2015年10月11日日曜日


浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

プーチンがぶち壊すオバマとEUの企み

2015-10-11 00:25:47 | 資料
◆ロシア海軍によるシリア巡航ミサイル攻撃の衝撃 長距離精密攻撃能力を手にしたロシア

2015年10月07日 小泉悠  BLOGOS

カスピ海からの攻撃
ロシア軍がシリア空爆を開始してから8日目となる10月7日、これまでの空軍による爆撃に加えて、海軍の艦艇からも巡航ミサイル攻撃が実施された。ロシアが実戦で海上からの巡航ミサイル攻撃を行ったのはこれが初めて。

ショイグ国防相がプーチン大統領に対して報告したところによると、カスピ海上に展開した4隻のロシア海軍艦艇から合計26発の巡航ミサイルが発射され、シリア国内の「イスラム国(IS)」拠点11カ所を破壊したという。飛行距離は1500kmに及んだ。

https://www.youtube.com/watch?v=iMasnaAf_H4
ところで、地図を見てみると分かるが(上記の動画参照)、カスピ海はシリアに隣接していない。それどころか、カスピ海からシリアに至るにはイランとイラクという2つの外国領空を飛び越えて行かねばならず、甚だ不便だ。

一方、ロシア海軍は、軍事介入を始めた当初から黒海艦隊の巡洋艦「モスクワ」を中心とする艦艇グループをシリア沖合の地中海に展開させており、つい最近もミサイル発射演習を行ったばかりである。

普通に考えれば、これらの艦艇を攻撃に使うほうが自然なのだが、そうしなかったのには訳がある。地中海に展開している黒海艦隊の艦艇はいずれもソ連時代の旧式艦で、対地攻撃の可能な巡航ミサイルの運用能力を持っていないのである。


巡航ミサイルを搭載する21361型ミサイル・コルベット(露国防省)

しかも、黒海艦隊は母港をウクライナ領セヴァストーポリに置いていたため、ウクライナ政府の同意が無ければ旧式艦を新型艦に更新することもままならず、ロシア海軍でも最も旧式化の進んだ艦隊となっていた。

一 方、このような制限のないカスピ小艦隊にはいち早く、最新鋭の巡航ミサイル「カリブル-NK」を搭載したミサイル・コルベットが配備されていた。現在、カ スピ小艦隊にはこのような巡航ミサイル搭載艦が4隻配備されており、合計で32発のミサイルを発射可能であったから、ほぼ全力に近い規模の巡航ミサイル攻 撃が行われたことになる。

3つの衝撃

今回の攻撃は、いくつかのレベルと意味において大きなインパクトを有する。

純 軍事的なレベルで言えば、その意義は、ロシアが西側並みの長距離精密攻撃能力を初めて実戦で証明したことであろう。ロシアは湾岸戦争以降、巡航ミサイルの 集中使用を含む西側の精密攻撃能力をつぶさに観察し、2012年にプーチン大統領が公表した国防政策論文でも「今後は精密誘導兵器の集中使用が戦争の趨勢 を決するようになる」との見通しを示していた。

空軍はすでに衛星誘導爆弾やレーザー誘導ミサイルによる精密攻撃をシリアで実施しているものの、今回の攻撃で使用されたカリブル-NKは米国のトマホークに匹敵する長射程精密誘導兵器であり、そのインパクトは遥かに大きい。

こ れと関連して、カスピ小艦隊の位置づけとユーラシア大陸におけるロシアのパワープロジェクション能力を見直す必要も出てこよう。周囲を大洋から隔絶された カスピ海を担当範囲とし、大型艦や潜水艦も配備されていないカスピ小艦隊は、ロシア海軍の中でも他の4個艦隊と比べてあまり戦略的重要性の高い艦隊とは見 なされていなかった。


攻撃に使用された3M14巡航ミサイルの模型(筆者撮影)

し かし、今回の攻撃により、カスピ小艦隊はロシア海軍の長距離パワープロジェクションを担う存在であることが浮き彫りになったとい言える。ちなみにカリブル -NKの対地攻撃バージョン3M-14は、最大で2000-2500kmもの射程があると言われ、カスピ海の中央部から発射すれば、キルギスタン、アフガ ニスタン、サウジアラビア、トルコ、南東欧あたりまでをすっぽり射程に収めうる。

今後はその他の外洋艦隊にもこの種の巡航ミサイル搭載艦が続々と配備予定であることを考えれば、ロシア海軍の戦力投射能力はこれまでより格段に向上すると考えておく必要があろう。

現在のところ、海上から大陸深奥部にまで精密誘導攻撃を行えるのは米海軍と英海軍だけだが、今後数年から10年程度で、ロシア海軍も相当の能力を備えてくると想定する必要がある。

最後に、政治的レベルにおいては、この攻撃がイラク領空を経由して行われたことに注目する必要がある。

こ れまでもイラクはシリアに展開するロシア機の通過を認めたり、偵察活動のためにロシア機がイラク領空に侵入することを黙認してきたほか、シリアやイランと ともに合同テロ情報共有センターの設置を決めている。このように、イラクが米国の同盟国でありながらロシアへの接近を強めつつある中、巡航ミサイルの通過 をも認めたことはその傾向をさらに決定づけるものと言えよう。

http://blogos.com/article/138050/
◆ロシアのミサイル発射で混迷深めるシリア情勢

2015.10.9  BBC News  JB PRESS

シ リアのアサド政権を支援するロシアがカスピ海から巡航ミサイルを発射したことで、シリア領内で反アサド勢力を支援しているアメリカなど欧米諸国の懸念が高 まっています。シリア政府軍と反政府勢力の対立がさらに複雑になるだけでなく、シリア領内でロシアと欧米の偶発的な衝突の回避が急務となっています。
(BBC News 動画あり)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44968
 ロシアの巡航ミサイルはトマホークとは違って、固体ロケットとラムジェットの統合推進システムでハイパーソニックだから、爆薬そのものより物理的打撃力が凄いという特徴がある。 
またジャイロとグロナス誘導で命中率も相当に高い。
タクティカルトマホークなどは発射後のプログラム変更とかできるし、トンデモな方向行ってからグルッと回って戻ってくるしちょっと上空停止して様子も伺える。

◆【国際】ロシア海軍、カスピ海からIS拠点にミサイル発射 シリア攻撃、一気に拡大 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000143-jij-int
◆ロシアはテロリストを空爆し、米国は病院を空爆した
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月6日(火曜日)
         通算第4674号  <前日発行>
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 「ロシアはテロリストを空爆し、米国は病院を空爆した」(プラウダ)
   「ロシアはISISより、反アサド勢力を空爆している」(オバマ政権)
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 空爆と舌戦が続いている。
 ロシアが空爆を開始したため、混乱が生じた。ロシアはテロリストの拠点を攻撃していると言い張りながら、じつは反アサド勢力の拠点を空爆している。この反政府勢力は米軍が軍事訓練をしてきた部隊と言われ、米国はいたく立腹している。

 トルコは空爆に加わっているが、やはりISIS拠点ではなくクルド武装勢力の拠点を狙っている。サウジ、カタール、UAEなど湾岸諸国も空爆に加わっているが戦果は不明である。

 ロシアは地上部隊を二千名、配備に付けたようで、イランも傘下のヒズボラ戦闘部隊を送り込んでアサド支援に回っている。本格的な地上戦闘が開始される可能性は日々高まっている。

 問題はこうだ。
 ロシアの狙いはISISの実質的な戦闘部隊司令官のチェチェン人を殲滅することにあり、ISIS全体が攻撃目標ではない。
トルコもISISに紛れているクルドの戦闘部隊殲滅である。中国が、これからどう出るかは不明である。

 米国はイラクに精鋭部隊を組織しようとして、数百の規模でイラク人を訓練して最新兵器を供与してきたが、ISISが攻め込んだとき、かれらは武器を放置して逃げた。
マリキ政権が依怙贔屓で、部隊を速成し、訓練も殆どないままだったうえ、部隊幹部は腐敗の極にあった。

兵隊はサダム残党や旧バース党が多く、そんな軍隊にいつまでの付き合っている気はなかった。つまりいかに最新兵器で武装していようとも司令層が腐敗し、逃げ出す構えでは兵隊は闘わない。日清戦争で最新鋭軍艦を装備していても日本に蹴散らされたシナ人と同じである。
いまの中国軍もいざ戦争となれば、すぐに逃げ出すだろう。

 反アサド勢力も、米軍の肝入れで訓練しても、残ったのは50名前後、しかも戦闘が始まると米軍が供与した最新兵器を置き去りにして逃げたため、これらはヌスラ宣戦にながれた。
 そうした状況下にロシアとイランが地上部隊をいれて、アサドを守ろうと言うのである。風向きは変わった。

http://melma.com/backnumber_45206_6268275/
米軍に誤爆されたと言う国境なき医師団
実はフランス情報部の息がかかった団体である。人助けしてるフリして情報活動をする集団で誤爆でなく、明らかにわざとだ。
医師団の中の「事務員」とか「業務調整員」あるいは「ロジスティック」ってのが大体、情報員。
戦場においてはゲリラと同じ扱いされてもしょうがない。米国もフランスと色々問題を抱えているようだ。
国境なき医師団から分派した「メデュサン・ドュ・モンド」ってのは、裏の仕事が嫌だった。
◆イスラム世界で繰り広げられる戦争
敢然と立ち向かうプーチン大統領、躊躇するオバマ大統領

2015.10.9 The Economist JB PRESS

(英エコノミスト誌 2015年10月2日号)

シリアにロシアが介入し、アフガニスタンで米国がためらう危険性

米ロ関係が急速に冷え込む中、中東でもバラク・オバマ大統領とウラジーミル・プーチン大統領が対照的な動きを見せている〔AFPBB News〕

 ウラジーミル・プーチン氏の話を聞くと、ロシアは新たな対テロ世界戦争の指導者になった。対照的にバラク・オバマ氏は、米国が10年以上にわたり戦ってきたイスラム世界での戦争に、日ごとに嫌気がさしているように見える。

 ロシアの戦闘機は9月30日、窮地に立つバシャル・アル・アサド大統領の軍隊を支援するために行動を起こした。

 ロシアはイラク、イランとの間で情報共有ネットワークを構築しつつある。ロシア正教会は聖戦を話題にしている。

米国の撤退が残す空白

 「イスラム国(IS)」と戦っているというプーチン氏の主張は、控えめに言っても疑問の余地がある。

  ロシアの空爆初日に見られた証拠は、空爆が、米国に支持されている勢力を含めたスンニ派反政府勢力を攻撃していることを示していた。たとえそれが政治劇場 と大差なかったとしても、ロシアは1970年代にソ連が追い出されてから米国の領域だった中東で最大の行動を起こしている。

  一方、アフガニスタンでは、タリバンに対する米国の軍事行動が打撃を受けている。タリバンは9月28日、同国北部のクンドゥズを制圧した――2001年に タリバンが権力の座から追い出されてから初めてその手に落ちた州都だ。アフガニスタンの軍隊は、3日後にクンドゥズ中心部を奪還した。だが、たとえアフガ ニスタン軍が完全な支配権を確立したとしても、今回の攻撃は屈辱だった。

 クンドゥズもロシアのシリア爆撃も、同じ現象の兆候だ。すなわち、イスラム世界の戦争から身を引こうとするバラク・オバマ氏の試みによって生じた空白である。

 オバマ大統領は先の国連総会で、米国は「単独で異国の地に安定をもたらすことはできない」ことを学んだと述べた。イランとロシアを含め、他国もシリアで手を貸すべきだという。

 オバマ氏は完全に間違っているわけではない。だが、同氏の提案は多くの危険を覆い隠している。米国がお手上げだと諦めること。地域の大国が米国の離脱を感じ取って混乱状態に飲み込まれること。そして、ロシアの介入が血みどろの戦争をもっと血みどろにすることだ。

 オバマ氏が方針を転換しない限り、さらに多くの死者、難民、過激思想が予想される。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44957

◆ロ大統領報道官「ロシアはシリアで合法的に軍事作戦を行う唯一の国」

2015年09月30日  Sputnik 日本

水曜日、ロシアのドミトリイ・ペスコフ報道官は、記者団に対し「ロシアは、合法的基盤に立って、つまりシリア当局の要請に従って、この国で軍事作戦を行っている唯一の国だ」と述べた。


ペスコフ報道官は、ロシア空軍は「IS(イスラム国)」戦闘員らの陣地のみ攻撃すると保障できるのか、との記者の質問に対し、次のように指摘した-

「第三国の領内での軍事力の行使は、そもそも、国連安全保障理事会決議か、その国の合法的な政権の要請があって初めて可能である。
今回の場合、ロシアは事実上、合法的な基盤の上で、その作戦を行う唯一の国になるだろう。我々は、シリアので合法的に選ばれた大統領の要請に従って行動している。

ロシア上院 ロシア軍を外国で使用することを許可する決議を承認
我々の基本的な課題は、テロリストや過激主義者との戦闘で、シリアの合法的な政権を支援し、テロリストらと戦うことである。」

http://jp.sputniknews.com/politics/20150930/975818.html#ixzz3nJCnIS7O
ソ連が崩壊し、KGBが解体され、多くのKGBがCIAにリクルートした。特に米国内で活躍していた者の殆どがそのまま米国に留まった。その一人がオバマである。しかし関東軍解体の時もそうだったが、諜報部員が国を違えても元同僚という絆は非常に強い。
元KGBであるCIAとプーチンは元同僚である。諜報部員は必ずしも国の方針には縛られずに動く。誰よりも左右両方からの支持があるプーチンには、オバマの数々の謀略は手に取るようにわかる。元同僚にまで愛想を尽かされるオバマとは違う。
◆ 「ロシア人義勇兵」参加も=シリア地上作戦検討か 

2015年10月6日 時事通信

【モスクワ時事】ロシアのコモエドフ下院国防委員長は5日、過激派組織「イスラム国」と戦うアサド政権を支援する名目で開始したシリア空爆に関して「(ウクライナ東部で親ロシア派として戦った)ロシア人義勇兵がシリア政府軍(の地上作戦)に参加するだろう」と語った。

 インタファクス通信が伝えた。

  「イスラム国」掃討には地上作戦が不可欠として、国防省内で検討されているとみられる。ロシアはウクライナ東部紛争で「義勇兵」と称して最精鋭の空挺(く うてい)軍などを送り込んだ。プーチン大統領は「シリアで地上作戦は行わない」と説明するが、義勇兵を隠れみのに極秘作戦を行う可能性がある。

 派兵が現実となれば、ロシアが支援するアサド政権と「イスラム国」など過激派組織、欧米が支援する反体制派が戦うシリア内戦がさらに複雑化しそうだ。戦闘の泥沼化や、同組織によるロシア本土への報復テロを招きかねないとも指摘されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151006-00000095-jij-int 
◆ロシアの影の戦争 IS参加チェチェン人を根絶
ロシア軍シリア空爆の狙い

2015年10月05日 佐々木伸 (星槎大学客員教授)WEDGE Infinity

ロ シアのシリアでの空爆が続いている。ロシアが過激派組織「イスラム国」(IS)ではなく、アサド政権に敵対する反体制派への攻撃に重点を置いていることも 鮮明になっており、米欧との対立が激化している。当のロシアはあくまでもテロとの戦いを強調しているが、チェチェン系過激派の根絶やしを狙ったプーチン大 統領の“影の戦争”が浮かび上がってきた。


10月1日、モスクワで行われた市民社会発展・人民委員会で、ロシアのシリア空爆による市民への被害を否定した(Gettyimages)
チェチェン人2500人がIS合流

  ロシアが9月30日に空爆を開始して以来、連日のように作戦が展開されているが、標的のほとんどはアサド政権に敵対する北部や西部ホムス県の反体制派組織 だ。空爆3日目の2日、やっとISの首都のあるラッカ周辺のキャンプなどを攻撃したが、西側専門家によると、ISなどの過激派を狙うのは20回のうち1回 程度の割合だという。

 一連の作戦を見る限り、ロシアの当面の目標は、アサド政権に敵対する反体制派勢力をたたき、政権の延命を図ること にあるのは明らかだ。シリア空爆作戦を展開している有志国連合の米英仏など7カ国は「ロシアの攻撃は内戦をエスカレートさせ、過激主義に油を注ぐもの」と 批判する声明を発表、オバマ大統領も「事態を泥沼化させるだけ」と非難した。

 これまでの情報によると、民間人約40人が犠牲になってお り、今後も巻き添え被害が急増するのは必至。ロシアの攻撃を受けた米中央情報局(CIA)が支援する反体制派組織は、ロシア機を撃墜するための地対空ミサ イルの供与を米国に要求している。しかしオバマ大統領は、シリアでロシアと代理戦争する考えはない、とロシアとの軍事的な衝突は避ける考えだ。

  こうした中で、プーチン大統領の軍事介入の影の意図も次第に明らかになってきている。ロシアとの関係が深いレバノンのドルーズ派の指導者、ワリド・ジュン ブラッド氏によると、プーチン大統領は国内のチェチェンやダゲスタンなど北コーカサス地方の数千万人に上るスンニ派に脅威と強迫観念を持っており、今回の 軍事作戦で、ISに加わっているチェチェン系の過激派の根絶やしを狙っているのだ、という。

 ISには現在、チェチェン人の過激派が約 2500人も合流している。2013年にはISの前身の組織にいたチェチェン人は約200人だったといわれ、その勢力が急速にISに流入しているのだ。こ のチェチェン人軍団はその勇猛な戦いぶりにより、ISの内部で存在感と発言力を高めている。

 中でもISの軍事司令官の地位に就いている オマル・シシャニ(30)はチェチェン人軍団の頭領である。父はキリスト教徒、母がイスラム教徒で、グルジア軍の元軍曹。2012年にシリア入りした後、 2013年半ばにISの指導者、アブバクル・バグダディに忠誠を誓った。ISの最高意思決定機関である「諮問評議会」のメンバーとされる。

ロシア軍シリア拠点への急襲も

  このチェチェン人軍団はISの特殊作戦を担う「突撃部隊」とされ、今年春にイラクの油田地帯、北部キルクークに奇襲攻撃を仕掛けたのもこのチェチェン人軍 団だったという。一部の情報によると、この軍団がロシアへの報復のため、ロシア軍が基地とする地中海沿岸ラタキアの空軍基地を急襲するため、山岳地帯を基 地に向かっている、という。

 ロシアではこれまで、第1次(1994~同96年)、第2次(1999~2009年)という2度に渡るチェ チェン紛争が勃発、それに伴いモスクワの劇場占拠事件、旅客機同時爆破、地下鉄爆弾事件などのテロも続発した。旧ソ連時代の国家保安委員会(KGB)出身 のプーチン氏はこれら紛争と過激派対策に取り組んできただけに過激派にはとりわけ過敏だ。トラウマになっているとも言える。

 最近では、ISの影響力が北コーカサス地方に浸透しており、国内的な過激派対策上からも、IS内のチェチェン人軍団を徹底的に叩いておこうという思惑があったのは間違いない。

 しかしプーチン氏にどんな思惑があったにせよ、ロシアの今回の軍事介入は同氏にとって危険な賭であることに変わりはない。米紙ニューヨーク・タイムズは「プーチン、大釜に突っ込む」という見出しで、同氏が火中に手を突っ込んだことを強調した。

 ロシアはすでにアフガニスタン侵攻(1979年)で手痛い敗北を喫し、イスラム過激派の恐さは十分過ぎるほど身に染みている。「ロシアも米国も同じだ。復讐する」(反体制派指導者)という声をプーチン氏はどう聞くのか。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5450
◆ロシア軍とイスラエル軍 シリアでの行動調整について協議

2015年10月06日 Sputnik 日本

ボグダノフスキー第一参謀次長を長としたロシア軍代表団が、2日間の日程でイスラエルを訪問する。ロシア代表団はイスラエルで、イスラエル軍の代表者とシリアでの行動連携ならびに紛争解決について協議する。

匿名を希望するイスラエルの将校は、次のように語った-

「10月6日、イスラエルのゴラン参謀次長が、ロシアのボグダノフスキー第一参謀次長と会談する。会談はテルアビブで開かれる。これは2日間の日程で行われるロシア軍代表団イスラエル訪問の一部となる。会議では、地域における行動連携などについて話し合われる」。

イスラエルは、シリアのアサド大統領の要請に従ってシリアでテロ組織「IS(イスラム国)」の拠点に対して空爆を行っているロシア軍との偶発的衝突を避けながら、シリアでの行動の自由を維持しようとしいている。

イスラエルのネタニヤフ首相が9月にモスクワを訪問した時、シリアでの連携・調整メカニズムの創設について基本的合意に達していた。なおネタニヤフ首相のモスクワ訪問には、イスラエルのアイゼンコット参謀総長が同行した。

最 近数年間、外国のマスコミは、イスラエル空軍がシリアでの空爆、倉庫や車列への爆撃、偵察飛行に関与しているという情報を一度も報じていない。イスラエル は通常、このような報道についてはコメントしないが、危険性が生じた場合には、軍事力を行使する用意があると、その都度発表している。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151006/1000373.html#ixzz3nyjf39YY 
ブーチンはISISの最高指導者アブ・バクル・アルバグダディがモサドであることを知っている。しかもISISが占領した油田をイスラエルとトルコが密売を手伝っていることも。
反米に転じたイスラエルとトルコはプーチンからすれば、敵の敵は味方ということだろう。
ISISが油田占領時に関わったのがチェチェン人軍団であり、プーチンが殲滅を計る 標的の動向を当然イスラエルは知っている。イスラエルはシリア政府を脅かす反政府軍には現在関与していない。反政府軍は元々欧米が送り込んだ傭兵である が、イスラエルは当初のスポンサーの一国でもある。
当然ロシア軍とイスラエル軍は戦闘上で打ち合わせすべき事が山ほど有るだろう。
◆元米国務長官、「シリア問題で米国は自身の手で自分を袋小路に追いやった」

2015年10月10日 Sputnik 日本


ロー レンス・ウィルカーソン元米国務省長官はロシアのテレビ局RTからのインタビューに答え、シリアのアサド政権転覆に対するホワイトハウスの執着が、「イス ラム国(IS)」に立ち向かうために露米イラン、トルコの力を集結させる障害となっていると語った。ウィルカーソン氏は、米国はシリア問題において自分で 自分を袋小路に追いやったと指摘している。

ウィルカーソン氏は、パウエル元大統領上級顧問外交問題担当やホワ イトハウスの一連の役人がオバマ大統領に対し、シリア危機の唯一の原因は…、旱魃と水不足でシリア農民らが都市に流入している状況だと納得させた段階で、 米国はシリアの内戦に「加わってしまった」と考えている。こうした状況が出来上がっていたがために、米国は「人権擁護」メカニズムを使わざるを得なくなっ たというのだが、実のところは米エリートの一部が別の目的を追求したに過ぎなかった。

「パウエルのような人間 が誤ってこれはアサド政権転覆のチャンスだと思ってしまったのだ。アサドを彼らは無慈悲な専制君主扱いしていたからだ。シリア大統領引きずり下ろすにはエ ジプトのムバラク政権転覆に使われた「雛形」どおりに行われるはずだった。だがこの方法は明らかにうまくいかなかった。ムバラクがエジプト国民に忌み嫌わ れていたのであれば、その辞任は時間の問題だったが、アサド政権はその逆にシリアの様々な社会層に支持されている。軍人、アラブ人社会、特に首都ダマスカ スの実業界がアサド氏を支えている。」

「アサド氏が近い将来どこかへ出て行くという前提は何もなかった。米国は、アサドは出て行くべきだという愚かな声明を表した。こういうのを『自分の仕掛けた地雷にひっかかる』と言うのだ。」

ウィ ルカーソン氏は、シリア大統領が米国にとって「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからぬ人物)」になった段階で米国政府は自らのシリア政策の過ちを認め、 アサド大統領との関係を一歩後退させて、「イスラム国(IS)」との闘いに全力を投球すべきだったとの見解を示している。

http://jp.sputniknews.com/politics/20151010/1017804.html
◆欧州委員長「米国は、我々がロシアとどう付き合うか、指図する事などできない」

2015年10月10日 Sputnik 日本


EU の政策執行機関、欧州委員会のジャン-クロード・ユンケル委員長は「欧州にとって、ロシアとの関係確立は必要不可欠だ」と述べ「米国政府は、我々がどうロ シアと関係を持つべきかについて、指図する事などできない。ロシア当局との関係改善のため、努力する必要がある」と述べた。

ちょうど一週間前にパリで、ウクライナ問題に関する所謂「ノルマンジー4者」会合が開かれた。会談結果を総括するいかなる文書も、調印されなかったが、会合後、ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナの首脳は「肯定的な見通し」を口にし「見解が近づいた」と指摘した。

これまで、欧州は、対ロシア関係においていかなる政策を実施すべきか、米国が指図するのを許してきた。米国は、欧州に対し、対ロ制裁を導入するよう、文字通り強制した事を隠してさえいない。

米国のバイデン副大統領は、次のように公言した-

「欧州の人々が、制裁を望んでいなかったことは確かだ、しかし米指導部と米大統領は、それをあくまで要求した。そして、経済的損失を被るというリスクを負いながらも、ロシアが報いを受けるようにするため、しばしば欧州を厄介な立場に置いてしまった。」

し かしユンケル委員長の発言は、EUの立場が変更される可能性のあることを示唆している。ユンケル委員長の発言が、ウクライナ情勢に関連した制裁の緩和を告 げるものとなる事もあり得る。なぜならEU加盟国のいくつかの国々の経済は、対ロ制裁により、深刻な損失を被っているからだ。制裁措置は、貿易取引高の縮 小をもたらしただけでなく、ロシアの側からの対抗制裁を呼び起こしてしまった。特に、EUからの食料品輸入の禁止は、欧州の生産者に大きな打撃を与えた。

対ロシア制裁を延長するかどうかの問題は、今年末、投票に持ち出される。双方が接近している現在の状況は、おそらく、そうした投票の結果に影響を与えるだろう。

http://jp.sputniknews.com/politics/20151010/1017861.html#ixzz3oAXyb1SN
◆米国 シリアの反政府勢力養成プログラムを中止

2015年10月10日 Sputnik 日本

米国は、シリアの反政府勢力養成プログラムを中止する決定を下した。匿名を条件に、米国政府高官が明らかにした。

匿名の政府高官は、新聞The New York Timesの取材に対し、オバマ政権がそうした措置を取る決定を下したのは、シリアにおける反政府勢力の育成や戦闘員の養成を目指したプログラムが失敗に終わったからだと認めている。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151010/1015603.html#ixzz3oAdIBn9U

最早支那大陸に賭けるしか無くなった英独の命運

2015-10-09 06:12:06 | 資料
中国に急接近する英国:オズボーン・ドクトリン
議論もなく大きく舵を切る政府、経済、政治、外交上の大きな賭け

2015.9.29   The Economist  JB PRESS

(英エコノミスト誌 2015年9月26日号)

英国は無自覚なまま中国との距離を急速に縮めている。


中国で国家元首級の扱いを受けたジョージ・オズボーン財務相〔AFPBB News〕
 北京のラッシュアワーの時間帯に、自動車8台から成る車列が渋滞をかき分けて作られた空き車線を猛スピードで進んでいく。パトカーのライトがスモッグの中で点滅する。各交差点では警察官が警備にあたり、腕を上げて一般車両を押しとどめている。

 車列の一行は、ほとんどブレーキを踏むこともなく、北京の古い街並みである胡同や高級アパレルショップを素通りし、大渋滞の高速道路の上を通過し、毛沢東主席(と1本の街灯に6台ずつ取り付けられている監視カメラ)が見守る天安門広場を通り抜けた。

 9月20日、5日間の日程で中国に到着した英国のジョージ・オズボーン財務相は、このような特別待遇を受けて、世界の舞台に立った。

  通常、中国当局がこのような交通管制を行う対象は中国共産党中央政治局の委員か、外国の国家元首に限られている。しかし、今回中国を訪れたあか抜けた風貌 の英国財務相は、単なる財務大臣ではない。オズボーン財務相はデビッド・キャメロン英首相の側近中の側近であり、事実上の副首相かつ外務相で、英国の欧州 連合(EU)との関係見直しに関しては再交渉責任者の任にある。

 過去3年にわたり、オズボーン財務相は英国 経済を活性化させ、保守党を選挙で選ばれる政党とし、かつては自らを忌み嫌っていた有権者の間でも支持を集める(少なくとも容認させる)ことに成功した。 同財務相がキャメロン首相の後継者となる可能性は、今までになく高まっている。

オズボーン財務相が中国で厚遇された理由

 この状況は中国にも歓迎されている。というのも、オズボーン財務相は西側で同等の地位にある政治家の中でも、恐らく最も中国寄りの人物だからだ。

  財務相が中国の経済発展に興奮を覚えているのは明らかだ。英国大使の公邸で当コラム筆者のインタビューに応じたオズボーン財務相は、1990年代初頭に中 国をバックパッカーとして旅した際の体験を生き生きと振り返った。「堅苦しくて冴えない」街だった当時の北京と、活気がみなぎる巨大都市となった今の街を 対比させ、流行の最先端を行くハイテク街は「サンフランシスコと見間違えるほどだ」とも述べた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44867

◆中国へのピボットにすべてを賭ける英国
良好な経済関係のために、その他すべての問題で服従するのか?

2015.9.28 Financial Times  JB PRESS

  ここに問題がある。自国のことを米国の最も信頼できる軍事同盟国と見なす国が、西側における中国の特別な友人にもなれるのか? 英国のジョージ・オズボー ン財務相に聞けば、その答えは明快な「イエス」だ。ほかの人――ホワイトハウスやホワイトホール(英国政府)の人々――は別の見方をしている。

 オズボーン氏は中国各地を巡り、北京の中央政府の権威が先住民のウイグル族に挑まれている、問題を抱えた新疆ウイグル自治区も訪れた。

 財務相は商業契約に署名していない時には、あらゆる手を尽くして物議を避けた。オズボーン氏の狙いは、中国の習近平国家主席が10月に英国を公式訪問する際に、金融、投資に関する一連の合意文書に調印するお膳立てをすることだった。

 オズボーン氏は、習氏が中国の資金をイングランド南部の新しい原子力発電所に投じたら、20億ポンドの納税者の支援を保証すると約束した。また、同氏は英国を中国独自の原子力技術の試験台として差し出した。

 ホワイトホールの関係者は、原発プロジェクトはシェールオイルとシェールガス、そしてエネルギー利用のパターンの変化によって経済性を失ったと考えている。オズボーン氏はそうした見方を一切認めない。

財務省が外交政策の方向性を定める異例の事態

 オズボーン氏が北京、上海、ウルムチを巡り、英国を西側における中国の「最高のパートナー」として売り込んでいる頃、ロンドンにいる安全保障の担当者らは新しい安保戦略を策定していた。その最重要項目は、ワシントンとの安保・軍事同盟の再確認になる。

  英国のデビッド・キャメロン首相は今年、英国の防衛予算削減計画に対する米国の批判にさらされ、ひどく動揺した。国内総生産(GDP)比2%という北大西 洋条約機構(NATO)の防衛費目標を復活させた今、首相は英国がまだ十分な軍事力を発揮できることを示したいと思っている。シリアのイスラム過激派テロ リストに対する英国の空爆を禁じる議会の規則を覆そうとする努力の背後にも同じ考えがある。

 偶然にも、防衛見直しは、サイバー攻撃に対抗する英国の能力の大幅な増強にも触れる。こうしたサイバー攻撃の多くは――読者が推測するように――中国から仕掛けられている。

  財務省が外交政策の方向性を定めるのは珍しい。ホワイトホールで最も大きな権限を持つ財務省は長らく、外国人に対する組織的な軽蔑を示してきた。財務省職 員はたまたま外国語を話したとしても、それを伏せておく。だから、中国政府への接近は、オズボーン氏の個人的なプロジェクトだ。

 オズボーン氏は中国の台頭に目がくらんでいると言う人もいる。

 同氏は、20世紀に米国が英国を押しのけたのとちょうど同じように、21世紀中に中国が米国に取って代わると考えているように見える。

 実利主義の要素もあった。同氏は英国内の緊縮の影響を多少和らげるために中国マネーを必要としているのだ。

 そのため、キャメロン氏がチベットの精神的指導者のダライ・ラマと会談した後、英国が中国政府の不興を買った時、オズボーン氏は屈辱的な譲歩に対する外務省の抵抗を覆した。首相は然るべく自分の過ちを悔い改め、以来、中国の気分を害さないよう細心の注意を払っている。


デビッド・キャメロン首相は、とにかく中国を怒らせないよう、細心の注意を払っている〔AFPBB News〕

中国の不興を買うのを恐れるキャメロン首相

 キャメロン氏が今夏、東アジアを訪問した際、シンガポール政府はこの機に首相が地域の安全保障について何か話したがるのではないかと考えた。結局のところ、英国はアジアの5カ国防衛協定のメンバーだからだ。

 だが、東シナ海、南シナ海で数カ国の近隣諸国および米国と対立している中国を怒らせることを言ってしまうのを恐れ、キャメロン氏はためらった。シンガポール政府は、首相はむしろ、アジア企業がロンドンのシティ(金融街)で資金を調達する機会について話したいと言われた。

 より最近では、米国と袂を分かち、中国政府がスポンサーとなるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加することにした英国の決断の背後にオズボーン氏がいた。

 ワシントンの多くの人も今では、新銀行に対する西側諸国のボイコットを組織しようとした米国の試みは控えめに言っても軽率だったという見方に同意するだろう。

 だが、オズボーン財務相の動機は決して戦略的なものではなかった。同氏としては人民元のオフショア取引センターとしてロンドンを選ぶよう中国財務省を説得したかったのだ。

  中国が新たに得た富の大きなシェアをつかみ取る熱意を持っているのは決してオズボーン氏だけではないと言う人もいる。アンゲラ・メルケル首相はひっきりな しにドイツの貿易使節団を率いて中国を訪れているし、米国は中国政府との議論が米中間のビジネス拡大の障害にならないようにしている。

 それは事実だ。奇妙なのは、健全な経済関係のためには、人権であれ、西太平洋における係争中の中国の領有権主張であれ、その他すべての問題で従順な姿勢を取る必要があると思い込んでいる英国の前提だ。

 米国のバラク・オバマ大統領は習氏と会談する際に、そんな罪の意識を感じないだろう。

 中国をよく知る人々は、いずれにせよ、かつて叩頭と呼ばれたそうした自己卑下が好意的な扱いを勝ち取れる証拠はないと言うだろう。反対に、中国政府は懇願者と見なす人たちを軽蔑する傾向がある。

英国の国益

  また、オズボーン氏が提案している中国との特別な関係が、英国の長期的な戦略的利益の大きな評価からほとんど切り離されていることも奇妙だ。安全保障と防 衛の見直しは、英国の繁栄と安全保障は何にも増して、開放的でルールに基づく国際体制の保存に依拠すると指摘する。これは1945年以降、米国によって裏 書きされてきた秩序だ。中国政府はこの制度を西側の覇権の表れと見なしている。

 中国との有益な経済的関与と英国の安全保障の担保のバランスを取ることに、簡単なことなど何一つない。また、英国は必ずしも、常に米国と同意する必要はない。だが、英国の国益には、怪しい原子力エネルギープロジェクトに対する数十億の中国の投資以上のものがある。

By Philip Stephens
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44861

◆AIIBで中国の軍門に下った英国…世界最古・権威誇る「ローズ奨学金」も“門戸開放”

2015.4.6 産経ニュース

  英オックスフォード大学は先週、世界最古の国際的奨学金制度である「ローズ奨学制度」の適用範囲を来年から中国にも拡大すると発表した。英帝国主義時代の 政治家で、南アフリカでの金鉱経営などによって巨富を得たセシル・ローズ(1853~1902年)の遺言によって始められたこの留学生への奨学金制度は、 歴史のみならず権威も高く、奨学生たちは留学後、各国で指導的地位に就いている。ただ、対象国が米国や旧英統治国などに限定されていた。今回、中国にも門 戸を開放することを決めたのは、英政府の中国重視を反映しており、背景には大英帝国時代からの伝統である、冷徹に国益を見据えた深謀遠慮がありそうだ。 (SANKEI EXPRESS)

 ローズが残した莫大な遺産の一部を基金にしたローズ奨学制度は、1903 年に第1回の留学生を迎え、これまでに8000人近くのOB・OG(77年からは女性にも開放)を輩出し、そのうち約4500人が今も健在で、一大ネット ワークを形成している。有名なOBは、ビル・クリントン元米大統領(68)、「ハーバード白熱講義」で有名なマイケル・サンデル・ハーバード大教授 (62)、トニー・アボット豪首相(57)ら枚挙にいとまがなく、米国ではローズ奨学金が受けられれば、パワーエリートへの道が約束される。

戦争回避し国益重視

  発足当初は、奨学生の対象国は米国とドイツだけだったが、現在ではカナダ、南アフリカ、オーストラリアなど旧英統治国も加わり、30カ国から83人を毎年 受け入れている。国別に受け入れ人数の枠があり、最多は米国の32人で、奨学生たちは通常、3年間、オックスフォード大(大学院含む)で学び、寮生活を送 る。

 学費、生活費、寮費を含めて年間5万ポンド(約890万円)以上の奨学金(返済義務なし)が支給される好条件も手伝い、対象国からの志願者は例年1万2000人(選抜倍率約140倍)を超えている。

  ローズが遺言で対象国を米国とドイツにしたのは、時代背景と政治的な意味があった。20世紀の初頭はドイツが急激に勢力を伸ばし、米英独の3強鼎立の様相 が強まっていた。特に英独は、共に掲げた3C(ケープタウン、カイロ、カルカッタ)政策と3B(ベルリン、ビザンチウム、バグダッド)政策の植民地支配拡 大構想が衝突しつつあり、開戦の危機が忍び寄っていた。ローズは、3つの列強の将来のリーダーたちの相互理解が深まれば、戦争が回避でき、英国の利益に叶 うと考えたのだった。実際には米英と独はその後、2度の世界大戦に突入してしまったが、今でも伝統は受け継がれ、ドイツからも2人の留学生を毎年受け入れ ている。

米並みに受け入れ枠拡大

  今回、中国からも受け入れることにしたのは、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を欧州でいち早く表明するなど、中国重視に前のめ りな英政府の姿勢も反映している。ローズ基金のチャールズ・コン最高執行責任者(53)は「中国は間違いなく21世紀の世界のキープレーヤーだ。その中国 の優秀な若者をオックスフォード大が奨学生として受け入れることは、国際社会に与えるインパクトが大きく、資することも大だ」と話している。

 オックスフォード大では、中国の北京大、清華大、復旦大、上海交通大、浙江大と提携して奨学生を選抜し、来年10月から受け入れるとしている。当初は6~7人を想定し、近年中に米国と同じ最大受け入れ枠32人を中国にも適用するとしている。

 中国への人権批判の声など、かき消されているかのようだ。

http://www.sankei.com/world/news/150406/wor1504060016-n1.html
◆世界一の商業国家「英国」が開けたパンドラの箱 日米との不和懸念より中国AIIB選んだ冷徹“損得勘定”

2015.4.6 産経ニュース

  中国主導で創設される「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に、英国が3月12日に欧州主要国で初めて参加を表明したのを機に、ほかの欧州諸国や新興国 が相次ぎ参加を表明する流れが止まらない。その英国が「特別な関係」の同盟国、米国の制止を振り切った背景には、英国の経済優先主義がある。第二次大戦後 続く米国優位の金融秩序への挑戦が始まった。(ロンドン 内藤泰朗)

 「西側の主要国で、初めて創設メンバーになる決定を下した」-。

 英国のオズボーン財務相は3月18日、5月の総選挙を控えた政権最後の下院予算演説の冒頭、こう語り、「欧州主要国で初」に強いこだわりをみせた。「新しい国際機関には創設時から参画すべきだと考えたためだ」と強調した。

 ウクライナ危機で欧米諸国から経済制裁を受け、じり貧の道を歩む新興国、ロシアは当面、頼りにならない。欧州経済も不振にあえぐ中、英政府は成長する中国を新たな経済パートナーとする意思を打ち出し、中国の投資銀行への関与を明確にすることで実利を得ようというわけだ。

 さらに、英政府は、対中貿易を増やし、ロンドンを欧州における中国通貨の金融取引センターにして膨大な資金を中国から呼び込もうという野望を抱く。

  英紙フィナンシャル・タイムズによると、英外務省は、AIIB参加が日本、米国の同盟国と不和を生み出すと警告したが、同財務相が政府の国家安全保障会議 (NSC)で、「起こりうる問題よりも商業的な利益の方が勝る」と説得。昨年、「英史上最大の貿易代表団」と中国を訪問したキャメロン首相が、同財務相の 経済優先外交を後押し、決断した。

 英国が突然、投資銀への参加を表明した数日前のことだったという。

 英国内には「勃興する中国は分裂する西側諸国をうろたえさせている」「米国の金融秩序と、中国による秩序が競合する事態は、世界にとって悲劇であり、双方ともに失うものが多い」と、中国主導の新秩序を警戒する声がある。

 だが、その一方で、「中国が投資銀を自らの政治的影響力拡大の道具に使うというが、米国もこれまで金融秩序を利用してきた」と皮肉る声もある。

 ただ、「中国は西側の参加、不参加にかかわらず投資銀行を立ち上げる。世界経済の規模を拡大させる投資銀行を拒絶することはばかげている」「世界経済へのカンフル剤となる」などと、投資銀創設には好意的に捉える向きが多い。

 英国が開いた「パンドラの箱」は、ドイツやフランス、イタリアに加え、ルクセンブルクやスイス、オーストラリアといった欧州の金融国家、さらにブラジルやロシアといった新興国が連鎖的に参加を表明する事態に拡大した。

 「それが英国の狙いだった。西側初の参加表明をした英国の賭は、当たったのかもしれない」

 そう語る外交筋によると、英国の金融産業は1980年代はバブル経済の日本、その後は、中東やロシアのオイルマネーを吸い上げて成長してきた。

  同筋は「英国は中国の巨額資金で貪欲に成長を続けることを考えている。中国による金融秩序構築が失敗しても、成功しても、得られる利益は大きい。確固たる 対中国戦略がなくても、米国主導の金融秩序が簡単に壊れることはないことも英国は理解している。どこまで中国の資金を活用できるのか、注意深く見ていきた い」と指摘している。

http://www.sankei.com/premium/news/150410/prm1504100003-n1.html
◆英国総選挙に中国系が11名も立候補していた

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)5月10日(日曜日)
   通算第4534号  

英国総選挙の意外な結末、末端では華人が暗躍していた
  二大政党政治は薄まり、日本の多数政党混合型に似てきたのか。
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 英国の総選挙は大方の予測に反して、保守党が単独過半をしめ、キャメロン政権が継続されることとなった。連立相手の自由民主党が少数派に転落し、いきなりスコットランド民族等が大躍進を遂げた。

 牽強付会を承知で比較すれば、日本の政治状況に酷似してきたのではないか。
 自公連立を「保守」とすれば、大躍進「維新の会」が関西の地域性強く、スコットランド民族党の躍進と対比できる。激減した民主党が「労働党」、そして「次世代の会」はごく少数の組織になった。まるで[UKIP]のごとく(Ukipは僅か一議席)。

 底流にあったのは移民問題である。
経済、失業のイッシューは政策論議のトップではなく、移民が享受する福祉保健サービスをどうするか、という問題だった。

英国の福祉を狙ってEUの諸地域から、多くの移民が英国へなだれ込んだ。
 その不満がEU加盟継続を唱えた自由民主党の転落であり、労働党はまともな対応策が取れない能力不足を衝かれた。

 さらに底辺では、いかなる変化が起きていたか。
 英国における「三大少数民族」とはインド系、パキスタン系、そして三番目が華人である。旧植民地からの移民として、もともと英国にはインド系、パキスタン系がせめぎ合い、其の次は旧植民地ナイジェリアからの移民と言われた。

 1997年の香港返還の直前に英国は香港市民24万名の移民枠を設け、それに溢れた香港籍の人々も、あの手この手でなだれ込んだ。かれは英国に住み着いた。

 中国の改革開放以来、「留学」として入り込んできた中国人は、現在EUにおける労働の自由、移動の自由をフルに利用して英国への夥しく入り込んだ。
 倫敦ばかりか、マンチェスター、リバプール、そしてバーミンガムにチャイナタウンが形成された。

五年前の総選挙では「積極的に政治に参加しよう。でなければ発言権が得られない」とばかりに8名の華人が立候補した。いずれも落選だったが、今回は11人の華人が立候補し、一部は善戦した。

お りしも日本では、四月の地方統一選挙で、新宿区議に中華料理店を経営する李小牧が、「華人の発言権を」と主張して、帰化してすぐに立候補した(みごとな落 選だったが)ように、移民先で方便として帰化し、すぐに政治的影響力の確保を目ざすというのも、華人らしいといえば、たしかにそうだろう。

英国総選挙の末端で、まだ目立たないが、起き始めた異変である。

http://melma.com/backnumber_45206_6204752/

首都ロンドンでは既にイギリス人が少数派だ。李嘉誠が香港の不動産から撤退し、猛烈な勢いでロンドンの不動産を買い漁っている。英国の喉笛に支那が噛みついたが、キャメロンは何処へ行く?
◆アウディ、排ガス操作ソフトを210万台に搭載
グループ会社にも波及

2015年09月28日  ロイター


9月28日、アウディは、フォルクスワーゲンが米国の排ガス規制を逃れるために使用したものと同じソフトウエアが搭載された自動車が世界で210万台に上ると明らかにした。フランクフルトで14日撮影(2015年 ロイター/RALPH ORLOWSKI)
[ベルリン 28日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)の高級車部門アウディは28日、VWが米国の排ガス規制を逃れるために使用したものと同じソフトウエアが搭載された自動車が、世界で210万台に上ると明らかにした。

広報担当者によると、内訳は西欧が約142万台、ドイツが57万7000台、米国が約1万3000台。対象となるモデルには「A1」「A3」「A4」「A5」「A6」「TT」「Q3」「Q5」が含まれるという。

VWは前週、対象車は世界で約1100万台販売されていると発表していた。

http://toyokeizai.net/articles/-/86153?display=b

◆VW排ガス不正、外部から07年に違法性指摘 独紙

2015/9/28 J-CASTニュース

独 フォルクスワーゲン社(VW)による排ガス試験の不正をめぐり、不正に利用されたソフトウェアが違法だとする指摘が外部から07年に寄せられていたにもか かわらず、VWはそれを無視していた。ビルト紙日曜版が2015年9月27日報じた。同紙によると、問題のソフトウェアは自動車部品メーカーのボッシュが 開発。ボッシュはソフトウェアはあくまでも試験用であり、道路上での使用は違法だとVWに警告していたという。

これに加えて、フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、2011年には同様の指摘がVW社内からも出ていた。

http://www.j-cast.com/2015/09/28246140.html

◆ドイツの国運が傾きだしたのか --- 長谷川 良

2015年9月27日 アゴラ

欧 州連合(EU)の経済大国・ドイツが大きな試練を受けている。輸出大国ドイツを支えているのは自動車メーカーだ。その大手フォルクスワーゲン(VW)が ディーゼル車の排ガス規制を恣意的に操作していたとして、糾弾されている。同不正問題で同社の株は急落し、同社はまさに存続の危機に直面している。

VW社は25日、監視役会で今回の不正問題で引責辞任を表明したマルティン・ウィンターコルン社長の後任にポルシェ部門責任者のマティアス・ミューラー氏を最高経営責任者(CEO)に起用し、抜本的な再建に取り組む予定だ。

VW が22日発表したところによると、米当局に指摘されたディーゼル車の排ガス不正操作に関連し、世界で約1100万台の大規模なリコール、それに関連した賠 償問題が生じるという。その為、同社は65億ユーロの引当金を計上するという。その額はVWの昨年の純利益の6割に相当する。

VW 社だけではない。「ドイツ自動車専門誌アウト・ビルト(電子版)は24日、米NPOが行った実走検査の結果、独BMWのディーゼル車「X3」の排ガスか ら、欧州の基準値の11倍超の窒素酸化物(NOx)が検出された」(時事通信)という。不正排気ガス問題はドイツの全自動車メーカーに及ぶ様相を深めてき ているのだ。

興味深いことは、VWの排気ガス不正規制が表面化する数日前、BMW社のハラルト・クリューガー社長が15日、フランクフルト国際自動車ショーで新車のプレゼンテーション中、突然、意識不明となり病院に運ばれるという出来事が起きていることだ。

当 方は、マイクを手に新製品を説明していたBMW社長が突然、スローモーションのごとく倒れたのをビデオで見たが、そのシーンが目に焼き付いていて忘れられ ない。昨年12月に社長に就任した若いクリューガー社長(49)が倒れるなんてことは予想できないから、BMWのスタンドを取り巻いていた自動車ファンは ビックリした。
倒れた社長はその直後、自力で立ち上がろうとしたが出来ず、関係者が助けて直ぐに病院に運ばれた。そのシーンは今から考えると、世界に誇るドイツの自動車メーカーの近未来を象徴的に表した出来事のようでもあった。

ギリシャの財政危機をようやく切り抜けた直後、北アフリカ・中東諸国から難民が殺到、そしてドイツ産業のシンボル、VW社が会社の存続を問われる危機に直面している。

敬 虔なドイツ国民ならば、「我々はこの一連の出来事の意味を真剣に考えるべきだ」というだろう。火山の噴火爆発もその前にその兆候が観測される。同じよう に、人間が織りなすさまざまな出来事も慎重に観察していくならば、それが表面化する前に、必ずその前兆がキャッチできるものだ。前兆の段階で対応できない 場合、大きな出来事、不祥事が具体的に生じてしまう。

戦後70年目を迎え、ドイツは文字通り欧州の指導国家と なった。メルケル独首相は「世界で最も影響力のある女性」に選出された。そのドイツの主要産業界、自動車メーカーが不正問題で危機に直面し、製造分野で世 界に誇ってきた“メイド・イン・ジャーマニー”の信頼性が揺れ出した。
メルケル首相はVWの今回の不正ガス規制問題について「徹底的な解明」を要求している。今回の問題がドイツの国運が傾いてきた前兆ではないことを祈るばかりだ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年9月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/wien2006/

http://agora-web.jp/archives/1656113.html

◆メルケル、また訪中を予定

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)9月15日(火曜日)
         通算第4656号  <前日発行>
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 メルケル独首相、年内に急遽、訪中か
   人民元切り下げ、上海株暴落に慌てふためいたドイツ
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 メルケル独首相は年内にまたしても北京訪問の予定を立てている(多維新聞網、9月13日)。
上海株式暴落に慌てふためいたドイツは、フォルクスワーゲンが中国において、二倍の設備投資を決めたばかり。自動車販売は直後から10%減となり、設備投資過剰の現状に新工場がはたして必要かどうかの選択に迫られたからか。

 メルケルは5月のロシアの軍事パレードには臨席しなかったが、プーチンのメンツを立てるため、翌日に訪ロした。
北京の軍事パレードには、もちろん欠席したが、その「埋め合わせ」を緊急訪中でバランスをとる腹づもりなのかもしれない。

 中国の外交予定はたて込み始め、9月23日に習近平は訪米の途につき、25日にオバマ大統領との首脳会談。28日に国連で演説する。ワシントン連邦議会での演説は、拒否されたが、いちおう、米国は国賓待遇で迎える。習はその後、英国訪問を予定している。

 日時未定だが日中間三ヶ国の首脳会談もようやく開かれる運びとなり、また11月初旬にはフランスのオランド大統領が北京を訪問する。

 ことし六月に李克強首相が訪独した折、陸のシルクロードはドイツを経由する計画であるとし、EU諸国には合計3150億ユーロ(邦貨換算42兆円強)の投資が行われるだろうと大風呂敷を広げたが、その巨額にも目がくらんだのか。

 独中関係は2014年3月に習近平が訪独、同年7月にメルケルが答礼訪問し、同年10月に李克強首相がまたまたドイツを訪問した。
 日本より頻度激しく、首脳が往復しあうのは、それだけドイツが中国にのめり込んでいるからだ。

 難民問題に頭をかかえるドイツ、中国からの不法移民もあとを絶たないというこの時期をわざわざ選んで、訪中を繰り返す必要があるのは、経済問題のほかに何か喫緊の問題をかかえたのかも知れない。

http://melma.com/backnumber_45206_6259950/

◆ドイツのアメリカへの反撃・・・GMO穀物の栽培を禁止しました!

2015年10月01日  日本や世界や宇宙の動向

ドイツがロシアと接近したことでアメリカが怒り、ドイツのVW社のディーゼル車の不正を世界に公表しました。
その結果、ドイツの自動車産業だけでなくドイツ経済自体が危機的状況です。
し かしドイツも黙っていません。今度はアメリカの巨大GMO(遺伝子組み換え開発・生産・販売)企業であるモンサント社などに対する攻撃を開始しました。 GMO食品がいかに身体に有害かということは世界的に知れ渡っていますから、各国政府がGMOを排除すればよいことなのですが、アメリカからの圧力もあ り、なかなか完全に排除することもできない中で、ドイツや他のEU諸国がGMO穀物の栽培を禁止しました。
欧州委員会はEU圏内でのGMO穀物の栽培を認めたのですが、加盟国は独自に決定できることになっているようです。
今 後もEUで次々にGMO穀物の栽培を禁止する国が出てきたなら。。。モンサント社や他のGMO社は大きな打撃を受けることになります。VW社と同じ道をた どることに。。。しかもEU加盟国の多くがGMOを禁止したなら他の国々もGMOの栽培や輸入を禁止にする可能性もあります。
ドイツとアメリカのこのような戦いは、グローバル企業の共食いとなり、世界中の人々にとって、案外良い結果を産むのかもしれません。

http://beforeitsnews.com/middle-east/2015/09/gmo-free-zone-germany-tells-eu-it-bans-genetically-modified-crops-cultivation-2521608.html
(概要)
9月30日付け

EUがGMOが存在しない地域となる可能性があります。
ド イツは、ドイツ国内でのGMO(遺伝子組み換え)穀物の栽培を見合わせる意向を欧州委員会に伝えました。また、ポーランドもドイツに続きGMO穀物の栽培 を禁止しました。既に、フランス、スコットランドを含む複数のUE諸国がGMO穀物の栽培を禁止しました。欧州委員会は10月3日までにGMO穀物の栽培 に関する決定をしなければなりません。
ドイツ農業省のシュミット大臣は、GMOトウモロコシの栽培はドイツの耕作土壌には合わないとして、ドイツ国内でのGMO穀物の栽培を禁止すると欧州委員会に文書で伝えました。
ドイツ農業省は、GMO穀物が地域の穀物を汚染する危険性があることを恐れています。

ド イツのこのような決定は、モンサント社、ドゥポン・パイオニア社、ダウケミカル社などの大手GMO生産者(大きな影響を与えることになるでしょう。これら の会社は除草剤に強いトウモロコシの開発を行っており、既に欧州委員会にGMO穀物の栽培のための申請を行いました。既に欧州委員会によって一部が認めら れています。
また、ハンガリー、フランス、ギリシャ、ラトビア、スコットランドも欧州委員会にGMO穀物の栽培を禁止すると伝えています。
EU は各加盟国がGMO穀物の栽培に関して決定権があることを認めましたので、たとえEUがGMO穀物の栽培を認めたとしても、各国が独自の決定を下せること になっています。GMO穀物はアメリカやアジアで大量に栽培されていますが、ヨーロッパ諸国はGMO穀物に関して異なる意見をもっています。モンサント社 のMON810トウモロコシはスペインとポルトガルで栽培されていますが、ヨーロッパに存在するGMO穀物はこれのみです。。

http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51969670.html

戦えぬオバマは所詮プーチンに及ばない

2015-09-27 00:35:06 | 資料
シリアのラタキアをロシアが「ラバウル化」

2015年09月23日 Market Hack

シリアの内戦が長期化していますが、地中海に面した町、ラタキアはこれまで比較的戦火から遠いロケーションでした。

ここはバシャール・アル・アサド大統領の勢力下にある地域です。

そのラタキア空港を、いまロシアが「ラバウル化」しています。

最新鋭の戦闘機が発進できるよう滑走路を整備し直し、管制塔、航空隊員の宿舎などを建設しました。

最新の衛星写真ではこれまでに4機のSu-30S戦闘機、12機のSu-25攻撃機、7機のMi-24攻撃ヘリコプターの到着が確認されています。

このようにロシアがシリアへの関与を深めている意図は、アサド政権を盛り立て、ISに代表されるテロリスト達を掃討する点にあると思われます。

シリアは、もう元の姿に戻る事は期待薄で、平和が訪れても国土の分裂は避けられない見通しです。

その場合、ロシアはシリアのどこかに足掛かりを確保しておきたいと考えているに違いありません。ラタキアは地中海に面しており、キプロス、トルコ、イスラエルは目と鼻の先です。

NATOがウクライナとの関係を強化し、クリミアや東ウクライナを刺激した場合、ロシアは逆にラタキアから周辺国にプレッシャーをかけることが出来るわけです。

この空域はイスラエル空軍をはじめ各国の空軍がひしめいている、一つ間違えば事件になりかねない窮屈な空域です。

http://markethack.net/archives/51982337.html

◆続々と配備されるロシア空軍機

2015年09月23日 小泉悠  BLOGOS

シリアに展開していると見られるSu-30SM戦闘爆撃機の同型機(筆者撮影)

先日の小欄「内戦続くシリアにロシアが軍事介入を開始?」で紹介したように、ロシアは8月半ば頃からシリアにロシア軍を展開させ始めたと見られる。

その後もロシア軍はシリアへの展開を強化し続けているようだ。

最も顕著なのは、アサド一族の出身地であり、現在も重要な支持基盤である北西部ラタキア県のバーシィル・アサド国際空港である。

9月以降、ロシアは同空港の拡張工事を行うとともに、強力な航空戦力を配備しつつある。

先週末、同空港にロシアがSu-30SM戦闘爆撃機4機(1個小隊)を配備したと伝えられたのを皮切りに、今週に入ってからSu-25攻撃機12機(1個飛行隊)の配備が衛星写真で確認された。


アサド空港に展開したSu-30SM戦闘爆撃機とSu-25攻撃機

アサド空港で撮影されたSu-30SM(手前)とSu-25(奥) 

Su- 30SMは現在ロシア空軍や海軍航空隊が導入を進めている新鋭機で、高い対空戦闘力と対地攻撃能力を誇る。一方、Su-25は低速ながら頑丈なジェット攻 撃機で、地上部隊と密接に協力しながら航空支援を提供することを任務としており、昨年7月には「イスラム国(IS)」の侵攻を受けたイラクにも緊急供与さ れた。

22日には、やや不鮮明ながらこれを地上から撮影した映像もネット上に出回るようになり、その塗装等からロシア空軍機がアサド空港に展開していることはさらに確実となっている。

一方、動画サイトYoutubeでは、シリアのホムス上空で撮影されたロシア空軍機と思しき画像がアップロードされ始めた。

内 陸部のホムスで撮影されたもので、前述のSu-30SMと思しき機体や、それよりも旧式のSu-24M戦闘爆撃機がIl-78M空中給油機と見られる機体 から給油を受ける様子が写っている。映像には、「アッラーは偉大なり!アッラーは偉大なり!ロシアの飛行機だ。北に向かって飛んでいる!」アラビア語で叫 ぶ声が一緒に収録されている。

https://www.youtube.com/watch?v=bIG-KJTxUTw
その後に公開された衛星写真では、12機のSu-24Mが前述のSu-30SMやSu-25とともにアサド空港に配備されたことが確認された。

有力な航空戦力
合計すると、Su-30SM戦闘爆撃機4機、Su-24M戦闘爆撃機12機、Su-25攻撃機12機の合計28機である。

合計で1個混成航空連隊+1個戦闘機飛行隊だが、ロシア空軍の基準では1つの飛行場に概ね1個航空連隊を配備することになっているので、ほぼ上限一杯の兵力を配備していることになる。

内 戦前にシリア空軍が保有していた兵力は、MiG-29戦闘機約60機、MiG-21戦闘機約65機、MiG-23戦闘爆撃機約60機、MiG-25戦闘機 11機、Su-24MK戦闘爆撃機約20機、Su-22戦闘爆撃機約40機などとされるが、その多くは旧式化していたり、稼働状態にはなかったり、反政府 勢力に鹵獲されていると見られ、最新鋭機を含む28機のロシア空軍機は極めて有力な航空戦力と言える。

加えて アサド空港にはMi-24攻撃ヘリやMi-8輸送ヘリなどが合計20機配備されていると言われるほか、ヘリパッド2カ所も新たに増設された。ロシアの 『ヴェードモスチ』紙7月31日付によると、シリア空軍の保有するヘリコプターのうち9割は稼働不能に陥っているとされるため、やはりシリアにとっては有 力な航空支援である。

アサド空港には、これらの航空部隊を防衛する為、最新鋭のパンツィリ-S1防空システムを配備しているともいう。

海軍歩兵や陸軍も展開

アサド空港に配備されたと見られるT-90戦車(戦勝記念パレードで筆者撮影) 

ロシアはアサド空港に装甲車両の駐車スペースを整備していることも以前から衛星写真で看取されていたが、ここにはT-90戦車6両や装甲兵員輸送車多数が駐車されていることも確認されている。

こ れまでシリアにはロシア海軍の海軍歩兵部隊(海兵隊)が派遣されたことは確認されているが、海軍歩兵部隊は戦車を保有していない。つまり、アサド空港には 海軍歩兵部隊のみならず陸軍部隊が展開している可能性も濃厚ということになる(陸軍とは独立の空挺部隊にも戦車部隊を創設すると言われていることから、空 挺部隊である可能性も排除できない)。

ロシア空軍の空爆が始まる?

問題は、これだけの航空戦力がこれから何をするかである。

米ニュースサービス 『デイリー・ビースト』9月21日付は、米政府関係者3名の話として、ロシアは間もなくシリア国内での空爆を開始するだろうとの観測を紹介している。ロシ ア・シリア両政府は、シリアに展開しているロシア軍はあくまで軍事顧問団であるという立場を取っているが、強力な航空部隊を展開させている以上、ロシアが 直接介入を目論んでいる可能性は排除できない。

ロシアはこれ以前からシリア国内で無人偵察機を飛行させていたが、これもアサド政権への情報提供のみならず、ロシア空軍の攻撃目標選定も意図したものと考えられる。

た だし、ロシア政府がシリアへの介入を「イスラム国(IS)」対策と位置づけているのに対し、前述の『デイリー・ビースト』は、実際の攻撃目標がヌスラ戦線 などIS以外の反体制派であろうと見ている。実際問題として、ラタキアに隣接するイドリブ県ではヌスラ戦線を中心とするファタハ軍であり、実際の標的はこ ちらであろう。

もちろん、これだけの規模のロシア軍がシリアに展開するとなれば、すでにシリアに軍事介入を 行っているNATOとの直接衝突の懸念が高まる。前回の拙稿で取り上げたように、このような懸念を惹起することでアサド政権軍に対するNATOの攻撃を回 避するのがロシア側の狙いと考えられよう。

9月16日にケリー米国務長官が明らかにしたところによると、その 前日に行われたロシアのラヴロフ外相との電話会談で、ロシア側は昨年から途絶えている米露国防当局の協議を提案したことが明らかになっている。同18日に はカーター米国防長官とショイグ露国防相との電話会談で偶発的な衝突回避のための対話を進めることが合意されており、ラタキアに軍事プレゼンスを展開する ことでアサド政権への攻撃回避を図るというロシアの戦略は、現在のところ一定の成功を収めているように見える。

し たがって、アサド空港に展開するロシア空軍部隊が戦闘に直接介入するのか同地から睨みを効かせるに留まるのかは今のところ流動的であると考えられる。折し も今月末の第70回国連総会にプーチン大統領らが出席し、アサド政権を含む対IS大連合構想を訴えると見られ、その成否も大いに注目されよう。

http://blogos.com/article/135422/

◆オバマ政権の対シリア政策が破綻 
ロシア、巻き返しの絶好機
「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」

2015年09月22日  佐々木伸 (星槎大学客員教授)WEDGE Infinity

米 国が過激派組織「イスラム国」(IS)に対抗するため中核的な政策として進めていた「シリア人部隊の創設」計画が破綻した。軌を一にするようにロシアのシ リアでの軍備増強が明るみに出たが、そこにはプーチン大統領のしたたかな政治的思惑が隠されており、オバマ政権は対応に四苦八苦だ。

残ったのはわずか4、5人

  このシリア人部隊の創設計画の破綻は16日、中東を統括する米中央軍司令官オースティン将軍が上院の議会証言で明らかにした。将軍は米国が訓練した部隊の 戦闘員のうち、シリアに残っているのはわずか「4、5人」にすぎないと証言、ショックを受けた議員から「完全な失敗だ」との声が漏れた。

  この計画は米国の対シリア政策の中核。ISが2年前、イラクとシリアの広大な一帯を占領した後、ISと戦わせるため穏健な反体制派を訓練し、武器を供与す るという5億ドルの計画が固まった。部隊の規模は5000人で、5月からサウジアラビアやヨルダンで訓練が始まった。ところが、穏健なシリア人の選別に時 間がかかり、訓練されたのは約100人にとどまった。

 この訓練を終了した第1陣54人は7月、シリアに投入 されたが、そこで国際テロ組織アルカイダの分派「ヌスラ戦線」の攻撃を受け、多数が死傷してしまった。この結果、シリアに残留している部隊の戦闘員は4、 5人だけとなった。ホワイトハウスの報道官はこの失敗について、大統領は計画にずっと懐疑的だったと指摘、非難されるべきは計画の実現に圧力を掛けた人々 だと責任を回避するような姿勢を示している。

 報道官はこの計画が困難なものであることが分かった、と見切り をつけたことを明らかにしたが、この計画に代わる案があるわけではない。オバマ政権にISを壊滅し、内戦の終結に向けた戦略はない。当面は空爆に依存して いかざるを得ないが、今後は最も信頼できる武装勢力であるクルド人武装勢力との連携を強めていくことになるだろう。

ウクライナの敵をシリアで返す

 こうした米国のシリア政策の混乱を尻目に、ロシアのプーチン大統領は9月初めからシリアへの軍事支援強化、ロシア軍のプレゼンスの増強に乗り出した。

 地中海沿いのシリア西部ラタキア近郊の飛行場に戦車など膨大な軍事物資と海兵隊員200人など兵員を送り込んだ。大型輸送機による空輸は20回以上に及んだ。さらにここ数日のうちにSU27戦闘機4機、武装ヘリ4機、輸送ヘリなども配備された。

 米国はこうしたロシアの動きが内戦を激化させるものとして非難したが、プーチン大統領は全く無視。それどころか、アサド政権に対する軍事支援を続行することを強調、ISと戦うためロシアに合流するよう各国に呼び掛け、米主導の有志連合に挑戦する姿勢さえ見せた。

  ロシアがアサド政権を支援してISに対する空爆に踏み切るようなことがあれば、有志連合軍機と偶発的な衝突に発展しかねない。このため米国のカーター国防 長官とロシアのショイグ国防相が急きょ会談したが、逆にロシアのシリアでの軍事力増強を事実上“追認”する形になった。

  プーチン大統領はなぜ今、シリアで軍事力増強に踏み切ったのか。いくつか理由があるが、最大の動機は「ウクライナでの敵(かたき)をシリアで返す」という 国際政治の駆け引きだ。ロシアはクリミア併合、ウクライナの親ロシア勢力支援などで、西側から経済制裁を受け、主要な輸出品である原油価格の低迷もあって 苦境に立たされている。

 西側諸国は現在、欧州へのシリア難民の流入で危機に陥っており、プーチン大統領とし ては、この機会にシリアにおけるプレゼンスを拡大し、危機の解決の主導権の一端を握ることで、ウクライナ問題での出口を見出したいという狙いだろう。この 他、無論、内戦解決のためアサド政権に代わる新政府の発足の機会がめぐってくれば、その拡大した影響力を行使するという思惑もある。

 プーチン大統領は28日に予定されている国連総会での演説で、世界の耳目を「ウクライナからシリア」に向ける一方、冷え切っているオバマ大統領との首脳会談の実現を要望している。しかしホワイトハウスは会談に応じるべきかどうかで二分している。

 会談拒否派は、会談すれば、ウクライナの暴挙に報償を与えることになると反対しているが、両首脳は互いに「オバマ大統領を“弱虫”、プーチン大統領を“悪党”と見なしている」(米紙)とされ、国連総会の場が2人のしのぎを削る舞台になるのは間違いない。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5399

ウクライナは事実上ロシア義勇軍と親ロシア派軍に兵糧責めに合い降伏した。オバマと欧州の企みは破綻した。
◆ドイツのマスコミ:CIA代表団がモスクワを極秘訪問

2015年09月20日 Sputnik 日本

ドイツ紙ビルト日曜版は、米情報機関関係筋の話として、米中央情報局(CIA)の代表団がモスクワを極秘訪問し、ロシア対外情報庁(SVR)の代表者たちと会談、シリアにおける共同行動の調整について協議したと伝えた。

ビ ルト日曜版によると、米国側は、ロシアで活動が禁止されているテロ組織「IS(イスラム国)」に対するロシアの行動をサポートするために、諜報データを共 有する用意がある。米国は、ISの戦闘員が増加することを危惧しているため、このようなコンタクトの発展に関心を持っているという。
なおビルト日曜版は、ドイツのシュタインマイヤー外相が、シリア問題における露米の協力を歓迎していると報じた。
9月18日、ロシアのショイグ国防相と米国のカーター国防長官は、シリア情勢について初めて協議した。

http://jp.sputniknews.com/russia/20150920/924741.html#ixzz3mK5QjDLe

◆プーチン大統領、「イスラム国」対策作戦へのロシア参加は時期尚早

2015年09月04日 Sputnik 日本

プーチン大統領は、テロ組織「イスラム国」対策の軍事作戦にロシアが加わる可能性について記者団からの問いに答えた中で、現時点では時期尚早と語った。

「イスラム国」対策の連合軍が組織された場合、ロシアはこれに参加するかという問いに対し、プーチン大統領は、「様々な可能性を検討しているが、現段階では(「イスラム国」に対抗した)軍事作戦への参加は我々は予定していない」と答えた。

「現時点で我々はシリアには十分な専門的支援、機器をおくっており、軍人養成も行い、兵器も供与している。」

http://jp.sputniknews.com/world/20150904/847900.html#ixzz3lNWkxRDv

◆ウォールストリート紙、シリアで米国を負かしたのはプーチン氏の大胆さ

2015年09月17日 Sputnik 日本

プー チン氏がシリアにおけるロシアの軍事アピアランスを拡大する上で指針とする動機は現段階では完全にはわからないものの、唯一明白なのはロシアの積極性と大 胆さは米国の中東政策の覆う大混乱とは正反対だということだ。ウォールストリートジャーナル紙が16日、中東専門家のアアロン・デヴィッド・ミラー氏のこ うした記事を発表した。

「あなたがロシア大統領の戦略を考えなくとも、プーチン氏は合目的的に行動し、事がロシアの国益になるところまで達したと彼が判断したときに、何をすべきかを知っている。この場合、シリアのアサド大統領の戦闘準備を支援しつつ、それを行っている。」

記 事では、米国はシリアでの目的を今のところ何一つ達成していないことが指摘されている。米国のシリアでの目的は、新たな版図を広げる「イスラム国」を阻害 し、「イスラム国」対策用にもアサド体制との闘い用にも使えるあいまいな反体制勢力を作り、アサド氏を政治舞台から退却させることにある。
ま た、こうした一方でロシアにとっては「イスラム国」との対抗策(チェチェンでジハード主義者を引き入れる条件となりかない)はアサド氏の支援と十分相関関 係がとれており、政権転覆が行なわれたとしても、アサド氏の跡を誰が引き継ぐか、それを決定する力はロシアが握っているという手ごたえをもっていることが 指摘されている。
ミラー氏は「シリアにおけるロシアの影響力がどんなに弱くとも、プーチン氏はロシアの立場の強化策を とっていれば、強力に見える。ロシアは主たる敵は『イスラム国』だと宣言しつつ、アサド氏への供給、支援を行う上での条件作りにむけ、重要な一歩を踏み出 している」と書いている。

「一方で米国のシリア政策が混乱し、脆弱に見えているなかで、プーチン氏は逆に大胆 さをアピールしている。これはどんな意味をもっているのか? 米国はイランと核プログラムで重要な条約を結んだにもかかわらず、シリア問題でイランの支持 を取り付けたのはプーチン氏だということだけは指摘しておかねばならない。こういうことから、中東で米国がやっていることは単なる西洋碁であり、その一方 で他全員は3次元のチェスに取り組んでいるのではないかという考えがますます強くなる。」

16日、ペスコフ露大統領報道官は9月21日のイスラエルのネタニヤフ首相のモスクワ訪問計画を明らかにした。これまで明らかにされていたところでは、ネタニアフ首相はプーチン大統領とシリアにおけるロシア軍のプレゼンスについて話し合う構え。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150917/908016.html#ixzz3lz3iDDU0

◆イラン核合意から得られる中露の戦略的利益

2015年09月08日  岡崎研究所 WEDGE Infinity

  8月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、イラン核合意により中東に大パワーシフトが起きる、中露は イランとの政治経済関係を全面的に拡大し米国の影響力を削ぎながら同地域での重要なプレイヤーになるだろう、と警鐘を鳴らしています。

 すなわち、今般のイラン核合意から最大の利益を得る国はロシアと中国である。両国は既にイランを通じて影響力を確実に拡大している。モスクワ・北京・テヘラン枢軸は今や確実のものであり、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトである。

 中露は、当初からイランの核開発を支援してきた。それにもかかわらず両国は国連などで非難されるどころか、反対にオバマ政権は、安保理制裁をかけるために両国との協力に腐心してきた。中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた。

  中露は、情報技術から石油ガスに至るまで制裁解除を全面的に利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、制裁 解除後はそれが倍になる可能性もある。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性もある。

  通常兵器の輸入規制も解除される。イランは凍結資産の解除により1000億ドルの資金を手にするが、中露から大量の兵器を買い付けるだろう。ロシアは Su-30戦闘機やS-400などの対ミサイルシステムなどを売ろうとするだろう。中国は、JF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、039型ソン級潜 水艦や巡航ミサイルをイランに供与することができる。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配を確立するのに役立つ。

  さらに重要なことは、今後イランは、ロシア、中国の戦略的利益の増進を図るだろうということだ。ロシアの東地中海での海軍力の増進を助けるシリアのアサド 大統領への一層のテコ入れもするだろう。中国は、イランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大するだろう。上海機構へも加盟させるだろう。また、 イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。

 今回の合意がイラン核兵器開発にどういう影響を与えようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい。三国の枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食するものであり、その意味合いは計り知れない、と述べています。

出 典:Arthur Herman ‘The Moscow-Beijing-Tehran Axis’(Wall Street Journal, August 4, 2015)
http://www.wsj.com/articles/the-moscow-beijing-tehran-axis-1438704822

* * *

  極めて興味深い、直截な分析であり、賛同できます。今回のイラン核合意には、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかということと中東の地政学への影響とい う2つの側面があることは、これまで指摘されてきていることですが、この記事は、後者の側面に注目し、中露両国がイランを通じて影響力を拡大し米国の影響 力は確実に低下すると主張しています。相当の説得力があります。とくにイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がありま す。

 イラン核合意は、これから米議会で審議されます。ケリー国務長官、オバマ大統領が議会への説得を本格化 させています。他方で、イスラエルは議会に対する働きかけを強めています。米議会の今までの関心は、どちらかというと核兵器開発阻止の側面にあったので、 今回のハーマンのような観点からの問題提起が、議会審議に微妙な影響を与えるかもしれません。オバマ大統領は、たとえ議会が合意を拒否する決議を送付して 来ても、拒否権を行使するとしており、今のところ議会で大統領拒否を覆すために必要な3分の2は確保できないと見られています。しかし、議会が拒否の意思 表示を突き付けることになれば、今後の手続きを一層複雑化することは間違いありません。

 ハーマンが言う「スエズ動乱以後最大の中東のパワーシフト」にどう対処していくべきかについては、今後更に議論があるでしょうが、現時点でとりあえず重要と思われる点は次のようなことではないでしょうか。

 (1)イランを中露両国に任せないで、米日欧等の諸国が、経済、政治の分野での協力を、思慮深く強化していくこと。こちら側も一定程度エンゲージしていかないと、イランを益々中露側に追いやることになってしまいます。

  (2)イランとの間で、政策協議を強化すること。米・イラン間には現在外交関係はありませんが、何らかの高級レベルの定期協議の制度化が必要ではないで しょうか。日本も両国協議体制の強化を検討すべきでしょう。イランについて、ここまで決断した以上、合意の履行を見つつ、インドの国際社会での立場を正常 化したように、イランとの関係も正常化する道を進む方が有利かもしれません。

 (3)米国が中心になってサウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のキャンプ・デイビッド会談や8月3日のケリー長官のGCC会議出席等の努力を続けることが重要でしょう。

 (4)湾岸戦争の後、米国はベーカー国務長官が主導して速いペースで米露共同主催の中東和平マドリッド会議を構想し、実施しましたが、同様に、早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成できないものでしょうか。

 (5)中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化していくこと。他方、これによりアジアのリバランス政策が悪影響を受けないようにすべきことは言うまでもありません。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5320

◆ロシアより、制裁への返礼「宇宙では米国と提携しない」

2014.5.16 FRI WIRED

ロシア副首相は、ロケットエンジンの米国への販売を停止し、国際宇宙ステーションにおける協力も2020年までにすると表明した。ロシアにある米国のGPS地上局11カ所の運用も停止される可能性がある。

ロシアの副首相ドミトリー・ロゴージンは5月13日(現地時間)、米国は2024年まで国際宇宙ステーション(ISS)を利用したいと希望しているが、ロシアは米国への協力を2020年までで終わりにすると述べた。

米 国航空宇宙局(NASA)は現在、ISSプロジェクトで使える有人飛行用ロケットを持っておらず、軌道を回るISSへは、料金を支払って、ロシアのロケッ トに乗組員を搭乗させている。米国は現在、宇宙飛行士をISSに運ぶために、ひとりあたり約6,000万ドルをロシアに支払っている。NASAは有人宇宙 飛行の打ち上げロケットを開発中(日本語版記事)だが、これは2017年までは確たるものにはならない。

ロ ゴージン副首相はまた、ロシアはロケットエンジン「RD-180」と「NK-33」を、米国に対して軍事目的ではもう販売しないと語った。RD-180 は、軍事衛星など、米軍の積載物も含むさまざまな荷物を打ち上げるのに使われている米国のロケット「Atlas V」に採用されている。

ロ ゴージン副首相はさらに、両国が合意に至ることができなければ、米国はロシア国内にあるGPS地上局11カ所の運用を6月1日に停止することが必要になる と語った。6月1日の期限以降、ロシアは3か月の交渉期間を認めるが、ここで合意に至らなければ、11カ所の地上局は「永久に停止される」とロシア政府は 述べていると、「RT」(旧称ロシア・トゥデイ、ロシア政府が所有するニュースサイト)は報じている。

さらにロゴージン副首相はTwitterで、「ロ中首脳会談前夜の5月19日、われわれは北京のパートナーたちと、宇宙における2国間協力の今後のプロジェクトについて話し合う」とツイートした。

NASA は4月初め、職員に対して、ロシア政府関係者とのかかわりを停止するよう指令した(日本語版記事)。しかしそれ以降も、Boeing社と Lockheed-Martin社の合弁事業であるUnited Launch Alliance(ULA)社に対しては、Atlas Vの打ち上げに使うロケットエンジンRD-180の購入を許可していた。NK-33ロケットエンジンについても、ロシアからの輸入がまだ可能だった。

一方、米国の民間宇宙企業SpaceX社は、米国連邦請求裁判所(United States Court of Federal Claims)に対して、ULA社の宇宙事業契約の差し止め請求を行い、4月30日に請求が認められた(日本語版記事)。

SpaceX社は、この契約は競争入札の過程を経ていないほか、打ち上げロケットの大部分がNPO Energomash社製のRD-180ロケットエンジンを採用しているが、同社はロシア政府が所有し、コントロールしている企業だと指摘していた。

この差し止め命令はその後取り消されたが、ロシアがロケットエンジンの提供打ち切りを決めたことで、イーロン・マスク率いるSpaceX社は結局、希望していた方向に向かえそうだ。

http://wired.jp/2014/05/16/russia-may-abandon-space-station/?utm_source%3dfeed%26utm_medium%3d

◆プーチンが握る米国の陰謀

プーチン大統領へ
私たちは世界平和に必要不可欠な資料の公開を要求します
3月10日【Veterans Today】
http://www.veteranstoday.com/…/we-demand-president-putin-r…/  より翻訳

ウラジミール・プーチン ロシア連邦大統領 
23, Ilyinka Street,
Moscow, 103132, Russia.
大統領閣下:
アメリカ国内の政治的分断が世界平和への脅威となっていることは今や明白です。
アメリカ国内の親イスラエル派閥は、イランとの原子力に関する合意内容を妨害しようとしているばかりではなく、それよりもずっと進めようと働きかけています。
最近のNATOのブリードラブ米国空軍大将による判断上およびマナー上の過失のため、アメリカによるISIS/ISILへの内密の援助、そして一部の派閥によるリビアやその他アフリカにおけるテロリスト・グループを支援する動きの危険性が高くなっています。
私 たちベテランズ・トゥデイはスタッフメンバー、そしてあなた方もご存知のソ連やロシアの諜報機関の元職員数名を含む名前を記載していない仲間達と協議し、 ロシア連邦の諜報機関は今、公開されるべきファイルを所有し、その一部は何年も保管されているものであると認識しています。
私たちの当初の要求の通り、ロシアが保管している次の資料を求めます。
*戦争捕虜であった間、ジョン・マケインが行った32回分のプロパガンダ放送を録音したテープとその書き下し文書。その一部では、アメリカが北ベトナムに対して生物戦争を行ったとマケインが主張している。
*ベトナムのハノイでKGBが行ったジョン・マケインとの事情聴取を文書化したものには、すべての戦闘序列に関する情報が含まれている。この情報の漏洩により防空の再配置が行われ、アメリカの航空機の撃墜成功率がずっと高くなった。
*ジョナサン・ポラードをソ連の諜報員として操っていたネタニヤフの役目に関する全情報
*1990年、国連休戦監視機構(UNTSO)からアメリカの暗号一覧をソビエトの諜報員として盗み出したネタニヤフの役割、ネタニヤフがソビエト政府に手渡したそのデータの内容、NATOの軍事機密、アメリカ国務省の通信内容、アメリカ海軍のコードに関する全情報
*ミット・ロムニーがハバナ(キューバの首都)を訪問した際にロシアの諜報員と会合した際の全情報
*ロムニーがラウル・カストロと会合した際の会話内容、ロムニーによる密約の録音および書き下し文書
*ジョン・マケインとジョセフ・リーバーマンが、アフガニスタンの首都カブールに訪問し、北部同盟(アフガニスタンの反タリバン勢力)の麻薬王と会合した後、チューリッヒで銀行施設に入るところが写された監視ビデオの動画
*2001年9月の出来事の前に、高濃度の原子力マテリアルがNY市に持ち込まれ移動していた動きを示す衛星画像
*サウジアラビアへの核兵器の販売を含めるがそれに限定されない核兵器の拡散に対するイスラエル関与の役割を示すファイル
*アメリカ合衆国連邦議員300人以上を代表して、(タックス・ヘイブンの)ケイマン諸島にある銀行にベイン社が管理している預金内容を明らかにするファイル
*イスラエルから北朝鮮へ核物質を輸送したことを示す証拠
あなた方ロシア政府が所有している資料の中で、上記一覧はごくわずかな一部に過ぎませんが、率直に申し上げ、世界中の出来事が現在のような崩壊へ向かうレベルで発生し続けている場合、この資料の価値は発揮されていないと言えるでしょう。
ありがとうございます。
ゴードン・ダフ(Gordon Duff)
ベテランズ・トゥデイ編集主任
(翻訳終了)
***
【関連記事】
*ロシアが911の真相に関する情報(核爆発)を大量放出
*911の衛星画像でロシアがアメリカを脅迫/素人によるレア動画の公開”

http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12002809433.html

オバマは支那ではなくロシアとの戦争に備えている

2015-09-25 00:08:28 | 資料
キッシンジャー:西側はロシアの統合などに興味はない、望むのは崩壊のみ

2015年08月21日 Sputnik 日本

元 国家安全保障問題担当大統領補佐官で元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏がNational Interestの公開インタビューで、米国の外交政策を厳しく批判した。米国はロシアを破壊することを目指して、「限度というものを完全に失って」い る、という。以下にその概要を紹介する。

ムスリム部隊がウクライナ側で戦っているなど読むと、限度というもの が全く失われている、と思う。これではお終いだ。ここには、西側のめざすところがロシアの西側社会への長期的統合ではなく、ロシアの崩壊である、というこ とが示されている。これはロシアにとっても米国にとっても何の利益もないことだ。このようなやり方では、グローバリゼーションのもとに進む新世界秩序建設 に終止符が打たれてしまう。

米国政府はロシアをグローバルなプロジェクトに組み込む可能性を故意に無視し、むしろグローバルな世界像から締め出すことに集中している。

米 国の外交政策は多くの点で近視眼的である。第二次世界大戦後に米国が参加した軍事紛争の問題は、戦略を国内で実現可能なことに近づける能力がないことだ。 第二次世界大戦後に米国が参加した5つの戦争は、大いなる熱狂とともに始まった。しかし、タカ派が上位を占め続けることはできず、最後には少数派になっ た。当初の当初から、最後がどうなるのか見通せないならば、また、望ましい結果を出すために行動をとることを望まないのならば、国際紛争には参加すべきで はない。

米国の近視眼の根本的な原因は、米国政府が自らの過ちから学ぶ能力に欠け、事態がどういう文脈を持っ ているのか理解しないことにある。米国は自らの過ちに学ぶことを避けている。決定をとるのは歴史を知らない人たちである。もはや学校でも、相互に関係性を もつ継起的連続性としての歴史が教えられていない。文脈なしに個別の事象が教えられているだけだ。 キッシンジャー氏は以上のように語った。

http://jp.sputniknews.com/world/20150821/783923.html#ixzz3jXLeHmRh
◆米国、独空軍基地に新型核爆弾を配備へ 

2015年09月22日  Sputnik 日本

米国は独西部の空軍基地に新たな核爆弾B61-12を20発配備の構え。22日、第2ドイツテレビがニュースサイトで報じた。

「ラ インラント=プファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地ではここ数日の間に米国の新たな核爆弾の配備に向けた準備作業が始まっている。これが国予 算計画で承認されたとの情報を番組『フロンタール21』が入手した。計画によれば、予算には2015年第3四半期から開始し、米空軍ラインでの独戦闘爆撃 機『トルナード』に新型核爆弾B61-12を供給するための資金が記載されている。」

記事の筆者によれば、2010年3月の時点ですでに独連邦議会は、米国製原爆をドイツ領内から運び出すことについての米国との交渉の全権を独政府に与えるとことを多数決で承認していた。このほか、核軍縮計画は2009年の同盟条約の締結時の時点で書き込まれている。 「

にもかかわらず、軍縮の代わりに20発の新型核爆弾の配備となってしまった。これは広島に投下された原爆の80発分に値する」第2ドイツテレビのサイトが報じた。

ロシア外務省のマリヤ・ザハロヴァ公式報道官は22日の記者会見で声明を表し、米国の計画によるドイツおよび他の欧州諸国に配備の米核爆弾の刷新計画はロシアの憂慮を招いていると語っている。

http://jp.sputniknews.com/europe/20150922/938372.html#ixzz3mY2qKfjI
◆米国によるドイツ領内への核兵器配備に伴う若干の奇妙な話

2015年09月24日 Sputnik 日本

米国は、ドイツ領内に20発の核爆弾を配備する計画だ。ドイツのテレビZDFが伝えた。ドイツ国防省は、そうした情報を確認することも、又否定することも拒否した。

マスコミのデータによれば、航空機搭載型の戦術核爆弾B-61-12が、ラインラント=プファルツ州ブリューヘル近郊にあるドイツ連邦軍基地に配備されるという。今年末までに、米当局は、核爆弾をドイツの戦闘機用に改造するため100億ドルを拠出する。

ドイツの新聞Bildは「つまりは今ある兵器を新型の原子爆弾に取り替えるということだ」と報じている。原子力学者のハンス・クリステンセン氏は「軍事紛争が起これば、ドイツ軍は、米国から核爆弾を受け取るだろう」と指摘し、次のように述べた―

「も し戦争になり、米国大統領とNATOが、核兵器を使用するよう命じたならば、米国軍人は、標的を攻撃するドイツのパイロットに核爆弾を渡すだろう。これ は、直接的にも間接的にも、核兵器を使用しないと約束した国にとって、非常事態である。このような形でドイツは、米軍を仲介してではあるが、核兵器を受け 取ったのだ。」

ロシア外務省も、声明を発表し「ドイツ領内に核兵器が配備されれば、それはすぐさま核拡散条約第2項に違反する」と指摘した。

またロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は「ロシアは、核兵器を持たない国が、それを用いる練習をするとの情報を手にし、懸念している」と述べた。

ロシア戦略ロケット軍部隊の参謀長を務めた経験を持つヴィクトル・エスィン氏は「他国の領土への核爆弾配備が、ロシアに脅威を与えることは、言うまでもない」と断言し、次のように指摘した―

「ド イツの2つの空軍基地には、米国の核爆弾がある。今のところ新型のものが、米軍にまだ供給されない間は、ドイツにある戦闘爆撃機に搭載されるだろう。しか し、これは核兵器不拡散条約の条項に違反する。この条約により、核兵器を持たない国々は、核兵器保有という考え方に引き付けられないで済むのだ。核爆弾 は、ドイツのみならず、オランダやベルギー、イタリアやトルコにも配備されようとしている。」

ドイツのテレビZDFのデータでは、ドイツに配備される新型核爆弾は、1945年に広島に投下されたものに比べ、はるかに精度が高く強力なものである。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150924/944914.html#ixzz3mbXmdUds
◆米の新核爆弾の独配備でロシアは対抗策へ、露大統領報道官

2015年09月23日 Sputnik 日本

ロシアは米国がドイツに新型の戦術核爆弾の配備計画に関して報復措置を採る。

ロ シアのペスコフ大統領報道官はこうした声明を表した。「これは欧州における戦略バランスを崩しかねない。もちろんこれは、欧州大陸の緊張を高める方向へ向 かう更なる一歩であり、残念ながら非常にシリアスな一歩である。このため、ロシアは戦略バランスと均衡の回復を図るために独自の対抗策をとらざるを得な い。」

22日、独ラジオ「ドイチェ・ヴェレ」は独の第2ドイツTVの報道を引用し、米国がラインラント=プ ファルツ州のブリューヘル近郊にある独連邦軍基地へ米国の新たな核爆弾の配備作業を開始したと報じた。第2ドイツTVは入手した米予算計画を引用し、計画 では独戦闘爆撃機『トルナード』に米の新型核爆弾B61-12を2015年第3四半期から装備する可能性が見越されていると指摘している。
ドイツ第2TVからのインタビューの答えた専門家らは、B61-12は現在、同基地に保管されている核爆弾と比べ、数段高い精度を有していると証言している。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150923/943102.html#ixzz3mbckMmzu
◆人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群

2015.9.24    北村 淳  JB PRESS
 
ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)
 9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工 島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそ れぞれ建設されているのが確認された。

急がれていた南沙諸島への拠点確保

 これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。

 永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。

 そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。

 したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。

 このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。

  しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展 開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から 南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。

 したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。


スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)

ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)
あっというまに姿を現した人工島

  本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。それは、「ジョ ンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26 日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041

  その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス 礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工 島建設が確認された。そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015 年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161

 引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。

 ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43589

  もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。しかし、ファイアリークロス礁に建 設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ 海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月 28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。

 それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。

まもなく“南沙基地群”が誕生

  その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、 3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っている のが明らかである。

 いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機 や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋 基地が出現することになるのは確実だ。

 また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。

日本にとって鬼門となる南シナ海

「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。

 そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。

  また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられ る。米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。


人工島と滑走路建設中の環礁
 このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。

  そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア 北西部も攻撃圏内に収めることとなる。そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコント ロール下に入ってしまうこととなる。

 このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833

支那が南シナ海、東シナ海で岩礁を埋め人工島を建設し始め、日本を始めアジア諸国が懸念を持ち始めた当初からオバマは事実を把握していた。
言葉では警告や遺憾の表明は何度もし、対抗処置をとるとも言ってきた。
だが、オバマは今に至るまで、まったく行動せず対抗処置もとってこなかった。支那の サイバー部隊により、米国本土に数限りないサイバーテロが行なわれ、民間企業だけでなく、ニューヨーク証券取引所が停止させられたり米国防総省の情報収集 機関である国家安全保障局(NSA)の作戦データーまで盗まれても報復処置を取っていない。
言葉とは裏腹に、結果として容認したと同じ状態を招いている。それは暗に、支那とは絶対に戦闘はしないと表明しているに等しい。だが、ロシアに対しては露骨に陰謀術策を使い圧力を掛け続けている。
オバマの行動は、大東亜戦争時のルーズベルトやトルーマンの個人的怨念を彷彿とさせ るものがある。米国のと言うよりオバマのロシア・プーチンに対する個人的な感情が表われていると感じざるを得ない。そのために、親米だった国を次々にロシ ア寄りへと離反させる結果となって現れている。
エジプト、トルコ、ギリシャ、サウジアラビア、イスラエル、ドイツ、イギリス、ロシ ア、それに自分たちで作ったISISまでどんどん米国から離れていく。オバマが工作してクーデターを起こしたウクライナも、梯子を外されて放置されたお陰 で親ロシア派義勇軍に兵糧攻めにあい降伏した。
◆オバマ米大統領、中国のサイバー攻撃に「対抗措置の準備ある」と発言=米国ネット「もう遅い」「オバマ大統領はよくしゃべるが何も行動しない」

2015年9月19日 レコードチャイナ

2015年9月17日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オバマ米大統領は16日、中国による米国へのサイバー攻撃について「いくつもの対抗措置を準備している」と述べた。 

オ バマ大統領は16日、ワシントン市内で米企業経営者らとの懇談で、来週に行われる中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談で、中国のサイバー 攻撃が主要な議題の1つになると述べた。オバマ大統領は、中国政府が米政府と同様に行っている伝統的な情報収集活動とは異なり、企業秘密や特許などの情報 を盗むことは侵略行為であると非難した。 

この報道に、米国のネットユーザーからは、「オバマ大統領はよく しゃべるが、何も行動しない」「笑えるよ。オバマ大統領は就任以来、何も成し遂げていないじゃないか」「もう遅いよ。中国は私についてあらゆる情報を握っ ていると思う。もしそうでなければ、彼らはグーグルを買収すべきだな」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/蘆田)

http://www.recordchina.co.jp/a119321.html
◆ 専門家:米国は欧州の世論を操作するために意図して中東に無秩序を創り出した

2015年09月24日 Sputnik 日本

欧州文明にとっての最悪の敵は、米国、英国、EUの政治家たちである。地政学ウォッチャーのトニ・カルタルッチ氏がスプートニクの取材に対して述べた。

同氏によれば、中東から欧州に押し寄せる難民たちは、米国の政治家らの手先になっている。米国の政治家らは2007年以降、中東および北アフリカの政権転覆に励んでいる。

「中東・北アフリカの混乱は意図的に仕組まれた。地域のみならず、欧州およびユーラシアにどのような悲惨な未来が待っているかを知り抜いた上で仕組まれたことなのだ」とカルタルッチ氏。
氏 によれば、米国の政治家らは欧州に管理不能なほど大量の移民が押し寄せる事態をあらかじめ予定していた。「米国のような戦闘行為を遂行している国が大規模 な人口移動を予想できる状態になかったなどとは考えにくい。米国の政治家らは考え抜かれた計画を持っていたと考えるほうが自然だ。難民を利用して世論を操 作し、シリア政府、さらにはそれ以外のものに対しても軍事的な干渉を強めるきっかけにしようとしたのだ。」

http://jp.sputniknews.com/opinion/20150924/948733.html#ixzz3mf57exZ4
中東から手を引いて力の空白を作ったオバマは最悪のことをしてくれたし、今から考えればネオコン派の世界を民主化することがアメリカの国益と世界平和につながるという説は寝言だったということだ。
恐怖でイラクを統治してきたフセイン体制とシリアのアサド体制の方がISISよりも多文化・多民族共存で10倍マシで、バース党は両国外部への伝染性などなかったからだ。
◆イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘

2015年8月 7日 マスコミに載らない海外記事

Stephen Lendman

2015年8月5日

8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。

現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。

秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。

約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。

この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。

少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。

通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。

イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。

イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。

ア メリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙 幕だ。

エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。

別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。

ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。

これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。

オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた

ア サド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけ ではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。

プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。

“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。

プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。

プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。

ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/british-sas-special-forces-dressed-up-as-isis-rebels-fighting-assad-in-syria/5466944

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/sasisis-2cb7.html

◆ロシアと中国内のワシントン第五列

2015年8月 5日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年8月3日

ロ シアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供 されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な 両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。

ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。

プー チンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢 れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、 プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけな のだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国 を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。

だ が、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選 挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米 は、自分をかなり粉砕している。

金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェ ラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払 われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。

中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。

ロ シアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきこと だ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。

だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/

ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082

こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119

我々 アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、 我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマ リアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対す る覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。

この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。

も し、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば 極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?

もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。

ワ シントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォ ウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し 損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-0b68.html

                           目覚めよ日本!

日本の戦後は終わっていない

2015-09-23 00:15:58 | 資料
戦後教育の原点   

  戦後わが国の教育は、敗戦直後の1945.10.2に開始された GHQのCIE(総司令部民間情報教育局)によるWGIP(戦争についての罪悪感を日本 人の心に植え付けるための宣伝計画)が全ての原点になっている。日本人が二度と再び連合国に対抗できないようにすべく精神的文化的に洗脳するというシステ マティックで科学的合理的な計画であった。広範な分野にわたり特に日本古来の伝統的な美風や秩序や伝統は軍国主義に通じるとして徹底して破壊された。教科 書の墨塗りも経験した。神仏に手を合わせる、祖先を敬うのは封建的として忌諱されたのである。

 祖国・国家・ 国益・公益といった観念はおぞましいものであり、人権と自由が最高の美徳だとされた。国家は個人と対立するいわば「必要悪」の存在であり自由に対する責 任、平等に対する競争、権利に対する義務はないがしろにされた。民間情報教育局の標的は正鵠を得ていて、70年後の今日 情報つまりマスゴミと教育におい て見事に成果をあらわしている。一部の大新聞や教育現場における実態を見ればはっきりしている。

すべて日本だけが悪い、侵略戦争を仕掛けたのだ、日本の軍隊は殺人者だ、靖国神社に祀られているのは戦犯だ、日の丸君が代は侵略のシンボルだ、平和!!を
と叫んでさえいれば平和は来る、そういう情報を送り子ども達を教育してきて70年。
今 なお謝罪外交を繰り返した歴代政府や外国にひたすら追従する新聞マスコミ報道を見ていたら、不埒な侵犯(拉致事件やミサイル脅迫などを含む)に対して国を 守る勇気や自己犠牲や使命感といった感情が出てこないのも無理のない話で、あながち今の若者たちを責めることは出来ないということだろう。
しかもそういう教育が ”日本にとって”間違いであったかどうかの評価も定まっておらず、むしろ助長している新聞が大半である。

世界中どこの国でも愛国心は美徳とされる。自国他国のを問わず、国旗国歌に敬意を払うことは幼時から躾けられる。その対極にある日本は世界にも稀な国でありそういう国にした占領軍の計画の見事さには今にして感服するしかない。
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占領下においては、日本政府は既に権力者ではなく、日本に君臨していた真の権力者はGHQであった。従って言論の自由があったかどうかは、日本政府に対する批判が自由であったか否かではなく、GHQに対する批判が自由であったか否かで考えなければ意味がない。

GHQ は自らに対するいかなる批判も絶対に許さなかった。新聞も、雑誌も、書籍も、信書も、ラジオ放送も徹底した検閲を受けた。その徹底ぶりは、記事にあるよう にGHQの方針に合わないものは、たとえ川柳や風刺画さえも許さなかったことからも容易に理解できる。そして、一方で日本政府に対する批判は奨励した。敵 である日本政府に対する批判を解禁し、それを奨励したのは、それが占領政策の遂行、日本の弱体化に好都合であったからに他ならない。

日本出版法 

   趣 旨 
  聯合軍最高司令官は日本に言論の自由を確立せんが為茲に日本出版法を発布す。本出 版法は言論を拘束するものに非ず寧ろ日本の諸刊行物に対し言論の自由に関し其の責任 と意義とを育成せんとするを目的す。特に報道の真実と宣伝の除去とを以て其の趣旨 とす。本出版法は啻に日本に於ける凡ゆる新聞の報道論説及び広告のみならず、その他 諸般の刊行物にも亦之を適用す。 

  日本出版法 
第一条 報道は厳に真実に則するを旨とすべし。 
第二条 直接又は間接に公安を害するが如きものは之を掲載すべからず。 
第三条 聯合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加ふべからず。 
第四条 聯合国進駐軍に関し破壊的批評を為し又は軍に対し不信又は憤激を招来する が如き記事は一切之を掲載すべからず。 
第五条 聯合国軍隊の動向に関し、公式に記事解禁とならざる限り之を掲載し又は論議すべからず。 
第六条 報道記事は事実に則して之を掲載し、何等筆者の意見を加ふべからず。
第七条 報道記事は宣伝の目的を以て之に色彩を施すべからず。 
第八条 宣伝を強化拡大せんが為に報道記事中の些末的事項を過当に強調すべからず。 
第九条 報道記事は関係事項又は細目の省略に依つて之を歪曲すべからず。 
第十条 新聞の編輯に当り、何等かの宣伝方針を確立し、若しくは発展せしめんが為の目的を以て記事を不当に顕著ならしむべからず。 

  一九四五年九月二十一日 
  米国太平洋陸軍総司令部民事検閲部

朝 日新聞の記事で昭和20年9月17日付の「プレスコード」として紹介された記事は、9月15日のGHQ所属民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明に対応して 書かれた。それに対し 9月18日16時~20日16時の2日間発行停止とされた。この日から朝日新聞は紙面内容が激変し、今日現在にまで至っている。

プレスコードとラジオコードとしては、この後「日本新聞遵則」と「日本放送遵則」なるものが報道・出版等関係者に公表された。 

順番に列記すると以下のようになる。 

9月10日 最高司令官指令(SCAPIN-16) 「新聞報道取締方針」 
9月15日 民間検閲支隊長フーヴァー大佐の声明 
9月21日 最高司令官指令(SCAPIN-33) 「日本新聞遵則」(日本出版法・Press Code for Japan) 
9月22日 最高司令官指令(SCAPIN-43) 「日本放送遵則」(Radio Code for Japan) 

こんなプレスコードに由来するようなものが、いまだにマスコミ内に残っていて良いのだろうか?

江藤淳も三島由紀夫も自殺したし WGIPの存在に気づいて、洗脳された日本に失望すると自殺しちゃうのかね。
そうすると社会党はGHQを教祖としたカルト集団だったと言えなくも無い。
WGIPの基本の考え方に「物事をはっきりとした善悪に分類する」というものが存在する気がする。 
それと階級闘争的な被害者と加害者意識みたいな考え。 

戦争なんて善悪で判断するものではないだろう。

米国を中心とする連合軍が、資源の無い日本のシーレーンを断ち、輸入を全て断って否応無く戦争に導いておいて、日本は最初から負けると分かっている戦争に立至った。
戦う以上は欧米の白人が搾取する植民地の解放が大義名分となった。それが悪だったと言うのだ。

検閲自体は、連合国占領下の他の地域や、戦争中には米国内でも行われていたが、日本における検閲と他の地域におけるそれとの最大の違いは、日本における検閲が検閲自体を秘匿することを強制したことである。 

検閲自体を秘匿することになった直接の原因は、検閲がポツダム宣言に違反するからであるが。秘匿することによって日本の言語空間に新たなタブーを作り出すという、洗脳作戦に有利な効果を生み出した。 

検閲の行われる範囲としては、郵便、電信電話、新聞、雑誌、書籍、放送、映画等が挙げられる。 

基本的な検閲の機能としては、情報伝達の抑制と、情報の収集という2つのものがある。 
特に情報の収集では、個人の私信を検閲することにより、一般的な世論調査機関ではなし得ないほど正確に世論動向を把握した。

複雑な日本語の文章を日系米国人といえども全てを検閲するのは無理である。そこで、日本人の報道関係者や教授や学者、知識人など5000人以上が招集されたと言われている。その当時はいくらやむを得なかったと言えども今では立派な売国奴と言えなくもない。
その人たちが、GHQの去った後、何食わぬ顔で元の職場に戻っていって、誰一人として当時の有様を語らなかった。そのことは、GHQ以後も米国の諜報機関による監視が続いたということが明らかだろう。

実際に、今も横田基地には国連の事務所が存在し、米国大使館内には「日本管理委員会」が存在する。
しかも横田基地の上空だけでなく日本の制空権は米軍が保持し、日本全国米軍の飛行が優先される。
更に、国連憲章には戦勝国が常任理事国として拒否権を持ち、日本を敵国と明記したままである。
同盟国と言いながら米国が日本を敵国条項から外せとは一度も聞いたことが無く、憲章に中華民国と記されながら中共がなぜ勝利国として座っているのか納得いく説明も未だに無い。

つまり世界は未だに日本を敗戦国として縛っていることになる。
◆ロバート・フェルドマンの日本解体シナリオ

15/08/29  村田貞雄 るいネット

政府の経済財政諮問会議のワーキンググループ委員を務めていたロバート・フェルドマンは、グローバル企業(実質は米国企業)の日本支配、市場席捲のために、膨大な項目を指示している。

日本の官邸、官僚が打ち出す施策は、これらが原点となっている。日本の官僚は、米国からの指示(フェルドマン指示)に基づき、国内情勢をみながら、具体的施策を打ち出している。
日本の中央官僚は、日本の現状を分析し、自ら考え施策立案を放棄している。

月刊日本の編集長である坪内隆彦氏が、ブログ『国を磨き、西洋近代を超える』で、改めて指摘している。

(項目は、分野別に並べ直した。これをみると、医療市場、教育市場を狙っているのが分かる。)

日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案 
http://tsubouchitakahiko.com/?p=3249

以下引用・・・・

  グローバル企業の日本支配を貫徹させるための第一歩が国家戦略特区だ。国家戦略特区ワーキンググループが2013年7月に行った有識者からの「集中ヒアリ ング」で、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏は以下のような膨大な提案をしている。まさに、日本解体のシナ リオである。

(医療、福祉分野)
国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁
チーム医療実施のための外国人看護士等の受入れ推進(就労資格の弾力化)
高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)
健康を基準とした自己負担率の導入(村田注:健康保険の自己負担率)
(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする 
米国等との疾病分類の統一化(これに基づき診療報酬を決定)
病院(国立病院・大学病院・地方病院等、クリニックを含む)の監督の一本化
医療分野へのマイナンバー制度の早期導入
高度な診療・手術の可能な病院の集中化・絞り込み
(臨床研究中核病院の機能集中の加速化など)
介護施設等への外国人労働者の受け入れ解禁
保育所設置基準等の保育規制行政の地方移管

(教育分野)
海外留学(一年間)を大学卒業のための必須要件化
大学卒業基準としてTOEFLを採用
遠隔教育の推進
教育行政の所管を、文部科学省から特区担当又は地方自治体へ一部移管
教員給与の算定基準に実力テストを採用
教育委員会の廃止・権限縮小

(企業・雇用分野)
解雇規制の緩和・合理化(金銭解決などを含む)
社外取締役を導入した企業に対する解雇規制の緩和
有期雇用契約の自由化(60歳以上の労働者を対象とするなど)
全てのスキルレベルにおけるビザの発給要件の緩和(労働ビザの緩和)
積極的な移民政策の推進(医療、介護、農業の分野など)
就労ビザの発給要件の緩和(国内の大学・専門学校卒業者及び海外で同等の教育を受けた人材、並びに、海外の実務経験を有する専門家への対象拡大)
企業業績やその他の重要情報漏洩への刑事罰適用

(農業分野)
株式会社等による農地所有の解禁
農協への独占禁止法の適用
減反制度の廃止
米価設定の廃止
農地への不動産信託の導入

(行政・制度分野)
公的データベースの民間開放(不動産等)
公務員の給料を民間と同一基準化
マイナンバー制度に基づく行政コンシェルジュの推進
国家戦略特区推進のため特区担当部局が関係各省・自治体の人事を担当
外国法規に基づく教育・金融・法律・医療機関等の認可の推進
地方議会議員に対する選挙区毎の人口比例での議決権の配分
借地借家法の定期借家権法への乗り換え

(その他分野)
羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化
電力システム改革(小売自由化、発送電分離等)の早期実施
エネルギー新技術に係る競争促進(省エネ住宅・電気自動車等)
新聞の再販規制及び公正取引委員会からの特殊指定の廃止
金融関連記者への証券外務員試験の記者版合格を義務付け
官庁の記者クラブを廃止

・・・・引用終わり

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=307280

◆戦後教育史を覆す資料発掘! やはりGHQ主導だった教育基本法制定
『月刊正論』 2006年6月号

江﨑道朗(日本会議専任研究員)

国家の独立が問われている

  「自民党執行部は、公明党と妥協した教育基本法改正案を呑めというのか」-。自民・公明両党執行部からなる教育基本法改正に関する協議会が4月13日にま とめた最終改正案に対して、自民党を支えてきた諸団体から強い不満の声があがっている。「現行基本法の理念を守りたい」公明党に引きずられ、多くの問題点 を残す内容となったからだ。

 校長らに多数の自殺者を出してきた国旗掲揚・国歌斉唱反対運動の法的根拠として利用されてきた現行法十条の「教育は、不当な支配に服することなく」との文言はそのまま残った。

 わが国の宗教団体の大半が加盟する「日本宗教連盟」(神社本庁、教派神道連合会、全日本仏教会、新日本宗教団体連合会、日本キリスト教連合会の主要五団体で構成)が求めていた「宗教的情操の涵養」の盛り込みは見送られた。

  最大の争点となっていた「愛国心」の表現は、「『国』の概念から統治機構を除く」「他国や国際社会の尊重を反映させる」(4月14日付「公明新聞」)とい う公明党の主張に譲歩し、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態 度を養うこと」となった。「国を愛する心」ではなく「国を愛する態度」ならば、卒業式で国歌を歌っているふりをすればいいということになりかねない。

 現場に悪影響を与えてきた文言が残るだけでなく、新たな問題も惹起しかねない法案の動向について教育関係者が強い憂慮を示しているのとは対照的に、世論の関心はいま一つだ。

 それは何故か。いろいろな理由があるだろうが、教育基本法制定当時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって「愛国心」や「宗教的情操」がいかに削られ、「不当な支配」が盛り込まれたのか、ほとんど知られていないことが一因だと私は考える。

  教育基本法は、憲法同様GHQによって実質的に押し付けられた法律なのである。しかも、GHQや彼らに協力した日本人は、「押し付け」を巧妙に隠蔽し、日 本が自主的に制定したかのように偽装した。教育という国の根幹、国民精神に大きな影響を与える法律だけに、このような制定経緯は日本という国家の独立性を 揺るがすものである。基本法が教育現場に与えている悪影響に加えて、この点が広く知られていれば、改正論議はもっと高まっていただろう。

 教育基本法制定をめぐる実情が知られていない責任の一端は、基本法を作成したとされている教育刷新委員会の副委員長を務めた南原繁東大総長にある。南原氏は講和独立後、占領政策の全面的見直しを始めた政府自民党の動きを念頭に、こう断言したのである。

《わ が国の戦後の教育改革は、教育刷新委員会を中心として、これら政府当局者の責任においておこなわれただけである。(中略)私の知る限り、その間、一回も総 司令部から指令や強制を受けたことはなかった。少なくとも教育刷新委員会に関する限り、すべては、われわれの自由の討議によって決定した》(朝日新聞社編 『明日をどう生きる』昭和30年)[傍線筆者。以下同じ]

 教育界のみならず戦後の言論界に強い影響力をもっていた南原氏の発言によって、「教育基本法はGHQの干渉を受けることなく日本人が自主的に作った」という定説が確立され、その見直しは長らくタブーとなってしまったからである。

 その定説も、鈴木英一氏や高橋史朗氏らによる占領文書の研究を通じて疑問視されるようになってきているが、残念ながらその成果が国民全体に共有されているとは言い難い。

自主的な教育改革を否定したGHQ

 そもそも敗戦後、わが国の教育改革がどのように始まったのかも誤解している人が多い。

 日本政府は昭和20年8月の敗戦を受けて直ちに、戦時中の「軍国主義教育」の全面的見直しと、「平和国家建設」に向けた教育改革に着手している。

  9月15日に発表した「新日本建設の教育方針」では、戦時中の「軍国的思想および施策を払しょく」し、「平和国家」を建設するため、「国民の教養の向上」 「科学的思考力のかん養」と共に、「国民の宗教的情操と信仰心を養」うことを通じて、「平和愛好の信念」を養成する方針を掲げている。

  GHQからの指示を待つまでもなく、日本は自主的に教育改革を始めたのだが、アメリカ国務省調査分析課は十月五日付内部報告書「日本の戦後教育政策」の中 で、「新日本建設の教育方針」を取り上げ、「科学教育の振興」には「日本が原爆開発への遅れにみられる日米間の科学技術のギャップを埋めるためのものであ るという意図が巧妙に隠されている」などと批判している。

 「米国の目的を支持すべき、平和的かつ責任ある政 府を、究極において確立する」(9月20日付「降伏後における米国の初期対日方針」)、つまり日本にアメリカの傀儡政権を樹立するという方針をアメリカ政 府から与えられている以上、GHQとしても、日本の自主的な教育改革を認めるわけにはいかなかったのだ。10月30日には、「教員及び教育関係官の調査、 除外、認可に関する件」という指令を出し、日本の国柄を守る立場から自主的な教育改革を推進し、占領政策に異を唱えてくる文部省官僚たちを直ちにすべてク ビにしろ、と命じている。

 この容赦ない方針によって「実際の文部大臣は総司令部」(内藤誉三郎・文部大臣官 房総務室)という状況を作ることに成功したGHQは次に、自らの政策に迎合する日本人グループの形成に取り掛かる。昭和21年1月9日、「米国教育使節団 を受け入れるため」という名目で、GHQは日本側に「日本教育家委員会」を作るよう指示したのである。その委員長に就任したのが、前述した南原氏であっ た。

 熱心なプロテスタントであった南原氏だが、戦前から愛読書として旧約聖書とともにマルクスの『資本論』 を挙げるなど社会主義に強いシンパシーをもっていた。内務省に入省した南原氏は大正8年、日本最初の労働組合法を立案、大正9年にはレーニンの『国家と革 命』を翻訳させ部内資料として出版している。大正10年に東大助教授に転身、その弟子には、戦後の進歩的文化人の代表格であった丸山真男東大教授や、中国 共産党と組んで日本の戦争犯罪を告発する戦後補償裁判を主導した土屋公献元日弁連会長がいる。

 この南原氏を 中心に進歩的文化人たちが結集した「日本教育家委員会」は、3月5日に来日した米国教育使節団を受け入れ、戦前・戦中の日本の教育政策を非難する「報告 書」の作成に協力している。この委員会のメンバーが中心となって21年8月10日に新設されたのが、前出の教育刷新委員会(委員長、安倍能成元文相)なの である。

リモート・コントロール

 協力者としての刷新委員会を組織したGHQは、教育改革の主導権が文部省ではなく刷新委員会にあることを再確認すべく、密室会談を主催する。

  GHQの教育改革を担当していた民間情報教育局(CIE)は9月4日、田中耕太郎文相、山崎匡輔文部次官、教育刷新委員会の安倍委員長、南原副委員長を集 め、①刷新委員会は、文部省から完全に独立する。②文部省は、刷新委員会が提案した政策を実行する。③刷新委員会と文部省、CIEの連絡調整のために「連 絡委員会」を設置する--という方針を提示したのである。

「刷新委員会が方針を決定し、文部省はそれに従え」 と命じられた田中文相は、「文部大臣が原則について何も決定できないなら、議会での質問に対する答弁も困難だ」と抵抗するが、南原副委員長はCIEの方針 に全面的に賛同し、文部省は刷新委員会の下請けに過ぎないことが決定される。

 では、南原氏が指摘しているように、刷新委員会がGHQから干渉されることなく教育改革の方針を作成できたのかと言えば、そうではなかった。

  注目してほしいのは、③の連絡委員会の設置である。日本側の文献では「連絡委員会」と呼ばれるが、英語の原文は「Steering Committee」、直訳すると「舵取り委員会」となる。その狙いを、アメリカのハリー・レイ教授は、《CIEは連絡委員会を通して、教育刷新委員会を 米国教育使節団の報告書の枠内で指導し、文部省に教育刷新委員会の提案を受け入れさせることが可能になった。ステアリング・コミッティーは日本語で「舵取 り委員会」とも訳される通り、教育刷新委員会の「独立」の陰に隠れて、CIEが日本側をリモート・コントロールする送信機のようなものであった》と説明し ている(『戦後教育改革通史』明星大学出版部、平成5年)。

 9月24日、第一回舵取り委員会に出席した刷新委員会の大島正徳委員は、3日後の27日に開催された教育刷新委員会第四回総会で、刷新委員会で何を議題とするかはすべて事前に舵取り委員会を通してもらいたいと言われたとして、こう報告している。

  《この委員会は自主的なものであって、我々はこの委員会が決めることは文部省の指令に依るものでなく、又司令部の指令に依ってやるべきものでもなく、全く オートノマス(自律的)にやるべきだが、委員会に正式に議題にする前に、先ずこのステアリング・コミッチー(舵取り委員会)で相談して、これは議題にする が宜いかどうかを考えなければならぬ》(『教育刷新審議会教育刷新審議会会議録 第一巻』岩波書店、1995年)[引用文の( )内は筆者が補足]

 結局のところ刷新委員会は、CIEの許容する範囲内でしか「自主性」を認められなかったわけである。

CIEによる第一の介入は「愛国心」の排除

 戦後の教育改革の主導権を政府・文部省から、リベラル派の進歩的文化人による刷新委員会に握らせ、かつ同委員会を、舵取り委員会を通じて背後からコントロールするという仕組みを構築することに成功したGHQは、いよいよ教育基本法制定に着手することになる。

  教育基本法制定に初めて言及したのは田中耕太郎文相だった(昭和21年6月27日、衆議院)。しかし、それをもって教育基本法制定は日本側の発案だったと 断言することはできない。義務教育の無償化や男女平等を謳った日本国憲法の制定に伴い、田中文相の意志とは関係なく、教育関係法規は全面的に書き換えなけ ればならない状況に置かれていたからである。GHQに日本国憲法を押し付けられた段階で、教育基本法を制定せざるを得なかったわけで、真の発案者はGHQ と言ってよい。

 文部省は7月18日、省内に「教育調査局」を新設し、教育法の全面改正に向けた準備を開始し、9月27日、刷新委員会第一特別委員会に、文部省の「教育基本法要綱案(9月21日案)」を提出している。

 注目すべきは、この「要綱案」に「愛国心の涵養」という趣旨がなかったことだ。実は明治24年に公布された文部省令の「小学校教則大綱」の第二条には、「尋常小学校ニ於テハ(中略)殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養ハントスルコトヲ努メ」と、愛国心の涵養が明記されていた。

  ところが、GHQは日本占領直後の昭和20年9月10日から、事前検閲という形で言論統制を始めていた。当初はラジオ放送や新聞、雑誌だけだったが、やが て一般国民の手紙や教科書まで検閲の対象となる。21年2月4日には、CIEが教科書検閲の基準を設定し、軍国主義、超国家主義のみならず、「国民的、国 家、わが国」といった用語までも削除されるなど、国家そのものが否定されることになった。こうなると、GHQの支配下に置かれていた文部省としても、「愛 国心」という言葉を予め削除した要綱案を作らざるを得ない。これを私は、教育基本法に対する、CIEの第一の介入と呼びたい。

  愛国心が欠落した要綱案に異議を唱えた人もいた。刷新委員会第一特別委員会では、天野貞祐一高校長(のち文相)が「ただ自分のために生きるのではなくし て、社会国家の為に生きるとか、何かそういうものを入れたいと思う」と主張したが、東京文理科大の務台理作学長(日教組の「教師の倫理綱領」作成に協力) が「個人を犠牲にせず、個人の自由をあくまでも尊重する(中略)そういう精神に教育の理念が基づくべき」と反論、これに社会党の森戸辰男議員(のち文相。 日教組と提携)が賛同したため、「国の発展に尽くす」という趣旨は完全に消えることになったのである。

「不当な支配」もCIEが強制

 刷新委員会の日教組派の委員たちによって、愛国心が排除された教育基本法要綱案が固まった段階で、CIEは本格的な介入を開始する。

  11月12日、CIEのジョセフ・トレーナー教育課長補佐は、刷新委員会の事務局を担当していた関口隆克・文部省審議室長を呼び出した。トレーナーは、舵 取り委員会つまりGHQの了承なく、文部省が刷新委員会に要綱案を出したことを取り上げ、「文部省が議会に提出する諸法案は、CIEの承認を得なければな らない」と詰問、関口室長は「今から、あらゆる問題を舵取り委員会に提出する」と改めて約束する。

 11月14日、関口室長は「9月21日案」の英訳をCIEに提出、密室による本格的な改悪が始まることになる。CIEがまず問題にしたのは、「男女共学」の項目だった。

  11月18日、CIEは男女共学について積極的な言及を行うよう要求、これを受けて関口室長は「男女はお互に敬重し、協力し合わなければならないもので あって、両性の特性を考慮しつつ同じ教育が施されなければならないこと」という案を持参するが、CIEは了承せず、文部省案の「両性の特性を考慮しつつ」 という文言は削除されてしまう。もし教育基本法に「両性の特性を考慮」という文言が残っていたならば、現在問題となっているジェンダー・フリー教育がこれ ほど横行することはなかったと思うと、CIEによる第二の介入は大きな禍根を残したといえよう。

 CIEによる第三の介入は、「教育行政」の項目であった。

  11月29日の刷新委員会第13回総会に提出された「要綱案」には、「教育行政は、学問の自由と教育の自主性とを尊重し、教育の目的遂行に必要な諸条件の 整備確立を目標として行われなければならないこと」とあった。刷新委員会はこの表現で合意していたのだが、CIEのトレーナーは「教育の自主性の尊重」と いう表現を問題視し、修正を要求した。

 文部省に案を作らせても満足できる表現が出てこないことにしびれを切 らしたトレーナーは自ら英文で要綱案を作成、12月13日、「教育行政」の項目は「教育は、政治的又は官僚的な支配に服することなく(Education shall not be subject to political or bureaucratic control)、国民に対し独立して責任を負うべきものである」という表現に変えるよう、文部省に通告したのである。その後も、教育行政の表現をめぐっ てCIEと文部省による密室会議は続き、翌22年1月15日案で「不当に」という言葉が追加され、最終的に現在の表現になったのである。今回の基本法改正 でも焦点となった「不当な支配」という表現は、CIEによって強制されたものであったのだ。

「伝統を尊重して」「宗教的情操」も削除

  第四の介入は、「伝統の尊重」の削除である。11月29日の刷新委員会総会に提示された要綱案では、前文に「普遍的にしてしかも個性ゆたかな伝統を尊重し て、しかも創造的な、文化をめざす教育が普及徹底されなければならない」と明記されていたが、トレーナーは「伝統を尊重して」という言葉の削除を命じた。 当時の通訳が「伝統を尊重するということは、再び封建的な世の中に戻ることを意味する」と述べたからだ、と明星大学の高橋史朗教授とのインタビューでト レーナーはその理由を説明している。

 第五の介入は、「宗教教育」をめぐってであった。前述した11月29日 の要綱案では、宗教教育について「宗教的情操のかん養は、教育上これを重視しなければならない。但し官公立の学校は、特定の宗派的教育及び活動をしてはな らないこと。」と規定されていた。この表現は、社会党の森戸委員でさえも合意した案であり、宗教的情操の涵養が重要だという認識は、社会主義者も含め当時 の日本人の総意であったのである。

 ところが、CIEは「宗教的情操のかん養」を削除し、「社会における宗教 生活の意義と宗教に対する寛容の態度は、教育上これを重視しなければならない」というCIE案に差し替えるよう日本側に要求した。しかも「宗教に対する寛 容の態度」という表現は、「無神論者に対する寛容を含む」と解釈されることになったため、宗教を敵視する無神論(つまり社会主義、共産主義)を奉じる児 童・生徒に配慮して事実上、学校教育において宗教に関する教育はすべて禁止されることになってしまったのである。

 この第四・第五の介入で、伝統的な死生観や慣習を学校教育で教える法的根拠が失われてしまった。

 要するに今回公明党が重視した「教育基本法の基本理念」なるものはすべてGHQ・CIEの密室介入の産物に過ぎないのだ。

自主制定というGHQの偽装を証明する議事録を発見

 この冷厳な事実を日本の立場から証明する史料を今回発見した。CIEが文部省や刷新委員会を背後からコントロールするために設置した舵取り委員会の「日本側議事録」である。

  教育基本法制定の真相を理解するためには、舵取り委員会でのやりとりを知る必要がある。日本側は必ず議事録を残していると思ったのだが、なかなか見つから ない。国立国会図書館や首都圏の主要大学図書館などで探し、文部科学省や戦後教育史の専門家にも問い合わせたが、「知らない」という回答であった。調査は 3年以上に及んで諦めかけていたが、「教育刷新委員会会議録」の原本を保存している財団法人野間教育研究所の「書庫」でついに見つけた。

 万年筆で書かれたざら紙による、昭和22年1月23日から24年7月28日までの31回分の舵取り委員会議事録のファイルで、『教刷委連絡委員会記録全一冊(ステアリングコミティ)』という表紙がついていた。

 CIEが教育基本法の要綱案に対して介入していた昭和21年後半の議事録はなかったものの、肉筆の生々しい文字から浮かび上がってきたのは、想像通りCIE主導で教育基本法を含む改革が行われていたという現実であった。

 例えば、教育基本法案が大詰めを迎えていた昭和22年1月23日の議事録には、次のようなやり取りが書かれてあった。

 《辻田 通常国会に提出する案は三つあつて(教育基本法、学校教育法、地方教育行政法)今第一が法制局で検討中である。

 トレーナー 教育基本法は今我我も一緒に検討中で未だ確定していないと思うが…。

 辻田 決定したものではなく教育部と平行して法制局にも検討して貰っているのだ。主として字句の問題で、内容にはふれていない》

 文部省の辻田力調査局長が、CIEの了解なく教育基本法要綱の法案化作業を法制局に依頼したことを、トレーナー教育課長補佐から咎められ、うろたえている様子が分かる。
 教育基本法が衆議院本会議に上程された三月十三日の舵取り委員会「議事録」にはこう記されていた。

 《日高 教育基本法と学校教育法のその後の経過を話す。前者は本日議会上程、後者は十五日或いは十六日に議会上程と予想している。非常に困難があったが通過するものと期待している。

 オア 文部省の御骨折りに感謝する》

  この「御骨折りに感謝する」という文字を見た時の衝撃は忘れがたい。なぜCIEが、文部省に対してお礼を言わなければいけないのか。徹底した密室介入に よってGHQ製に換骨奪胎した教育基本法案を、日本人が主体的に作った案として国会に上程することに成功したため、思わず本音が出たのだろう。教育基本法 が日本人のためではなくGHQのために作られたことを、この一文は物語っているといえよう。

「属国の悲しみ」を克服せよ

 マーク・T・オアCIE教育課長から労いの言葉を直接かけられた文部省の日高第四郎学校局長はこのとき、どのような思いを抱いたのか。調べたところ、日高局長が後にCIEとの折衝について書いた一文に「属国の悲しみ」という表題をつけていることが分かった。

  CIEによって徹底的に改悪され、わが国の教育に大きな悪影響をもたらすことが予想される教育基本法を、日本人自身が作成したと偽って国会において成立さ せなければならなかった。日高局長が味わった「属国の悲しみ」はその後語り継がれることもなく、忘れ去られてしまっている。

  それは、「日本人によって教育基本法は作られた」かのように偽装したGHQ・CIEを擁護して、「一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」 と虚言を弄した南原東大総長のような人物が戦後教育の中心にいたからだ。さらに、誤った「教育基本法制定史」を流布したのは、南原氏だけではなかった。今 回私が見つけた「舵取り委員会議事録」には複数の人間が閲覧した足跡が残されていたのである。教育基本法に対する疑問が国民の間に芽生えることを避けるた めか、敢えてその存在を公開してこなかったふしがあるのだ。

 今回の教育基本法改正にあたって「宗教的情操」 や国を愛する「心」を削り、「不当な支配」を残すことに合意した与党幹部たちもある意味、そんな悪質な情報操作の被害者かも知れない。何しろGHQの密室 介入の産物を、日本人が守るべき教育理念だとすっかり勘違いしてしまっているのだから。

 しかし、与党幹部たちの誤った「教育基本法制定史」観によって、わが国の教育の歪みが放置されてはたまらない。今からでも遅くはない。正しい「教育基本法制定史」観に基づいて与党案を抜本的に修正すべきだ。

  幸いそのモデルは出来ている。超党派の「教育基本法改正促進委員会」(亀井郁夫委員長)が、わが国の歴史と伝統に立脚し、「愛国心」や「宗教的情操の涵 養」、「教育に対する国の責任」などを謳った、日本人のための新教育基本法案を作成している(下村博文編『教育激変』明成社)。

 わが国の根幹を定める教育基本法の改正は、GHQの改悪を克服する方向で成し遂げられるべきである。


えざき・みちお 昭和37年(1962年)東京都生まれ。九州大学文学部卒業。月刊誌『祖国と青年』編集長を経て平成9年から日本会議事務総局に勤務、政策研究を担当。共著に『日韓共鳴二千年史』『再審「南京大虐殺」』『世界がさばく東京裁判』(いずれも明成社)など。

※初出 月刊『正論』2006年6月号、肩書などは当時のまま)

http://ironna.jp/article/1824?p=1

               目覚めよ日本!

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