kuronuri

気になっていたこの問題。ついに結果が報告されました。

精神保健指定医、89人資格取り消し 不正取得で厚労省
朝日新聞デジタル(2016年10月26日21時33分)

2015年4月に世間を賑わせた、聖マリアンナ医科大学の精神科教室の集団不正行為。精神保健指定医という公的資格(いわゆる「専門医」とは格が違う!)を取得するために、症例レポートを使いまわすなどして組織的に不正を行っていたという事件です。組織の中の個人が不祥事を起こした場合なら、どんな組織にもいろいろな人がいるから・・・と考えることもできますが、医局ぐるみでの不正行為となると擁護のしようがありません。申請者とそれを指導した医師、あわせて23名が行政処分を受けました。

聖マリアンナ医科大学だけでなく、どこの大学でも似たようなことをやっているのでは?

自然とそのような疑いの声も上がるわけで、厚労省が過去の申請をさかのぼって調査することになりました。あれから1年が過ぎても続報がなく、聖マリの尻尾切りで終わるのかな…なんて思っていたところ、ようやく昨日調査結果が公表されたというわけです。

結果、不正取得した医師は49名、確認を怠り不正行為を助長した指導医は40名。めでたく資格は取り消されることに。昨年の聖マリアンナの例から考えると、医業停止1~2ヶ月の行政処分も下ることになると思います。

気になる医師の実名は…?
<精神保健指定医>指定取り消しの医師は次の通り
毎日新聞10月26日(水)20時54分

毎日新聞の実名掲載記事は一定期間が過ぎると削除されるようですが、2ch等へ転載されていたりWeb魚拓に保管されていたりするので大丈夫。その気になればいつでも参照できます。医業停止の行政処分が決まれば再び新聞で報道されるでしょうし、その時は多くの新聞が実名を載せることと思います。

不正の大御所、聖マリアンナ医科大学には及ばないものの、他の大学でも同様の不正行為が行われていました。大学病院の処分人数のランキングは以下の通り。京都府立医科大の教授、千葉大の特任教授、神戸大の准教授など、たいそうな役職の先生方もきっちり処分されています。

1位 25名:聖マリアンナ医科大(うち23名は昨年処分)
2位 8名:京都府立医科大(スタッフ
3位 7名:愛知医科大、兵庫医科大
5位 5名:北里大
6位 3名:高知大、昭和大、神戸大、千葉大
10位 2名:横浜市大



今回は2009年以降に申請した医師を対象に調査が行われました。これは精神保健指定医の3割に満たない数でしかありません。全員分を遡るのは不可能かもしれませんが、潜在的に不正取得者がこの3倍以上は潜んでいるのかもしれません。無事に逃げ切った不正取得の先生、おめでとうございます。