2016年11月 5日 (土)
プーチン大統領のバルダイ演説: オバマの遺産は改めることが可能だ
Andrei AKULOV
2016年10月30日
Strategic Culture Foundation
バルダイ国際会議の会合で、ウラジーミル・プーチン大統領は、ワシントンで新大統領が就任した後に、ロシア-アメリカ関係が改善するのを願っていると述べた。
大統領によれば、ロシアとアメリカ合州国は、“この悪循環から抜け出し”新段階の関係に進むべきなのだ。彼はアメリカに、国益を擁護するため、積極的姿勢をとらせるよう、ロシアを挑発するのを控えるよう要求した。プーチン大統領は、様々な共通する関心事の問題で、アメリカと合意にいたるのを歓迎するつもりだ。ロシア大統領は、シリアを含め世界でおきる、ありとあらゆるまずいことを、ロシアのせいにするのはアメリカ人政治家の'不適切な'振る舞いだと片づけた。
実際、バラク・オバマの二期目の大統領任期は終わろうとしているが、ロシアに、うまく対応できないのが、彼の遺産を台無しにしてしまう、外交政策の失敗の一つだ。モスクワと協力してのシリア危機解決というワシントンの取り組みは全く大失敗だった。ロシアから見れば、アメリカは信頼性に欠けるパートナーだ。
10月27日、ロシア外務省は、シリアに関する“ロシア-アメリカ合意実施の比較分析”と題する文書を発表した。
文書は国連文書として流布される予定だ。文書は、シリアに関し、ロシアと同意した合意に対する、アメリカのあらゆる違反を列記している。
そもそもの始めから、停戦に関するロシアとの合意を巡り、政権は分裂していた。アメリカ国務省と国防省の姿勢には大きな隔たりがある。アメリカ軍は、ロシア側の交渉相手との協力をいやがっている。アメリカは、軍事的選択肢を選択して、あらゆる合意を放棄することを検討している。
アメリカ政府は、シリアでの民間人攻撃に対して、再三ロシアを非難してきた。アメリカが率いる連合軍が開始したモスル攻勢の最初の三日間で、民間人60人以上が死亡し、少なくとも200人が負傷した。誰も謝罪はしていない。マスコミの脚光も浴びずにいる!
他にも、二国間関係がほとんど行き詰まっている様々な分野がある。
ビクトリア・ヌーランド国務次官補の活動にもかかわらず、ウクライナは何の進展もないまま、対立を生む問題であり続けている。
軍縮の崩壊は続いている。オバマの任期中、この流れを変えるような取り組みは一切行われなかった。
2010年の新戦略兵器削減条約(プラハ条約)は、2020年に満了するが、新たな条約が発効する見込みはない。1987年の中距離核戦力全廃条約(INF)の未来は疑わしい。
条約は、長距離巡航ミサイルが発射可能な、Mk-41ミサイル発射機を利用した弾道ミサイル防衛(BMD)システム配備によって脅かされている。これは協定違反である。アメリカは二国間の余剰核兵器解体プルトニウム管理処分協定(PDMA)に露骨に違反した。
現政権は、B61-12核弾頭を、ヨーロッパのNATO加盟諸国の戦術的航空機に搭載する計画を立ち上げた。
搭載は、NWS(核兵器保有国)から、他の国への核兵器移転を禁じる核拡散防止条約(NPT)違反だ。
これは、アメリカが、地球規模で、軍縮の崩壊を引き起こす企みの一環にすぎない。オバマ大統領は、1996年に国連総会で採択されてから20年たつ包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准するためには何もしていない。2016年のワシントン核サミットは、何の具体的結果ももたらすことなく終わった。核不拡散体制は浸食されつつあるが、流れを変えるための何も行われていない。現政権の下では、1982年の国連海洋法条約を批准するための努力は一切行われなかった。
世界におけるアメリカの政治的影響力は衰えつつある。
ヨーロッパでは、ヨーロッパ人が、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)に反抗して、アメリカは深刻な挫折に直面している。
既にドイツとフランスは、意見の相違から合意がまとまる可能性は潰れたと言っている。
アメリカ合州国のアジア基軸政策は前向きな結果を産み出し損ねている。環太平洋連携協定(TPP)批准の見込みは薄い。
この抜本的協定を批准し損ねれば、地域におけるアメリカの威信を傷つける重大な挫折となろう。
アメリカの中東政策は低迷している。
イラクは、宗派間抗争や、「イスラム国」(IS)過激派運動、難民危機と経済苦悩の蔓延に見舞われている。
リビア介入は荒廃、苦難と混乱という結果をもたらし、ロシアが支援要請されている。
政権は、イエメンにおけるフーシ派反政府派の出現で不意打ちをくらった。人権侵害に関する多くの疑問が持ち上がり、アメリカが紛争に介入するという知恵が問われている。
カイロが他のパートナーを探すことになり、アメリカ合州国とエジプトとの関係は悪化した。
イスラエルとパレスチナとの間で和平を実現するというオバマ大統領の取り組みは、新たなイスラエル入植地が建設されて失敗に終わり、穏健なパレスチナ人は信用を落とし、ハマースが益々強くなりつつある。
中東の状況は、アメリカ大統領が政権を握った頃よりもひどいことになっている。オバマ大統領の監督下、ISは中東の核心で大いに領土を広げた。彼らと戦うためのアメリカ戦略は存在していない。この地域に対する大統領の政策は更なる混乱をもたらし、アメリカの同盟国を遠ざけ、敵を倍増している。その結果、中東は何十年もの間で最悪の混乱に直面している。
アメリカは、アフガニスタンで、任務を遂行しそこねた.
現在、タリバン戦士は、2001年以来のどの時期より広大な領土を支配している。戦闘は継続しており、終わるめどはない。
アフリカでも、アメリカは何の成功もおさめていない。テロリスト運動は上昇傾向にあり、大陸は不安定化に脅かされている。リビアにおける政権転覆政策の結果、北アフリカや、サハラやサハラ以南の地域でも、テロが増大している。状況は悪化しており、アメリカは戦争の準備を開始するに至っている。
大失敗が次から次へと続いている。これは大統領と彼のチームだけの責任ではない。オバマ大統領は、民主党大統領候補者ヒラリー・クリントンがつながっている同じ連中であり、共和党大統領候補者ドナルド・トランプを、特に、ロシアとの関係正常化を進んで行う姿勢で批判している外交政策エリートに導かれていたのだ。
モスクワとの関係における外交的な地雷原を含め、これが、オバマ大統領が、後継者に引き継ぐ遺産なのだ。イラン核協定の例が示している通り、ロシアとの関係正常化によって、オバマ政権がまとめ損ねていることを達成可能になるかも知れない。もし新政権が、軍に影響を及ぼし、締結した協定の条項を守るよう態度を変えれば、シリアの危機管理もその一つになり得よう。
イラクとリビアで、アメリカとロシアが協力していれば良かったのだ。そうせざるを得なくなるように見える。アメリカが近年行ったあらゆる悪事にもかかわらず、ロシア大統領は、バルダイ演説で手を差し伸べた。更なる対決の方が、実りの多い協力より良いかどうかを決めるのはアメリカ次第だ。一つ明らかなことがある。威信が世界中で打ち砕かれてしまった状況を改めるためには、新政権は本当に必死に働く必要があるだろう。ロシアとの関係の正常化は非常に目に見えやすい成果となりうる。物事はつながっているので、モスクワと協力すれば、他の外交政策でも成功をもたらす可能性もある。これは無理難題かも知れないが不可能ではない。新アメリカ大統領にはチャンスがあろう。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/10/30/president-putin-valdai-speech-obama-legacy-can-be-rectified.html
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宗主国大統領と、属国首相の魔の遺産TPP、永久に我々や係累にのしかかりつづけるのだろうか?
小池都知事劇場で目をそらせ、自民・公明・維新による「円滑な」TPP批准を幇助した犯罪集団、大本営広報部の、洗脳呆導など見聞きしてはいけない。人生の無駄。
読むべき見るべきはIWJ。
TPP交渉差止・違憲訴訟の会で活躍しておられる岩月弁護士も、ケルシー氏インタビューに触れて書いておられる。
南スーダンPKO兵員構成について 2016年11月 4日
日刊IWJガイド・ウィークエンド版。冒頭を引用させて頂こう。
■■■日刊IWJガイド・ウィークエンド版「暴挙再び!自民・公明の与党がTPP承認案を衆議院特別委員会で強行採決!/今週岩上さんは、ニュージーランドから来日したオークランド大学教授・ジェーン・ケルシー氏に緊急独占インタビューを敢行!全テキストを公開!/本日19時より、岩上さんによる早川タダノリ氏インタビューの後編を配信!」2016.11.5日号~No.1513号~■■■
(2016.11.5 8時00分)
おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。
昨年2015年9月17日、安保法制が強行採決された時と同じ光景が、昨日11月4日に再び繰り返されてしまいました。
昨日行われた衆議院特別委員会で、民進党と共産党の議員が激しく抗議する中、自民・公明の与党はTPP承認案と関連法案の採決を強行!案の定というべきか、与党補完勢力の日本維新の会を含めた賛成多数で、同法案は可決されてしまいました。このままですと、週明けにも本会議で採決が行われ、TPP承認案は参議院に送られる見通しです。
民進党と共産党は、2度にわたって「失言」を繰り返した山本有二農水相の辞任を求め、委員会室を退席。しかし、その間も自民党の塩谷立(しおのや りゅう)委員長は議事を進行し、自民党、公明党、日本維新の会の賛成討論が行われた後、採決を強行しました。民進党と共産党の議員が委員長席を囲んで激しく抗議しましたが、TPP承認案はそのまま可決されてしまいました。
この間、国会の外では市民が抗議の声をあげ続けていました。議員会館前では、昼の12時頃から夜の18時まで市民による抗議の座り込みが行われた他、20時からは国会正門前でも抗議行動が行われ、IWJはその様子を中継し続けました。
日本の「国のかたち」を大きく歪めてしまうTPP承認案の強行採決――。この大ニュースを、驚くべきことに既存大手メディア、特にテレビはほとんど報じませんでした。これは特筆大書し、できるだけ多くの人に拡散し、のちのちまで記憶し続けなればならならい事実です!特にNHKは、強行採決が行われた特別委員会の模様をまたしても中継しませんでした。
NHKを筆頭に、マスメディアは、国民主権を売り渡す条約に何の抵抗もしなかったこと。これは100年経っても200年経っても記憶に刻みつけましょう。昨夜、岩上さんが打ったツイートを、ぜひ、長く長く記憶し続けてください。
※11月3日の岩上さんのツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/794263268894224385
岩上さんは昨日、TPP特別委員会が開かれる前に生放送されたフジテレビ「バイキング」にコメンテーターとしてゲスト出演。この日のテーマは「小池劇場」でしたが、岩上さんは小池百合子都知事についてコメントしつつも、「小池劇場」へのメディアの注目がTPPを隠すことになっていること、TPPが地方を中心に甚大な被害をもたらすことなどに言及。地上波の生放送でTPPの問題点が流れるという、「事件」となりました。
2011年2月、岩上さんは、TPPを誰よりも早くテレビで警告し、長年レギュラーをつとめた「とくダネ!」を降板させられています。そのTPPがついに強行採決されたという時に、再びフジテレビに呼ばれているのは何の因果なのか、とつぶやきつつ、TPPについて生放送中に話すのを狙うとツイートもしていました。
岩上さんがかつて無念の降板を強いられたフジテレビで、この6年、ジャーナリストとして筋を曲げることなくTPPの危険性を訴え続け、こうして「運命の日」にフジテレビのオンエア中に男の意地を見せた、そんな一瞬でした。ぜひ、降板させられた過去のツイートをまとめたツイ録をお読みください!
※2016/11/3 【岩上安身のツイ録】TPP承認案、採決間近に必読!2011年にTPP批判が引き金で、岩上安身が『とくダネ!』のコメンテーターを「降板」した一部始終!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/342985
ここですでに、ジェーン・ケルシー教授について取り上げています!この時点ですでにケルシー教授に注目し、実際、1度目のインタビューを行っているのです!ジャーナリストとして、いかに慧眼であったかの証しです。
※2011/07/14 岩上安身によるジェーン・ケルシー オークランド大学教授インタビュー「TPPは経済協定ではなくアメリカ企業の為の投資協定だ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/78
経営者である岩上さんと、ジャーナリスト・IWJ編集長としての岩上さんの板挟みは、たいへんな苦しさだろうと思います。毎日、眠れない日が続いています。日本もピンチですが、IWJの財政もいよいよ崖っぷちに直面しています。どうぞ皆さん、TPPと戦ってきたIWJに緊急のご寄付・カンパでのご支援をお願いいたします。
IWJは日々、全力で大事なコンテンツ(動画・テキスト記事)を送り出していますが、今、このタイミングで最も重要なコンテンツは何といっても、岩上さんによるケルシー教授への2度目の緊急インタビューです!とにかく内容がすごい!質も量もすごく、TPPとは何であるか、地球儀を俯瞰するような広い視野で語っています!
本来なら記事の内容は会員だけに公開するところですが、TPPが強行採決されてしまったこのあまりにひどい政治状況に風穴を少しでもあけるべく、このケルシー氏へのインタビューを含め、TPP関連のコンテンツは11月4日まで、公共性最優先、採算性あとまわしでフルオープンにしてきました!が、4日も過ぎましたので、こうなったら参院で採決されてしまうまで(もちろん阻止したいのですが)、フルオープンを続けると岩上さんが判断しました。
2010年に菅直人総理が協議入りの意向を表明して以降、既存大手メディアがほとんど「黙殺」するなかで、IWJはどこよりもしつこく、粘り強く、TPPの問題を報じ続けてきました。その結果、岩上さんによるインタビューをはじめ、記者会見、院内集会など、動画アーカイブは600本以上にものぼっています。これらはIWJのTPP特集ページに集約していますので、この機会にぜひご視聴ください。
※【特集】IWJが追ったTPP問題~先行する国家戦略特区
http://iwj.co.jp/wj/open/tpp
政府から開示された文書がほとんど黒く塗りつぶされているなど、依然としてその全容が明らかにならないTPP。IWJの動画アーカイブの数々は、壮大な秘密協定であるTPPの「謎」にぎりぎりのところまで肉薄しています!ぜひ、定額会員にご登録いただき、動画アーカイブをご視聴ください!
※IWJ定額会員へのご登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
今回のTPP承認案の審議でも改めて明らかとなりましたが、テレビや新聞といった既存大手メディアの劣化ぶり、権力を批判する「ジャーナリズム精神」の欠如は、本当に目を覆わんばかりの惨憺たる状態です。このような時こそ、大企業からの広告収入に頼らない「独立メディア」が絶対に必要のはずです!
IWJは、権力の顔色も、企業の顔色もうかがうことなく、市民の皆様が本当に必要とする「真実」をとことん追及し、報じ続けてきましたし、これからも報じていきます!IWJは、市民の皆様一人ひとりがスポンサーです。どうか、ご寄付・カンパといったかたちで、IWJの活動をお支えください!よろしくお願いいたします!
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2016年10月30日
Strategic Culture Foundation
バルダイ国際会議の会合で、ウラジーミル・プーチン大統領は、ワシントンで新大統領が就任した後に、ロシア-アメリカ関係が改善するのを願っていると述べた。
大統領によれば、ロシアとアメリカ合州国は、“この悪循環から抜け出し”新段階の関係に進むべきなのだ。彼はアメリカに、国益を擁護するため、積極的姿勢をとらせるよう、ロシアを挑発するのを控えるよう要求した。プーチン大統領は、様々な共通する関心事の問題で、アメリカと合意にいたるのを歓迎するつもりだ。ロシア大統領は、シリアを含め世界でおきる、ありとあらゆるまずいことを、ロシアのせいにするのはアメリカ人政治家の'不適切な'振る舞いだと片づけた。
実際、バラク・オバマの二期目の大統領任期は終わろうとしているが、ロシアに、うまく対応できないのが、彼の遺産を台無しにしてしまう、外交政策の失敗の一つだ。モスクワと協力してのシリア危機解決というワシントンの取り組みは全く大失敗だった。ロシアから見れば、アメリカは信頼性に欠けるパートナーだ。
10月27日、ロシア外務省は、シリアに関する“ロシア-アメリカ合意実施の比較分析”と題する文書を発表した。
文書は国連文書として流布される予定だ。文書は、シリアに関し、ロシアと同意した合意に対する、アメリカのあらゆる違反を列記している。
そもそもの始めから、停戦に関するロシアとの合意を巡り、政権は分裂していた。アメリカ国務省と国防省の姿勢には大きな隔たりがある。アメリカ軍は、ロシア側の交渉相手との協力をいやがっている。アメリカは、軍事的選択肢を選択して、あらゆる合意を放棄することを検討している。
アメリカ政府は、シリアでの民間人攻撃に対して、再三ロシアを非難してきた。アメリカが率いる連合軍が開始したモスル攻勢の最初の三日間で、民間人60人以上が死亡し、少なくとも200人が負傷した。誰も謝罪はしていない。マスコミの脚光も浴びずにいる!
他にも、二国間関係がほとんど行き詰まっている様々な分野がある。
ビクトリア・ヌーランド国務次官補の活動にもかかわらず、ウクライナは何の進展もないまま、対立を生む問題であり続けている。
軍縮の崩壊は続いている。オバマの任期中、この流れを変えるような取り組みは一切行われなかった。
2010年の新戦略兵器削減条約(プラハ条約)は、2020年に満了するが、新たな条約が発効する見込みはない。1987年の中距離核戦力全廃条約(INF)の未来は疑わしい。
条約は、長距離巡航ミサイルが発射可能な、Mk-41ミサイル発射機を利用した弾道ミサイル防衛(BMD)システム配備によって脅かされている。これは協定違反である。アメリカは二国間の余剰核兵器解体プルトニウム管理処分協定(PDMA)に露骨に違反した。
現政権は、B61-12核弾頭を、ヨーロッパのNATO加盟諸国の戦術的航空機に搭載する計画を立ち上げた。
搭載は、NWS(核兵器保有国)から、他の国への核兵器移転を禁じる核拡散防止条約(NPT)違反だ。
これは、アメリカが、地球規模で、軍縮の崩壊を引き起こす企みの一環にすぎない。オバマ大統領は、1996年に国連総会で採択されてから20年たつ包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准するためには何もしていない。2016年のワシントン核サミットは、何の具体的結果ももたらすことなく終わった。核不拡散体制は浸食されつつあるが、流れを変えるための何も行われていない。現政権の下では、1982年の国連海洋法条約を批准するための努力は一切行われなかった。
世界におけるアメリカの政治的影響力は衰えつつある。
ヨーロッパでは、ヨーロッパ人が、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)に反抗して、アメリカは深刻な挫折に直面している。
既にドイツとフランスは、意見の相違から合意がまとまる可能性は潰れたと言っている。
アメリカ合州国のアジア基軸政策は前向きな結果を産み出し損ねている。環太平洋連携協定(TPP)批准の見込みは薄い。
この抜本的協定を批准し損ねれば、地域におけるアメリカの威信を傷つける重大な挫折となろう。
アメリカの中東政策は低迷している。
イラクは、宗派間抗争や、「イスラム国」(IS)過激派運動、難民危機と経済苦悩の蔓延に見舞われている。
リビア介入は荒廃、苦難と混乱という結果をもたらし、ロシアが支援要請されている。
政権は、イエメンにおけるフーシ派反政府派の出現で不意打ちをくらった。人権侵害に関する多くの疑問が持ち上がり、アメリカが紛争に介入するという知恵が問われている。
カイロが他のパートナーを探すことになり、アメリカ合州国とエジプトとの関係は悪化した。
イスラエルとパレスチナとの間で和平を実現するというオバマ大統領の取り組みは、新たなイスラエル入植地が建設されて失敗に終わり、穏健なパレスチナ人は信用を落とし、ハマースが益々強くなりつつある。
中東の状況は、アメリカ大統領が政権を握った頃よりもひどいことになっている。オバマ大統領の監督下、ISは中東の核心で大いに領土を広げた。彼らと戦うためのアメリカ戦略は存在していない。この地域に対する大統領の政策は更なる混乱をもたらし、アメリカの同盟国を遠ざけ、敵を倍増している。その結果、中東は何十年もの間で最悪の混乱に直面している。
アメリカは、アフガニスタンで、任務を遂行しそこねた.
現在、タリバン戦士は、2001年以来のどの時期より広大な領土を支配している。戦闘は継続しており、終わるめどはない。
アフリカでも、アメリカは何の成功もおさめていない。テロリスト運動は上昇傾向にあり、大陸は不安定化に脅かされている。リビアにおける政権転覆政策の結果、北アフリカや、サハラやサハラ以南の地域でも、テロが増大している。状況は悪化しており、アメリカは戦争の準備を開始するに至っている。
大失敗が次から次へと続いている。これは大統領と彼のチームだけの責任ではない。オバマ大統領は、民主党大統領候補者ヒラリー・クリントンがつながっている同じ連中であり、共和党大統領候補者ドナルド・トランプを、特に、ロシアとの関係正常化を進んで行う姿勢で批判している外交政策エリートに導かれていたのだ。
モスクワとの関係における外交的な地雷原を含め、これが、オバマ大統領が、後継者に引き継ぐ遺産なのだ。イラン核協定の例が示している通り、ロシアとの関係正常化によって、オバマ政権がまとめ損ねていることを達成可能になるかも知れない。もし新政権が、軍に影響を及ぼし、締結した協定の条項を守るよう態度を変えれば、シリアの危機管理もその一つになり得よう。
イラクとリビアで、アメリカとロシアが協力していれば良かったのだ。そうせざるを得なくなるように見える。アメリカが近年行ったあらゆる悪事にもかかわらず、ロシア大統領は、バルダイ演説で手を差し伸べた。更なる対決の方が、実りの多い協力より良いかどうかを決めるのはアメリカ次第だ。一つ明らかなことがある。威信が世界中で打ち砕かれてしまった状況を改めるためには、新政権は本当に必死に働く必要があるだろう。ロシアとの関係の正常化は非常に目に見えやすい成果となりうる。物事はつながっているので、モスクワと協力すれば、他の外交政策でも成功をもたらす可能性もある。これは無理難題かも知れないが不可能ではない。新アメリカ大統領にはチャンスがあろう。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/10/30/president-putin-valdai-speech-obama-legacy-can-be-rectified.html
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宗主国大統領と、属国首相の魔の遺産TPP、永久に我々や係累にのしかかりつづけるのだろうか?
小池都知事劇場で目をそらせ、自民・公明・維新による「円滑な」TPP批准を幇助した犯罪集団、大本営広報部の、洗脳呆導など見聞きしてはいけない。人生の無駄。
読むべき見るべきはIWJ。
TPP交渉差止・違憲訴訟の会で活躍しておられる岩月弁護士も、ケルシー氏インタビューに触れて書いておられる。
南スーダンPKO兵員構成について 2016年11月 4日
日刊IWJガイド・ウィークエンド版。冒頭を引用させて頂こう。
■■■日刊IWJガイド・ウィークエンド版「暴挙再び!自民・公明の与党がTPP承認案を衆議院特別委員会で強行採決!/今週岩上さんは、ニュージーランドから来日したオークランド大学教授・ジェーン・ケルシー氏に緊急独占インタビューを敢行!全テキストを公開!/本日19時より、岩上さんによる早川タダノリ氏インタビューの後編を配信!」2016.11.5日号~No.1513号~■■■
(2016.11.5 8時00分)
おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。
昨年2015年9月17日、安保法制が強行採決された時と同じ光景が、昨日11月4日に再び繰り返されてしまいました。
昨日行われた衆議院特別委員会で、民進党と共産党の議員が激しく抗議する中、自民・公明の与党はTPP承認案と関連法案の採決を強行!案の定というべきか、与党補完勢力の日本維新の会を含めた賛成多数で、同法案は可決されてしまいました。このままですと、週明けにも本会議で採決が行われ、TPP承認案は参議院に送られる見通しです。
民進党と共産党は、2度にわたって「失言」を繰り返した山本有二農水相の辞任を求め、委員会室を退席。しかし、その間も自民党の塩谷立(しおのや りゅう)委員長は議事を進行し、自民党、公明党、日本維新の会の賛成討論が行われた後、採決を強行しました。民進党と共産党の議員が委員長席を囲んで激しく抗議しましたが、TPP承認案はそのまま可決されてしまいました。
この間、国会の外では市民が抗議の声をあげ続けていました。議員会館前では、昼の12時頃から夜の18時まで市民による抗議の座り込みが行われた他、20時からは国会正門前でも抗議行動が行われ、IWJはその様子を中継し続けました。
日本の「国のかたち」を大きく歪めてしまうTPP承認案の強行採決――。この大ニュースを、驚くべきことに既存大手メディア、特にテレビはほとんど報じませんでした。これは特筆大書し、できるだけ多くの人に拡散し、のちのちまで記憶し続けなればならならい事実です!特にNHKは、強行採決が行われた特別委員会の模様をまたしても中継しませんでした。
NHKを筆頭に、マスメディアは、国民主権を売り渡す条約に何の抵抗もしなかったこと。これは100年経っても200年経っても記憶に刻みつけましょう。昨夜、岩上さんが打ったツイートを、ぜひ、長く長く記憶し続けてください。
※11月3日の岩上さんのツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/794263268894224385
岩上さんは昨日、TPP特別委員会が開かれる前に生放送されたフジテレビ「バイキング」にコメンテーターとしてゲスト出演。この日のテーマは「小池劇場」でしたが、岩上さんは小池百合子都知事についてコメントしつつも、「小池劇場」へのメディアの注目がTPPを隠すことになっていること、TPPが地方を中心に甚大な被害をもたらすことなどに言及。地上波の生放送でTPPの問題点が流れるという、「事件」となりました。
2011年2月、岩上さんは、TPPを誰よりも早くテレビで警告し、長年レギュラーをつとめた「とくダネ!」を降板させられています。そのTPPがついに強行採決されたという時に、再びフジテレビに呼ばれているのは何の因果なのか、とつぶやきつつ、TPPについて生放送中に話すのを狙うとツイートもしていました。
岩上さんがかつて無念の降板を強いられたフジテレビで、この6年、ジャーナリストとして筋を曲げることなくTPPの危険性を訴え続け、こうして「運命の日」にフジテレビのオンエア中に男の意地を見せた、そんな一瞬でした。ぜひ、降板させられた過去のツイートをまとめたツイ録をお読みください!
※2016/11/3 【岩上安身のツイ録】TPP承認案、採決間近に必読!2011年にTPP批判が引き金で、岩上安身が『とくダネ!』のコメンテーターを「降板」した一部始終!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/342985
ここですでに、ジェーン・ケルシー教授について取り上げています!この時点ですでにケルシー教授に注目し、実際、1度目のインタビューを行っているのです!ジャーナリストとして、いかに慧眼であったかの証しです。
※2011/07/14 岩上安身によるジェーン・ケルシー オークランド大学教授インタビュー「TPPは経済協定ではなくアメリカ企業の為の投資協定だ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/78
経営者である岩上さんと、ジャーナリスト・IWJ編集長としての岩上さんの板挟みは、たいへんな苦しさだろうと思います。毎日、眠れない日が続いています。日本もピンチですが、IWJの財政もいよいよ崖っぷちに直面しています。どうぞ皆さん、TPPと戦ってきたIWJに緊急のご寄付・カンパでのご支援をお願いいたします。
IWJは日々、全力で大事なコンテンツ(動画・テキスト記事)を送り出していますが、今、このタイミングで最も重要なコンテンツは何といっても、岩上さんによるケルシー教授への2度目の緊急インタビューです!とにかく内容がすごい!質も量もすごく、TPPとは何であるか、地球儀を俯瞰するような広い視野で語っています!
本来なら記事の内容は会員だけに公開するところですが、TPPが強行採決されてしまったこのあまりにひどい政治状況に風穴を少しでもあけるべく、このケルシー氏へのインタビューを含め、TPP関連のコンテンツは11月4日まで、公共性最優先、採算性あとまわしでフルオープンにしてきました!が、4日も過ぎましたので、こうなったら参院で採決されてしまうまで(もちろん阻止したいのですが)、フルオープンを続けると岩上さんが判断しました。
2010年に菅直人総理が協議入りの意向を表明して以降、既存大手メディアがほとんど「黙殺」するなかで、IWJはどこよりもしつこく、粘り強く、TPPの問題を報じ続けてきました。その結果、岩上さんによるインタビューをはじめ、記者会見、院内集会など、動画アーカイブは600本以上にものぼっています。これらはIWJのTPP特集ページに集約していますので、この機会にぜひご視聴ください。
※【特集】IWJが追ったTPP問題~先行する国家戦略特区
http://iwj.co.jp/wj/open/tpp
政府から開示された文書がほとんど黒く塗りつぶされているなど、依然としてその全容が明らかにならないTPP。IWJの動画アーカイブの数々は、壮大な秘密協定であるTPPの「謎」にぎりぎりのところまで肉薄しています!ぜひ、定額会員にご登録いただき、動画アーカイブをご視聴ください!
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今回のTPP承認案の審議でも改めて明らかとなりましたが、テレビや新聞といった既存大手メディアの劣化ぶり、権力を批判する「ジャーナリズム精神」の欠如は、本当に目を覆わんばかりの惨憺たる状態です。このような時こそ、大企業からの広告収入に頼らない「独立メディア」が絶対に必要のはずです!
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米国民の皆さんには、そういう大儀に立脚して投票して頂きたいと思います。
この期に及んでマスコミは、トランプ氏の過去問題発言集なるものを引っ張り出したり、トランプ婦人の古い話である不法就労などという取るに足らない話題でトランプ氏を貶めるプロパガンダに熱心なれど、もう恐らく、カスなマスコミの誘導に惑わされる人は居ないものと信じます。
この大統領選挙で悪魔のヒラリー婆さんを後方支援する為に、またオバマの任期中にTPPを発効させる為に、日本の安倍政権は全力を挙げています。
この安倍晋三とオバマの狂った野望を打ち砕く為にも、何としてもトランプ氏を勝たせてください。
さてその属国では、TPP批准が特別委で強行採決されてしまいました。
しかし衆議院議長にも、衆議院運営委員長にも知らせないままの凶行ですから、これは国会の規則を破る行為であり、議長を無視して愚弄するものですから無効であり、当然、仕切り直しを求める権利は野党にあり、同じく国民にもある筈です。
ここで「安倍の掟破りは何時もの事さ」と一笑に付して終わりとするならば、その時点で国民の負けです。
憤りを覚える方は、大島理森議長、川端達夫副議長、佐藤勉衆議院運営委員長に宛てて、不法採決を受理しない様、求める嘆願をメールやファックスで送るべきだと思います。
私はもう、怒りで頭が混乱しておりまして、考えが纏まりませぬ故、今やれる事は只管ファックスを送る事だけなのであります。