日本会議
前身 | 元号法制化実現国民会議 日本を守る国民会議 日本を守る会 |
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設立年 | 1997年5月30日 |
種類 | 任意団体 |
本部 | 日本 東京都目黒区青葉台3-10-1 パシフィックマークス青葉台601号 |
位置 | 保守主義[1]、復古主義 |
会長 | 三好達 |
ウェブサイト | www.nipponkaigi.org |
目次
概要
公式ホームページでは「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を行っている民間団体」と称している[2]。1997年5月30日に「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」とが統合して組織された。
「―守る会」は、円覚寺貫主・朝比奈宗源が神道・仏教系の宗教団体に呼びかけて1974年4月に結成、政治課題に対して様々な政治運動を行っていた。一方、「―国民会議」は、最高裁判所長官を務めた石田和外らの呼びかけによって財界人・学者中心で、元号法制化を目的に1978年7月に結成された「元号法制化実現国民会議」をもとに、これを改組してつくられ、やはり政治運動を行っていた。
神社本庁、解脱会、国柱会、霊友会、崇教真光、モラロジー研究所、倫理研究所、キリストの幕屋、仏所護念会、念法真教、新生佛教教団、オイスカ・インターナショナル、三五教等、宗教団体や宗教系財団法人等が「守る会」以来の繋がりで多数参加している。特に神社本庁とは、「建国記念の日奉祝式典」や皇室関連の問題への取り組み等、人的交流も盛んである。2015年の時点で、日本会議の役員62名のうち24名が宗教関係者である[3]。
日本会議と連携する国会議員の組織に日本会議国会議員懇談会、地方議員の組織として日本会議地方議員連盟があり、「国会議員懇談会」には国会議員が約289名、超党派で参加している(1997年5月29日発足。現在の会長は平沼赳夫)。
組織は都道府県を9区域にまとめ、県毎に県本部を置き、さらにその下に支部が置かれている。各都道府県本部には、専従で勤務する活動家が配置されている。月刊機関誌「日本の息吹」を「―国民会議」から引継いで発行している。
活動
主な活動には以下のものがある[4]。- 日本の皇室関連の運動
- 男系による皇位の安定的継承を目的とした皇室典範改正
- 皇室の地方行幸啓の際の奉迎活動
- 改憲運動
- 地方、中央に於ける憲法シンポジウム・講演会の開催
- 憲法改正要綱の作成
- 教育関連の運動
- その他
- 支部組織の充実
批判
- 同団体が推進しているという親学に関しては、「発達障害児は笑わない」や「発達障害は予防可能」といった、障碍者に対する差別・誤解を助長するとして、親学推進議員連盟等の関連団体に抗議が寄せられた[6][7][8]
報道
この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか整理・除去する必要があります。(2015年6月) |
日本国内
- 朝日新聞は、この団体について、「右派」「保守系」とされる団体では国内最大級の組織であり、安倍晋三と思想的にも近く、集団的自衛権の行使を認める閣議決定の際にも、支持する見解を出した、と報道した[9]。また、男女共同参画に反対している団体である、とも報道している[10]。
- 東京新聞は、この団体を「日本最大の右派組織」である、と報じた。また、2012年に発足した第2次安倍内閣の閣僚19人のうち13人が懇談会のメンバーであり、また、日本会議地方議員連盟所属の議員が全体定員の40%を越える県議会が国に15に及ぶ。朝鮮人強制徴用犠牲者追悼碑撤去請願を採択した群馬県議会もそのうちのひとつ、と報じた。また、「日本会議の前身の『日本を守る会』は、過去の満州地域侵略を主導した将校らの思想的バックボーンになった宗教右派の流れとしたパートナーであり、(もう一つの母体である)『日本を守る国民会議』は右翼と結びついた組織」等の識者の批判を報じている[11]。
- 毎日新聞は、この団体が、「選択的夫婦別姓に反対するなど、復古的な家族観を持つ政治団体」であるとの識者の意見を報じている[12]。
日本国外
主張内容から、この団体を「右翼団体」[13][14][15]や「日本最大級の国粋主義者団体」と評する意見[16][17][18]が日本国外のマスコミにもある。- アメリカのニューヨーク・タイムズは「ナショナリスト(国家主義者)組織」と評した[19]。
- イギリスのエコノミストは「伝統的価値」への復帰と旧日本軍の悪行への「謝罪外交」の否定を主張する「ナショナリスト・シンクタンク」と報道した[20][21]。
- 韓国の聯合ニュースや中央日報は“日本の右傾化の流れに相当な影響力を行使している”と報じ、“積極的な対処が必要だ”と論じている[22][23]。
- フランスのL'Obs(旧:Le Nouvel Observateur、「新監視者」)は日本会議を「国際社会からそれほど注目されていないものの、影響力のある団体」と紹介[24]。
日本会議の主な役員
少なからぬ人数が物故していることに注意会長
副会長
顧問
代表委員
- 青栁和雄(霊友会常務理事)
- 秋本協徳(新生佛教教団代表役員)
- 石原慎太郎(作家・元東京都知事・元衆議院議員)
- 井尻千男(作家 拓殖大学日本文化研究所前所長)
- 板垣正(元参議院議員)
- 市川晋松(日本相撲協会前相談役・第50代横綱佐田の山)
- 伊藤憲一(青山学院大学名誉教授)
- 稲山霊芳(念法眞教燈主)
- 入江隆則(明治大学名誉教授)
- 宇佐美忠信(富士社会教育センター理事長・元全日本労働総同盟会長)
- 宇都宮鐵彦(株式会社日華会長)
- 海老原義彦(軍人恩給連盟全国連合会会長・元参議院議員)
- 大石泰彦(東京大学名誉教授)
- 岡田恵珠(崇教真光教え主)
- 岡野聖法(解脱会法主)
- 小串和夫(熱田神宮宮司)
- 尾辻秀久(参議院議員・日本遺族会副会長)
- 小野田寛郎(財団法人小野田自然塾理事長 元大日本帝国陸軍少尉)
- 加瀬英明(外交評論家・日本教育再生機構代表委員・史実を世界に発信する会代表委員) 兼監事
- 上村和男(社団法人国民文化研究会理事長)
- 城内康光(三菱東京UFJ銀行顧問 元警察庁長官)
- 徳川康久(靖国神社宮司 徳川将軍家18代目(当主は徳川恒孝))
- 黒住宗晴(黒住教教主)
- 慶野義雄(平成国際大学教授・日本教師会会長)
- 佐伯彰一(東京大学名誉教授)
- 佐藤和男(青山学院大学名誉教授)
- 澁木正幸(株式会社廣建会長・監事)
- 志摩篤(偕行社理事長)
- 志摩淑子(株式会社朝日写真ニュース社会長)
- 住母家岩夫(日本会議経済人同志会相談役)
- 関口德髙(仏所護念会教団会長)
- 千宗室 (15代)(茶道裏千家前家元)
- 園田天光光(自由民主党各種女性団体連合会長 元衆議院議員)
- 高城治延(伊勢神宮少宮司)
- 瀧藤尊教(和宗総本山四天王寺第百五世管長)
- 田久保忠衛(外交評論家)
- 武覚超(比叡山延暦寺代表役員)
- 竹本忠雄(筑波大学名誉教授)
- 長曽我部延昭(伊豫豆比古命神社宮司、神道政治連盟会長)
- 寺島泰三(社団法人日本郷友連盟会長)
- 中島精太郎(明治神宮宮司)
- 中條高徳(英霊にこたえる会会長、アサヒビール名誉顧問)
- 中野良子(オイスカインターナショナル総裁)
- 長谷川三千子(NHK経営委員会委員 埼玉大学名誉教授)
- 平岩昌利(東京都神社庁庁長)
- 廣池幹堂(学校法人廣池学園・モラロジー研究所理事長、麗澤大学第3代学長)
- 保積秀胤(大和教団教主)
- 丸山敏秋(倫理研究所理事長)
- 村松英子(女優・詩人)
- 役山明(偕行社元会長)
- 横倉義武(外科医 日本医師会会長)
理事長
- 男成洋三(明治神宮崇敬会理事長)
事務総長
- 椛島有三(日本協議会会長・元日本青年協議会会長、元全国学生自治体連絡協議会議長)
事務局長
- 松村俊明 常任理事
日本会議国会議員懇談会
自由民主党を中心に、2014年の時点で289名の国会議員が超党派で参加している[9]。2013年時点では263名と報じられていた[23]。自民党以外にも民主党の一部、次世代の党の議員が加盟している。皇位継承問題については、女系天皇を容認する皇室典範改正に反対し、男系による皇位継承の維持を主張している[25]。
第2次安倍改造内閣では、会員の中から15人が入閣した[26][8][27]。
役員
特別顧問 | 相談役 | 会長 | 会長代行 | 副会長 | 幹事長 | 事務局長 |
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麻生太郎 | 谷垣禎一 | 平沼赳夫 | 額賀福志郎 | 安倍晋三 石破茂 小池百合子 菅義偉 中谷元 古屋圭司 山崎正昭 |
下村博文 | 萩生田光一 |
会員
逢沢一郎 | 赤池誠章 | 赤間二郎 | 秋葉賢也 | 秋元司 |
甘利明 | 有村治子 | 稲田朋美 | 井上信治 | 伊吹文明 |
今津寛 | 今村雅弘 | 岩井茂樹 | 岩屋毅 | 上野賢一郎 |
江渡聡徳 | 江藤拓 | 大島理森 | 奥野信亮 | 尾辻秀久 |
鬼木誠 | 小野寺五典 | 梶山弘志 | 加藤勝信 | 金子恭之 |
亀岡偉民 | 鴨下一郎 | 河村建夫 | 岸信夫 | 岸田文雄 |
北村誠吾 | 北村茂男 | 木原誠二 | 木原稔 | 木村太郎 |
木村義雄 | 小坂憲次 | 後藤茂之 | 坂本哲志 | 桜田義孝 |
左藤章 | 佐藤ゆかり | 山東昭子 | 塩崎恭久 | 塩谷立 |
芝博一 | 菅原一秀 | 鈴木俊一 | 関芳弘 | 薗浦健太郎 |
園田博之 | 高市早苗 | 高鳥修一 | 竹下亘 | 武田良太 |
竹本直一 | 棚橋泰文 | 田村憲久 | 寺田稔 | 土井亨 |
渡嘉敷奈緒美 | 中川雅治 | 長島昭久 | 長島忠美 | 中野正志 |
中山泰秀 | 西田昌司 | 西村明宏 | 西村康稔 | 二之湯智 |
根本匠 | 野田毅 | 橋本岳 | 葉梨康弘 | 浜田靖一 |
原口一博 | 林幹雄 | 平沢勝栄 | 古川禎久 | 前原誠司 |
松浪健太 | 松野頼久 | 松原仁 | 松本文明 | 松本洋平 |
水野賢一 | 御法川信英 | 三原朝彦 | 宮腰光寛 | 武藤容治 |
村上誠一郎 | 望月義夫 | 茂木敏充 | 森英介 | 保岡興治 |
山際大志郎 | 山口俊一 | 山口泰明 | 山谷えり子 | 山本公一 |
山本順三 | 山本拓 | 山本幸三 | 山本朋広 | 義家弘介 |
吉川貴盛 | 笠浩史 | 鷲尾英一郎 |
元会員
- 上野宏史(2014年に落選)
- 坂本剛二(2014年に落選)
- 中山成彬(2014年に落選)
- 西川京子(2014年に落選)
- 西村眞悟(2014年に落選)
- 吉田泉(2014年に落選)
- 渡辺喜美(2014年に落選)
関連団体
- 日本を守る国民会議
- 創生「日本」
- みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会
- 日本の領土を守るため行動する議員連盟
- 日本の前途と歴史教育を考える議員の会
- 真の人権擁護を考える懇談会
- 神社本庁 - 神道政治連盟
- 歴史事実普及協会
- 伝統と創造の会
- 美しい日本をつくる会
- 日本協議会
- 日本青年協議会
- 全日本学生文化会議
- 国民文化研究会
- 頑張れ日本!全国行動委員会
- 日本文化チャンネル桜
- 新憲法制定議員同盟(旧自主憲法期成議員同盟)
- 自由民主党 (日本)
- 明成社
脚注
- ^ Patricia G. Steinhoff (2010). “Shifting Boundaries in Japan's Criminal Justice System”. In Glenn D. Hook. Decoding Boundaries in Contemporary Japan: The Koizumi Administration and Beyond. p. 218.
- ^ 日本会議とは
- ^ 日本会議に集まる宗教団体の面々 ハーバービジネスオンライン2015年3月11日
- ^ 日 本会議のHP、パンフレット「私たちは誇りある国づくりへ、発言し行動します」(H23)、「誇りある国づくりへ国民の力を」(H25版)、「日本固有の 領土尖閣を守れ!」(H23版)、「奉祝20ニュースNo3」(H21.6.23)、「日本女性の会通信第13号」(H24.8.23)等による。
- ^ 山口智美; 斉藤正美; 荻上チキ (2012). 社会運動の戸惑い フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動. 勁草書房. ISBN 4326653779.
- ^ “親学議連:「発達障害、予防は可能」…抗議殺到し陳謝”. 毎日新聞. (2012年6月12日). オリジナルの2012年6月12日時点によるアーカイブ。
- ^ “「発達障害、子育てで防げる」 議員勉強会に抗議・批判”. 朝日新聞. (2012年6月12日). オリジナルの2012年6月29日時点によるアーカイブ。
- ^ a b 東京新聞 「『親学』考 非科学と時代錯誤の家族観 推進議連に閣僚ずらり」2014年9月6日
- ^ a b 「地方から改憲の声、演出 日本会議が案文、議員ら呼応」、朝日新聞、2014年8月1日。
- ^ 「女性閣僚5人、数は前進 『でも言動は…』不安の声も」、朝日新聞、2014年9月4日
- ^ 「日本最大の右派組織 日本会議を検証」、東京新聞 2014年7月31日
- ^ 「特集ワイド:続報真相 座談会 「女性活躍」の違和感 なぜ?」毎日新聞 2014年10月31日
- ^ Keita Takayama (2009). “From the Rightist "Coup" to the New Beginning of Progressive Politics in Japanese Education”. In Michael W. Apple. Global Crises, Social Justice, and Education. p. 69.
- ^ Tokushi Kasahara (2011). “Higashinakano Osamichi: The Last Word in Denial”. In Bob Tadashi Wakabayashi. The Nanking Atrocity, 1937-38: Complicating the Picture. p. 308.
- ^ Caroline Rose (2006). “The Battle for Hearts and Minds: Patriotic Education in Japan in the 1990s and Beyond”. In Naoko Shimazu. Nationalisms in Japan. pp. 137-139, 150.
- ^ Jung Ho Bae; Sung Chull Kim (2009). “Japan's North Korea Policy: The Dilemma of Coercion”. In Sung Chull Kim; David C. Kang. Engagement with North Korea: A Viable Alternative. p. 83.
- ^ Richard Cohen (2010). Chasing the Sun: The Epic Story of the Star That Gives Us Life. p. 430.
- ^ Aron Patrick (2008). The Reinstatement of the Middle Kingdom. p. 72.
- ^ "Japan Rightists Fan Fury Over North Korea Abductions" ニューヨーク・タイムズ2006年12月17日
- ^ "Back to the future" エコノミスト2013年1月5日
- ^ Right side up | The Economist
- ^ 일본 우경화 배후엔 보수단체 '일본회의' 있다(日本右傾化の背景には保守団体“日本会議”がある)聯合ニュース、2014年7月31日(韓国語)
- ^ a b 【社説】日本の右傾化、積極的な対処が必要だ 中央日報2013年5月2日(日本語)
- ^ Japon : la face cachée de Shinzo Abe - L'Obs
- ^ “皇室典範改正に反対決議 超党派の保守系議員”. 共同通信社. 47NEWS. (2006年1月26日) 2013年9月6日閲覧。
- ^ 政権に巣食う改憲・右翼団体「日本会議」勢力 主張・言動に見る異常 しんぶん赤旗2014年9月7日
- ^ 「閣僚19人中15人を日本会議議連で占める」、EconomicNews、2014年9月6日。
関連項目
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