2015年12月 5日 (土)
"余りに大きな間違い":ジョセフ・スティグリッツ、TPPを推進するオバマを厳しく非難
2015年11月12日
Democracy Now!
ゲスト
ジョセフ・スティグリッツ
ノーベル賞を受賞した経済学者、コロンビア大学教授で、ルーズベルト研究所首席経済学者。新刊書『アメリカ経済のルールを書き換える: 成長と、共有された繁栄のための計画案』
議会では環太平洋戦略的経済連携協定TPPを議論する中、我々はノーベル賞受賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと、この貿易協定について話をし た。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題です'という言葉です" スティグリッツは語った。"しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかで す。そして、それが一体誰のために作られるのか、つまり大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかです。"
書き起こし
これは急ぎの書き起こしである。文章は、最終的なものではない可能性がある。
エイミー・グッドマン: 非常に興味深いのは、バーニー・サンダースが、不平等を本当に強調していることです。これで、ヒラリー・クリントンが、こうするよう追いやりました。彼が 大いに勢いを得て、何万人もの人々を集会に惹きつけていますから。共和党側では、いくつかの分野では、ドナルド・トランプが、ヒラリー・クリントンより、 リベラルに聞こえます。これらの貿易協定に即反対しています。
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、ですから、ある意味で、共和党と民主党で目にしていることは、ある意味、何かおかしいのです。アメリカは初めての中流階級社会でした。我々は、中流 階級社会であることを止める初めての社会になろうとしています。中流階級の一員であることの基本的な要求、子供を進学させる能力、退職後の生活の確保、こ うしたこと全てが脅かされています。そして『ルールを書き換える』で論じていることの一つは、いかしてこれを取り戻せるかです。しかし、両党で見えている のは、怒りの感情です。民主党候補者は、いずれも、それに対処する説得力ある方法を示していると思います。長い議論になるでしょう。問題は、共和党側には 怒りはあるのですが、基本的に秩序だっていません。これは、実際、基本的にルールを間違った形に書き換え、ことを以前より更に不平等にする税改革で、辻褄 が合いません。
エイミー・グッドマン: 対談の第1部では、オバマ大統領が支持しているTPP、環太平洋戦略的経済連携協定について話します。大学教授として、実際あなたが教授をしておられるコ ロンビア大学で、こうした話題で学んだオバマ大統領に、一体どのような評点をつけられますか? あなたは貿易協定を "茶番"と呼んでおられますね。
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、残念ながら、彼はやってしまいました。彼は、私が必要だと考えるような金融部門での基本的改革を支持していません。TPPは大変な間違いだと私は思います。一方
エイミー・グッドマン: 民主的社会や政府ではなく、大企業が貿易を支配するのですか?
ジョセフ・スティグリッツ: その通りです、特に古い貿易協定が対象にしていた関税引き下げの問題から離れて、規制を対象にしているのです。非常に多くの規制は調和させる必要がありま す。そうした規制は変えなければなりません。しかし、それを大企業にまかせることはできません。変化しつつある世界では、現在の規制構造に固定されてはい けませんが、TPPはそれをしようとしているのです。それで
エイミー・グッドマン: TPPをご存じでない方々のために、こうした世界的貿易ルールを巡って、誰が判断するのかをご説明ください。これは何が支配するのですか? 世界経済の40パーセントですか?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ。そして皮肉なのは、大統領はこう言ったのです。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題だ'" しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかです。そして、それが一体誰のた めに作られるのか、つまり、大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかだと私は思います。
エイミー・グッドマン: オバマ大統領はこれを理解していないとお考えでしょうか?
ジョセフ・スティグリッツ: 理解していません。
エイミー・グッドマン: 彼は理解していないとお考えなのか、彼が
ジョセフ・スティグリッツ: 彼は、何らかの実績を上げたがっているのだと思います。つまり共和党がそうさせませんから、議会で彼は何も成立させられないので、彼は何か共和党が望んで ものを実現しなければなりません。そして共和党は貿易協定を望んでいます。TPP中の投資に関する条項は、ビジネス・ラウンドテーブルの最重要議題だった 条項です。
エイミー・グッドマン: ビジネス・ラウンドテーブルとは何か、ご説明ください。
ジョセフ・スティグリッツ: アメリカの巨大企業の団体です。
エイミー・グッドマン: 家族経営店舗のではありませんね。
ジョセフ・スティグリッツ: 家族経営店舗のではありません。ですから、これは大企業が自らを保護することができるということです。まずはっきりさせてください。我々が普通理解してい る所有権の問題ではありません。アメリカ通商代表の言っていることをご存じでしょうか。彼等は言います。"我々は、法制度の機能の仕方を信じることができ ない国々と対処するのだから、こうした国々を信じることはできないので、こうした保護策を盛り込まなければならない。"同じ類の条項を、ヨーロッパとの、 ドイツとのアメリカの貿易協定でも、我々は主張するのだと。そしてドイツは言っています。"わが国にも、アメリカと同程度の法制度がある、一体なぜアメリ カは我々の法制度を超越しようとするのか?" つまり、ここで彼等は例えばGMOを懸念しているのです。彼等は様々な種類のことに関し大いに懸念しています。
エイミー・グッドマン: 遺伝子組み換え生物ですね。
ジョセフ・スティグリッツ: 彼等はこう言っています。"少なくとも消費者が知ることができるようにしたい。人々が選択可能になるように。" そして、もしこれが成立すれば、もし表示をしなければならないという規制を作り、アメリカストや、人々が、"GMO製品は買わない" というと、彼等は訴えられかねません。というのは
エイミー・グッドマン: 製品にGMOが入っている可能性があるのを知らせるため、もし表示をすれば、訴えられかねません。
ジョセフ・スティグリッツ: 訴えられる可能性があります。良くわかってはいませんが、はっきりさせましょう。我々は全ての条項を知ってはいません。彼等はそれを秘密にしています。しかし、これは言わなければなりません
エイミー・グッドマン: 彼等は秘密にしたままどうやって逃げおおせるのですか?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、これは驚くべきことです。連中の主張は、またしても、非常に複雑な交渉をしているので、もし全てが公開されれば、全員で大混乱になるというのです。 しかし連中は協定を本当に秘密にしているわけではありません。彼等は大企業には話していますから。大企業は交渉の席にいて、こう言っているのです。"そ う、この条項を盛り込むことは我々にとって実に重要だ。この条項を盛り込むことは実際重要だ。" しかし一般国民は交渉の席にはいません。我々が何が起きているのかを知る唯一の方法は漏洩文書です。また、高い透明性に対し、より強力で民主的な責任感を 持った他の国々からも多少の漏洩があります。ところがアメリカ政府はますます秘密にしているのです。
エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞経済学者のジョー・スティグリッツとお話していま。彼は新著『アメリカ経済のルールを書き換える』を出されました。この国で、一体何が、労働者の力、組合の力を活性化させるでしょう?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、こうしたこと全てルール書き換えの問題です。つまり、基本的な考え方は、過去35年間、我々は労働者の力を弱体化させ、金融部門の力を強化させる方向で、ルールを書き換えてきたということです。力の均衡が、間違った方向に変えられてきたのです。そしてTPPは
エイミー・グッドマン: 35年前に何がおきたのでしょうか? レーガンですか?
ジョセフ・スティグリッツ: レーガン大統領ですが、ヨーロッパでも同時に同じことが起きていたので、彼も時代精神の一部です。それに、TPPは間違ったやり方でルールを書き換えるも う一つの例だと言いいたいのです。かつて1980年頃に始まった、不均衡を増して、物事をより困難にした傾向の継続です。ですから、我々はルールを再度書 き換える必要がありますが、今我々は21世紀にいるのです。1980年以前に我々がいたような所に戻るわけではありません。近代化する必要があります。た だし、これまであったような力のパランスを破壊するような形で、ルールを書き換えて実現するのです。
エイミー・グッドマン: もしあなたが、国民を、圧倒的多数の国民を助けるような環太平洋戦略的経済連携貿易協定を書く担当だったとしたら、このTPPのルールは一体どの様なものになるでしょう?
ジョセフ・スティグリッツ: はい、ここまででお話していないことの一つ、最も議論になっている側面の一つに、ジェネリック医薬品の入手があります。一般の人々が医薬品を安い価格で入 手できることが必要です。アメリカ合州国では、ハッチ-ワックスマン法で、これをうまく両立させました。この法律は、"結構!大手製薬会社は、投資と研究 に対して、何らかの利益を得られてしかるべきだ"というものでした。しかし研究の大半は、実際は大学で、より明確にはアメリカ国立衛生研究所NIHが資金 提供している研究所で行われているのです。けれども、全ての薬品の80パーセント以上を占めるジェネリック医薬品が価格を引き下げています。市場を機能さ せるのは競争です。我々はこの両者をうまく両立させていたのですが、この貿易協定で、連中は、大手製薬会社に有利なようにバランスを変えようとしているの です。オバマ大統領の遺産の話ですが、彼の大きな遺産の一つはオバマケアで、これは医薬品を入手しやすくするものと考えられています。ところが世界中の多 くの国々で、医薬品の入手を制限することになりますから、TPPは正に逆方向に向かっています。ですから、これは問題です。
しかし、投資協定を考えましょう。私なら二つ実行します。第一に、企業が訴訟できる条件が間違っているように思えます。もしある国が、医療であれ、安全、 環境あるいは、経済運営であれ、規制を成立させたら、企業が国を訴えられるようではいけません。こうしたものは公用制限(regulatory takings)と呼ばれるものです。自国民を守り、経済を守り、環境を守るルールを設計するのは国の基本的権利だと、アメリカの裁判所は繰り返して言っ てきました。ですから、企業が訴えることができるという条件は間違いです。誰が訴えることができるかが間違っているのです。企業が政府を訴えるのでなく、 政府対政府であるべきなのです。
第三に、それが行われる裁判手続きですが、民間法廷でおこなわれるべきではありません。最も重要な公的機能の一つは紛争解決です。WTOを作った際は、紛 争解決のための国際陪審団を設けました。投資協定でも同じことが可能です。しかし、そうはせず、彼等は、利益相反に満ちた、非常に金のかかる民間仲裁で行 うよう決めたのです。フィリップ・モリスが訴えたウルグアイのことを先にお話しましたが。
エイミー・グッドマン: アルトリアという名前になったのでしたか?
ジョセフ・スティグリッツ: アルトリアがフィリップ・モリスの後継企業です。費用が余りに高価で、ウルグアイは訴訟費用が払えないのです。それで喫煙を非常に懸念しているブルーム バーグ知事が、人々の健康を守ろうという規制を成立させたばかりのウルグアイが、アルトリアに対して守れるよう支援するため、費用を寄付し支払っていま す。
エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞の経済学者で、『アメリカ経済のルールを書き換える』著者ジョー・スティグリッツさんでした。番組はすぐ再開します。
記事原文のurl:http://www.democracynow.org/2015/11/12/a_very_big_mistake_joseph_stiglitz
---------
大本営広報部「普天間一部を先行返還」針小棒大の誇大広告。
大本営広報部、大政翼賛会、TPPをヨイショし、交渉に尽力したという真っ赤な嘘を報じるのみ。英語、スペイン語、フランス語は正文で、二番目に大きな市場の日本語、正文ではないのに。
大本営広報部、大政翼賛会と、スティグリッツ氏の意見、全く違う。
両 方が正しいことはあり得ない。つくづく、「マスコミ」なるものの罪は思いと思う。昔戦争を散々あおった新聞、犯罪を償ったわけではない。そして今、昔はな かった「電気洗脳箱」TVも加わって、国を滅ぼすTPPをあおっている。選挙に向け、洗脳呆導ますます激化するだろう。
【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)
TPP交渉差止・違憲訴訟の会
(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある 米国議会図書館議会調査局文書
TPP関連主要記事リスト
Democracy Now!
ゲスト
ジョセフ・スティグリッツ
ノーベル賞を受賞した経済学者、コロンビア大学教授で、ルーズベルト研究所首席経済学者。新刊書『アメリカ経済のルールを書き換える: 成長と、共有された繁栄のための計画案』
議会では環太平洋戦略的経済連携協定TPPを議論する中、我々はノーベル賞受賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと、この貿易協定について話をし た。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題です'という言葉です" スティグリッツは語った。"しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかで す。そして、それが一体誰のために作られるのか、つまり大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかです。"
書き起こし
これは急ぎの書き起こしである。文章は、最終的なものではない可能性がある。
エイミー・グッドマン: 非常に興味深いのは、バーニー・サンダースが、不平等を本当に強調していることです。これで、ヒラリー・クリントンが、こうするよう追いやりました。彼が 大いに勢いを得て、何万人もの人々を集会に惹きつけていますから。共和党側では、いくつかの分野では、ドナルド・トランプが、ヒラリー・クリントンより、 リベラルに聞こえます。これらの貿易協定に即反対しています。
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、ですから、ある意味で、共和党と民主党で目にしていることは、ある意味、何かおかしいのです。アメリカは初めての中流階級社会でした。我々は、中流 階級社会であることを止める初めての社会になろうとしています。中流階級の一員であることの基本的な要求、子供を進学させる能力、退職後の生活の確保、こ うしたこと全てが脅かされています。そして『ルールを書き換える』で論じていることの一つは、いかしてこれを取り戻せるかです。しかし、両党で見えている のは、怒りの感情です。民主党候補者は、いずれも、それに対処する説得力ある方法を示していると思います。長い議論になるでしょう。問題は、共和党側には 怒りはあるのですが、基本的に秩序だっていません。これは、実際、基本的にルールを間違った形に書き換え、ことを以前より更に不平等にする税改革で、辻褄 が合いません。
エイミー・グッドマン: 対談の第1部では、オバマ大統領が支持しているTPP、環太平洋戦略的経済連携協定について話します。大学教授として、実際あなたが教授をしておられるコ ロンビア大学で、こうした話題で学んだオバマ大統領に、一体どのような評点をつけられますか? あなたは貿易協定を "茶番"と呼んでおられますね。
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、残念ながら、彼はやってしまいました。彼は、私が必要だと考えるような金融部門での基本的改革を支持していません。TPPは大変な間違いだと私は思います。一方
エイミー・グッドマン: 民主的社会や政府ではなく、大企業が貿易を支配するのですか?
ジョセフ・スティグリッツ: その通りです、特に古い貿易協定が対象にしていた関税引き下げの問題から離れて、規制を対象にしているのです。非常に多くの規制は調和させる必要がありま す。そうした規制は変えなければなりません。しかし、それを大企業にまかせることはできません。変化しつつある世界では、現在の規制構造に固定されてはい けませんが、TPPはそれをしようとしているのです。それで
エイミー・グッドマン: TPPをご存じでない方々のために、こうした世界的貿易ルールを巡って、誰が判断するのかをご説明ください。これは何が支配するのですか? 世界経済の40パーセントですか?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ。そして皮肉なのは、大統領はこう言ったのです。"皮肉なのは、大統領の、'貿易ルールを決めるのは、中国か、アメリカ合州国かという問題だ'" しかし最大の問題は、誰が貿易ルールを決めるのかです。アメリカ国民が、民主的過程で作るのか、それとも大企業が作るのかです。そして、それが一体誰のた めに作られるのか、つまり、大企業のためなのか、それとも我々全員のためなのかだと私は思います。
エイミー・グッドマン: オバマ大統領はこれを理解していないとお考えでしょうか?
ジョセフ・スティグリッツ: 理解していません。
エイミー・グッドマン: 彼は理解していないとお考えなのか、彼が
ジョセフ・スティグリッツ: 彼は、何らかの実績を上げたがっているのだと思います。つまり共和党がそうさせませんから、議会で彼は何も成立させられないので、彼は何か共和党が望んで ものを実現しなければなりません。そして共和党は貿易協定を望んでいます。TPP中の投資に関する条項は、ビジネス・ラウンドテーブルの最重要議題だった 条項です。
エイミー・グッドマン: ビジネス・ラウンドテーブルとは何か、ご説明ください。
ジョセフ・スティグリッツ: アメリカの巨大企業の団体です。
エイミー・グッドマン: 家族経営店舗のではありませんね。
ジョセフ・スティグリッツ: 家族経営店舗のではありません。ですから、これは大企業が自らを保護することができるということです。まずはっきりさせてください。我々が普通理解してい る所有権の問題ではありません。アメリカ通商代表の言っていることをご存じでしょうか。彼等は言います。"我々は、法制度の機能の仕方を信じることができ ない国々と対処するのだから、こうした国々を信じることはできないので、こうした保護策を盛り込まなければならない。"同じ類の条項を、ヨーロッパとの、 ドイツとのアメリカの貿易協定でも、我々は主張するのだと。そしてドイツは言っています。"わが国にも、アメリカと同程度の法制度がある、一体なぜアメリ カは我々の法制度を超越しようとするのか?" つまり、ここで彼等は例えばGMOを懸念しているのです。彼等は様々な種類のことに関し大いに懸念しています。
エイミー・グッドマン: 遺伝子組み換え生物ですね。
ジョセフ・スティグリッツ: 彼等はこう言っています。"少なくとも消費者が知ることができるようにしたい。人々が選択可能になるように。" そして、もしこれが成立すれば、もし表示をしなければならないという規制を作り、アメリカストや、人々が、"GMO製品は買わない" というと、彼等は訴えられかねません。というのは
エイミー・グッドマン: 製品にGMOが入っている可能性があるのを知らせるため、もし表示をすれば、訴えられかねません。
ジョセフ・スティグリッツ: 訴えられる可能性があります。良くわかってはいませんが、はっきりさせましょう。我々は全ての条項を知ってはいません。彼等はそれを秘密にしています。しかし、これは言わなければなりません
エイミー・グッドマン: 彼等は秘密にしたままどうやって逃げおおせるのですか?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、これは驚くべきことです。連中の主張は、またしても、非常に複雑な交渉をしているので、もし全てが公開されれば、全員で大混乱になるというのです。 しかし連中は協定を本当に秘密にしているわけではありません。彼等は大企業には話していますから。大企業は交渉の席にいて、こう言っているのです。"そ う、この条項を盛り込むことは我々にとって実に重要だ。この条項を盛り込むことは実際重要だ。" しかし一般国民は交渉の席にはいません。我々が何が起きているのかを知る唯一の方法は漏洩文書です。また、高い透明性に対し、より強力で民主的な責任感を 持った他の国々からも多少の漏洩があります。ところがアメリカ政府はますます秘密にしているのです。
エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞経済学者のジョー・スティグリッツとお話していま。彼は新著『アメリカ経済のルールを書き換える』を出されました。この国で、一体何が、労働者の力、組合の力を活性化させるでしょう?
ジョセフ・スティグリッツ: ええ、こうしたこと全てルール書き換えの問題です。つまり、基本的な考え方は、過去35年間、我々は労働者の力を弱体化させ、金融部門の力を強化させる方向で、ルールを書き換えてきたということです。力の均衡が、間違った方向に変えられてきたのです。そしてTPPは
エイミー・グッドマン: 35年前に何がおきたのでしょうか? レーガンですか?
ジョセフ・スティグリッツ: レーガン大統領ですが、ヨーロッパでも同時に同じことが起きていたので、彼も時代精神の一部です。それに、TPPは間違ったやり方でルールを書き換えるも う一つの例だと言いいたいのです。かつて1980年頃に始まった、不均衡を増して、物事をより困難にした傾向の継続です。ですから、我々はルールを再度書 き換える必要がありますが、今我々は21世紀にいるのです。1980年以前に我々がいたような所に戻るわけではありません。近代化する必要があります。た だし、これまであったような力のパランスを破壊するような形で、ルールを書き換えて実現するのです。
エイミー・グッドマン: もしあなたが、国民を、圧倒的多数の国民を助けるような環太平洋戦略的経済連携貿易協定を書く担当だったとしたら、このTPPのルールは一体どの様なものになるでしょう?
ジョセフ・スティグリッツ: はい、ここまででお話していないことの一つ、最も議論になっている側面の一つに、ジェネリック医薬品の入手があります。一般の人々が医薬品を安い価格で入 手できることが必要です。アメリカ合州国では、ハッチ-ワックスマン法で、これをうまく両立させました。この法律は、"結構!大手製薬会社は、投資と研究 に対して、何らかの利益を得られてしかるべきだ"というものでした。しかし研究の大半は、実際は大学で、より明確にはアメリカ国立衛生研究所NIHが資金 提供している研究所で行われているのです。けれども、全ての薬品の80パーセント以上を占めるジェネリック医薬品が価格を引き下げています。市場を機能さ せるのは競争です。我々はこの両者をうまく両立させていたのですが、この貿易協定で、連中は、大手製薬会社に有利なようにバランスを変えようとしているの です。オバマ大統領の遺産の話ですが、彼の大きな遺産の一つはオバマケアで、これは医薬品を入手しやすくするものと考えられています。ところが世界中の多 くの国々で、医薬品の入手を制限することになりますから、TPPは正に逆方向に向かっています。ですから、これは問題です。
しかし、投資協定を考えましょう。私なら二つ実行します。第一に、企業が訴訟できる条件が間違っているように思えます。もしある国が、医療であれ、安全、 環境あるいは、経済運営であれ、規制を成立させたら、企業が国を訴えられるようではいけません。こうしたものは公用制限(regulatory takings)と呼ばれるものです。自国民を守り、経済を守り、環境を守るルールを設計するのは国の基本的権利だと、アメリカの裁判所は繰り返して言っ てきました。ですから、企業が訴えることができるという条件は間違いです。誰が訴えることができるかが間違っているのです。企業が政府を訴えるのでなく、 政府対政府であるべきなのです。
第三に、それが行われる裁判手続きですが、民間法廷でおこなわれるべきではありません。最も重要な公的機能の一つは紛争解決です。WTOを作った際は、紛 争解決のための国際陪審団を設けました。投資協定でも同じことが可能です。しかし、そうはせず、彼等は、利益相反に満ちた、非常に金のかかる民間仲裁で行 うよう決めたのです。フィリップ・モリスが訴えたウルグアイのことを先にお話しましたが。
エイミー・グッドマン: アルトリアという名前になったのでしたか?
ジョセフ・スティグリッツ: アルトリアがフィリップ・モリスの後継企業です。費用が余りに高価で、ウルグアイは訴訟費用が払えないのです。それで喫煙を非常に懸念しているブルーム バーグ知事が、人々の健康を守ろうという規制を成立させたばかりのウルグアイが、アルトリアに対して守れるよう支援するため、費用を寄付し支払っていま す。
エイミー・グッドマン: ノーベル賞受賞の経済学者で、『アメリカ経済のルールを書き換える』著者ジョー・スティグリッツさんでした。番組はすぐ再開します。
記事原文のurl:http://www.democracynow.org/2015/11/12/a_very_big_mistake_joseph_stiglitz
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両 方が正しいことはあり得ない。つくづく、「マスコミ」なるものの罪は思いと思う。昔戦争を散々あおった新聞、犯罪を償ったわけではない。そして今、昔はな かった「電気洗脳箱」TVも加わって、国を滅ぼすTPPをあおっている。選挙に向け、洗脳呆導ますます激化するだろう。
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