないことだ。 第二次世界大戦後に米国が参加した5つの戦争は、大いなる熱狂とともに始まった。しかし、タカ派が上位を占め続けることはできず、最後には少数派になっ た。当初の当初から、最後がどうなるのか見通せないならば、また、望ましい結果を出すために行動をとることを望まないのならば、国際紛争には参加すべきで はない。
米国の近視眼の根本的な原因は、米国政府が自らの過ちから学ぶ能力に欠け、事態がどういう文脈を持っ ているのか理解しないことにある。米国は自らの過ちに学ぶことを避けている。決定をとるのは歴史を知らない人たちである。もはや学校でも、相互に関係性を もつ継起的連続性としての歴史が教えられていない。文脈なしに個別の事象が教えられているだけだ。 キッシンジャー氏は以上のように語った。
http://jp.sputniknews.com/world/20150821/783923.html#ixzz3jXLeHmRh
◆米国、独空軍基地に新型核爆弾を配備へ
2015年09月22日 Sputnik 日本
米国は独西部の空軍基地に新たな核爆弾B61-12を20発配備の構え。22日、第2ドイツテレビがニュースサイトで報じた。
「ラ インラント=プファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地ではここ数日の間に米国の新たな核爆弾の配備に向けた準備作業が始まっている。これが国予 算計画で承認されたとの情報を番組『フロンタール21』が入手した。計画によれば、予算には2015年第3四半期から開始し、米空軍ラインでの独戦闘爆撃 機『トルナード』に新型核爆弾B61-12を供給するための資金が記載されている。」
記事の筆者によれば、2010年3月の時点ですでに独連邦議会は、米国製原爆をドイツ領内から運び出すことについての米国との交渉の全権を独政府に与えるとことを多数決で承認していた。このほか、核軍縮計画は2009年の同盟条約の締結時の時点で書き込まれている。 「
にもかかわらず、軍縮の代わりに20発の新型核爆弾の配備となってしまった。これは広島に投下された原爆の80発分に値する」第2ドイツテレビのサイトが報じた。
ロシア外務省のマリヤ・ザハロヴァ公式報道官は22日の記者会見で声明を表し、米国の計画によるドイツおよび他の欧州諸国に配備の米核爆弾の刷新計画はロシアの憂慮を招いていると語っている。
http://jp.sputniknews.com/europe/20150922/938372.html#ixzz3mY2qKfjI
◆米国によるドイツ領内への核兵器配備に伴う若干の奇妙な話
2015年09月24日 Sputnik 日本
米国は、ドイツ領内に20発の核爆弾を配備する計画だ。ドイツのテレビZDFが伝えた。ドイツ国防省は、そうした情報を確認することも、又否定することも拒否した。
マスコミのデータによれば、航空機搭載型の戦術核爆弾B-61-12が、ラインラント=プファルツ州ブリューヘル近郊にあるドイツ連邦軍基地に配備されるという。今年末までに、米当局は、核爆弾をドイツの戦闘機用に改造するため100億ドルを拠出する。
ドイツの新聞Bildは「つまりは今ある兵器を新型の原子爆弾に取り替えるということだ」と報じている。原子力学者のハンス・クリステンセン氏は「軍事紛争が起これば、ドイツ軍は、米国から核爆弾を受け取るだろう」と指摘し、次のように述べた―
「も し戦争になり、米国大統領とNATOが、核兵器を使用するよう命じたならば、米国軍人は、標的を攻撃するドイツのパイロットに核爆弾を渡すだろう。これ は、直接的にも間接的にも、核兵器を使用しないと約束した国にとって、非常事態である。このような形でドイツは、米軍を仲介してではあるが、核兵器を受け 取ったのだ。」
ロシア外務省も、声明を発表し「ドイツ領内に核兵器が配備されれば、それはすぐさま核拡散条約第2項に違反する」と指摘した。
またロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は「ロシアは、核兵器を持たない国が、それを用いる練習をするとの情報を手にし、懸念している」と述べた。
ロシア戦略ロケット軍部隊の参謀長を務めた経験を持つヴィクトル・エスィン氏は「他国の領土への核爆弾配備が、ロシアに脅威を与えることは、言うまでもない」と断言し、次のように指摘した―
「ド イツの2つの空軍基地には、米国の核爆弾がある。今のところ新型のものが、米軍にまだ供給されない間は、ドイツにある戦闘爆撃機に搭載されるだろう。しか し、これは核兵器不拡散条約の条項に違反する。この条約により、核兵器を持たない国々は、核兵器保有という考え方に引き付けられないで済むのだ。核爆弾 は、ドイツのみならず、オランダやベルギー、イタリアやトルコにも配備されようとしている。」
ドイツのテレビZDFのデータでは、ドイツに配備される新型核爆弾は、1945年に広島に投下されたものに比べ、はるかに精度が高く強力なものである。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150924/944914.html#ixzz3mbXmdUds
◆米の新核爆弾の独配備でロシアは対抗策へ、露大統領報道官
2015年09月23日 Sputnik 日本
ロシアは米国がドイツに新型の戦術核爆弾の配備計画に関して報復措置を採る。
ロ シアのペスコフ大統領報道官はこうした声明を表した。「これは欧州における戦略バランスを崩しかねない。もちろんこれは、欧州大陸の緊張を高める方向へ向 かう更なる一歩であり、残念ながら非常にシリアスな一歩である。このため、ロシアは戦略バランスと均衡の回復を図るために独自の対抗策をとらざるを得な い。」
22日、独ラジオ「ドイチェ・ヴェレ」は独の第2ドイツTVの報道を引用し、米国がラインラント=プ ファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地へ米国の新たな核爆弾の配備作業を開始したと報じた。第2ドイツTVは入手した米予算計画を引用し、計画 では独戦闘爆撃機『トルナード』に米の新型核爆弾B61-12を2015年第3四半期から装備する可能性が見越されていると指摘している。
ドイツ第2TVからのインタビューの答えた専門家らは、B61-12は現在、同基地に保管されている核爆弾と比べ、数段高い精度を有していると証言している。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150923/943102.html#ixzz3mbckMmzu
◆人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群
2015.9.24 北村 淳 JB PRESS
ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)
9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工 島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそ れぞれ建設されているのが確認された。
急がれていた南沙諸島への拠点確保
これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。
永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。
そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。
したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。
このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。
しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展 開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から 南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。
したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。
スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)
ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)
あっというまに姿を現した人工島
本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。それは、「ジョ ンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26 日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041
その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス 礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工 島建設が確認された。そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015 年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161
引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。
ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43589
もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。しかし、ファイアリークロス礁に建 設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ 海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月 28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。
それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。
まもなく“南沙基地群”が誕生
その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、 3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っている のが明らかである。
いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機 や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋 基地が出現することになるのは確実だ。
また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。
日本にとって鬼門となる南シナ海
「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。
そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。
また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられ る。米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。
人工島と滑走路建設中の環礁
このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。
そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア 北西部も攻撃圏内に収めることとなる。そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコント ロール下に入ってしまうこととなる。
このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833
支那が南シナ海、東シナ海で岩礁を埋め人工島を建設し始め、日本を始めアジア諸国が懸念を持ち始めた当初からオバマは事実を把握していた。
言葉では警告や遺憾の表明は何度もし、対抗処置をとるとも言ってきた。
だが、オバマは今に至るまで、まったく行動せず対抗処置もとってこなかった。支那の サイバー部隊により、米国本土に数限りないサイバーテロが行なわれ、民間企業だけでなく、ニューヨーク証券取引所が停止させられたり米国防総省の情報収集 機関である国家安全保障局(NSA)の作戦データーまで盗まれても報復処置を取っていない。
言葉とは裏腹に、結果として容認したと同じ状態を招いている。それは暗に、支那とは絶対に戦闘はしないと表明しているに等しい。だが、ロシアに対しては露骨に陰謀術策を使い圧力を掛け続けている。
オバマの行動は、大東亜戦争時のルーズベルトやトルーマンの個人的怨念を彷彿とさせ るものがある。米国のと言うよりオバマのロシア・プーチンに対する個人的な感情が表われていると感じざるを得ない。そのために、親米だった国を次々にロシ ア寄りへと離反させる結果となって現れている。
エジプト、トルコ、ギリシャ、サウジアラビア、イスラエル、ドイツ、イギリス、ロシ ア、それに自分たちで作ったISISまでどんどん米国から離れていく。オバマが工作してクーデターを起こしたウクライナも、梯子を外されて放置されたお陰 で親ロシア派義勇軍に兵糧攻めにあい降伏した。
◆オバマ米大統領、中国のサイバー攻撃に「対抗措置の準備ある」と発言=米国ネット「もう遅い」「オバマ大統領はよくしゃべるが何も行動しない」
2015年9月19日 レコードチャイナ
2015年9月17日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オバマ米大統領は16日、中国による米国へのサイバー攻撃について「いくつもの対抗措置を準備している」と述べた。
オ バマ大統領は16日、ワシントン市内で米企業経営者らとの懇談で、来週に行われる中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談で、中国のサイバー 攻撃が主要な議題の1つになると述べた。オバマ大統領は、中国政府が米政府と同様に行っている伝統的な情報収集活動とは異なり、企業秘密や特許などの情報 を盗むことは侵略行為であると非難した。
この報道に、米国のネットユーザーからは、「オバマ大統領はよく しゃべるが、何も行動しない」「笑えるよ。オバマ大統領は就任以来、何も成し遂げていないじゃないか」「もう遅いよ。中国は私についてあらゆる情報を握っ ていると思う。もしそうでなければ、彼らはグーグルを買収すべきだな」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/蘆田)
http://www.recordchina.co.jp/a119321.html
◆ 専門家:米国は欧州の世論を操作するために意図して中東に無秩序を創り出した
2015年09月24日 Sputnik 日本
欧州文明にとっての最悪の敵は、米国、英国、EUの政治家たちである。地政学ウォッチャーのトニ・カルタルッチ氏がスプートニクの取材に対して述べた。
同氏によれば、中東から欧州に押し寄せる難民たちは、米国の政治家らの手先になっている。米国の政治家らは2007年以降、中東および北アフリカの政権転覆に励んでいる。
「中東・北アフリカの混乱は意図的に仕組まれた。地域のみならず、欧州およびユーラシアにどのような悲惨な未来が待っているかを知り抜いた上で仕組まれたことなのだ」とカルタルッチ氏。
氏 によれば、米国の政治家らは欧州に管理不能なほど大量の移民が押し寄せる事態をあらかじめ予定していた。「米国のような戦闘行為を遂行している国が大規模 な人口移動を予想できる状態になかったなどとは考えにくい。米国の政治家らは考え抜かれた計画を持っていたと考えるほうが自然だ。難民を利用して世論を操 作し、シリア政府、さらにはそれ以外のものに対しても軍事的な干渉を強めるきっかけにしようとしたのだ。」
http://jp.sputniknews.com/opinion/20150924/948733.html#ixzz3mf57exZ4
中東から手を引いて力の空白を作ったオバマは最悪のことをしてくれたし、今から考えればネオコン派の世界を民主化することがアメリカの国益と世界平和につながるという説は寝言だったということだ。
恐怖でイラクを統治してきたフセイン体制とシリアのアサド体制の方がISISよりも多文化・多民族共存で10倍マシで、バース党は両国外部への伝染性などなかったからだ。
◆イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘
2015年8月 7日 マスコミに載らない海外記事
Stephen Lendman
2015年8月5日
8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。
現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。
秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。
約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。
この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。
少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。
通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。
イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。
イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。
ア メリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙 幕だ。
エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。
別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。
ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。
これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。
オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた
ア サド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけ ではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。
プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。
“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。
プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。
プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。
ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。
スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.
著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/british-sas-special-forces-dressed-up-as-isis-rebels-fighting-assad-in-syria/5466944
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/sasisis-2cb7.html
◆ロシアと中国内のワシントン第五列
2015年8月 5日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年8月3日
ロ シアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供 されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な 両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。
ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。
プー チンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢 れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、 プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけな のだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国 を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。
だ が、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選 挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米 は、自分をかなり粉砕している。
金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェ ラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払 われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。
中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。
ロ シアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきこと だ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。
だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/
ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082
こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119
我々 アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、 我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマ リアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対す る覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。
この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。
も し、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば 極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?
もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。
ワ シントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォ ウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し 損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-0b68.html
目覚めよ日本!
2015年08月21日 Sputnik 日本
元 国家安全保障問題担当大統領補佐官で元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏がNational Interestの公開インタビューで、米国の外交政策を厳しく批判した。米国はロシアを破壊することを目指して、「限度というものを完全に失って」い る、という。以下にその概要を紹介する。
ムスリム部隊がウクライナ側で戦っているなど読むと、限度というもの が全く失われている、と思う。これではお終いだ。ここには、西側のめざすところがロシアの西側社会への長期的統合ではなく、ロシアの崩壊である、というこ とが示されている。これはロシアにとっても米国にとっても何の利益もないことだ。このようなやり方では、グローバリゼーションのもとに進む新世界秩序建設 に終止符が打たれてしまう。
米国政府はロシアをグローバルなプロジェクトに組み込む可能性を故意に無視し、むしろグローバルな世界像から締め出すことに集中している。
米 国の外交政策は多くの点で近視眼的である。第二次世界大戦後に米国が参加した軍事紛争の問題は、戦略を国内で実現可能なことに近づける能力がないことだ。 第二次世界大戦後に米国が参加した5つの戦争は、大いなる熱狂とともに始まった。しかし、タカ派が上位を占め続けることはできず、最後には少数派になっ た。当初の当初から、最後がどうなるのか見通せないならば、また、望ましい結果を出すために行動をとることを望まないのならば、国際紛争には参加すべきで はない。
米国の近視眼の根本的な原因は、米国政府が自らの過ちから学ぶ能力に欠け、事態がどういう文脈を持っ ているのか理解しないことにある。米国は自らの過ちに学ぶことを避けている。決定をとるのは歴史を知らない人たちである。もはや学校でも、相互に関係性を もつ継起的連続性としての歴史が教えられていない。文脈なしに個別の事象が教えられているだけだ。 キッシンジャー氏は以上のように語った。
http://jp.sputniknews.com/world/20150821/783923.html#ixzz3jXLeHmRh
◆米国、独空軍基地に新型核爆弾を配備へ
2015年09月22日 Sputnik 日本
米国は独西部の空軍基地に新たな核爆弾B61-12を20発配備の構え。22日、第2ドイツテレビがニュースサイトで報じた。
「ラ インラント=プファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地ではここ数日の間に米国の新たな核爆弾の配備に向けた準備作業が始まっている。これが国予 算計画で承認されたとの情報を番組『フロンタール21』が入手した。計画によれば、予算には2015年第3四半期から開始し、米空軍ラインでの独戦闘爆撃 機『トルナード』に新型核爆弾B61-12を供給するための資金が記載されている。」
記事の筆者によれば、2010年3月の時点ですでに独連邦議会は、米国製原爆をドイツ領内から運び出すことについての米国との交渉の全権を独政府に与えるとことを多数決で承認していた。このほか、核軍縮計画は2009年の同盟条約の締結時の時点で書き込まれている。 「
にもかかわらず、軍縮の代わりに20発の新型核爆弾の配備となってしまった。これは広島に投下された原爆の80発分に値する」第2ドイツテレビのサイトが報じた。
ロシア外務省のマリヤ・ザハロヴァ公式報道官は22日の記者会見で声明を表し、米国の計画によるドイツおよび他の欧州諸国に配備の米核爆弾の刷新計画はロシアの憂慮を招いていると語っている。
http://jp.sputniknews.com/europe/20150922/938372.html#ixzz3mY2qKfjI
◆米国によるドイツ領内への核兵器配備に伴う若干の奇妙な話
2015年09月24日 Sputnik 日本
米国は、ドイツ領内に20発の核爆弾を配備する計画だ。ドイツのテレビZDFが伝えた。ドイツ国防省は、そうした情報を確認することも、又否定することも拒否した。
マスコミのデータによれば、航空機搭載型の戦術核爆弾B-61-12が、ラインラント=プファルツ州ブリューヘル近郊にあるドイツ連邦軍基地に配備されるという。今年末までに、米当局は、核爆弾をドイツの戦闘機用に改造するため100億ドルを拠出する。
ドイツの新聞Bildは「つまりは今ある兵器を新型の原子爆弾に取り替えるということだ」と報じている。原子力学者のハンス・クリステンセン氏は「軍事紛争が起これば、ドイツ軍は、米国から核爆弾を受け取るだろう」と指摘し、次のように述べた―
「も し戦争になり、米国大統領とNATOが、核兵器を使用するよう命じたならば、米国軍人は、標的を攻撃するドイツのパイロットに核爆弾を渡すだろう。これ は、直接的にも間接的にも、核兵器を使用しないと約束した国にとって、非常事態である。このような形でドイツは、米軍を仲介してではあるが、核兵器を受け 取ったのだ。」
ロシア外務省も、声明を発表し「ドイツ領内に核兵器が配備されれば、それはすぐさま核拡散条約第2項に違反する」と指摘した。
またロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は「ロシアは、核兵器を持たない国が、それを用いる練習をするとの情報を手にし、懸念している」と述べた。
ロシア戦略ロケット軍部隊の参謀長を務めた経験を持つヴィクトル・エスィン氏は「他国の領土への核爆弾配備が、ロシアに脅威を与えることは、言うまでもない」と断言し、次のように指摘した―
「ド イツの2つの空軍基地には、米国の核爆弾がある。今のところ新型のものが、米軍にまだ供給されない間は、ドイツにある戦闘爆撃機に搭載されるだろう。しか し、これは核兵器不拡散条約の条項に違反する。この条約により、核兵器を持たない国々は、核兵器保有という考え方に引き付けられないで済むのだ。核爆弾 は、ドイツのみならず、オランダやベルギー、イタリアやトルコにも配備されようとしている。」
ドイツのテレビZDFのデータでは、ドイツに配備される新型核爆弾は、1945年に広島に投下されたものに比べ、はるかに精度が高く強力なものである。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150924/944914.html#ixzz3mbXmdUds
◆米の新核爆弾の独配備でロシアは対抗策へ、露大統領報道官
2015年09月23日 Sputnik 日本
ロシアは米国がドイツに新型の戦術核爆弾の配備計画に関して報復措置を採る。
ロ シアのペスコフ大統領報道官はこうした声明を表した。「これは欧州における戦略バランスを崩しかねない。もちろんこれは、欧州大陸の緊張を高める方向へ向 かう更なる一歩であり、残念ながら非常にシリアスな一歩である。このため、ロシアは戦略バランスと均衡の回復を図るために独自の対抗策をとらざるを得な い。」
22日、独ラジオ「ドイチェ・ヴェレ」は独の第2ドイツTVの報道を引用し、米国がラインラント=プ ファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地へ米国の新たな核爆弾の配備作業を開始したと報じた。第2ドイツTVは入手した米予算計画を引用し、計画 では独戦闘爆撃機『トルナード』に米の新型核爆弾B61-12を2015年第3四半期から装備する可能性が見越されていると指摘している。
ドイツ第2TVからのインタビューの答えた専門家らは、B61-12は現在、同基地に保管されている核爆弾と比べ、数段高い精度を有していると証言している。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150923/943102.html#ixzz3mbckMmzu
◆人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群
2015.9.24 北村 淳 JB PRESS
ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)
9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工 島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそ れぞれ建設されているのが確認された。
急がれていた南沙諸島への拠点確保
これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。
永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。
そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。
したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。
このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。
しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展 開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から 南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。
したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。
スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)
ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)
あっというまに姿を現した人工島
本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。それは、「ジョ ンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26 日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041
その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス 礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工 島建設が確認された。そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015 年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161
引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。
ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43589
もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。しかし、ファイアリークロス礁に建 設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ 海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月 28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。
それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。
まもなく“南沙基地群”が誕生
その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、 3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っている のが明らかである。
いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機 や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋 基地が出現することになるのは確実だ。
また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。
日本にとって鬼門となる南シナ海
「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。
そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。
また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられ る。米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。
人工島と滑走路建設中の環礁
このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。
そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア 北西部も攻撃圏内に収めることとなる。そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコント ロール下に入ってしまうこととなる。
このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833
支那が南シナ海、東シナ海で岩礁を埋め人工島を建設し始め、日本を始めアジア諸国が懸念を持ち始めた当初からオバマは事実を把握していた。
言葉では警告や遺憾の表明は何度もし、対抗処置をとるとも言ってきた。
だが、オバマは今に至るまで、まったく行動せず対抗処置もとってこなかった。支那の サイバー部隊により、米国本土に数限りないサイバーテロが行なわれ、民間企業だけでなく、ニューヨーク証券取引所が停止させられたり米国防総省の情報収集 機関である国家安全保障局(NSA)の作戦データーまで盗まれても報復処置を取っていない。
言葉とは裏腹に、結果として容認したと同じ状態を招いている。それは暗に、支那とは絶対に戦闘はしないと表明しているに等しい。だが、ロシアに対しては露骨に陰謀術策を使い圧力を掛け続けている。
オバマの行動は、大東亜戦争時のルーズベルトやトルーマンの個人的怨念を彷彿とさせ るものがある。米国のと言うよりオバマのロシア・プーチンに対する個人的な感情が表われていると感じざるを得ない。そのために、親米だった国を次々にロシ ア寄りへと離反させる結果となって現れている。
エジプト、トルコ、ギリシャ、サウジアラビア、イスラエル、ドイツ、イギリス、ロシ ア、それに自分たちで作ったISISまでどんどん米国から離れていく。オバマが工作してクーデターを起こしたウクライナも、梯子を外されて放置されたお陰 で親ロシア派義勇軍に兵糧攻めにあい降伏した。
◆オバマ米大統領、中国のサイバー攻撃に「対抗措置の準備ある」と発言=米国ネット「もう遅い」「オバマ大統領はよくしゃべるが何も行動しない」
2015年9月19日 レコードチャイナ
2015年9月17日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オバマ米大統領は16日、中国による米国へのサイバー攻撃について「いくつもの対抗措置を準備している」と述べた。
オ バマ大統領は16日、ワシントン市内で米企業経営者らとの懇談で、来週に行われる中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談で、中国のサイバー 攻撃が主要な議題の1つになると述べた。オバマ大統領は、中国政府が米政府と同様に行っている伝統的な情報収集活動とは異なり、企業秘密や特許などの情報 を盗むことは侵略行為であると非難した。
この報道に、米国のネットユーザーからは、「オバマ大統領はよく しゃべるが、何も行動しない」「笑えるよ。オバマ大統領は就任以来、何も成し遂げていないじゃないか」「もう遅いよ。中国は私についてあらゆる情報を握っ ていると思う。もしそうでなければ、彼らはグーグルを買収すべきだな」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/蘆田)
http://www.recordchina.co.jp/a119321.html
◆ 専門家:米国は欧州の世論を操作するために意図して中東に無秩序を創り出した
2015年09月24日 Sputnik 日本
欧州文明にとっての最悪の敵は、米国、英国、EUの政治家たちである。地政学ウォッチャーのトニ・カルタルッチ氏がスプートニクの取材に対して述べた。
同氏によれば、中東から欧州に押し寄せる難民たちは、米国の政治家らの手先になっている。米国の政治家らは2007年以降、中東および北アフリカの政権転覆に励んでいる。
「中東・北アフリカの混乱は意図的に仕組まれた。地域のみならず、欧州およびユーラシアにどのような悲惨な未来が待っているかを知り抜いた上で仕組まれたことなのだ」とカルタルッチ氏。
氏 によれば、米国の政治家らは欧州に管理不能なほど大量の移民が押し寄せる事態をあらかじめ予定していた。「米国のような戦闘行為を遂行している国が大規模 な人口移動を予想できる状態になかったなどとは考えにくい。米国の政治家らは考え抜かれた計画を持っていたと考えるほうが自然だ。難民を利用して世論を操 作し、シリア政府、さらにはそれ以外のものに対しても軍事的な干渉を強めるきっかけにしようとしたのだ。」
http://jp.sputniknews.com/opinion/20150924/948733.html#ixzz3mf57exZ4
中東から手を引いて力の空白を作ったオバマは最悪のことをしてくれたし、今から考えればネオコン派の世界を民主化することがアメリカの国益と世界平和につながるという説は寝言だったということだ。
恐怖でイラクを統治してきたフセイン体制とシリアのアサド体制の方がISISよりも多文化・多民族共存で10倍マシで、バース党は両国外部への伝染性などなかったからだ。
◆イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘
2015年8月 7日 マスコミに載らない海外記事
Stephen Lendman
2015年8月5日
8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。
現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。
秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。
約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。
この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。
少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。
通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。
イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。
イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。
ア メリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙 幕だ。
エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。
別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。
ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。
これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。
オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた
ア サド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけ ではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。
プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。
“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。
プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。
プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。
ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。
スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.
著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/british-sas-special-forces-dressed-up-as-isis-rebels-fighting-assad-in-syria/5466944
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/sasisis-2cb7.html
◆ロシアと中国内のワシントン第五列
2015年8月 5日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年8月3日
ロ シアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供 されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な 両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。
ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。
プー チンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢 れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、 プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけな のだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国 を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。
だ が、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選 挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米 は、自分をかなり粉砕している。
金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェ ラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払 われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。
中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。
ロ シアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきこと だ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。
だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/
ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082
こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119
我々 アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、 我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマ リアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対す る覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。
この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。
も し、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば 極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?
もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。
ワ シントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォ ウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し 損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-0b68.html
目覚めよ日本!
戦後教育の原点
戦後わが国の教育は、敗戦直後の1945.10.2に開始された GHQのCIE(総司令部民間情報教育局)によるWGIP(戦争についての罪悪感を日本 人の心に植え付けるための宣伝計画)が全ての原点になっている。日本人が二度と再び連合国に対抗できないようにすべく精神的文化的に洗脳するというシステ マティックで科学的合理的な計画であった。広範な分野にわたり特に日本古来の伝統的な美風や秩序や伝統は軍国主義に通じるとして徹底して破壊された。教科 書の墨塗りも経験した。神仏に手を合わせる、祖先を敬うのは封建的として忌諱されたのである。
祖国・国家・ 国益・公益といった観念はおぞましいものであり、人権と自由が最高の美徳だとされた。国家は個人と対立するいわば「必要悪」の存在であり自由に対する責 任、平等に対する競争、権利に対する義務はないがしろにされた。民間情報教育局の標的は正鵠を得ていて、70年後の今日 情報つまりマスゴミと教育におい て見事に成果をあらわしている。一部の大新聞や教育現場における実態を見ればはっきりしている。
すべて日本だけが悪い、侵略戦争を仕掛けたのだ、日本の軍隊は殺人者だ、靖国神社に祀られているのは戦犯だ、日の丸君が代は侵略のシンボルだ、平和!!を
と叫んでさえいれば平和は来る、そういう情報を送り子ども達を教育してきて70年。
今 なお謝罪外交を繰り返した歴代政府や外国にひたすら追従する新聞マスコミ報道を見ていたら、不埒な侵犯(拉致事件やミサイル脅迫などを含む)に対して国を 守る勇気や自己犠牲や使命感といった感情が出てこないのも無理のない話で、あながち今の若者たちを責めることは出来ないということだろう。
しかもそういう教育が ”日本にとって”間違いであったかどうかの評価も定まっておらず、むしろ助長している新聞が大半である。
世界中どこの国でも愛国心は美徳とされる。自国他国のを問わず、国旗国歌に敬意を払うことは幼時から躾けられる。その対極にある日本は世界にも稀な国でありそういう国にした占領軍の計画の見事さには今にして感服するしかない。
クリックして拡大
占領下においては、日本政府は既に権力者ではなく、日本に君臨していた真の権力者はGHQであった。従って言論の自由があったかどうかは、日本政府に対する批判が自由であったか否かではなく、GHQに対する批判が自由であったか否かで考えなければ意味がない。
GHQ は自らに対するいかなる批判も絶対に許さなかった。新聞も、雑誌も、書籍も、信書も、ラジオ放送も徹底した検閲を受けた。その徹底ぶりは、記事にあるよう にGHQの方針に合わないものは、たとえ川柳や風刺画さえも許さなかったことからも容易に理解できる。そして、一方で日本政府に対する批判は奨励した。敵 である日本政府に対する批判を解禁し、それを奨励したのは、それが占領政策の遂行、日本の弱体化に好都合であったからに他ならない。
日本出版法
趣 旨
聯合軍最高司令官は日本に言論の自由を確立せんが為茲に日本出版法を発布す。本出 版法は言論を拘束するものに非ず寧ろ日本の諸刊行物に対し言論の自由に関し其の責任 と意義とを育成せんとするを目的す。特に報道の真実と宣伝の除去とを以て其の趣旨 とす。本出版法は啻に日本に於ける凡ゆる新聞の報道論説及び広告のみならず、その他 諸般の刊行物にも亦之を適用す。
日本出版法
第一条 報道は厳に真実に則するを旨とすべし。
第二条 直接又は間接に公安を害するが如きものは之を掲載すべからず。
第三条 聯合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加ふべからず。
第四条 聯合国進駐軍に関し破壊的批評を為し又は軍に対し不信又は憤激を招来する が如き記事は一切之を掲載すべからず。
第五条 聯合国軍隊の動向に関し、公式に記事解禁とならざる限り之を掲載し又は論議すべからず。
第六条 報道記事は事実に則して之を掲載し、何等筆者の意見を加ふべからず。
第七条 報道記事は宣伝の目的を以て之に色彩を施すべからず。
第八条 宣伝を強化拡大せんが為に報道記事中の些末的事項を過当に強調すべからず。
第九条 報道記事は関係事項又は細目の省略に依つて之を歪曲すべからず。
第十条 新聞の編輯に当り、何等かの宣伝方針を確立し、若しくは発展せしめんが為の目的を以て記事を不当に顕著ならしむべからず。
一九四五年九月二十一日
米国太平洋陸軍総司令部民事検閲部
朝 日新聞の記事で昭和20年9月17日付の「プレスコード」として紹介された記事は、9月15日のGHQ所属民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明に対応して 書かれた。それに対し 9月18日16時~20日16時の2日間発行停止とされた。この日から朝日新聞は紙面内容が激変し、今日現在にまで至っている。
プレスコードとラジオコードとしては、この後「日本新聞遵則」と「日本放送遵則」なるものが報道・出版等関係者に公表された。
順番に列記すると以下のようになる。
9月10日 最高司令官指令(SCAPIN-16) 「新聞報道取締方針」
9月15日 民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明
9月21日 最高司令官指令(SCAPIN-33) 「日本新聞遵則」(日本出版法・Press Code for Japan)
9月22日 最高司令官指令(SCAPIN-43) 「日本放送遵則」(Radio Code for Japan)
こんなプレスコードに由来するようなものが、いまだにマスコミ内に残っていて良いのだろうか?
江藤淳も三島由紀夫も自殺したし WGIPの存在に気づいて、洗脳された日本に失望すると自殺しちゃうのかね。
そうすると社会党はGHQを教祖としたカルト集団だったと言えなくも無い。
WGIPの基本の考え方に「物事をはっきりとした善悪に分類する」というものが存在する気がする。
それと階級闘争的な被害者と加害者意識みたいな考え。
戦争なんて善悪で判断するものではないだろう。
米国を中心とする連合軍が、資源の無い日本のシーレーンを断ち、輸入を全て断って否応無く戦争に導いておいて、日本は最初から負けると分かっている戦争に立至った。
戦う以上は欧米の白人が搾取する植民地の解放が大義名分となった。それが悪だったと言うのだ。
検閲自体は、連合国占領下の他の地域や、戦争中には米国内でも行われていたが、日本における検閲と他の地域におけるそれとの最大の違いは、日本における検閲が検閲自体を秘匿することを強制したことである。
検閲自体を秘匿することになった直接の原因は、検閲がポツダム宣言に違反するからであるが。秘匿することによって日本の言語空間に新たなタブーを作り出すという、洗脳作戦に有利な効果を生み出した。
検閲の行われる範囲としては、郵便、電信電話、新聞、雑誌、書籍、放送、映画等が挙げられる。
基本的な検閲の機能としては、情報伝達の抑制と、情報の収集という2つのものがある。
特に情報の収集では、個人の私信を検閲することにより、一般的な世論調査機関ではなし得ないほど正確に世論動向を把握した。
複雑な日本語の文章を日系米国人といえども全てを検閲するのは無理である。そこで、日本人の報道関係者や教授や学者、知識人など5000人以上が招集されたと言われている。その当時はいくらやむを得なかったと言えども今では立派な売国奴と言えなくもない。
その人たちが、GHQの去った後、何食わぬ顔で元の職場に戻っていって、誰一人として当時の有様を語らなかった。そのことは、GHQ以後も米国の諜報機関による監視が続いたということが明らかだろう。
実際に、今も横田基地には国連の事務所が存在し、米国大使館内には「日本管理委員会」が存在する。
しかも横田基地の上空だけでなく日本の制空権は米軍が保持し、日本全国米軍の飛行が優先される。
更に、国連憲章には戦勝国が常任理事国として拒否権を持ち、日本を敵国と明記したままである。
同盟国と言いながら米国が日本を敵国条項から外せとは一度も聞いたことが無く、憲章に中華民国と記されながら中共がなぜ勝利国として座っているのか納得いく説明も未だに無い。
つまり世界は未だに日本を敗戦国として縛っていることになる。
◆ロバート・フェルドマンの日本解体シナリオ
15/08/29 村田貞雄 るいネット
政府の経済財政諮問会議のワーキンググループ委員を務めていたロバート・フェルドマンは、グローバル企業(実質は米国企業)の日本支配、市場席捲のために、膨大な項目を指示している。
日本の官邸、官僚が打ち出す施策は、これらが原点となっている。日本の官僚は、米国からの指示(フェルドマン指示)に基づき、国内情勢をみながら、具体的施策を打ち出している。
日本の中央官僚は、日本の現状を分析し、自ら考え施策立案を放棄している。
月刊日本の編集長である坪内隆彦氏が、ブログ『国を磨き、西洋近代を超える』で、改めて指摘している。
(項目は、分野別に並べ直した。これをみると、医療市場、教育市場を狙っているのが分かる。)
日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案
http://tsubouchitakahiko.com/?p=3249
以下引用・・・・
グローバル企業の日本支配を貫徹させるための第一歩が国家戦略特区だ。国家戦略特区ワーキンググループが2013年7月に行った有識者からの「集中ヒアリ ング」で、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏は以下のような膨大な提案をしている。まさに、日本解体のシナ リオである。
(医療、福祉分野)
国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁
チーム医療実施のための外国人看護士等の受入れ推進(就労資格の弾力化)
高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)
健康を基準とした自己負担率の導入(村田注:健康保険の自己負担率)
(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする
米国等との疾病分類の統一化(これに基づき診療報酬を決定)
病院(国立病院・大学病院・地方病院等、クリニックを含む)の監督の一本化
医療分野へのマイナンバー制度の早期導入
高度な診療・手術の可能な病院の集中化・絞り込み
(臨床研究中核病院の機能集中の加速化など)
介護施設等への外国人労働者の受け入れ解禁
保育所設置基準等の保育規制行政の地方移管
(教育分野)
海外留学(一年間)を大学卒業のための必須要件化
大学卒業基準としてTOEFLを採用
遠隔教育の推進
教育行政の所管を、文部科学省から特区担当又は地方自治体へ一部移管
教員給与の算定基準に実力テストを採用
教育委員会の廃止・権限縮小
(企業・雇用分野)
解雇規制の緩和・合理化(金銭解決などを含む)
社外取締役を導入した企業に対する解雇規制の緩和
有期雇用契約の自由化(60歳以上の労働者を対象とするなど)
全てのスキルレベルにおけるビザの発給要件の緩和(労働ビザの緩和)
積極的な移民政策の推進(医療、介護、農業の分野など)
就労ビザの発給要件の緩和(国内の大学・専門学校卒業者及び海外で同等の教育を受けた人材、並びに、海外の実務経験を有する専門家への対象拡大)
企業業績やその他の重要情報漏洩への刑事罰適用
(農業分野)
株式会社等による農地所有の解禁
農協への独占禁止法の適用
減反制度の廃止
米価設定の廃止
農地への不動産信託の導入
(行政・制度分野)
公的データベースの民間開放(不動産等)
公務員の給料を民間と同一基準化
マイナンバー制度に基づく行政コンシェルジュの推進
国家戦略特区推進のため特区担当部局が関係各省・自治体の人事を担当
外国法規に基づく教育・金融・法律・医療機関等の認可の推進
地方議会議員に対する選挙区毎の人口比例での議決権の配分
借地借家法の定期借家権法への乗り換え
(その他分野)
羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化
電力システム改革(小売自由化、発送電分離等)の早期実施
エネルギー新技術に係る競争促進(省エネ住宅・電気自動車等)
新聞の再販規制及び公正取引委員会からの特殊指定の廃止
金融関連記者への証券外務員試験の記者版合格を義務付け
官庁の記者クラブを廃止
・・・・引用終わり
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=307280
◆戦後教育史を覆す資料発掘! やはりGHQ主導だった教育基本法制定
『月刊正論』 2006年6月号
江﨑道朗(日本会議専任研究員)
国家の独立が問われている
「自民党執行部は、公明党と妥協した教育基本法改正案を呑めというのか」-。自民・公明両党執行部からなる教育基本法改正に関する協議会が4月13日にま とめた最終改正案に対して、自民党を支えてきた諸団体から強い不満の声があがっている。「現行基本法の理念を守りたい」公明党に引きずられ、多くの問題点 を残す内容となったからだ。
校長らに多数の自殺者を出してきた国旗掲揚・国歌斉唱反対運動の法的根拠として利用されてきた現行法十条の「教育は、不当な支配に服することなく」との文言はそのまま残った。
わが国の宗教団体の大半が加盟する「日本宗教連盟」(神社本庁、教派神道連合会、全日本仏教会、新日本宗教団体連合会、日本キリスト教連合会の主要五団体で構成)が求めていた「宗教的情操の涵養」の盛り込みは見送られた。
最大の争点となっていた「愛国心」の表現は、「『国』の概念から統治機構を除く」「他国や国際社会の尊重を反映させる」(4月14日付「公明新聞」)とい う公明党の主張に譲歩し、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態 度を養うこと」となった。「国を愛する心」ではなく「国を愛する態度」ならば、卒業式で国歌を歌っているふりをすればいいということになりかねない。
現場に悪影響を与えてきた文言が残るだけでなく、新たな問題も惹起しかねない法案の動向について教育関係者が強い憂慮を示しているのとは対照的に、世論の関心はいま一つだ。
それは何故か。いろいろな理由があるだろうが、教育基本法制定当時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって「愛国心」や「宗教的情操」がいかに削られ、「不当な支配」が盛り込まれたのか、ほとんど知られていないことが一因だと私は考える。
教育基本法は、憲法同様GHQによって実質的に押し付けられた法律なのである。しかも、GHQや彼らに協力した日本人は、「押し付け」を巧妙に隠蔽し、日 本が自主的に制定したかのように偽装した。教育という国の根幹、国民精神に大きな影響を与える法律だけに、このような制定経緯は日本という国家の独立性を 揺るがすものである。基本法が教育現場に与えている悪影響に加えて、この点が広く知られていれば、改正論議はもっと高まっていただろう。
教育基本法制定をめぐる実情が知られていない責任の一端は、基本法を作成したとされている教育刷新委員会の副委員長を務めた南原繁東大総長にある。南原氏は講和独立後、占領政策の全面的見直しを始めた政府自民党の動きを念頭に、こう断言したのである。
《わ が国の戦後の教育改革は、教育刷新委員会を中心として、これら政府当局者の責任においておこなわれただけである。(中略)私の知る限り、その間、一回も総 司令部から指令や強制を受けたことはなかった。少なくとも教育刷新委員会に関する限り、すべては、われわれの自由の討議によって決定した》(朝日新聞社編 『明日をどう生きる』昭和30年)[傍線筆者。以下同じ]
教育界のみならず戦後の言論界に強い影響力をもっていた南原氏の発言によって、「教育基本法はGHQの干渉を受けることなく日本人が自主的に作った」という定説が確立され、その見直しは長らくタブーとなってしまったからである。
その定説も、鈴木英一氏や高橋史朗氏らによる占領文書の研究を通じて疑問視されるようになってきているが、残念ながらその成果が国民全体に共有されているとは言い難い。
自主的な教育改革を否定したGHQ
そもそも敗戦後、わが国の教育改革がどのように始まったのかも誤解している人が多い。
日本政府は昭和20年8月の敗戦を受けて直ちに、戦時中の「軍国主義教育」の全面的見直しと、「平和国家建設」に向けた教育改革に着手している。
9月15日に発表した「新日本建設の教育方針」では、戦時中の「軍国的思想および施策を払しょく」し、「平和国家」を建設するため、「国民の教養の向上」 「科学的思考力のかん養」と共に、「国民の宗教的情操と信仰心を養」うことを通じて、「平和愛好の信念」を養成する方針を掲げている。
GHQからの指示を待つまでもなく、日本は自主的に教育改革を始めたのだが、アメリカ国務省調査分析課は十月五日付内部報告書「日本の戦後教育政策」の中 で、「新日本建設の教育方針」を取り上げ、「科学教育の振興」には「日本が原爆開発への遅れにみられる日米間の科学技術のギャップを埋めるためのものであ るという意図が巧妙に隠されている」などと批判している。
「米国の目的を支持すべき、平和的かつ責任ある政 府を、究極において確立する」(9月20日付「降伏後における米国の初期対日方針」)、つまり日本にアメリカの傀儡政権を樹立するという方針をアメリカ政 府から与えられている以上、GHQとしても、日本の自主的な教育改革を認めるわけにはいかなかったのだ。10月30日には、「教員及び教育関係官の調査、 除外、認可に関する件」という指令を出し、日本の国柄を守る立場から自主的な教育改革を推進し、占領政策に異を唱えてくる文部省官僚たちを直ちにすべてク ビにしろ、と命じている。
この容赦ない方針によって「実際の文部大臣は総司令部」(内藤誉三郎・文部大臣官 房総務室)という状況を作ることに成功したGHQは次に、自らの政策に迎合する日本人グループの形成に取り掛かる。昭和21年1月9日、「米国教育使節団 を受け入れるため」という名目で、GHQは日本側に「日本教育家委員会」を作るよう指示したのである。その委員長に就任したのが、前述した南原氏であっ た。
熱心なプロテスタントであった南原氏だが、戦前から愛読書として旧約聖書とともにマルクスの『資本論』 を挙げるなど社会主義に強いシンパシーをもっていた。内務省に入省した南原氏は大正8年、日本最初の労働組合法を立案、大正9年にはレーニンの『国家と革 命』を翻訳させ部内資料として出版している。大正10年に東大助教授に転身、その弟子には、戦後の進歩的文化人の代表格であった丸山真男東大教授や、中国 共産党と組んで日本の戦争犯罪を告発する戦後補償裁判を主導した土屋公献元日弁連会長がいる。
この南原氏を 中心に進歩的文化人たちが結集した「日本教育家委員会」は、3月5日に来日した米国教育使節団を受け入れ、戦前・戦中の日本の教育政策を非難する「報告 書」の作成に協力している。この委員会のメンバーが中心となって21年8月10日に新設されたのが、前出の教育刷新委員会(委員長、安倍能成元文相)なの である。
リモート・コントロール
協力者としての刷新委員会を組織したGHQは、教育改革の主導権が文部省ではなく刷新委員会にあることを再確認すべく、密室会談を主催する。
GHQの教育改革を担当していた民間情報教育局(CIE)は9月4日、田中耕太郎文相、山崎匡輔文部次官、教育刷新委員会の安倍委員長、南原副委員長を集 め、①刷新委員会は、文部省から完全に独立する。②文部省は、刷新委員会が提案した政策を実行する。③刷新委員会と文部省、CIEの連絡調整のために「連 絡委員会」を設置する--という方針を提示したのである。
「刷新委員会が方針を決定し、文部省はそれに従え」 と命じられた田中文相は、「文部大臣が原則について何も決定できないなら、議会での質問に対する答弁も困難だ」と抵抗するが、南原副委員長はCIEの方針 に全面的に賛同し、文部省は刷新委員会の下請けに過ぎないことが決定される。
では、南原氏が指摘しているように、刷新委員会がGHQから干渉されることなく教育改革の方針を作成できたのかと言えば、そうではなかった。
注目してほしいのは、③の連絡委員会の設置である。日本側の文献では「連絡委員会」と呼ばれるが、英語の原文は「Steering Committee」、直訳すると「舵取り委員会」となる。その狙いを、アメリカのハリー・レイ教授は、《CIEは連絡委員会を通して、教育刷新委員会を 米国教育使節団の報告書の枠内で指導し、文部省に教育刷新委員会の提案を受け入れさせることが可能になった。ステアリング・コミッティーは日本語で「舵取 り委員会」とも訳される通り、教育刷新委員会の「独立」の陰に隠れて、CIEが日本側をリモート・コントロールする送信機のようなものであった》と説明し ている(『戦後教育改革通史』明星大学出版部、平成5年)。
9月24日、第一回舵取り委員会に出席した刷新委員会の大島正徳委員は、3日後の27日に開催された教育刷新委員会第四回総会で、刷新委員会で何を議題とするかはすべて事前に舵取り委員会を通してもらいたいと言われたとして、こう報告している。
《この委員会は自主的なものであって、我々はこの委員会が決めることは文部省の指令に依るものでなく、又司令部の指令に依ってやるべきものでもなく、全く オートノマス(自律的)にやるべきだが、委員会に正式に議題にする前に、先ずこのステアリング・コミッチー(舵取り委員会)で相談して、これは議題にする が宜いかどうかを考えなければならぬ》(『教育刷新審議会教育刷新審議会会議録 第一巻』岩波書店、1995年)[引用文の( )内は筆者が補足]
結局のところ刷新委員会は、CIEの許容する範囲内でしか「自主性」を認められなかったわけである。
CIEによる第一の介入は「愛国心」の排除
戦後の教育改革の主導権を政府・文部省から、リベラル派の進歩的文化人による刷新委員会に握らせ、かつ同委員会を、舵取り委員会を通じて背後からコントロールするという仕組みを構築することに成功したGHQは、いよいよ教育基本法制定に着手することになる。
教育基本法制定に初めて言及したのは田中耕太郎文相だった(昭和21年6月27日、衆議院)。しかし、それをもって教育基本法制定は日本側の発案だったと 断言することはできない。義務教育の無償化や男女平等を謳った日本国憲法の制定に伴い、田中文相の意志とは関係なく、教育関係法規は全面的に書き換えなけ ればならない状況に置かれていたからである。GHQに日本国憲法を押し付けられた段階で、教育基本法を制定せざるを得なかったわけで、真の発案者はGHQ と言ってよい。
文部省は7月18日、省内に「教育調査局」を新設し、教育法の全面改正に向けた準備を開始し、9月27日、刷新委員会第一特別委員会に、文部省の「教育基本法要綱案(9月21日案)」を提出している。
注目すべきは、この「要綱案」に「愛国心の涵養」という趣旨がなかったことだ。実は明治24年に公布された文部省令の「小学校教則大綱」の第二条には、「尋常小学校ニ於テハ(中略)殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養ハントスルコトヲ努メ」と、愛国心の涵養が明記されていた。
ところが、GHQは日本占領直後の昭和20年9月10日から、事前検閲という形で言論統制を始めていた。当初はラジオ放送や新聞、雑誌だけだったが、やが て一般国民の手紙や教科書まで検閲の対象となる。21年2月4日には、CIEが教科書検閲の基準を設定し、軍国主義、超国家主義のみならず、「国民的、国 家、わが国」といった用語までも削除されるなど、国家そのものが否定されることになった。こうなると、GHQの支配下に置かれていた文部省としても、「愛 国心」という言葉を予め削除した要綱案を作らざるを得ない。これを私は、教育基本法に対する、CIEの第一の介入と呼びたい。
愛国心が欠落した要綱案に異議を唱えた人もいた。刷新委員会第一特別委員会では、天野貞祐一高校長(のち文相)が「ただ自分のために生きるのではなくし て、社会国家の為に生きるとか、何かそういうものを入れたいと思う」と主張したが、東京文理科大の務台理作学長(日教組の「教師の倫理綱領」作成に協力) が「個人を犠牲にせず、個人の自由をあくまでも尊重する(中略)そういう精神に教育の理念が基づくべき」と反論、これに社会党の森戸辰男議員(のち文相。 日教組と提携)が賛同したため、「国の発展に尽くす」という趣旨は完全に消えることになったのである。
「不当な支配」もCIEが強制
刷新委員会の日教組派の委員たちによって、愛国心が排除された教育基本法要綱案が固まった段階で、CIEは本格的な介入を開始する。
11月12日、CIEのジョセフ・トレーナー教育課長補佐は、刷新委員会の事務局を担当していた関口隆克・文部省審議室長を呼び出した。トレーナーは、舵 取り委員会つまりGHQの了承なく、文部省が刷新委員会に要綱案を出したことを取り上げ、「文部省が議会に提出する諸法案は、CIEの承認を得なければな らない」と詰問、関口室長は「今から、あらゆる問題を舵取り委員会に提出する」と改めて約束する。
11月14日、関口室長は「9月21日案」の英訳をCIEに提出、密室による本格的な改悪が始まることになる。CIEがまず問題にしたのは、「男女共学」の項目だった。
11月18日、CIEは男女共学について積極的な言及を行うよう要求、これを受けて関口室長は「男女はお互に敬重し、協力し合わなければならないもので あって、両性の特性を考慮しつつ同じ教育が施されなければならないこと」という案を持参するが、CIEは了承せず、文部省案の「両性の特性を考慮しつつ」 という文言は削除されてしまう。もし教育基本法に「両性の特性を考慮」という文言が残っていたならば、現在問題となっているジェンダー・フリー教育がこれ ほど横行することはなかったと思うと、CIEによる第二の介入は大きな禍根を残したといえよう。
CIEによる第三の介入は、「教育行政」の項目であった。
11月29日の刷新委員会第13回総会に提出された「要綱案」には、「教育行政は、学問の自由と教育の自主性とを尊重し、教育の目的遂行に必要な諸条件の 整備確立を目標として行われなければならないこと」とあった。刷新委員会はこの表現で合意していたのだが、CIEのトレーナーは「教育の自主性の尊重」と いう表現を問題視し、修正を要求した。
文部省に案を作らせても満足できる表現が出てこないことにしびれを切 らしたトレーナーは自ら英文で要綱案を作成、12月13日、「教育行政」の項目は「教育は、政治的又は官僚的な支配に服することなく(Education shall not be subject to political or bureaucratic control)、国民に対し独立して責任を負うべきものである」という表現に変えるよう、文部省に通告したのである。その後も、教育行政の表現をめぐっ てCIEと文部省による密室会議は続き、翌22年1月15日案で「不当に」という言葉が追加され、最終的に現在の表現になったのである。今回の基本法改正 でも焦点となった「不当な支配」という表現は、CIEによって強制されたものであったのだ。
「伝統を尊重して」「宗教的情操」も削除
第四の介入は、「伝統の尊重」の削除である。11月29日の刷新委員会総会に提示された要綱案では、前文に「普遍的にしてしかも個性ゆたかな伝統を尊重し て、しかも創造的な、文化をめざす教育が普及徹底されなければならない」と明記されていたが、トレーナーは「伝統を尊重して」という言葉の削除を命じた。 当時の通訳が「伝統を尊重するということは、再び封建的な世の中に戻ることを意味する」と述べたからだ、と明星大学の高橋史朗教授とのインタビューでト レーナーはその理由を説明している。
第五の介入は、「宗教教育」をめぐってであった。前述した11月29日 の要綱案では、宗教教育について「宗教的情操のかん養は、教育上これを重視しなければならない。但し官公立の学校は、特定の宗派的教育及び活動をしてはな らないこと。」と規定されていた。この表現は、社会党の森戸委員でさえも合意した案であり、宗教的情操の涵養が重要だという認識は、社会主義者も含め当時 の日本人の総意であったのである。
ところが、CIEは「宗教的情操のかん養」を削除し、「社会における宗教 生活の意義と宗教に対する寛容の態度は、教育上これを重視しなければならない」というCIE案に差し替えるよう日本側に要求した。しかも「宗教に対する寛 容の態度」という表現は、「無神論者に対する寛容を含む」と解釈されることになったため、宗教を敵視する無神論(つまり社会主義、共産主義)を奉じる児 童・生徒に配慮して事実上、学校教育において宗教に関する教育はすべて禁止されることになってしまったのである。
この第四・第五の介入で、伝統的な死生観や慣習を学校教育で教える法的根拠が失われてしまった。
要するに今回公明党が重視した「教育基本法の基本理念」なるものはすべてGHQ・CIEの密室介入の産物に過ぎないのだ。
自主制定というGHQの偽装を証明する議事録を発見
この冷厳な事実を日本の立場から証明する史料を今回発見した。CIEが文部省や刷新委員会を背後からコントロールするために設置した舵取り委員会の「日本側議事録」である。
教育基本法制定の真相を理解するためには、舵取り委員会でのやりとりを知る必要がある。日本側は必ず議事録を残していると思ったのだが、なかなか見つから ない。国立国会図書館や首都圏の主要大学図書館などで探し、文部科学省や戦後教育史の専門家にも問い合わせたが、「知らない」という回答であった。調査は 3年以上に及んで諦めかけていたが、「教育刷新委員会会議録」の原本を保存している財団法人野間教育研究所の「書庫」でついに見つけた。
万年筆で書かれたざら紙による、昭和22年1月23日から24年7月28日までの31回分の舵取り委員会議事録のファイルで、『教刷委連絡委員会記録全一冊(ステアリングコミティ)』という表紙がついていた。
CIEが教育基本法の要綱案に対して介入していた昭和21年後半の議事録はなかったものの、肉筆の生々しい文字から浮かび上がってきたのは、想像通りCIE主導で教育基本法を含む改革が行われていたという現実であった。
例えば、教育基本法案が大詰めを迎えていた昭和22年1月23日の議事録には、次のようなやり取りが書かれてあった。
《辻田 通常国会に提出する案は三つあつて(教育基本法、学校教育法、地方教育行政法)今第一が法制局で検討中である。
トレーナー 教育基本法は今我我も一緒に検討中で未だ確定していないと思うが…。
辻田 決定したものではなく教育部と平行して法制局にも検討して貰っているのだ。主として字句の問題で、内容にはふれていない》
文部省の辻田力調査局長が、CIEの了解なく教育基本法要綱の法案化作業を法制局に依頼したことを、トレーナー教育課長補佐から咎められ、うろたえている様子が分かる。
教育基本法が衆議院本会議に上程された三月十三日の舵取り委員会「議事録」にはこう記されていた。
《日高 教育基本法と学校教育法のその後の経過を話す。前者は本日議会上程、後者は十五日或いは十六日に議会上程と予想している。非常に困難があったが通過するものと期待している。
オア 文部省の御骨折りに感謝する》
この「御骨折りに感謝する」という文字を見た時の衝撃は忘れがたい。なぜCIEが、文部省に対してお礼を言わなければいけないのか。徹底した密室介入に よってGHQ製に換骨奪胎した教育基本法案を、日本人が主体的に作った案として国会に上程することに成功したため、思わず本音が出たのだろう。教育基本法 が日本人のためではなくGHQのために作られたことを、この一文は物語っているといえよう。
「属国の悲しみ」を克服せよ
マーク・T・オアCIE教育課長から労いの言葉を直接かけられた文部省の日高第四郎学校局長はこのとき、どのような思いを抱いたのか。調べたところ、日高局長が後にCIEとの折衝について書いた一文に「属国の悲しみ」という表題をつけていることが分かった。
CIEによって徹底的に改悪され、わが国の教育に大きな悪影響をもたらすことが予想される教育基本法を、日本人自身が作成したと偽って国会において成立さ せなければならなかった。日高局長が味わった「属国の悲しみ」はその後語り継がれることもなく、忘れ去られてしまっている。
それは、「日本人によって教育基本法は作られた」かのように偽装したGHQ・CIEを擁護して、「一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」 と虚言を弄した南原東大総長のような人物が戦後教育の中心にいたからだ。さらに、誤った「教育基本法制定史」を流布したのは、南原氏だけではなかった。今 回私が見つけた「舵取り委員会議事録」には複数の人間が閲覧した足跡が残されていたのである。教育基本法に対する疑問が国民の間に芽生えることを避けるた めか、敢えてその存在を公開してこなかったふしがあるのだ。
今回の教育基本法改正にあたって「宗教的情操」 や国を愛する「心」を削り、「不当な支配」を残すことに合意した与党幹部たちもある意味、そんな悪質な情報操作の被害者かも知れない。何しろGHQの密室 介入の産物を、日本人が守るべき教育理念だとすっかり勘違いしてしまっているのだから。
しかし、与党幹部たちの誤った「教育基本法制定史」観によって、わが国の教育の歪みが放置されてはたまらない。今からでも遅くはない。正しい「教育基本法制定史」観に基づいて与党案を抜本的に修正すべきだ。
幸いそのモデルは出来ている。超党派の「教育基本法改正促進委員会」(亀井郁夫委員長)が、わが国の歴史と伝統に立脚し、「愛国心」や「宗教的情操の涵 養」、「教育に対する国の責任」などを謳った、日本人のための新教育基本法案を作成している(下村博文編『教育激変』明成社)。
わが国の根幹を定める教育基本法の改正は、GHQの改悪を克服する方向で成し遂げられるべきである。
えざき・みちお 昭和37年(1962年)東京都生まれ。九州大学文学部卒業。月刊誌『祖国と青年』編集長を経て平成9年から日本会議事務総局に勤務、政策研究を担当。共著に『日韓共鳴二千年史』『再審「南京大虐殺」』『世界がさばく東京裁判』(いずれも明成社)など。
※初出 月刊『正論』2006年6月号、肩書などは当時のまま)
http://ironna.jp/article/1824?p=1
目覚めよ日本!
戦後わが国の教育は、敗戦直後の1945.10.2に開始された GHQのCIE(総司令部民間情報教育局)によるWGIP(戦争についての罪悪感を日本 人の心に植え付けるための宣伝計画)が全ての原点になっている。日本人が二度と再び連合国に対抗できないようにすべく精神的文化的に洗脳するというシステ マティックで科学的合理的な計画であった。広範な分野にわたり特に日本古来の伝統的な美風や秩序や伝統は軍国主義に通じるとして徹底して破壊された。教科 書の墨塗りも経験した。神仏に手を合わせる、祖先を敬うのは封建的として忌諱されたのである。
祖国・国家・ 国益・公益といった観念はおぞましいものであり、人権と自由が最高の美徳だとされた。国家は個人と対立するいわば「必要悪」の存在であり自由に対する責 任、平等に対する競争、権利に対する義務はないがしろにされた。民間情報教育局の標的は正鵠を得ていて、70年後の今日 情報つまりマスゴミと教育におい て見事に成果をあらわしている。一部の大新聞や教育現場における実態を見ればはっきりしている。
すべて日本だけが悪い、侵略戦争を仕掛けたのだ、日本の軍隊は殺人者だ、靖国神社に祀られているのは戦犯だ、日の丸君が代は侵略のシンボルだ、平和!!を
と叫んでさえいれば平和は来る、そういう情報を送り子ども達を教育してきて70年。
今 なお謝罪外交を繰り返した歴代政府や外国にひたすら追従する新聞マスコミ報道を見ていたら、不埒な侵犯(拉致事件やミサイル脅迫などを含む)に対して国を 守る勇気や自己犠牲や使命感といった感情が出てこないのも無理のない話で、あながち今の若者たちを責めることは出来ないということだろう。
しかもそういう教育が ”日本にとって”間違いであったかどうかの評価も定まっておらず、むしろ助長している新聞が大半である。
世界中どこの国でも愛国心は美徳とされる。自国他国のを問わず、国旗国歌に敬意を払うことは幼時から躾けられる。その対極にある日本は世界にも稀な国でありそういう国にした占領軍の計画の見事さには今にして感服するしかない。
クリックして拡大
占領下においては、日本政府は既に権力者ではなく、日本に君臨していた真の権力者はGHQであった。従って言論の自由があったかどうかは、日本政府に対する批判が自由であったか否かではなく、GHQに対する批判が自由であったか否かで考えなければ意味がない。
GHQ は自らに対するいかなる批判も絶対に許さなかった。新聞も、雑誌も、書籍も、信書も、ラジオ放送も徹底した検閲を受けた。その徹底ぶりは、記事にあるよう にGHQの方針に合わないものは、たとえ川柳や風刺画さえも許さなかったことからも容易に理解できる。そして、一方で日本政府に対する批判は奨励した。敵 である日本政府に対する批判を解禁し、それを奨励したのは、それが占領政策の遂行、日本の弱体化に好都合であったからに他ならない。
日本出版法
趣 旨
聯合軍最高司令官は日本に言論の自由を確立せんが為茲に日本出版法を発布す。本出 版法は言論を拘束するものに非ず寧ろ日本の諸刊行物に対し言論の自由に関し其の責任 と意義とを育成せんとするを目的す。特に報道の真実と宣伝の除去とを以て其の趣旨 とす。本出版法は啻に日本に於ける凡ゆる新聞の報道論説及び広告のみならず、その他 諸般の刊行物にも亦之を適用す。
日本出版法
第一条 報道は厳に真実に則するを旨とすべし。
第二条 直接又は間接に公安を害するが如きものは之を掲載すべからず。
第三条 聯合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加ふべからず。
第四条 聯合国進駐軍に関し破壊的批評を為し又は軍に対し不信又は憤激を招来する が如き記事は一切之を掲載すべからず。
第五条 聯合国軍隊の動向に関し、公式に記事解禁とならざる限り之を掲載し又は論議すべからず。
第六条 報道記事は事実に則して之を掲載し、何等筆者の意見を加ふべからず。
第七条 報道記事は宣伝の目的を以て之に色彩を施すべからず。
第八条 宣伝を強化拡大せんが為に報道記事中の些末的事項を過当に強調すべからず。
第九条 報道記事は関係事項又は細目の省略に依つて之を歪曲すべからず。
第十条 新聞の編輯に当り、何等かの宣伝方針を確立し、若しくは発展せしめんが為の目的を以て記事を不当に顕著ならしむべからず。
一九四五年九月二十一日
米国太平洋陸軍総司令部民事検閲部
朝 日新聞の記事で昭和20年9月17日付の「プレスコード」として紹介された記事は、9月15日のGHQ所属民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明に対応して 書かれた。それに対し 9月18日16時~20日16時の2日間発行停止とされた。この日から朝日新聞は紙面内容が激変し、今日現在にまで至っている。
プレスコードとラジオコードとしては、この後「日本新聞遵則」と「日本放送遵則」なるものが報道・出版等関係者に公表された。
順番に列記すると以下のようになる。
9月10日 最高司令官指令(SCAPIN-16) 「新聞報道取締方針」
9月15日 民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明
9月21日 最高司令官指令(SCAPIN-33) 「日本新聞遵則」(日本出版法・Press Code for Japan)
9月22日 最高司令官指令(SCAPIN-43) 「日本放送遵則」(Radio Code for Japan)
こんなプレスコードに由来するようなものが、いまだにマスコミ内に残っていて良いのだろうか?
江藤淳も三島由紀夫も自殺したし WGIPの存在に気づいて、洗脳された日本に失望すると自殺しちゃうのかね。
そうすると社会党はGHQを教祖としたカルト集団だったと言えなくも無い。
WGIPの基本の考え方に「物事をはっきりとした善悪に分類する」というものが存在する気がする。
それと階級闘争的な被害者と加害者意識みたいな考え。
戦争なんて善悪で判断するものではないだろう。
米国を中心とする連合軍が、資源の無い日本のシーレーンを断ち、輸入を全て断って否応無く戦争に導いておいて、日本は最初から負けると分かっている戦争に立至った。
戦う以上は欧米の白人が搾取する植民地の解放が大義名分となった。それが悪だったと言うのだ。
検閲自体は、連合国占領下の他の地域や、戦争中には米国内でも行われていたが、日本における検閲と他の地域におけるそれとの最大の違いは、日本における検閲が検閲自体を秘匿することを強制したことである。
検閲自体を秘匿することになった直接の原因は、検閲がポツダム宣言に違反するからであるが。秘匿することによって日本の言語空間に新たなタブーを作り出すという、洗脳作戦に有利な効果を生み出した。
検閲の行われる範囲としては、郵便、電信電話、新聞、雑誌、書籍、放送、映画等が挙げられる。
基本的な検閲の機能としては、情報伝達の抑制と、情報の収集という2つのものがある。
特に情報の収集では、個人の私信を検閲することにより、一般的な世論調査機関ではなし得ないほど正確に世論動向を把握した。
複雑な日本語の文章を日系米国人といえども全てを検閲するのは無理である。そこで、日本人の報道関係者や教授や学者、知識人など5000人以上が招集されたと言われている。その当時はいくらやむを得なかったと言えども今では立派な売国奴と言えなくもない。
その人たちが、GHQの去った後、何食わぬ顔で元の職場に戻っていって、誰一人として当時の有様を語らなかった。そのことは、GHQ以後も米国の諜報機関による監視が続いたということが明らかだろう。
実際に、今も横田基地には国連の事務所が存在し、米国大使館内には「日本管理委員会」が存在する。
しかも横田基地の上空だけでなく日本の制空権は米軍が保持し、日本全国米軍の飛行が優先される。
更に、国連憲章には戦勝国が常任理事国として拒否権を持ち、日本を敵国と明記したままである。
同盟国と言いながら米国が日本を敵国条項から外せとは一度も聞いたことが無く、憲章に中華民国と記されながら中共がなぜ勝利国として座っているのか納得いく説明も未だに無い。
つまり世界は未だに日本を敗戦国として縛っていることになる。
◆ロバート・フェルドマンの日本解体シナリオ
15/08/29 村田貞雄 るいネット
政府の経済財政諮問会議のワーキンググループ委員を務めていたロバート・フェルドマンは、グローバル企業(実質は米国企業)の日本支配、市場席捲のために、膨大な項目を指示している。
日本の官邸、官僚が打ち出す施策は、これらが原点となっている。日本の官僚は、米国からの指示(フェルドマン指示)に基づき、国内情勢をみながら、具体的施策を打ち出している。
日本の中央官僚は、日本の現状を分析し、自ら考え施策立案を放棄している。
月刊日本の編集長である坪内隆彦氏が、ブログ『国を磨き、西洋近代を超える』で、改めて指摘している。
(項目は、分野別に並べ直した。これをみると、医療市場、教育市場を狙っているのが分かる。)
日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案
http://tsubouchitakahiko.com/?p=3249
以下引用・・・・
グローバル企業の日本支配を貫徹させるための第一歩が国家戦略特区だ。国家戦略特区ワーキンググループが2013年7月に行った有識者からの「集中ヒアリ ング」で、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏は以下のような膨大な提案をしている。まさに、日本解体のシナ リオである。
(医療、福祉分野)
国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁
チーム医療実施のための外国人看護士等の受入れ推進(就労資格の弾力化)
高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)
健康を基準とした自己負担率の導入(村田注:健康保険の自己負担率)
(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする
米国等との疾病分類の統一化(これに基づき診療報酬を決定)
病院(国立病院・大学病院・地方病院等、クリニックを含む)の監督の一本化
医療分野へのマイナンバー制度の早期導入
高度な診療・手術の可能な病院の集中化・絞り込み
(臨床研究中核病院の機能集中の加速化など)
介護施設等への外国人労働者の受け入れ解禁
保育所設置基準等の保育規制行政の地方移管
(教育分野)
海外留学(一年間)を大学卒業のための必須要件化
大学卒業基準としてTOEFLを採用
遠隔教育の推進
教育行政の所管を、文部科学省から特区担当又は地方自治体へ一部移管
教員給与の算定基準に実力テストを採用
教育委員会の廃止・権限縮小
(企業・雇用分野)
解雇規制の緩和・合理化(金銭解決などを含む)
社外取締役を導入した企業に対する解雇規制の緩和
有期雇用契約の自由化(60歳以上の労働者を対象とするなど)
全てのスキルレベルにおけるビザの発給要件の緩和(労働ビザの緩和)
積極的な移民政策の推進(医療、介護、農業の分野など)
就労ビザの発給要件の緩和(国内の大学・専門学校卒業者及び海外で同等の教育を受けた人材、並びに、海外の実務経験を有する専門家への対象拡大)
企業業績やその他の重要情報漏洩への刑事罰適用
(農業分野)
株式会社等による農地所有の解禁
農協への独占禁止法の適用
減反制度の廃止
米価設定の廃止
農地への不動産信託の導入
(行政・制度分野)
公的データベースの民間開放(不動産等)
公務員の給料を民間と同一基準化
マイナンバー制度に基づく行政コンシェルジュの推進
国家戦略特区推進のため特区担当部局が関係各省・自治体の人事を担当
外国法規に基づく教育・金融・法律・医療機関等の認可の推進
地方議会議員に対する選挙区毎の人口比例での議決権の配分
借地借家法の定期借家権法への乗り換え
(その他分野)
羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化
電力システム改革(小売自由化、発送電分離等)の早期実施
エネルギー新技術に係る競争促進(省エネ住宅・電気自動車等)
新聞の再販規制及び公正取引委員会からの特殊指定の廃止
金融関連記者への証券外務員試験の記者版合格を義務付け
官庁の記者クラブを廃止
・・・・引用終わり
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=307280
◆戦後教育史を覆す資料発掘! やはりGHQ主導だった教育基本法制定
『月刊正論』 2006年6月号
江﨑道朗(日本会議専任研究員)
国家の独立が問われている
「自民党執行部は、公明党と妥協した教育基本法改正案を呑めというのか」-。自民・公明両党執行部からなる教育基本法改正に関する協議会が4月13日にま とめた最終改正案に対して、自民党を支えてきた諸団体から強い不満の声があがっている。「現行基本法の理念を守りたい」公明党に引きずられ、多くの問題点 を残す内容となったからだ。
校長らに多数の自殺者を出してきた国旗掲揚・国歌斉唱反対運動の法的根拠として利用されてきた現行法十条の「教育は、不当な支配に服することなく」との文言はそのまま残った。
わが国の宗教団体の大半が加盟する「日本宗教連盟」(神社本庁、教派神道連合会、全日本仏教会、新日本宗教団体連合会、日本キリスト教連合会の主要五団体で構成)が求めていた「宗教的情操の涵養」の盛り込みは見送られた。
最大の争点となっていた「愛国心」の表現は、「『国』の概念から統治機構を除く」「他国や国際社会の尊重を反映させる」(4月14日付「公明新聞」)とい う公明党の主張に譲歩し、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態 度を養うこと」となった。「国を愛する心」ではなく「国を愛する態度」ならば、卒業式で国歌を歌っているふりをすればいいということになりかねない。
現場に悪影響を与えてきた文言が残るだけでなく、新たな問題も惹起しかねない法案の動向について教育関係者が強い憂慮を示しているのとは対照的に、世論の関心はいま一つだ。
それは何故か。いろいろな理由があるだろうが、教育基本法制定当時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって「愛国心」や「宗教的情操」がいかに削られ、「不当な支配」が盛り込まれたのか、ほとんど知られていないことが一因だと私は考える。
教育基本法は、憲法同様GHQによって実質的に押し付けられた法律なのである。しかも、GHQや彼らに協力した日本人は、「押し付け」を巧妙に隠蔽し、日 本が自主的に制定したかのように偽装した。教育という国の根幹、国民精神に大きな影響を与える法律だけに、このような制定経緯は日本という国家の独立性を 揺るがすものである。基本法が教育現場に与えている悪影響に加えて、この点が広く知られていれば、改正論議はもっと高まっていただろう。
教育基本法制定をめぐる実情が知られていない責任の一端は、基本法を作成したとされている教育刷新委員会の副委員長を務めた南原繁東大総長にある。南原氏は講和独立後、占領政策の全面的見直しを始めた政府自民党の動きを念頭に、こう断言したのである。
《わ が国の戦後の教育改革は、教育刷新委員会を中心として、これら政府当局者の責任においておこなわれただけである。(中略)私の知る限り、その間、一回も総 司令部から指令や強制を受けたことはなかった。少なくとも教育刷新委員会に関する限り、すべては、われわれの自由の討議によって決定した》(朝日新聞社編 『明日をどう生きる』昭和30年)[傍線筆者。以下同じ]
教育界のみならず戦後の言論界に強い影響力をもっていた南原氏の発言によって、「教育基本法はGHQの干渉を受けることなく日本人が自主的に作った」という定説が確立され、その見直しは長らくタブーとなってしまったからである。
その定説も、鈴木英一氏や高橋史朗氏らによる占領文書の研究を通じて疑問視されるようになってきているが、残念ながらその成果が国民全体に共有されているとは言い難い。
自主的な教育改革を否定したGHQ
そもそも敗戦後、わが国の教育改革がどのように始まったのかも誤解している人が多い。
日本政府は昭和20年8月の敗戦を受けて直ちに、戦時中の「軍国主義教育」の全面的見直しと、「平和国家建設」に向けた教育改革に着手している。
9月15日に発表した「新日本建設の教育方針」では、戦時中の「軍国的思想および施策を払しょく」し、「平和国家」を建設するため、「国民の教養の向上」 「科学的思考力のかん養」と共に、「国民の宗教的情操と信仰心を養」うことを通じて、「平和愛好の信念」を養成する方針を掲げている。
GHQからの指示を待つまでもなく、日本は自主的に教育改革を始めたのだが、アメリカ国務省調査分析課は十月五日付内部報告書「日本の戦後教育政策」の中 で、「新日本建設の教育方針」を取り上げ、「科学教育の振興」には「日本が原爆開発への遅れにみられる日米間の科学技術のギャップを埋めるためのものであ るという意図が巧妙に隠されている」などと批判している。
「米国の目的を支持すべき、平和的かつ責任ある政 府を、究極において確立する」(9月20日付「降伏後における米国の初期対日方針」)、つまり日本にアメリカの傀儡政権を樹立するという方針をアメリカ政 府から与えられている以上、GHQとしても、日本の自主的な教育改革を認めるわけにはいかなかったのだ。10月30日には、「教員及び教育関係官の調査、 除外、認可に関する件」という指令を出し、日本の国柄を守る立場から自主的な教育改革を推進し、占領政策に異を唱えてくる文部省官僚たちを直ちにすべてク ビにしろ、と命じている。
この容赦ない方針によって「実際の文部大臣は総司令部」(内藤誉三郎・文部大臣官 房総務室)という状況を作ることに成功したGHQは次に、自らの政策に迎合する日本人グループの形成に取り掛かる。昭和21年1月9日、「米国教育使節団 を受け入れるため」という名目で、GHQは日本側に「日本教育家委員会」を作るよう指示したのである。その委員長に就任したのが、前述した南原氏であっ た。
熱心なプロテスタントであった南原氏だが、戦前から愛読書として旧約聖書とともにマルクスの『資本論』 を挙げるなど社会主義に強いシンパシーをもっていた。内務省に入省した南原氏は大正8年、日本最初の労働組合法を立案、大正9年にはレーニンの『国家と革 命』を翻訳させ部内資料として出版している。大正10年に東大助教授に転身、その弟子には、戦後の進歩的文化人の代表格であった丸山真男東大教授や、中国 共産党と組んで日本の戦争犯罪を告発する戦後補償裁判を主導した土屋公献元日弁連会長がいる。
この南原氏を 中心に進歩的文化人たちが結集した「日本教育家委員会」は、3月5日に来日した米国教育使節団を受け入れ、戦前・戦中の日本の教育政策を非難する「報告 書」の作成に協力している。この委員会のメンバーが中心となって21年8月10日に新設されたのが、前出の教育刷新委員会(委員長、安倍能成元文相)なの である。
リモート・コントロール
協力者としての刷新委員会を組織したGHQは、教育改革の主導権が文部省ではなく刷新委員会にあることを再確認すべく、密室会談を主催する。
GHQの教育改革を担当していた民間情報教育局(CIE)は9月4日、田中耕太郎文相、山崎匡輔文部次官、教育刷新委員会の安倍委員長、南原副委員長を集 め、①刷新委員会は、文部省から完全に独立する。②文部省は、刷新委員会が提案した政策を実行する。③刷新委員会と文部省、CIEの連絡調整のために「連 絡委員会」を設置する--という方針を提示したのである。
「刷新委員会が方針を決定し、文部省はそれに従え」 と命じられた田中文相は、「文部大臣が原則について何も決定できないなら、議会での質問に対する答弁も困難だ」と抵抗するが、南原副委員長はCIEの方針 に全面的に賛同し、文部省は刷新委員会の下請けに過ぎないことが決定される。
では、南原氏が指摘しているように、刷新委員会がGHQから干渉されることなく教育改革の方針を作成できたのかと言えば、そうではなかった。
注目してほしいのは、③の連絡委員会の設置である。日本側の文献では「連絡委員会」と呼ばれるが、英語の原文は「Steering Committee」、直訳すると「舵取り委員会」となる。その狙いを、アメリカのハリー・レイ教授は、《CIEは連絡委員会を通して、教育刷新委員会を 米国教育使節団の報告書の枠内で指導し、文部省に教育刷新委員会の提案を受け入れさせることが可能になった。ステアリング・コミッティーは日本語で「舵取 り委員会」とも訳される通り、教育刷新委員会の「独立」の陰に隠れて、CIEが日本側をリモート・コントロールする送信機のようなものであった》と説明し ている(『戦後教育改革通史』明星大学出版部、平成5年)。
9月24日、第一回舵取り委員会に出席した刷新委員会の大島正徳委員は、3日後の27日に開催された教育刷新委員会第四回総会で、刷新委員会で何を議題とするかはすべて事前に舵取り委員会を通してもらいたいと言われたとして、こう報告している。
《この委員会は自主的なものであって、我々はこの委員会が決めることは文部省の指令に依るものでなく、又司令部の指令に依ってやるべきものでもなく、全く オートノマス(自律的)にやるべきだが、委員会に正式に議題にする前に、先ずこのステアリング・コミッチー(舵取り委員会)で相談して、これは議題にする が宜いかどうかを考えなければならぬ》(『教育刷新審議会教育刷新審議会会議録 第一巻』岩波書店、1995年)[引用文の( )内は筆者が補足]
結局のところ刷新委員会は、CIEの許容する範囲内でしか「自主性」を認められなかったわけである。
CIEによる第一の介入は「愛国心」の排除
戦後の教育改革の主導権を政府・文部省から、リベラル派の進歩的文化人による刷新委員会に握らせ、かつ同委員会を、舵取り委員会を通じて背後からコントロールするという仕組みを構築することに成功したGHQは、いよいよ教育基本法制定に着手することになる。
教育基本法制定に初めて言及したのは田中耕太郎文相だった(昭和21年6月27日、衆議院)。しかし、それをもって教育基本法制定は日本側の発案だったと 断言することはできない。義務教育の無償化や男女平等を謳った日本国憲法の制定に伴い、田中文相の意志とは関係なく、教育関係法規は全面的に書き換えなけ ればならない状況に置かれていたからである。GHQに日本国憲法を押し付けられた段階で、教育基本法を制定せざるを得なかったわけで、真の発案者はGHQ と言ってよい。
文部省は7月18日、省内に「教育調査局」を新設し、教育法の全面改正に向けた準備を開始し、9月27日、刷新委員会第一特別委員会に、文部省の「教育基本法要綱案(9月21日案)」を提出している。
注目すべきは、この「要綱案」に「愛国心の涵養」という趣旨がなかったことだ。実は明治24年に公布された文部省令の「小学校教則大綱」の第二条には、「尋常小学校ニ於テハ(中略)殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養ハントスルコトヲ努メ」と、愛国心の涵養が明記されていた。
ところが、GHQは日本占領直後の昭和20年9月10日から、事前検閲という形で言論統制を始めていた。当初はラジオ放送や新聞、雑誌だけだったが、やが て一般国民の手紙や教科書まで検閲の対象となる。21年2月4日には、CIEが教科書検閲の基準を設定し、軍国主義、超国家主義のみならず、「国民的、国 家、わが国」といった用語までも削除されるなど、国家そのものが否定されることになった。こうなると、GHQの支配下に置かれていた文部省としても、「愛 国心」という言葉を予め削除した要綱案を作らざるを得ない。これを私は、教育基本法に対する、CIEの第一の介入と呼びたい。
愛国心が欠落した要綱案に異議を唱えた人もいた。刷新委員会第一特別委員会では、天野貞祐一高校長(のち文相)が「ただ自分のために生きるのではなくし て、社会国家の為に生きるとか、何かそういうものを入れたいと思う」と主張したが、東京文理科大の務台理作学長(日教組の「教師の倫理綱領」作成に協力) が「個人を犠牲にせず、個人の自由をあくまでも尊重する(中略)そういう精神に教育の理念が基づくべき」と反論、これに社会党の森戸辰男議員(のち文相。 日教組と提携)が賛同したため、「国の発展に尽くす」という趣旨は完全に消えることになったのである。
「不当な支配」もCIEが強制
刷新委員会の日教組派の委員たちによって、愛国心が排除された教育基本法要綱案が固まった段階で、CIEは本格的な介入を開始する。
11月12日、CIEのジョセフ・トレーナー教育課長補佐は、刷新委員会の事務局を担当していた関口隆克・文部省審議室長を呼び出した。トレーナーは、舵 取り委員会つまりGHQの了承なく、文部省が刷新委員会に要綱案を出したことを取り上げ、「文部省が議会に提出する諸法案は、CIEの承認を得なければな らない」と詰問、関口室長は「今から、あらゆる問題を舵取り委員会に提出する」と改めて約束する。
11月14日、関口室長は「9月21日案」の英訳をCIEに提出、密室による本格的な改悪が始まることになる。CIEがまず問題にしたのは、「男女共学」の項目だった。
11月18日、CIEは男女共学について積極的な言及を行うよう要求、これを受けて関口室長は「男女はお互に敬重し、協力し合わなければならないもので あって、両性の特性を考慮しつつ同じ教育が施されなければならないこと」という案を持参するが、CIEは了承せず、文部省案の「両性の特性を考慮しつつ」 という文言は削除されてしまう。もし教育基本法に「両性の特性を考慮」という文言が残っていたならば、現在問題となっているジェンダー・フリー教育がこれ ほど横行することはなかったと思うと、CIEによる第二の介入は大きな禍根を残したといえよう。
CIEによる第三の介入は、「教育行政」の項目であった。
11月29日の刷新委員会第13回総会に提出された「要綱案」には、「教育行政は、学問の自由と教育の自主性とを尊重し、教育の目的遂行に必要な諸条件の 整備確立を目標として行われなければならないこと」とあった。刷新委員会はこの表現で合意していたのだが、CIEのトレーナーは「教育の自主性の尊重」と いう表現を問題視し、修正を要求した。
文部省に案を作らせても満足できる表現が出てこないことにしびれを切 らしたトレーナーは自ら英文で要綱案を作成、12月13日、「教育行政」の項目は「教育は、政治的又は官僚的な支配に服することなく(Education shall not be subject to political or bureaucratic control)、国民に対し独立して責任を負うべきものである」という表現に変えるよう、文部省に通告したのである。その後も、教育行政の表現をめぐっ てCIEと文部省による密室会議は続き、翌22年1月15日案で「不当に」という言葉が追加され、最終的に現在の表現になったのである。今回の基本法改正 でも焦点となった「不当な支配」という表現は、CIEによって強制されたものであったのだ。
「伝統を尊重して」「宗教的情操」も削除
第四の介入は、「伝統の尊重」の削除である。11月29日の刷新委員会総会に提示された要綱案では、前文に「普遍的にしてしかも個性ゆたかな伝統を尊重し て、しかも創造的な、文化をめざす教育が普及徹底されなければならない」と明記されていたが、トレーナーは「伝統を尊重して」という言葉の削除を命じた。 当時の通訳が「伝統を尊重するということは、再び封建的な世の中に戻ることを意味する」と述べたからだ、と明星大学の高橋史朗教授とのインタビューでト レーナーはその理由を説明している。
第五の介入は、「宗教教育」をめぐってであった。前述した11月29日 の要綱案では、宗教教育について「宗教的情操のかん養は、教育上これを重視しなければならない。但し官公立の学校は、特定の宗派的教育及び活動をしてはな らないこと。」と規定されていた。この表現は、社会党の森戸委員でさえも合意した案であり、宗教的情操の涵養が重要だという認識は、社会主義者も含め当時 の日本人の総意であったのである。
ところが、CIEは「宗教的情操のかん養」を削除し、「社会における宗教 生活の意義と宗教に対する寛容の態度は、教育上これを重視しなければならない」というCIE案に差し替えるよう日本側に要求した。しかも「宗教に対する寛 容の態度」という表現は、「無神論者に対する寛容を含む」と解釈されることになったため、宗教を敵視する無神論(つまり社会主義、共産主義)を奉じる児 童・生徒に配慮して事実上、学校教育において宗教に関する教育はすべて禁止されることになってしまったのである。
この第四・第五の介入で、伝統的な死生観や慣習を学校教育で教える法的根拠が失われてしまった。
要するに今回公明党が重視した「教育基本法の基本理念」なるものはすべてGHQ・CIEの密室介入の産物に過ぎないのだ。
自主制定というGHQの偽装を証明する議事録を発見
この冷厳な事実を日本の立場から証明する史料を今回発見した。CIEが文部省や刷新委員会を背後からコントロールするために設置した舵取り委員会の「日本側議事録」である。
教育基本法制定の真相を理解するためには、舵取り委員会でのやりとりを知る必要がある。日本側は必ず議事録を残していると思ったのだが、なかなか見つから ない。国立国会図書館や首都圏の主要大学図書館などで探し、文部科学省や戦後教育史の専門家にも問い合わせたが、「知らない」という回答であった。調査は 3年以上に及んで諦めかけていたが、「教育刷新委員会会議録」の原本を保存している財団法人野間教育研究所の「書庫」でついに見つけた。
万年筆で書かれたざら紙による、昭和22年1月23日から24年7月28日までの31回分の舵取り委員会議事録のファイルで、『教刷委連絡委員会記録全一冊(ステアリングコミティ)』という表紙がついていた。
CIEが教育基本法の要綱案に対して介入していた昭和21年後半の議事録はなかったものの、肉筆の生々しい文字から浮かび上がってきたのは、想像通りCIE主導で教育基本法を含む改革が行われていたという現実であった。
例えば、教育基本法案が大詰めを迎えていた昭和22年1月23日の議事録には、次のようなやり取りが書かれてあった。
《辻田 通常国会に提出する案は三つあつて(教育基本法、学校教育法、地方教育行政法)今第一が法制局で検討中である。
トレーナー 教育基本法は今我我も一緒に検討中で未だ確定していないと思うが…。
辻田 決定したものではなく教育部と平行して法制局にも検討して貰っているのだ。主として字句の問題で、内容にはふれていない》
文部省の辻田力調査局長が、CIEの了解なく教育基本法要綱の法案化作業を法制局に依頼したことを、トレーナー教育課長補佐から咎められ、うろたえている様子が分かる。
教育基本法が衆議院本会議に上程された三月十三日の舵取り委員会「議事録」にはこう記されていた。
《日高 教育基本法と学校教育法のその後の経過を話す。前者は本日議会上程、後者は十五日或いは十六日に議会上程と予想している。非常に困難があったが通過するものと期待している。
オア 文部省の御骨折りに感謝する》
この「御骨折りに感謝する」という文字を見た時の衝撃は忘れがたい。なぜCIEが、文部省に対してお礼を言わなければいけないのか。徹底した密室介入に よってGHQ製に換骨奪胎した教育基本法案を、日本人が主体的に作った案として国会に上程することに成功したため、思わず本音が出たのだろう。教育基本法 が日本人のためではなくGHQのために作られたことを、この一文は物語っているといえよう。
「属国の悲しみ」を克服せよ
マーク・T・オアCIE教育課長から労いの言葉を直接かけられた文部省の日高第四郎学校局長はこのとき、どのような思いを抱いたのか。調べたところ、日高局長が後にCIEとの折衝について書いた一文に「属国の悲しみ」という表題をつけていることが分かった。
CIEによって徹底的に改悪され、わが国の教育に大きな悪影響をもたらすことが予想される教育基本法を、日本人自身が作成したと偽って国会において成立さ せなければならなかった。日高局長が味わった「属国の悲しみ」はその後語り継がれることもなく、忘れ去られてしまっている。
それは、「日本人によって教育基本法は作られた」かのように偽装したGHQ・CIEを擁護して、「一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」 と虚言を弄した南原東大総長のような人物が戦後教育の中心にいたからだ。さらに、誤った「教育基本法制定史」を流布したのは、南原氏だけではなかった。今 回私が見つけた「舵取り委員会議事録」には複数の人間が閲覧した足跡が残されていたのである。教育基本法に対する疑問が国民の間に芽生えることを避けるた めか、敢えてその存在を公開してこなかったふしがあるのだ。
今回の教育基本法改正にあたって「宗教的情操」 や国を愛する「心」を削り、「不当な支配」を残すことに合意した与党幹部たちもある意味、そんな悪質な情報操作の被害者かも知れない。何しろGHQの密室 介入の産物を、日本人が守るべき教育理念だとすっかり勘違いしてしまっているのだから。
しかし、与党幹部たちの誤った「教育基本法制定史」観によって、わが国の教育の歪みが放置されてはたまらない。今からでも遅くはない。正しい「教育基本法制定史」観に基づいて与党案を抜本的に修正すべきだ。
幸いそのモデルは出来ている。超党派の「教育基本法改正促進委員会」(亀井郁夫委員長)が、わが国の歴史と伝統に立脚し、「愛国心」や「宗教的情操の涵 養」、「教育に対する国の責任」などを謳った、日本人のための新教育基本法案を作成している(下村博文編『教育激変』明成社)。
わが国の根幹を定める教育基本法の改正は、GHQの改悪を克服する方向で成し遂げられるべきである。
えざき・みちお 昭和37年(1962年)東京都生まれ。九州大学文学部卒業。月刊誌『祖国と青年』編集長を経て平成9年から日本会議事務総局に勤務、政策研究を担当。共著に『日韓共鳴二千年史』『再審「南京大虐殺」』『世界がさばく東京裁判』(いずれも明成社)など。
※初出 月刊『正論』2006年6月号、肩書などは当時のまま)
http://ironna.jp/article/1824?p=1
目覚めよ日本!
温 泉 の 定 義
温泉の定義は、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガスで、温度が25度以上あるもの、決められた18種類の成分のうち、1種類以上を基準以上含んでいるものと定義されています。
温泉の種類
・単純泉(単純泉)含有成分が1.000mg未満
この温泉は、療養泉(医学的に治療効果のある温泉とされるもの)の規定成分が薄いので単純温泉と呼ばれる。入浴してみると、濁った温泉や鉄臭い温泉など色々違いがあるし、有名な温泉もある。
・塩化物泉(食塩泉)陰イオンの主成分が塩素イオン
日本で一番多い。熱伝導率が高いため入浴時はすぐさま温まる。また入浴後は塩分が肌に付着して汗の蒸発を防ぎ、保温効果が高い。温熱効果によって血行が良くなる。
※ちなみに、海水の塩素イオン濃度:約19g/kg、ナトリウムイオン濃度:約10g/kg
※塩水は真水より重いので水でうめても混ざり難いかも。
・炭酸水素塩泉(重曹泉)陰イオンの主成分が炭酸水素イオン
重曹の働きで皮膚の表面を軟化させるため、皮膚病に効果がある。ふろから出たとき、さっぱりとした清涼感があり、塩化物泉(食塩泉)とは反対に「冷の湯」とされている。保湿効果があり肌がしっとり。
・硫酸塩泉(芒硝泉、石膏泉、正苦味泉)陰イオンの主成分が硫酸イオン
硫酸イオンは血液に多くの酸素を送り込む作用あり。
神経痛、胆道疾患や便秘に効果、糖尿病、痛風の改善
サルフェートとも呼ばれるもので、飲用のミネラルウォーターとしても注目されている。
・二酸化炭素泉(炭酸泉)遊離炭酸1,000mg以上
日本では少なく、貴重な存在。たとえ低温でも湯上がりの肌は紅潮し、温まる特性がある。また、脂や汚れを気泡に吸い付けて取り去ることから、最近はエステなどで人口の炭酸泉が導入されている。毛細血管を拡張、血液循環の促進、血圧低下作用あり。
飲泉では、便秘に効果あり。食前3回と就寝前に飲む。150mlまで/回。
・含鉄泉 (鉄泉)総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)を20㎎以上
わき出した時は透明、その後サビて変色。人間の造血作用に欠かせない重要な成分、皮膚からもよく吸収される。
・酸性泉(酸性泉)
刺激が強いので皮膚の弱い人には危険。抗菌力が優れている。アトピー性皮膚炎の黄色ブドウ球菌の殺菌に良い。白人は肌が弱いのダメか。
酸 性泉には亜鉛とマンガンが含まることが多く、これらは入浴時に皮膚から取り込まれ、それによってインスリンの作用が高められ、血糖値を下げる効果が現れ る。テレビ番組での実験を見たら、血糖値100ちょっとの人が10~20下がっていた(二泊三日、普通に旅館の料理を食べて)。
・含よう素泉(new) よう化物イオンを10mg以上
環境省のでは、飲用で高コレステロール血症に良いと‥
・硫黄泉(硫化水素泉)総硫黄(硫化水素イオン+チオ硫酸イオン+遊離硫化水素)2㎎以上
地上に出てきた時は透明に近くて、酸化すると白濁する。鼻にツンとくる硫黄臭がし、気体系を硫化水素型と呼ぶ。→実は硫黄は無臭で、匂いがあるのは「硫黄と水素の化合物である硫化水素」なのだそうな‥。
効能多いが効力きつい。慢性皮膚病、糖尿病に効果あり(硫黄成分はインスリンの生成を助ける)
※湯上りにはシャワーで硫黄を流した方がよいでしょう。2,3日匂いが取れませんし、服にも匂いが‥。自分じゃ気付かない場合も。
・放射能泉(放射能泉)ラドンを20キューリー以上
ホルミシス効果(生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用)があるとされる。
湯の中から放出されるラドン(気体)は呼吸とともに体内に取り込まれる。ラジウムは水溶性。
1キューリー(10^-10 Ci):3.7ベクレル(Bq)
※キューリーは次回改定から、10^-9のナノキューリーに統一した方がよいのでは。
・人工温泉
トロン、ラドン、明光石、ヘルストン、麦飯石温泉などがある。
・その他
湧水、井戸水、水道水、その他
共通)
・カルシウムイオン:炎症の鎮静作用
・マグネシウムイオン:炎症の抑制効果
・ナトリウムイオン:角質化した皮膚の乳化作用 ホルモンバランスを整えるので更年期障害に良い。
・アルミニウムイオン:傷の治癒を促す 殺菌作用
・硫酸塩泉:無色透明で、温泉か?と疑ってしまう せっけんの泡立ちが悪い。
・鉄:殺菌作用
・ホウ酸:目の洗浄に実際に使っているらしい
・メタケイ酸:体をコーティングしてあたためる、保湿効果
・アルカリ性の温泉:皮膚の角質を溶かし、キレイにする。長く入りすぎても、短くてもダメ。10~15分くらいが良い。
・打たせ湯:肩たたき&加温効果で肩こりに効く。実際に硬度計で測ったところ、31→20(5分後)。
・寝湯:何の効果があるんだと思う寝湯も、深く沈まない分、水圧の負担が少なく、血流が良くなる効果がちゃんとあり。
入 浴 の 心 得
温度について お湯が42度以上の入浴は出来れば避ける。理想は38度~40度のお湯。
かけ湯について 体の下から上の順でしっかりお湯の温度を体にならす。
1回の入浴時間 5分から7分程度が理想です。
お酒を飲んでの入浴 とても危険です。入浴は飲食、飲酒の前に!!
◆温泉の湯の花
温泉に入りますと、よく浴槽の周りなどに白くて硬いものが付着しています。 また、まだ誰も入っていない温泉の表面に白っぽいものが膜を作っています。これが、湯垢、湯の花と呼ばれるものです。 そして、これは専門的には「温泉のスケール」と呼んでいます。この温泉のスケールは、温泉水に元々溶けていた成分が温度や圧力の変化、空気との接触、場合 によってはパイプなどの機械と反応して水に溶けにくい物質として析出したものです。 この析出付着物を採取し、「湯の花」として温泉地などでよく売っています。これを家庭のお風呂へ入れ、手軽に温泉気分が味わえるということでよく売れるそ うです。
では、この湯の花(温泉スケール)はいいことばかりなのでしょうか。 実はこれが温泉を守っている人たちにとって最大の悩みなのです。一般的には、温泉の成分が多ければ多いほど温泉スケールは析出しやすくなります。この温泉 スケールが湯の花の採取場所のみで析出するのであればいいのですが、温泉の井戸の中、パイプ(上の写真)、設備機器などで析出してしまいます。そのため、 温泉の管理というのは大変なことなのです。温泉を守る人は、温泉を楽しみにきていただくお客様がいつでも快適に入浴していただくために、時に夜中にこのス ケールが詰まってお湯がでなくなってしまったり、温度調整ができなくなってしまったりしないように日々闘っているのです。
温泉スケールの種類
カルシウム(石灰)質のもの
温泉水中でカルシウムは、二酸化炭素(炭酸ガス)と共に加圧された状態で重炭酸カルシウムとして溶けていますが、地上に出てきて二酸化炭素が水中から逃げ ると重炭酸カルシウムが分解して炭酸カルシウムとして沈殿します。 多くは灰色~白色で硬く付着するのが普通ですが、時には鉄やマンガンが含まれ赤褐色~ 黒褐色で縞、層状になっていることもあります。
日本の温泉スケールの80%以上がこの炭酸カルシウム質のものです。
鉄質のもの
温泉水中に溶けている鉄(化学的にはフェロイオンといいます)が酸化されて、不溶性の鉄(化学的には水酸化第二鉄)となって沈殿したもので、赤褐色~黄褐色~黒褐色、軟らかく付着する時と硬く付着する時があります。
鉄を含む微酸性~中性の温泉では、必ず鉄イオン(Ⅰ)の酸化が起こり温泉水中に酸化鉄が浮遊して浴槽水が茶褐色に濁り、浴槽の縁やタイルに付着しているのが見受けられます。 また、まれに硫化水素と鉄が結合して、硫化鉄の黒い沈殿を生成することもあります。
イオウ質のもの
温泉水中の硫化水素が酸化され、不溶性のイオウとなって析出付着したもので、硫黄細菌などが関係することがあります。 白~黄白~黄色で普通はあまり硬くないのですが、まれに硬く層状に付着することがあります。 草津の湯畑で採取している湯の花は、この類です。
ケイ酸質のもの
地下の高温高圧状態で溶けていたケイ酸が地表へ涌き出ると、低温低圧の状態で不溶性の二酸化ケイ素として析出付着したものです。 普通は白色で硬く付着します。
地熱発電の生産井ではよく見受けられるスケールですが、一般の温泉ではまれです。
その他のもの
粘土質のもの、マンガン質、硫化銅、有機質のもの、菌体とスライム等いろいろありますが、これらは比較的まれな例です。
http://www.sparise.co.jp/scale.htm
◆混浴温泉で男女がタオルを巻いてはいけないワケ
MAG2 NEWS
一部の混浴温泉で推奨、もしくは義務化の動きもあるいわゆるタオル巻き入浴。利用者 のマナーの低下などがその理由に挙げられていますが、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』では、ろ過装置清掃会社の 社長の言を引きつつタオルを湯船につけてはいけない理由を衛生面から解説しています。
混浴タオル巻き入浴の是非について
先だってこのメルマガで、栃木県塩原温泉郷の混浴共同露天風呂閉鎖の件について書いた。その際に、バスタオルを巻いての入浴を義務化することについて疑問を呈する旨、言及した。
バスタオル巻き入浴というのは、混浴である以上はやむを得ない場合も多いとも思う。だが、浴槽にタオルを浸けない、というのが、温泉入浴マナーとして常識であることを考えても、たとえ新品であれ、バスタオルを湯船に浸けるのを推奨するというのはいかがなものか、とも思う。
バスタオル巻きで最初に問題になるのは、肝心な部分へのかけ湯がおざなりになりがちであるということである。バスタオルをめくって股間やお尻の穴をかけ湯でしっかり洗うことができるのか、というと、これは難しいだろう。
女性であれば尚更である。
男性などは浴槽の縁に蹲踞(そんきょ)の姿勢をとって、股間の前の部分だけ流して入浴する人をよく見かけるが、かけ湯で最もしっかり洗わないといけないのは、むしろ後ろのほうなのである。
女性だって話は同じである。
こうした入浴前のかけ湯がきちんとしていないと、源泉かけ流し浴槽の湯はたちまち汚れてしまう。循環消毒のほうが源泉かけ流しよりも衛生的で、安全性が高い、ということにもつながる、というのは、拙著「温泉失格」の中でも詳しく書いていることだ。
ほかにもバスタオル巻きの弊害はある。
これはかけ流し浴槽にはさほど関係がない話なのだが、以前、双葉社発行の「温泉批評」2014年秋冬号(特集=かけ流しの真実)でインタビューした循環ろ過装置の清掃管理会社「スパテック」の大山社長に聞いた話で、以下のようなものがある。
ろ過器のろ剤(砂とか小石など)には、泉質による多寡はあるが、スケール(析出物)が付着しており、これがレジオネラ属菌の巣窟になりやすい。よって、ろ過器のろ剤の最上部は、ある一定の期間ごとにそっくり取り替えるのが好ましい。
いわゆる「逆洗」(浴槽側からろ過器へ水を流してたまった汚れを洗い流すこと)だけでは、ろ剤などに付着して固まったスケールを完全に取り除くことは難しい。
ろ過器にはピップエレキバンだとか絆創膏だとか、いろんなゴミがたまっている。つまり、ろ過器でそれだけゴミが止まるということである。
ろ過器にたまっているゴミのうち、中でも最も目につくのは糸くずである。その糸くずにもスケールがこびりついてしまっていることが多い。これもレジオネラ属菌の巣窟となる。スケールがこびりついた糸くずは団子状になっていて、逆洗では取り除くことが難しい。
この話を聞いて、僕は「タオルは湯船に浸けては絶対にダメだ」と改めて思ったものである。こう考えていくと、循環システムを使用しているお風呂の場合、それが混浴であっても、バスタオルを巻いて入浴するのはやはり大きな問題があるのだ。
これが完全放流式の源泉かけ流し浴槽(塩原の場合はそう)であれば、糸くずがトグロを巻いて、ろ剤が目詰まりすることはない。ろ過器そのものがないのだから当たり前である。
ただし、かけ流し浴槽であっても、温度管理のためにお湯を循環しているという浴槽が、世の中にはたくさんあるのだ。大山社長の話では、これが一番ヤバい、と。
「集毛器(ヘアキャッチャー)は通るけれど、ろ過器を通らないってことだから。実際に見ると、どれだけ汚れているか……入る気が失せますよ。逆に言えば、それだけのゴミがろ過器を通すことで漉されて、汚れた湯がきれいになっているということ」。
断っておくが、大山社長の会社は循環器メーカーでなく、清掃管理の会社であるので、闇雲に循環濾過装置の導入を進めているわけではない。社長自身も「湯量が豊富で清潔に管理されていれば」源泉かけ流しのほうが魅力的だとも語っている。
それでも、汚れまくったろ過器の中を見ると、浴槽水からろ過された糸くずの多さと、それが衛生面に与える影響を無視できないというわけである。
混浴にまつわる問題は、単にバスタオル巻きを男女とも義務化することだけでは、明らかに不完全であると言わざるを得ない。浴槽ごとに湯遣いは違うのであり、それに合った対策をとらねばいけないのである。いずれにしても一筋縄ではいかない問題である。
ただ、どこのお風呂でも注意事項に載っている「タオルを浴槽に浸けない」ことの重要性と、その隠れた理由は、これでわかっていただけたと思う。
「使用したタオルを浸けると湯が汚れるから」という一言で片付けるような単純で簡単な話ではないのである。
『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋
著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
http://www.mag2.com/p/news/28426
◆温泉の「タトゥー禁止」問題。観光立国への道に立ちはだかる壁
2015年8月31日 MAG2 NEWS
2020年に東京オリンピックも控え、今後さらに増えることが予想される外国人観光客。ところが、国内各地の温泉施設でまさに噴出中な のが、“タトゥーをした外国人はどう扱うべきか”という問題。メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で、旅行業 界の裏事情に詳しい飯塚玲児さんも、この問題について、これまでの経緯を振り返りつつ、問題提起をしています。
タトゥー・刺青入浴禁止問題のこと
温泉入浴にあたって、表題の件がこのところ大きな話題になりつつある。
話題の内容として は、外国人客(日本人客にも最近は少なくないが)などでファッションとしてタトゥーを入れている場合(ミュージシャンやスポーツ選手にも多い)や、先日北 海道で問題になったマオリ族の女性と同様に伝統や宗教上の理由でタトゥーを入れている場合、などを、十把一絡げに温泉から閉め出すのはいかがなものか、と いうことである。
実はこの問題、僕が編集をお手伝いしている双葉社刊のムック『温泉批評』2014年秋冬号で大きく取り上げている。
この話題がここまで一般的に話題にされるようになったのは、この特集の影響が非常に大きいと思っている。同誌に関わっているものとしては、そのような自負もあるし、実際に、この記事のあと、連続して社会的な問題として取り上げられるようになってきたと思う。
そもそもの発端は、脳科学者の茂木健一郎氏がツイッターで「海外ではタトゥーの人が普通にいるのに、日本の入浴お断りはおかしいし差別だ」という内容をつぶやいたことだろう。2014年6月にはこうつぶやいた。
「ワールドカップサッカーを見ていると、タトゥーをしている選手なんて、普通にいる。タトゥー、刺青は入浴お断り、という不当な差別をしている限り、日本の温泉の世界遺産登録は無理だね」
むろん『温泉批評』の記事ではこうした茂木氏らのツイートなども盛り込み、さらに業界団体や温泉施設などへの取材も行って記事を構成している。バックナンバーも入手可能なので、興味のある方はアマゾンなどでご購入を。
雑誌発売後の業界内の一つの大きな動きとして挙げられるものに、今やイケイケ状態ともいえる星野リゾートが、タトゥーを隠すために貼るシールを導入、隠せる場合は入浴を認めるという試みを始めたことだ。
星野リゾートの星野佳路代表は「小さい入れ墨でも入浴を拒否し続けるのか。外国人が増えていく中、何らかの新しいルールが必要だ」と説明している。
こ の星野リゾートの発表が今年の4月15日のこと。前述の『温泉批評』の発売が昨年10月中旬である。むろんそれまでも星野リゾートでは何らかの協議がなさ れてきたのだとは思うが、記事の反響がフェイスブックなどでも広がりを見せてきて、結果、最終的な判断に至った、と考えるのは自然だと思う。
また、つい先だって6月には、この問題を受けて観光庁が全国約3700の施設で初めての実態調査に乗り出したという発表があった。
観光庁は結果を基に、宿泊業界などと相談しながら対応策を検討するという。久保成人長官は「どうするかの具体的な方針を持ち合わせていないが、まずは実態を把握する」と話している。
そもそも、旅館業法などでは刺青やタトゥーを入れた人の入浴を断るという具体的な定めもない。だが、皆さんもご存知の通り、多くの施設で「お断り」の掲示がされている(本当に断っているかは別だが)のが実態だと思う。
しかし、茂木氏のいう通り、スポーツ選手にもタトゥーを入れている人はたくさんいる。将来の東京オリンピックなどで日本を訪れたこれらの外国人選手や観光客らが、日本観光の大きな魅力の一つである温泉から閉め出しを食らうということにつながりかねないのは、やはり問題だ。
茂木氏や『温泉批評』の記事でも指摘している通り、「ベッカムやネイマールが温泉にきたら、入浴を断るのか?」ということを考えたとき、断った場合はそれぞれの国の英雄を差別するわけで、国際的な問題になるだろうということは想像に難くない。
簡単に結論の出る問題ではないとは思うが、これを機に大いに議論して正しい方向性を見出して欲しいものだ。
ちなみに僕自身の意見は、もちろん、入浴OK、である。
『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
http://www.mag2.com/p/news/27262
◆<高血圧に効く温泉の種類>
高血圧に効く温泉の種類は、二酸化炭素泉、硫酸塩泉、硫黄泉などがあります。
● 二酸化炭素泉は二酸化炭素を含む温泉です。泉温が高くなると炭酸が気化、遊離するため、一般に温泉の温度は低くめです。炭酸ガスは皮膚から吸収され、毛細 血管や細小動脈を拡張し、血液の循環をよくするため温泉の温度が低くても入浴後は温まります。また、心臓の拍動を増加させなくても血液の循環が良くなるた め、血圧を下げる特徴もあります。高血圧や心臓病に効くのはこのためで「心臓の湯」とも呼ばれています。
●硫酸塩泉はアルカリ金属・アルカリ土類金属の硫酸塩を主成分としていることからこの名称が付いています。この種の温泉は薬効が高いと言われています。改善効果のあるおもな疾患は高血圧、脳梗塞、糖尿病、動脈硬化、肥満、リウマチなどがあります。
●硫黄泉は卵が腐ったような臭いがあります。また湧出後湯船にて温泉の不溶性成分である析出・沈殿物である「湯の花」により白濁する温泉も多いのが特徴です。生活習慣病の湯と言われており、高血圧、動脈硬化、糖尿病の改善に効果があります。
*以前、朝日放送の健康番組「たけしの本当は怖い家庭の医学」でも取り上げられた「硫黄泉」について。
硫 黄泉の主成分は硫化水素といわれる成分です。硫化水素は火山から噴出されるガスに含まれ、それが山に蓄えられた地下水と交わることで硫黄泉が産まれること が多いということです。効能については様々な効果が言われていて、慢性皮膚病・高血圧症・動脈硬化症・慢性婦人病など、最新の研究により効果が認められた のは高血圧の改善です。硫黄泉の権威・埼玉医科大学医学部教授の倉林均先生によると、硫黄泉に溶けている硫化水素というものが血管を拡張する作用があるそ うです。
硫黄泉」に入浴すると、「硫黄泉」に溶けている硫化水素が体の皮膚の表面から体内に取り込まれ、血管 内部まで浸透します。すると血管は、酸素濃度が低下したと勘違いして、血管内に酸素を増やす為、血管を拡張させます。血管が拡張することでと血圧は下がり ます。継続的に「硫黄泉」に入浴すると、血管の拡張が繰り返され、血管のストレッチ効果で硬くなった血管がしなやかになるそうです。
●日本国内「硫黄濃度の高い温泉」ランキング
1位 万座温泉(群馬県) 硫黄濃度:272mg/1リットル
2位 月岡温泉(新潟県) 硫黄濃度:170.6mg/1リットル
3位 高湯温泉(福島県) 硫黄濃度:113.6mg/1リットル
4位 日光湯元温泉(栃木県) 硫黄濃度:55.7mg/1リットル
5位 登別温泉(北海道) 硫黄濃度:28.8mg/1リットル
6位 南紀勝浦温泉(和歌山県) 硫黄濃度:26.9mg/1リットル
7位 白骨温泉(長野県) 硫黄濃度:25.4mg/1リットル
8位 乳頭温泉郷(秋田県) 硫黄濃度:17.7mg/1リットル
9位 草津温泉(群馬県) 硫黄濃度:15.8mg/1リットル
10位 酸ヶ湯温泉(青森県) 硫黄濃度:15.2mg/1リットル
<自宅でできる高血圧改善入浴法 - 炭酸入浴剤>
硫黄泉と同じ、血管を拡張させる作用があるのが『炭酸』です。この炭酸を使って、家庭で簡単に再現できる方法が、市販されている炭酸入浴剤をお風呂にいれることです。
1.お湯の温度を39℃にする
お湯の温度を39℃にするのは、炭酸はお湯の温度が高いと気化して炭酸が抜けやすくなるからです。また、炭酸は温かいと感じる神経を刺激するので体感温度が1~2℃上がる為、39℃でも適温のお湯に入っていると感じるためです。
2.入浴剤を入れたあとは、お湯をかき混ぜない
かき混ぜると炭酸が抜けてしまうためです。
3.長めの20~30分、お湯につかる
長めの20~30分、お湯につかるは、39℃のお湯につかった場合、人間の体温が上がるのに時間がかかるため20~30分程度入るのが効果的だからです。
<高血圧の方は、サウナはさけましょう>
血 圧が高めということは、程度の違いこそあれ動脈硬化があるということですから、血圧が正常値の方に比べると血管が詰まるリスクが高い、ということになりま す。このような方がサウナに入ると、脱水状態になるほか、交感神経が刺激されて、急激な血圧上昇や心拍数増加も起こるので、避けていただいたほうがいいで しょう。また、熱いサウナから水風呂へ飛び込むのはもってのほか。いわゆるヒートショックを起こす原因になりますから、これは絶対に避けてください。
※注意
入 浴による感じ方には個人差があります。また入浴時は体調等を考慮し、無理をしないようにしてください。高血圧の人は、温度の高い温泉には入らないようにし ましょう。42°以上のお湯には浸からないのが賢明です。また、高血圧から心臓病を合併症としてお持ちの方は、全身浴は避けて腰くらいまでの部分浴や足湯 などにしましょう。高血圧で治療を受けている方は、温泉に行く前に、かかりつけの医師に相談をするようにしましょう。
・・・ということです。
忙しくて休みが取れない方も、お家のお風呂でぬるめのお湯にゆっくりつかって、のんびりされるのもいいかもしれません。気持ちと身体をリラックスさせることが、高血圧改善の一番の方法ですから。皆様、楽しい休暇をお過ごしください。
http://blog.livedoor.jp/shiz0524/archives/1036630539.html
◆温泉を選ぶ
種類
温泉を選ぶ際には、いくつか選択のポイントがありますが、温泉の泉質は、 効能を期待する人にとって重要なキーポイントになります。泉質には、単純泉、炭酸水素泉(重曹泉)、硫黄泉、塩化物泉、硫酸塩泉などがあります。多くの温 泉がこれらの泉質に含まれる成分を複合して含有していることが多い場合が多いですが、やわらかく肌への刺激が少ない単純泉は、体と心をリラックスさせたい 人へ、肌をつるつるにするといわれる泉質は炭酸水素塩泉、最も温泉らしい香りといえば硫黄泉、体の冷えを改善するとされる塩化物泉、傷を癒す消炎湯といえ ば硫酸塩泉など温泉に期待できる効能は、数多くあります。このように、温泉の定義とは、「温泉法」に定められる、地中から湧出する、鉱水及び水蒸気その他 のガスで、ある一定の温度を保ち、物質を有するものとされています。温泉は、ただの湯ではなく、私たちの健康と生活を支える重要な役割そのものです。温泉 を正しく理解し、よりよい活用をしていきましょう。
北海道地方
北 海道は、日本で最も面積の広い国土を持ち、温泉の数も数えきれないほど存在し、ダイナミックな自然を満喫できる温泉がたくさんあります。観光客をはじめ、 北海道民にとって、憩いの場ということができる味わいのある温泉施設も多く、日帰り入浴を楽しむ人も多く、雄大な自然とクリーンな空気、そして、ここでし か味わうことができないスケール大きさは圧巻の域ということができます。有名な温泉郷は、登別温泉をはじめとして、定山渓温泉、支笏湖、洞爺湖、北湯沢、 朝里川、ニセコ、湯の川、大沼、層雲峡などですが、いたるところに温泉があるといっても過言ではないほど、生活に密着した温泉卿があり、地元住民の安らぎ の場であり、観光客にとっても心から癒される時間となること間違いないすばらしい温泉卿があります。
東北地方
東 北地方の温泉といえば、「生活」そのものということができるほど、庶民に親しまれ、健康管理のひとつとして利用され、欠かすことができない場となっていま す。東北地方の気候から考えても、長い冬の期間を超え、体も心も開放されるような温泉のひと時は、小さい子供から大人まで重要なライフスタイルのひとつと いうことができます。温泉卿をはじめ、健康入浴施設も多く、温かい湯に浸りながら、厳しい冬を乗り越えてきた人々の生活の知恵がそこには根付いているとい うことができるかもしれません。また、温泉の泉質は、高脂血症や高血圧、糖尿病までありとあらゆる病への効果が期待され、健康効果が期待される有効な温泉 が多いことも、人々に愛される由縁ということができます。さらに、温泉は、ただ、その湯に浸るということだけではなく、飲用にも使用され、健康管理に利用 する人も多く、温泉場近くの湧き水には、週末、行列ができるスポットもあり、飲用のための温泉水を販売しているところまであります。さらに、温泉の醍醐味 といえば、美容への働きかけですが、東北人は、肌がうつくしいと評されるように、滑らかで癖のない泉質の温泉が多いということも特徴のひとつです。また、 岩盤浴ブームを作った秋田の玉川温泉では、腰痛やリュウマチをはじめ、様々な働きかけが期待され、観光客をはじめ、健康を求める人々に人気をあつめていま す。東北の温泉は、人々の生活とともに、健康への願いのかけられた希望の場でもあるのです。
関東地方
ス トレス社会と言われる現代で、関東近辺に位置する温泉は、主に、首都圏に住む女性たちの口コミのもと、新たなストレス解消の場として人気を集めています。 東京近郊の温泉施設は、週末を利用した女性客で賑わい、美容と健康を求めて多くの人々が訪れる場となっています。この傾向を受け、首都圏内でも、銭湯ブー ムが起こり、大規模な女性向けの入浴施設ができたり、街中に温泉施設ができたりと、温泉ニーズを生み出しました。首都圏内に位置する、これらの入浴施設 は、深夜遅くまで営業しているため、仕事帰りの人々にとっても利用しやすい温泉として注目されていますが、関東地方は、もともと火山国日本の温泉場が多 く、少し足を伸ばしただけで、都会からタイムスリップしてしまったような、懐かしい雰囲気を兼ね備えつつ、近現代的なサービスを提供する高級温泉が数多く あるということが特徴です。
関西地方
関 西周辺の温泉卿は、森林に囲まれた日本ならではの温泉場が多いことが特徴です。岐阜県の下呂温泉をはじめとした飛騨山脈温泉卿、三重県の鳥羽温泉、兵庫の 城崎温泉、神戸の有馬温泉など、全国的にも知名度が高い有数の温泉があるということができます。また関西地方の温泉場では、肌へを美しく働きが期待できる ほか、胃袋を癒す食の魅力も欠かすことができません。まさに、至れりつくせりの温泉場ということができます。
四国地方
四 国地方の温泉卿では、比較的弱い硫黄泉と、肌をつるつるにするといわれている重曹泉が魅力です。鉱泉が多いため、温度はぬるめとなっており、ゆっくりと温 泉時間を費やすなら、四国の温泉がおすすめです。有名な高知県の重曹泉は、皮膚病をはじめ、美容効果の高い温泉があるほか、四国ならではの食の充実度も楽 しみのひとつです。四国の温泉といえば道後温泉、硫黄泉の祖谷温泉をはじめとして、郷麓温泉、蘇鶴温泉、奥白髪温泉など温泉を緩やかに楽しむことができる 温泉卿が魅力です。
九州地方
温 泉に期待することのひとつには、温泉の効能があげられますが、多くの効能高い九州温泉は、人々が健康のために愛し、利用してきた歴史ある温泉場が多くあり ます。また、九州地方には、日本にあるすべての泉質があつまり、それに応じて多くの効能が期待できます。最近では、温泉ソムリエという民間資格が生まれ、 温泉アドバイザーとして活躍するようになりましたが、九州地方の温泉は、数が多く、それぞれのニーズに応じた泉質選びが可能になり、このようなアドバイ ザーの活用お勧めです。もちろん、古くからの名湯が残る温泉卿であるからこそ、様々な温泉に関する情報誌や雑誌が販売されており、観光ツアーも多く、交通 手段や宿泊施設などあらゆるジャンルから温泉を選ぶことができる選択肢も魅力の一つといえます。イメージは、まさに火山温泉で、湯気の立ち上る温泉街で は、温泉の熱を利用した温泉卵や温泉饅頭がお土産としても人気を集めています。九州地方の代表的な温泉といえば、大分県がダントツ知名度が高いですが、別 府温泉、黒川温泉といった有名温泉は、地域一体をさし、周辺一体が温泉となっているため、泉質によって温泉を選択することもできます。九州の温泉は、観光 客へのサービスが充実しており、温泉観光のメッカということもできます。そのため、お土産品も充実しており、温泉の余韻を楽しむアイテムが多く、一度だけ ではなく、2度3度と足を運ぶ人も多い温泉です。まさに、温泉好きのためのキングオブ温泉ということができるでしょう。
温泉のマナーとルール
日 本人は、温泉好きな国民と言われていますが、日本には世界から珍しい日本の温泉場を求めて多くの観光客が訪れます。その中で、交流の場としてのルール、マ ナーを守り正しく温泉を利用することが一般常識ということができるかもしれません。温泉場は、誰しもが、心と体も開放し、日ごろの垢を落とし、新たな活力 を蓄え、元気になる目的があります。また、その入浴方法にも、健康的に入るための基本的なルールがあります。温泉の入り方について基本的なルールを紹介し ていきたいと思います。まず、温泉湯は共同湯が多いため、実際に入る前には、必ずかけ湯をしましょう。かけ湯をかける際は、心臓から遠い手足からゆっくり とかけまわすと心臓に負担をかけません。また、温泉の泉度は、比較的一定ではないことが多く、源泉賭け流しの場合には、高温の場合もあります。そのため、 その泉温に応じた時間、入るよう注意が必要です。温泉の保温効果は高いため、できるだけぬるめの湯にじっくりと時間をかけて入ることが全身の血行促進に効 果的だといわれています。また、温泉成分は、皮膚から吸収され、血行を促進します。そのため、温泉の成分を全身にいきわたらせるためにも、全身を洗いま しょう。温泉成分によっては、石鹸の泡が立ちにくい場合もありますが、温泉の成分で皮膚が柔らかくなっているため、洗浄する際にはやさしく洗うことをおす すめします。最後に、温泉場では、血行が改善され、通常の入浴より水分が失われている場合が多いため、入浴前後には水分補給が必要です。また、気持ちよさ から「はしご湯」や「長湯」をしてしまうことがありますが、40分程度とし、温泉に入った後は、1時間ほど休憩することが必要です。このようなルールは、 その人の体質や体力などに応じて若干変化しますが、温泉の健康効果を増加させる基本的なルールでもあります。より楽しい時間に過ごすためには、マナーを 守ってスマートに入浴することで、温泉を利用する全ての人が気持ちよく、よい時間を過ごすことができるのではないでしょうか。
http://www.anarchist-action.org/shurui/
習近平訪米を冷ややかに待つワシントン
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月10日(木曜日)
通算第4653号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
冷ややかに習近平の訪米をまつホワイトハウス
米中間にこれほど冷たい風が吹いたことは国交回復以後なかった
***********************
習近平は9月22日から28日まで訪米する。
23日にワシントン入りし、25日にホワイトハウスでオバマ大統領と懇談をはさんで各種歓迎行事に出席するが、習近平が希望した議会での演説は米側がやんわりと「拒否」した。
習は28日に国連で演説する。安倍首相の国連演説は27日の予定という。
安倍首相訪米は大歓迎され、議会での演説は議員が総立ちとなって拍手した。対照的に習近平を待ち受ける米国の空気は冷たい。
まるで氷のように議会、ホワイトハウス、マスコミが凍てついている。
「国賓待遇をやめろ」、「訪米そのものをキャンセルせよ」、「ハッカーを止めない中国に制裁を!」という声は巷のナショナリストが叫んでいるのではない。れっきとして大統領候補が堂々と中国批判を繰り返しているのだ。
第一に9月3日の軍事パレードで、新型兵器、とりわけミサイルを陳列示威したが、米国東海岸に届くDF21のほか、通称「空母キラー」、「グアムキラー」と呼ばれるミサイルが多数ならび、米国を苛立たせた。
「この軍事パレードは『反日』『抗日』ではない。明らかに米国を攻撃するミサイルの展示であり、米国を敵視している」というのが米国の実直な感想なのである。
第二にアラスカの米国領海に中国軍艦五隻が航行した。しかも北京の軍事パレードとタイミングを合わせていたことは、米国の反中国感情に正面から火を付け た。中国が言っている「平和」「覇権を求めない」なんて嘘じゃないか。ならば、米国は控えてきたが、南シナ海への軍艦派遣もありうると反応した。
第三に上海株暴落に連鎖したかたちで、ウォール街の株価暴落に、老人年金、自治体年金が悲惨なほどの被害を被り、アメリカ人個人投資家がむくれていること が、世論のバックにある。しかも上海暴落を中国メディアは「米国が悪い」とすり替えたことにも米人投資家らは怒りを覚えた。
第四に主要マスコミも、ハッカー攻撃に苛立ち、これまでの中国重視をすっかり変節して、中国非難の合唱に加わっていることだ。
9月7日付けニューヨークタイムズの五面に「習首席訪米大歓迎、熱烈歓迎」という異色の広告がでたが、これは中国の出版社がだした『習近平時代』という600ページもの新刊書の広告だった。
どうみても中国がお家芸の対米世論工作であり、政治宣伝工作の一環である。中文と英語版が同時発売というのも、なにやら政治工作の匂いが強い。
▲米国はマスコミも民間人も議会も総立ちで中国きらい
米国マスコミは、ことしにはいってからでも自由民権派弁護士の大量逮捕など、米国の政治原則を揺るがす人権弾圧を強く糾弾し、同時に中国のしかけている ハッカー攻撃に強い怒りを表してきた。なにしろニューヨークタイムズも、ウォールストリートジャーナルも編集部が中国のハッカー攻撃をうけた。
共和党の大統領候補として名乗りを上げているドナルド・トランプは『人民元切り下げはドル体制を脅かすものであり、習近平訪米の国賓待遇をとりやめろ』と演説した(8月24日)。
同スコット・ウォーカーはもっと過激で「訪米そのものを中止させよ」と叫び、『市場の混乱はすべて中国に責任がある』と獅子吼した。
米国内で中国を褒めているのは前世界銀行総裁のロバート・ゼーリックくらいである。かれは『米中関係はステーク・ホルダーだ』と提議し、ブレジンスキーとともにG2関係と持ち上げた親中派である。
英国マスコミは『習訪米はトウ小平以来の重要な外交行事となる』などと、変な持ち上げ方をしているが、これは米国マスコミ論調と百八十度ことなる。英国はAIIBに真っ先に参加表明するなど、このところドイツとともに、その対米協調路線が大幅に修正されている。
ならば貿易・通商関係で米中関係の重要性を説く人はいないか、と言えば米国実業界でも少数派である。
理由は貿易において、米国の対中国依存度は7%台であり、重視する必要性がなくなっているからである。
巨額を投資してきた米国の投資銀行も中国の提携銀行や証券会社への出資をとうに引き上げた。
ちなみに対中国輸出の国別ランキングを一覧してみょう。
対中国輸出依存度ランク
~~~~~~~~~~~
(1)モンゴル 90%
(2)北朝鮮 76
(3)コンゴ 53・8
(4)アンゴラ 44・7
(5)コンゴ共和国 43
(6)オマーン 38・2
(7)豪州 36・1
(8)南アフリカ 32
(9)スーダン 31・5
(10)イエーメン 29・4
(11)台湾 27・1%
(12)イラン 26・8
(13)韓国 26・1
(14)ラオス 25・1
(15)チリ 24・9
(16)ミャンマー 24・5
(17)カザフスタン 22・7
(18)ニュージーランド 20・8
(19)イラク 19・7
(20)ブラジル 19
(21)日本 18・1%
(22)キューバ 15・2
(23)マレーシア 14・2
欄外
米国 7・7%
ロシア 6・8
ドイツ 5・4
カナダ 4・4
なるほど北京の軍事パレードに親日国である筈のモンゴルが参加した理由も、よく分かる。中国がお得意様という資源国が上位十傑に並んでいる。
つづいて工業中進国と資源国がつづき、あれほど中国依存が高いと言われた日本は21位でしかないことも歴然とするのである。
習近平は権力基盤を急ぎ、軍事力誇示という拙速行動にでたことにより、外交的に大きな失敗を演じる結果を招いたのである。
http://melma.com/backnumber_45206_6258243/
◆中国、南シナ海に3本目の滑走路を建設か
2015.09.16 CNN
香港(CNN) 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)はこのほど、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島にある岩礁に3本目の滑走路を建設している可能性を指摘した。
中国が南シナ海に造成する人工島
今月8日に撮影された衛星画像を分析した結果だという。
CSISの専門家、グレッグ・ポーリング氏によると、中国は南シナ海のミスチーフ礁に長さ約3000メートルに及ぶ長方形の埋め立て地を作ったとみられる。すでにファイアリークロス礁、スービ礁の人工島で工事を始めている滑走路と同じ形に見える。
ポーリング氏は「新たな滑走路だとしたらこれで3本目になる」と述べた。いずれも、中国の人民解放軍が保有するすべての戦闘機に対応できる規模とされる。
「これらの場所はわずか1年ほどの間に、支柱の上の前哨基地から滑走路が作れる規模の島に変化した」と、ポーリング氏は指摘する。3本の滑走路はどれもまだ稼働していないが、ファイアリークロス礁では仕上げのペンキ塗り作業に入っている模様だ。
南シナ海では中国と東南アジア諸国が領有権を争っている。中国が昨年、岩礁の埋め立てを加速したことに対し、近隣諸国は強い警戒感を表明。米国も工事の即刻中止を求めてきた。
中国は今年6月、埋め立て作業はほぼ完了したと発表したが、埋め立てた島に各種施設を設ける工事は続けるとの方針を示していた。
ポーリング氏によれば、ベトナムやフィリピン、台湾、マレーシアもこの海域に滑走路を建設しているが、現在主流となっている第4世代ジェット戦闘機には対応していない。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は来週、米国を訪問する。オバマ米大統領との会談では、南シナ海での埋め立て工事が主要議題のひとつとなる見通しだ。ポーリング氏によると、3本目の滑走路建設が両首脳の間の溝をさらに深める事態も懸念される。
http://www.cnn.co.jp/world/35070600.html?ref=rss
◆日本だけではない脱中国、しかし米大企業は進出加速
デルは15兆円投資、IBM、インテル、シスコ、アップルも
2015.9.15 堀田 佳男 JB PRESS
中国への超大型投資を決めたマイケル・デルCEO〔AFPBB News〕
戦後70年安倍談話~中国株式会社の研究(268)
2015.8.17 宮家 邦彦 JB PRESS
首相官邸で会見し、戦後70年談話を発表する安倍晋三首相〔AFPBB News〕
今回の原稿は週末ワシントンからの帰国便の中で一気に書き上げた。安倍晋三首相による戦後70年談話の発表は米国東部時間で8月14日早朝。米政府関係者とワシントンの日本大使館館員には朝早くから「ご苦労様」としか言いようがない。
というわけで、今回のテーマは戦後70年談話をめぐる米中の温度差から垣間見える米中関係の行方である。
ホワイトハウス報道官声明
安倍首相による戦後70年談話の発表は東京時間で8月14日午後6時、ワシントン時間では同日早朝5時だった。さらに、日本政府による諸外国に対する事前 通報は、閣議決定である以上、東京時間で同日午後5時(ワシントン時間午前4時)から開かれる臨時閣議の後とならざるを得ない。
そのような時系列の中でホワイトハウス報道官が「歓迎声明」を関係者にメール送信したのはワシントン時間の午前9時56分だった。たまたま同日10時過ぎ に旧知の米政府関係者と雑談する機会があったが、その人物も既に同声明を持っており、早速筆者にもコピーをくれた。やはり持つべきは友人だ。
さて、ホテルに帰ってこの一見素っ気ない米政府の短い正式声明を読み直してみた。元公務員の性なのか、行間から多くのことが読み取れた。10年前までこん なことばかりやっていたからか、どうもこの種の文書は行間が気になるのだ。筆者が注目した声明の内容と筆者のコメントをご紹介しよう。
●我々は、第2次大戦中に日本がもたらした被害に対し安倍首相が痛切な反省を表明したこと、および歴史に関する過去の日本政府の声明を引き継ぐというコミットメントを歓迎する。
We welcome Prime Minister Abe’s expression of deep remorse for the suffering caused by Japan during the World War II era, as well as his commitment to uphold past Japanese government statements on history.
【筆者コメント1】
安倍首相の「痛切な反省の表明」を歓迎するということは日本に対し「お詫び」までは求めないということ。「過去の政府の声明」を引き継ぐことを歓迎すると いうことは、米国政府の理解として、これらの声明の中に村山・小泉談話だけでなく、いわゆる河野談話をも含むことを暗示している。
●この(70年間の日本の平和・民主主義・法の支配へのコミットメントという)記録は世界のあらゆる国家にとってモデルとなるものだ。
This record stands as a model for nations everywhere.
【筆者コメント2】
ここで重要なことは、名指しこそしないものの、戦後の日本を模範とすべき国家として中国や韓国を念頭に置いていると思われることだ。
中国の沈黙
以上の通り、今回の米政府の反応は前向きかつフェアだったと思う。その点は同様の声明を発表した豪州なども同様だ。これに対し、今のところ中国側は静か で、安倍談話の内容そのものについて直接の批判は控えている。報じられている範囲内で中国側の反応をご紹介すれば以下の通りだ。
●中国側は日本の指導者の関連談話に注目している。外交部の張業遂副部長は日本の木寺昌人大使に対し中国側の厳正な立場を表明した。(14日、外交部報道官の応答内容)
●張副部長は、「日本軍国主義が戦争を発動したことにより、中国とアジアの被害国人民が深刻な災難をこうむったこと」や「歴史を銘記し、正義の要求を守ることが、日本とアジア隣国の関係を改善する重要な基礎であり、未来を開く前提になる」と主張した。(同上)
●日本は軍国主義の侵略戦争の性質と戦争の責任に対して明確に表明し、被害国人民に対し誠意ある謝罪をし、軍国主義の歴史と徹底的に決別すべきだ。この重大な原則問題については、いかなる覆い隠しもすべきでない。(同上)
●談話にある「お詫び」や「反省」は、歴代内閣の歴史認識を間接的に引用したにすぎず、日本側は(お詫びについて)直接の表明は避けた。(14日、新華社)
● 「侵略」「植民地支配」「反省」と「お詫び」などキーワードはあるが、文脈、とりわけ誠意の面で「村山談話」とは大きな違いがある。日本が侵略と植民地支 配の歴史に誠意を持って向き合わず、心から反省とお詫びをしなければ、国際社会から信頼を得られず、平和への貢献もない。(15日、人民日報)
【筆者コメント3】
これは事実上の沈黙にも等しいのではなかろうか。報道官は「日本の指導者」にのみ言及し、安倍首相を名指していない。中国側の「厳正な立場」にも目新しい 点はない。談話の個々具体的内容には批判を控えている。これには最近の中国側の対日政策の変化が関係しているのかもしれない。
そもそも中国が対日政策を戦術的に変更したのは昨年の夏のことであり、中国側は安倍談話が村山談話と同じ内容にならないことをある程度覚悟していたはず だ。もし中国側にとって村山談話の完全踏襲が政治的に不可欠であれば、昨年11月と今年の4月の日中首脳会談はそもそも実現しなかっただろう。
冒頭の米政府の「歓迎声明」が極めて明確かつ力強いものであったことも、中国側が的外れな対日批判を控えている理由かもしれない。やはり中国の最大関心事 は日本などではなく、ワシントンが中国を見る目なのだ。当然だろう、9月には習近平国家主席の訪米が控えているのだから。
ワシントンポスト社説
そのワシントンの中国に対する雰囲気を象徴すると思われるのが8月15日付ワシントンポスト社説だ。
「安倍首相の平和の申し出(Mr. Abe’s peace offering)」と題するこの社説、副見出しこそ「明白な謝罪はないものの、日本の首相は日本がもたらした損害を認めた(Without outright apologizing, the Japanese premier acknowledges the damage his nation inflicted.)」だったが、その真の対象は中国のようだ。
●アジアでの歴史の直視には 二重基準がある。中国政府関係者はその国民が、日本軍と実際には誰が戦ったか、大躍進時代に何百万の中国人が犠牲になったか、1989年天安門でいかなる 弾圧があったかなどの20世紀の真実を学ぶことを許さない一方、日本政府の第2次大戦に関する公式声明の一言一句に注文を付ける権利があると考えている。 このことは安倍談話を考えるうえで念頭に置くべきだ。
●日中両国には安倍首相がより明確に謝罪すべしという声もあるが、そう主張する日本人は、中国とは異なり、自らの指導者を批判する際、少なくとも政府による法的措置を恐れる必要はない。
●安倍首相が謝罪を繰り返さなかったことは悲しいことだが、同時に、今回の安倍談話は彼の批判者たちが懸念したよりも、はるかに和解志向であり、かつ非民族主義的である。
●どの国にとっても過去の醜い歴史を直視することは容易ではない。米国ですら南北戦争終了後150年経っても南軍関係者の銅像に是非について議論があるではないか。
●安倍首相と同様に、もし中国が過去の歴史の議論についてより開放的になれば、中国の隣国も南シナ海での中国の拡張主義的活動への疑念を減らすことができるだろう。
【筆者コメント4】
米国ではワシントンポストよりもニューヨークタイムズの方が日本に批判的だが、それにしてもこの社説には驚いた。題材は安倍談話だが、主眼はむしろ中国批 判だとすら思える。ちなみに8月16日現在、ニューヨークタイムズの安倍談話関連社説はない。批判が難しいからか、理由は不明だ。
米国アジア村の反応
最後に、米国のアジア専門家について一言。今回のワシントン出張は別件だったため、あまり多くのアジア村住人と意見交換をする機会はなかった。総じてい言 えば、今回の安倍談話は事前の予想以上に内容面でバランスが良く取れており、談話を厳しく批判する向きはごく少数だと感じている。
最近筆者は米国のアジア関係識者に対し、次のように言い続けてきた。
(1)従来から歴史問題で日本は国論が割れていたため中国や韓国の介入を許してきた。
(2)1995年に作られた村山談話は国論を収斂させるどころか、逆に左右の亀裂を深めてしまった。
(3)そのような亀裂を修復し、国論を収斂させることができるのはリベラルではなく保守の政治家だ。
(4)サダトと握手したイスラエルのベギン首相も、毛沢東と握手したニクソン大統領も、いずれも保守強硬派だったからこそ、国論の分裂が収斂し、新たなコンセンサスが生まれたのだ。
(5)されば、日本で歴史問題に関するコンセンサス作りが可能なのは保守強硬派の安倍首相である。
(6)今回の安倍談話をリベラル派が批判し、保守派が歓迎するようならば、歴史問題に関する国民的コンセンサス作りの第一歩となるかもしれない。
そのことを理解し、将来の中国との競争に備えるべしと考える米国人識者は沈黙を守っている。これに対し、それを理解できないアジア専門家の一部は安倍政権 を批判し続けるだろう。米主要紙の若いアジア特派員の大半は後者だが、幸い今回のワシントンポスト社説は前者を代弁する声なのかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44547
◆中国との対立を避け 台湾に屈辱と困難を強いる米国
2015年08月26日 WEDGE Infinity
米下院軍事委員会シーパワー・戦力投射小委員会のフォーブス委員長が、7月16日付けウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿にて、米国は種々の対台湾 軍事交流等に係る制約を撤廃し、台湾を合同演習に参加させる等米の安全保障体制の中に含めていくべきである、と主張しています。
すなわち、中国の「平和台頭」論は不誠実なスローガンとなってしまった。中国は隣国の領有権主張を無視して南シナ海では人工島を造り、大砲や滑走路を設置 している。南シナ海でも国防識別圏を設定すると見られている。隣国漁船の威嚇や領海、領空の侵犯は恒常的になっている。
豪州、日本、越などは、米国の強い対応を求めるとともに、米国との関係強化を図ろうとしている。しかし、米国は、中国との対立を避けるため、台湾に種々の 屈辱と困難を強いて来ている。台湾が必要とする武器の供与を定める台湾関係法が成立して36年が経つというのに、米国の指導者達は、つまらない、逆効果を 招く台湾政策を取っている。
大佐以上の米国軍人は台湾を訪問できない。台湾の総統や高官はワシントンを訪問 できない。訓練のため米に向かう台湾の軍人は、制服を着て入国することができない。台湾の海軍兵学校生はハワイやグアムを訓練訪問できない。友好国台湾に 対するこのような卑劣な規制は、米国の対中関係の実体を露呈している。台湾、チベットや人権など中国が敏感な問題に対して、米国の政策立案者達は一貫して 屈従的な宥和姿勢を取ってきた。かかる米国の姿勢は、中国を一層大胆にさせ、同盟国の安全と国際ルールを守るという米国の信頼性も損なって来た。
米国の台湾政策は、安全保障上の協力関係と民主主義の進展という米国の戦略的利益を反映すべきもので、中国の指導者の怒りを買うのではないかとの恐怖を反 映するものであってはならない。米国は、二国間関係の規制を撤廃し、台湾の軍事力を米の安全保障体制の中に含めていくべきだ。
まず、空軍レッド・フラッグ合同演習などの主要訓練への参加を招請すべきだ。米台は、先進レーダーデータの共有、損傷滑走路の修繕、人道支援などの分野で軍事協力を進めているが、高度な協力には依然慎重である。
米国の対中関係は複雑かつ多面的である。しかし、過去の経験を見れば、こちら側が弱い立場を見せた時、中国が決して前向きに反応しないことは明白である。 台湾につまらない屈辱を強いたり、必要な訓練への参加を認めないことにより、事実上中国に拒否権を与えている。米国は友邦を守りアジア太平洋の国際秩序を 堅持することを中国に見せるべきだ、と論じています。
出典:J. Randy Forbes,‘Taiwan Needs a Strong Ally’(Wall Street Journal, July 16, 2015)
http://www.wsj.com/articles/taiwan-needs-a-strong-ally-1437066509
* * *
この論説から、軍人の交流や総統の訪米などについて、米台関係が種々の規制を受けていることがよく分かります。フォーブスが中国配慮に基づくつまらない屈 辱的な規制は撤廃すべきだと主張するのは、下院軍事委海軍力等小委員長としては当然でしょう。フォーブスはこれらの規制は「米国の指導者達」の一貫した政 策の結果だとして批判していますが、具体的にどの政権ということは明言していません。米国の台湾政策は、共和、民主党政権を問わず、基本的には72年の米 中共同声明とその後の両国のやり取りを通じて、積み重ねられたものだからでしょう。しかし、その中でも1998年のクリントン大統領の3つのノー政策(台 湾の独立不支持、二つの中国及び一中一台の不支持、台湾の国連等国際機関への加盟不支持)の発表は、米国内で批判されました。
フォーブスは、中国に弱さを見せると中国は益々大胆な行動を取ってくると対中警戒論を述べています。少なくとも今までの中国の行動を見れば、正しい指摘で す。我が国も、この点を十分認識しておくことが重要です。世界で経済力をつけ、責任も持つようになった中国と協調することは結構ですが、中国に「弱さ」と 誤解されないようにしなければなりません。
他方、中国は、一つの中国の原則に基づき、国内法や政府の発言を 通じて、台湾が独立宣言をすれば、武力行使を辞さないと宣言しています(2005年の反国家分裂法により明文化)。中国が、過去3回、台湾海峡で武力行使 を含む危機を起こしたことを考えると、あながちブラフと片付ける訳にはいきません。米国は、台湾海峡で紛争が起きることは避けるべきだと考えています。中 国に対する過度に強硬な姿勢によって武力紛争が起きるようなことは避けつつ、中国に「弱さ」とみられないよう、ぎりぎりのラインを追及していく他ないで しょう。台湾問題は、「現状維持」以外に現実的な解はありません。米国は、中国については関係発展と行動の牽制、台湾については防衛支持と行動の抑制とい う2つのゲームを同時にやっているのです。
なお、台湾問題は基本的に国家間の関係の問題として議論されますが、この問題の議論に当たっては、もっと台湾住民の考えを重視することが必要だと思います。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5273
目覚めよ日本!
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月10日(木曜日)
通算第4653号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
冷ややかに習近平の訪米をまつホワイトハウス
米中間にこれほど冷たい風が吹いたことは国交回復以後なかった
***********************
習近平は9月22日から28日まで訪米する。
23日にワシントン入りし、25日にホワイトハウスでオバマ大統領と懇談をはさんで各種歓迎行事に出席するが、習近平が希望した議会での演説は米側がやんわりと「拒否」した。
習は28日に国連で演説する。安倍首相の国連演説は27日の予定という。
安倍首相訪米は大歓迎され、議会での演説は議員が総立ちとなって拍手した。対照的に習近平を待ち受ける米国の空気は冷たい。
まるで氷のように議会、ホワイトハウス、マスコミが凍てついている。
「国賓待遇をやめろ」、「訪米そのものをキャンセルせよ」、「ハッカーを止めない中国に制裁を!」という声は巷のナショナリストが叫んでいるのではない。れっきとして大統領候補が堂々と中国批判を繰り返しているのだ。
第一に9月3日の軍事パレードで、新型兵器、とりわけミサイルを陳列示威したが、米国東海岸に届くDF21のほか、通称「空母キラー」、「グアムキラー」と呼ばれるミサイルが多数ならび、米国を苛立たせた。
「この軍事パレードは『反日』『抗日』ではない。明らかに米国を攻撃するミサイルの展示であり、米国を敵視している」というのが米国の実直な感想なのである。
第二にアラスカの米国領海に中国軍艦五隻が航行した。しかも北京の軍事パレードとタイミングを合わせていたことは、米国の反中国感情に正面から火を付け た。中国が言っている「平和」「覇権を求めない」なんて嘘じゃないか。ならば、米国は控えてきたが、南シナ海への軍艦派遣もありうると反応した。
第三に上海株暴落に連鎖したかたちで、ウォール街の株価暴落に、老人年金、自治体年金が悲惨なほどの被害を被り、アメリカ人個人投資家がむくれていること が、世論のバックにある。しかも上海暴落を中国メディアは「米国が悪い」とすり替えたことにも米人投資家らは怒りを覚えた。
第四に主要マスコミも、ハッカー攻撃に苛立ち、これまでの中国重視をすっかり変節して、中国非難の合唱に加わっていることだ。
9月7日付けニューヨークタイムズの五面に「習首席訪米大歓迎、熱烈歓迎」という異色の広告がでたが、これは中国の出版社がだした『習近平時代』という600ページもの新刊書の広告だった。
どうみても中国がお家芸の対米世論工作であり、政治宣伝工作の一環である。中文と英語版が同時発売というのも、なにやら政治工作の匂いが強い。
▲米国はマスコミも民間人も議会も総立ちで中国きらい
米国マスコミは、ことしにはいってからでも自由民権派弁護士の大量逮捕など、米国の政治原則を揺るがす人権弾圧を強く糾弾し、同時に中国のしかけている ハッカー攻撃に強い怒りを表してきた。なにしろニューヨークタイムズも、ウォールストリートジャーナルも編集部が中国のハッカー攻撃をうけた。
共和党の大統領候補として名乗りを上げているドナルド・トランプは『人民元切り下げはドル体制を脅かすものであり、習近平訪米の国賓待遇をとりやめろ』と演説した(8月24日)。
同スコット・ウォーカーはもっと過激で「訪米そのものを中止させよ」と叫び、『市場の混乱はすべて中国に責任がある』と獅子吼した。
米国内で中国を褒めているのは前世界銀行総裁のロバート・ゼーリックくらいである。かれは『米中関係はステーク・ホルダーだ』と提議し、ブレジンスキーとともにG2関係と持ち上げた親中派である。
英国マスコミは『習訪米はトウ小平以来の重要な外交行事となる』などと、変な持ち上げ方をしているが、これは米国マスコミ論調と百八十度ことなる。英国はAIIBに真っ先に参加表明するなど、このところドイツとともに、その対米協調路線が大幅に修正されている。
ならば貿易・通商関係で米中関係の重要性を説く人はいないか、と言えば米国実業界でも少数派である。
理由は貿易において、米国の対中国依存度は7%台であり、重視する必要性がなくなっているからである。
巨額を投資してきた米国の投資銀行も中国の提携銀行や証券会社への出資をとうに引き上げた。
ちなみに対中国輸出の国別ランキングを一覧してみょう。
対中国輸出依存度ランク
~~~~~~~~~~~
(1)モンゴル 90%
(2)北朝鮮 76
(3)コンゴ 53・8
(4)アンゴラ 44・7
(5)コンゴ共和国 43
(6)オマーン 38・2
(7)豪州 36・1
(8)南アフリカ 32
(9)スーダン 31・5
(10)イエーメン 29・4
(11)台湾 27・1%
(12)イラン 26・8
(13)韓国 26・1
(14)ラオス 25・1
(15)チリ 24・9
(16)ミャンマー 24・5
(17)カザフスタン 22・7
(18)ニュージーランド 20・8
(19)イラク 19・7
(20)ブラジル 19
(21)日本 18・1%
(22)キューバ 15・2
(23)マレーシア 14・2
欄外
米国 7・7%
ロシア 6・8
ドイツ 5・4
カナダ 4・4
なるほど北京の軍事パレードに親日国である筈のモンゴルが参加した理由も、よく分かる。中国がお得意様という資源国が上位十傑に並んでいる。
つづいて工業中進国と資源国がつづき、あれほど中国依存が高いと言われた日本は21位でしかないことも歴然とするのである。
習近平は権力基盤を急ぎ、軍事力誇示という拙速行動にでたことにより、外交的に大きな失敗を演じる結果を招いたのである。
http://melma.com/backnumber_45206_6258243/
◆中国、南シナ海に3本目の滑走路を建設か
2015.09.16 CNN
香港(CNN) 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)はこのほど、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島にある岩礁に3本目の滑走路を建設している可能性を指摘した。
中国が南シナ海に造成する人工島
今月8日に撮影された衛星画像を分析した結果だという。
CSISの専門家、グレッグ・ポーリング氏によると、中国は南シナ海のミスチーフ礁に長さ約3000メートルに及ぶ長方形の埋め立て地を作ったとみられる。すでにファイアリークロス礁、スービ礁の人工島で工事を始めている滑走路と同じ形に見える。
ポーリング氏は「新たな滑走路だとしたらこれで3本目になる」と述べた。いずれも、中国の人民解放軍が保有するすべての戦闘機に対応できる規模とされる。
「これらの場所はわずか1年ほどの間に、支柱の上の前哨基地から滑走路が作れる規模の島に変化した」と、ポーリング氏は指摘する。3本の滑走路はどれもまだ稼働していないが、ファイアリークロス礁では仕上げのペンキ塗り作業に入っている模様だ。
南シナ海では中国と東南アジア諸国が領有権を争っている。中国が昨年、岩礁の埋め立てを加速したことに対し、近隣諸国は強い警戒感を表明。米国も工事の即刻中止を求めてきた。
中国は今年6月、埋め立て作業はほぼ完了したと発表したが、埋め立てた島に各種施設を設ける工事は続けるとの方針を示していた。
ポーリング氏によれば、ベトナムやフィリピン、台湾、マレーシアもこの海域に滑走路を建設しているが、現在主流となっている第4世代ジェット戦闘機には対応していない。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は来週、米国を訪問する。オバマ米大統領との会談では、南シナ海での埋め立て工事が主要議題のひとつとなる見通しだ。ポーリング氏によると、3本目の滑走路建設が両首脳の間の溝をさらに深める事態も懸念される。
http://www.cnn.co.jp/world/35070600.html?ref=rss
◆日本だけではない脱中国、しかし米大企業は進出加速
デルは15兆円投資、IBM、インテル、シスコ、アップルも
2015.9.15 堀田 佳男 JB PRESS
中国への超大型投資を決めたマイケル・デルCEO〔AFPBB News〕
中国市場でこのところ、不可思議とも思える動きが見られる。
数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。
中国はいまでも世界最大の市場だが、利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがある。差違は何なのか。
シアトルの米中会談に企業トップも
9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔を合わせる円卓会議が開かれる。
そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMのバージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。
両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。
ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。例えば、今年だけでもシチズン・ホールディングズの合併会社「西鉄城精 密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を移転すると発表した。それだけ撤退の 波は大きいのだ。
企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。しかも、理由は1つや2つではない。大きく5点にまとめてみた。
1つは中国市場での人件費の高騰だ。工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国では約8万円である。
単純比較すると、中国の方がまだ3分の1に収まっているが、10年前までは10分の1だったので約3倍も人件費が上がったことになる。特にリーマンショック後の高騰が目立つ。
2つ目は人民元高による生産コストの上昇だ。中国は8月に人民元の切り下げを実施したが、それでも人民元高は続いている。2011年秋には1人民元が約12円だったが、今春には約20円まで元高が進んでいた。
切り下げ後は18円前後だが、依然として元高は変わらず、日系企業の利益を圧迫することになる。
外国企業狙い撃ちの法人税アップ
3つ目は中国の法人税率の上昇である。実は中国の法人税は2007年末まで、外資系企業に対しては15%だった。一方、同時期の中国系企業の税率は33%で、外資系企業に優遇税制がとられていた。
ところが2008年から中国系も外資系も一律に25%となったのだ。低率の法人税を期待して中国市場に進出した企業は、計算が違ったと落胆したに違いない。
しかも突如として15%から25%に上げるとの通達を出したのだ。大規模な事業を見込んでいた企業にとっては大きな痛手になった。
4つ目は中国国内の製造業の生産過剰が深刻化していることだ。つまり供給過多に陥って製品が売れにくくなっているのだ。例えば2014年の中国国内の粗鋼生産量は8.2億トンで、世界市場(16.3億トン)のほぼ半分を占めていた。
8.2億トンの約3割は生産過剰と言われている。さらに平板ガラスやセメントなども生産過剰の状態にあり、採算が取れなくなっている企業もある。
5つ目は中国政府による環境規制の強化である。企業によっては環境規制を守るため、コストを割いてかなりの企業努力を強いられている。負担だけ増して採算が合わなくなる企業が出てきた。外国企業が狙い打ちにされているとの声もある。
中国市場から撤退しているのは日米企業だけでない。韓国企業も精算・売却をする動きを加速させている。韓国輸出入銀行によると昨年、撤退する韓国企業は新しく中国市場に参入する企業の3倍に達したという。
しかし冒頭で記したように、撤退の波と相反するように、いくつかの米大手企業、特にハイテク企業は中国市場への大規模な投資を加速させている。
例えばパソコンメーカーのデルは9月10日、今後5年間で中国市場に1250億ドル(約15兆円)もの巨費を投資すると発表した。単年度ベースでは約3兆円である。
米国でリストラ、中国へは投資
パソコンメーカーとして世界シェア第3位の企業であっても、年間3兆円を中国に投資するという決断は勇断と言って差し支えないし、他の企業とあまりにも戦略が違うように見える。
マイケル・デルCEOは10日、会見で「中国国内で、中国のために」という同社の格言を持ち出しながら、中国への思い入れが強いことを強調した。さらに 「ハイテク企業として、中国の技術革新と経済発展、さらには産業界の技術変革を後押していくことを約束する」とはっきりと述べたのだ。
デルは単に中国で事業を拡大するだけでなく、人口知能(AI)の研究施設を作るため、中国科学院と連携していくことも公表。さらには中国国内で100万の雇用を創設するとも述べた。
しかも米テキサス州の工場に勤務する作業員1万4000人のうちの1700人を解雇し、中国で研究開発に携わる上級エンジニアを2000人雇用するという。
多くの外国企業が中国から撤退するなかで、中国への忠誠とも思える巨額投資を発表したのはデルだけではない。
コンピューター・ネットワーク機器の世界最大の開発企業シスコシステムズ(シスコ)も7月、中国のハイテク産業に100億ドル(約1兆2000億円)の投資を公表した。また世界最大の半導体メーカー、インテルも巨大投資を発表している。
これは何を意味するのか。ハイテク産業の中でも巨額の利益を上げている大企業だからこそ、中国で冒険ができるということなのか――。
前向きな見方をすれば、一党独裁体制をとる共産党と積極的に折り合うことで、ビジネスの成功をつかもうとしているかに見える。大企業だからと言って兆円単位の冒険がやすやすとできるわけではない。
共産党と手を結んだ?
むしろ流れは逆で、多額の調査・研究費をかけて徹底した市場分析を行うと同時に、政治的な「手綱」を巧みに使って、これから進む企業の針路を定めたということだろう。
そのあたりの詳細はメディアに出てきていないが、語弊を怖れずに記すならば、共産党とタッグを組んだと捉えられる。
しかし中国が国外からの投資を快く受け入れるのは、すべて自国企業と政府のためになることが前提であるはずだ。
米ハイテク企業は本当にそれを見越して巨額の投資を決めたのだろうか。中国経済が陰りを見せるなか、いくつもの巨大企業が爆音を立てて倒れないことだけを祈りたい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44780
数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。
中国はいまでも世界最大の市場だが、利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがある。差違は何なのか。
シアトルの米中会談に企業トップも
9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔を合わせる円卓会議が開かれる。
そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMのバージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。
両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。
ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。例えば、今年だけでもシチズン・ホールディングズの合併会社「西鉄城精 密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を移転すると発表した。それだけ撤退の 波は大きいのだ。
企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。しかも、理由は1つや2つではない。大きく5点にまとめてみた。
1つは中国市場での人件費の高騰だ。工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国では約8万円である。
単純比較すると、中国の方がまだ3分の1に収まっているが、10年前までは10分の1だったので約3倍も人件費が上がったことになる。特にリーマンショック後の高騰が目立つ。
2つ目は人民元高による生産コストの上昇だ。中国は8月に人民元の切り下げを実施したが、それでも人民元高は続いている。2011年秋には1人民元が約12円だったが、今春には約20円まで元高が進んでいた。
切り下げ後は18円前後だが、依然として元高は変わらず、日系企業の利益を圧迫することになる。
外国企業狙い撃ちの法人税アップ
3つ目は中国の法人税率の上昇である。実は中国の法人税は2007年末まで、外資系企業に対しては15%だった。一方、同時期の中国系企業の税率は33%で、外資系企業に優遇税制がとられていた。
ところが2008年から中国系も外資系も一律に25%となったのだ。低率の法人税を期待して中国市場に進出した企業は、計算が違ったと落胆したに違いない。
しかも突如として15%から25%に上げるとの通達を出したのだ。大規模な事業を見込んでいた企業にとっては大きな痛手になった。
4つ目は中国国内の製造業の生産過剰が深刻化していることだ。つまり供給過多に陥って製品が売れにくくなっているのだ。例えば2014年の中国国内の粗鋼生産量は8.2億トンで、世界市場(16.3億トン)のほぼ半分を占めていた。
8.2億トンの約3割は生産過剰と言われている。さらに平板ガラスやセメントなども生産過剰の状態にあり、採算が取れなくなっている企業もある。
5つ目は中国政府による環境規制の強化である。企業によっては環境規制を守るため、コストを割いてかなりの企業努力を強いられている。負担だけ増して採算が合わなくなる企業が出てきた。外国企業が狙い打ちにされているとの声もある。
中国市場から撤退しているのは日米企業だけでない。韓国企業も精算・売却をする動きを加速させている。韓国輸出入銀行によると昨年、撤退する韓国企業は新しく中国市場に参入する企業の3倍に達したという。
しかし冒頭で記したように、撤退の波と相反するように、いくつかの米大手企業、特にハイテク企業は中国市場への大規模な投資を加速させている。
例えばパソコンメーカーのデルは9月10日、今後5年間で中国市場に1250億ドル(約15兆円)もの巨費を投資すると発表した。単年度ベースでは約3兆円である。
米国でリストラ、中国へは投資
パソコンメーカーとして世界シェア第3位の企業であっても、年間3兆円を中国に投資するという決断は勇断と言って差し支えないし、他の企業とあまりにも戦略が違うように見える。
マイケル・デルCEOは10日、会見で「中国国内で、中国のために」という同社の格言を持ち出しながら、中国への思い入れが強いことを強調した。さらに 「ハイテク企業として、中国の技術革新と経済発展、さらには産業界の技術変革を後押していくことを約束する」とはっきりと述べたのだ。
デルは単に中国で事業を拡大するだけでなく、人口知能(AI)の研究施設を作るため、中国科学院と連携していくことも公表。さらには中国国内で100万の雇用を創設するとも述べた。
しかも米テキサス州の工場に勤務する作業員1万4000人のうちの1700人を解雇し、中国で研究開発に携わる上級エンジニアを2000人雇用するという。
多くの外国企業が中国から撤退するなかで、中国への忠誠とも思える巨額投資を発表したのはデルだけではない。
コンピューター・ネットワーク機器の世界最大の開発企業シスコシステムズ(シスコ)も7月、中国のハイテク産業に100億ドル(約1兆2000億円)の投資を公表した。また世界最大の半導体メーカー、インテルも巨大投資を発表している。
これは何を意味するのか。ハイテク産業の中でも巨額の利益を上げている大企業だからこそ、中国で冒険ができるということなのか――。
前向きな見方をすれば、一党独裁体制をとる共産党と積極的に折り合うことで、ビジネスの成功をつかもうとしているかに見える。大企業だからと言って兆円単位の冒険がやすやすとできるわけではない。
共産党と手を結んだ?
むしろ流れは逆で、多額の調査・研究費をかけて徹底した市場分析を行うと同時に、政治的な「手綱」を巧みに使って、これから進む企業の針路を定めたということだろう。
そのあたりの詳細はメディアに出てきていないが、語弊を怖れずに記すならば、共産党とタッグを組んだと捉えられる。
しかし中国が国外からの投資を快く受け入れるのは、すべて自国企業と政府のためになることが前提であるはずだ。
米ハイテク企業は本当にそれを見越して巨額の投資を決めたのだろうか。中国経済が陰りを見せるなか、いくつもの巨大企業が爆音を立てて倒れないことだけを祈りたい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44780
◆星条旗新聞5月13日号
「アメリカの4万人兵員削減と安保法制がセット、海外と空軍に集中するため陸軍は自衛隊に肩代わりさせる方針」
↑シナへの地上戦はないな。すぐ降伏する。駐留は日本がやるのか。毛唐は統治する気はないんだな。海の利権だけか。。。
http://www.nikaidou.com/archives/71314
◆安倍談話に沈黙する北京と対中懸念強めるワシントン「アメリカの4万人兵員削減と安保法制がセット、海外と空軍に集中するため陸軍は自衛隊に肩代わりさせる方針」
↑シナへの地上戦はないな。すぐ降伏する。駐留は日本がやるのか。毛唐は統治する気はないんだな。海の利権だけか。。。
http://www.nikaidou.com/archives/71314
戦後70年安倍談話~中国株式会社の研究(268)
2015.8.17 宮家 邦彦 JB PRESS
首相官邸で会見し、戦後70年談話を発表する安倍晋三首相〔AFPBB News〕
今回の原稿は週末ワシントンからの帰国便の中で一気に書き上げた。安倍晋三首相による戦後70年談話の発表は米国東部時間で8月14日早朝。米政府関係者とワシントンの日本大使館館員には朝早くから「ご苦労様」としか言いようがない。
というわけで、今回のテーマは戦後70年談話をめぐる米中の温度差から垣間見える米中関係の行方である。
ホワイトハウス報道官声明
安倍首相による戦後70年談話の発表は東京時間で8月14日午後6時、ワシントン時間では同日早朝5時だった。さらに、日本政府による諸外国に対する事前 通報は、閣議決定である以上、東京時間で同日午後5時(ワシントン時間午前4時)から開かれる臨時閣議の後とならざるを得ない。
そのような時系列の中でホワイトハウス報道官が「歓迎声明」を関係者にメール送信したのはワシントン時間の午前9時56分だった。たまたま同日10時過ぎ に旧知の米政府関係者と雑談する機会があったが、その人物も既に同声明を持っており、早速筆者にもコピーをくれた。やはり持つべきは友人だ。
さて、ホテルに帰ってこの一見素っ気ない米政府の短い正式声明を読み直してみた。元公務員の性なのか、行間から多くのことが読み取れた。10年前までこん なことばかりやっていたからか、どうもこの種の文書は行間が気になるのだ。筆者が注目した声明の内容と筆者のコメントをご紹介しよう。
●我々は、第2次大戦中に日本がもたらした被害に対し安倍首相が痛切な反省を表明したこと、および歴史に関する過去の日本政府の声明を引き継ぐというコミットメントを歓迎する。
We welcome Prime Minister Abe’s expression of deep remorse for the suffering caused by Japan during the World War II era, as well as his commitment to uphold past Japanese government statements on history.
【筆者コメント1】
安倍首相の「痛切な反省の表明」を歓迎するということは日本に対し「お詫び」までは求めないということ。「過去の政府の声明」を引き継ぐことを歓迎すると いうことは、米国政府の理解として、これらの声明の中に村山・小泉談話だけでなく、いわゆる河野談話をも含むことを暗示している。
●この(70年間の日本の平和・民主主義・法の支配へのコミットメントという)記録は世界のあらゆる国家にとってモデルとなるものだ。
This record stands as a model for nations everywhere.
【筆者コメント2】
ここで重要なことは、名指しこそしないものの、戦後の日本を模範とすべき国家として中国や韓国を念頭に置いていると思われることだ。
中国の沈黙
以上の通り、今回の米政府の反応は前向きかつフェアだったと思う。その点は同様の声明を発表した豪州なども同様だ。これに対し、今のところ中国側は静か で、安倍談話の内容そのものについて直接の批判は控えている。報じられている範囲内で中国側の反応をご紹介すれば以下の通りだ。
●中国側は日本の指導者の関連談話に注目している。外交部の張業遂副部長は日本の木寺昌人大使に対し中国側の厳正な立場を表明した。(14日、外交部報道官の応答内容)
●張副部長は、「日本軍国主義が戦争を発動したことにより、中国とアジアの被害国人民が深刻な災難をこうむったこと」や「歴史を銘記し、正義の要求を守ることが、日本とアジア隣国の関係を改善する重要な基礎であり、未来を開く前提になる」と主張した。(同上)
●日本は軍国主義の侵略戦争の性質と戦争の責任に対して明確に表明し、被害国人民に対し誠意ある謝罪をし、軍国主義の歴史と徹底的に決別すべきだ。この重大な原則問題については、いかなる覆い隠しもすべきでない。(同上)
●談話にある「お詫び」や「反省」は、歴代内閣の歴史認識を間接的に引用したにすぎず、日本側は(お詫びについて)直接の表明は避けた。(14日、新華社)
● 「侵略」「植民地支配」「反省」と「お詫び」などキーワードはあるが、文脈、とりわけ誠意の面で「村山談話」とは大きな違いがある。日本が侵略と植民地支 配の歴史に誠意を持って向き合わず、心から反省とお詫びをしなければ、国際社会から信頼を得られず、平和への貢献もない。(15日、人民日報)
【筆者コメント3】
これは事実上の沈黙にも等しいのではなかろうか。報道官は「日本の指導者」にのみ言及し、安倍首相を名指していない。中国側の「厳正な立場」にも目新しい 点はない。談話の個々具体的内容には批判を控えている。これには最近の中国側の対日政策の変化が関係しているのかもしれない。
そもそも中国が対日政策を戦術的に変更したのは昨年の夏のことであり、中国側は安倍談話が村山談話と同じ内容にならないことをある程度覚悟していたはず だ。もし中国側にとって村山談話の完全踏襲が政治的に不可欠であれば、昨年11月と今年の4月の日中首脳会談はそもそも実現しなかっただろう。
冒頭の米政府の「歓迎声明」が極めて明確かつ力強いものであったことも、中国側が的外れな対日批判を控えている理由かもしれない。やはり中国の最大関心事 は日本などではなく、ワシントンが中国を見る目なのだ。当然だろう、9月には習近平国家主席の訪米が控えているのだから。
ワシントンポスト社説
そのワシントンの中国に対する雰囲気を象徴すると思われるのが8月15日付ワシントンポスト社説だ。
「安倍首相の平和の申し出(Mr. Abe’s peace offering)」と題するこの社説、副見出しこそ「明白な謝罪はないものの、日本の首相は日本がもたらした損害を認めた(Without outright apologizing, the Japanese premier acknowledges the damage his nation inflicted.)」だったが、その真の対象は中国のようだ。
●アジアでの歴史の直視には 二重基準がある。中国政府関係者はその国民が、日本軍と実際には誰が戦ったか、大躍進時代に何百万の中国人が犠牲になったか、1989年天安門でいかなる 弾圧があったかなどの20世紀の真実を学ぶことを許さない一方、日本政府の第2次大戦に関する公式声明の一言一句に注文を付ける権利があると考えている。 このことは安倍談話を考えるうえで念頭に置くべきだ。
●日中両国には安倍首相がより明確に謝罪すべしという声もあるが、そう主張する日本人は、中国とは異なり、自らの指導者を批判する際、少なくとも政府による法的措置を恐れる必要はない。
●安倍首相が謝罪を繰り返さなかったことは悲しいことだが、同時に、今回の安倍談話は彼の批判者たちが懸念したよりも、はるかに和解志向であり、かつ非民族主義的である。
●どの国にとっても過去の醜い歴史を直視することは容易ではない。米国ですら南北戦争終了後150年経っても南軍関係者の銅像に是非について議論があるではないか。
●安倍首相と同様に、もし中国が過去の歴史の議論についてより開放的になれば、中国の隣国も南シナ海での中国の拡張主義的活動への疑念を減らすことができるだろう。
【筆者コメント4】
米国ではワシントンポストよりもニューヨークタイムズの方が日本に批判的だが、それにしてもこの社説には驚いた。題材は安倍談話だが、主眼はむしろ中国批 判だとすら思える。ちなみに8月16日現在、ニューヨークタイムズの安倍談話関連社説はない。批判が難しいからか、理由は不明だ。
米国アジア村の反応
最後に、米国のアジア専門家について一言。今回のワシントン出張は別件だったため、あまり多くのアジア村住人と意見交換をする機会はなかった。総じてい言 えば、今回の安倍談話は事前の予想以上に内容面でバランスが良く取れており、談話を厳しく批判する向きはごく少数だと感じている。
最近筆者は米国のアジア関係識者に対し、次のように言い続けてきた。
(1)従来から歴史問題で日本は国論が割れていたため中国や韓国の介入を許してきた。
(2)1995年に作られた村山談話は国論を収斂させるどころか、逆に左右の亀裂を深めてしまった。
(3)そのような亀裂を修復し、国論を収斂させることができるのはリベラルではなく保守の政治家だ。
(4)サダトと握手したイスラエルのベギン首相も、毛沢東と握手したニクソン大統領も、いずれも保守強硬派だったからこそ、国論の分裂が収斂し、新たなコンセンサスが生まれたのだ。
(5)されば、日本で歴史問題に関するコンセンサス作りが可能なのは保守強硬派の安倍首相である。
(6)今回の安倍談話をリベラル派が批判し、保守派が歓迎するようならば、歴史問題に関する国民的コンセンサス作りの第一歩となるかもしれない。
そのことを理解し、将来の中国との競争に備えるべしと考える米国人識者は沈黙を守っている。これに対し、それを理解できないアジア専門家の一部は安倍政権 を批判し続けるだろう。米主要紙の若いアジア特派員の大半は後者だが、幸い今回のワシントンポスト社説は前者を代弁する声なのかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44547
◆中国との対立を避け 台湾に屈辱と困難を強いる米国
2015年08月26日 WEDGE Infinity
米下院軍事委員会シーパワー・戦力投射小委員会のフォーブス委員長が、7月16日付けウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿にて、米国は種々の対台湾 軍事交流等に係る制約を撤廃し、台湾を合同演習に参加させる等米の安全保障体制の中に含めていくべきである、と主張しています。
すなわち、中国の「平和台頭」論は不誠実なスローガンとなってしまった。中国は隣国の領有権主張を無視して南シナ海では人工島を造り、大砲や滑走路を設置 している。南シナ海でも国防識別圏を設定すると見られている。隣国漁船の威嚇や領海、領空の侵犯は恒常的になっている。
豪州、日本、越などは、米国の強い対応を求めるとともに、米国との関係強化を図ろうとしている。しかし、米国は、中国との対立を避けるため、台湾に種々の 屈辱と困難を強いて来ている。台湾が必要とする武器の供与を定める台湾関係法が成立して36年が経つというのに、米国の指導者達は、つまらない、逆効果を 招く台湾政策を取っている。
大佐以上の米国軍人は台湾を訪問できない。台湾の総統や高官はワシントンを訪問 できない。訓練のため米に向かう台湾の軍人は、制服を着て入国することができない。台湾の海軍兵学校生はハワイやグアムを訓練訪問できない。友好国台湾に 対するこのような卑劣な規制は、米国の対中関係の実体を露呈している。台湾、チベットや人権など中国が敏感な問題に対して、米国の政策立案者達は一貫して 屈従的な宥和姿勢を取ってきた。かかる米国の姿勢は、中国を一層大胆にさせ、同盟国の安全と国際ルールを守るという米国の信頼性も損なって来た。
米国の台湾政策は、安全保障上の協力関係と民主主義の進展という米国の戦略的利益を反映すべきもので、中国の指導者の怒りを買うのではないかとの恐怖を反 映するものであってはならない。米国は、二国間関係の規制を撤廃し、台湾の軍事力を米の安全保障体制の中に含めていくべきだ。
まず、空軍レッド・フラッグ合同演習などの主要訓練への参加を招請すべきだ。米台は、先進レーダーデータの共有、損傷滑走路の修繕、人道支援などの分野で軍事協力を進めているが、高度な協力には依然慎重である。
米国の対中関係は複雑かつ多面的である。しかし、過去の経験を見れば、こちら側が弱い立場を見せた時、中国が決して前向きに反応しないことは明白である。 台湾につまらない屈辱を強いたり、必要な訓練への参加を認めないことにより、事実上中国に拒否権を与えている。米国は友邦を守りアジア太平洋の国際秩序を 堅持することを中国に見せるべきだ、と論じています。
出典:J. Randy Forbes,‘Taiwan Needs a Strong Ally’(Wall Street Journal, July 16, 2015)
http://www.wsj.com/articles/taiwan-needs-a-strong-ally-1437066509
* * *
この論説から、軍人の交流や総統の訪米などについて、米台関係が種々の規制を受けていることがよく分かります。フォーブスが中国配慮に基づくつまらない屈 辱的な規制は撤廃すべきだと主張するのは、下院軍事委海軍力等小委員長としては当然でしょう。フォーブスはこれらの規制は「米国の指導者達」の一貫した政 策の結果だとして批判していますが、具体的にどの政権ということは明言していません。米国の台湾政策は、共和、民主党政権を問わず、基本的には72年の米 中共同声明とその後の両国のやり取りを通じて、積み重ねられたものだからでしょう。しかし、その中でも1998年のクリントン大統領の3つのノー政策(台 湾の独立不支持、二つの中国及び一中一台の不支持、台湾の国連等国際機関への加盟不支持)の発表は、米国内で批判されました。
フォーブスは、中国に弱さを見せると中国は益々大胆な行動を取ってくると対中警戒論を述べています。少なくとも今までの中国の行動を見れば、正しい指摘で す。我が国も、この点を十分認識しておくことが重要です。世界で経済力をつけ、責任も持つようになった中国と協調することは結構ですが、中国に「弱さ」と 誤解されないようにしなければなりません。
他方、中国は、一つの中国の原則に基づき、国内法や政府の発言を 通じて、台湾が独立宣言をすれば、武力行使を辞さないと宣言しています(2005年の反国家分裂法により明文化)。中国が、過去3回、台湾海峡で武力行使 を含む危機を起こしたことを考えると、あながちブラフと片付ける訳にはいきません。米国は、台湾海峡で紛争が起きることは避けるべきだと考えています。中 国に対する過度に強硬な姿勢によって武力紛争が起きるようなことは避けつつ、中国に「弱さ」とみられないよう、ぎりぎりのラインを追及していく他ないで しょう。台湾問題は、「現状維持」以外に現実的な解はありません。米国は、中国については関係発展と行動の牽制、台湾については防衛支持と行動の抑制とい う2つのゲームを同時にやっているのです。
なお、台湾問題は基本的に国家間の関係の問題として議論されますが、この問題の議論に当たっては、もっと台湾住民の考えを重視することが必要だと思います。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5273
目覚めよ日本!
0 件のコメント:
コメントを投稿