2016年8月20日土曜日

尖閣の中国船は手続き踏んで拿捕すればいい 射爆撃場の米軍使用も有効策だ (1/2ページ)

2016.08.13
沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船(第11管区海上保安本部提供)
沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船(第11管区海上保安本部提供)【拡大】
 沖縄県の尖閣諸島周辺を中国海警局の公船や漁船が大量に航行した。これに対し外務省は猛烈な抗議を行った。このように尖閣諸島周辺に大量の中国漁船等が押し寄せたのは、1978年4月以来とみられ、極めて異例の事態だ。

 尖閣諸島が日本固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も明らかであり、現にわが国は有効に支配している。このため、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しない。

 中国政府は、1895年の尖閣諸島の日本領への編入から1970年代に至るまで、日本による尖閣諸島に対する有効な支配について一切の異議を唱えていなかった。この間、尖閣諸島は、中国共産党の機関紙や中国の地図の中で、日本の領土として扱われてきた。

 こうした歴史的事実があるにもかかわらず、中国海軍の軍艦や中国海警局の公船、そして漁船が一体化して尖閣諸島周辺に侵入してくる。

 一般に、中国海軍の軍艦が中心となり、その外側が中国海警局、一番外側が漁船となっている。これを「キャベツ構造」という人もいる。

 実際、尖閣の北方100キロには常に中国海軍の軍艦がいる。中国海警局の公船は漁船を引き連れて、尖閣周辺に侵入してくるが、それらを中国海軍の軍艦が常時護衛しているのだ。

  ここで、注意しなければいけないのは、中国漁船である。日本のような純粋な漁民による漁船ではなく、射撃などの軍事訓練を受けた漁民であり、中国当局や中 国海軍の意向で動く「民兵」の一種である。この民兵の正確な数はわからないが、従来から中国で行われてきた手法である。

 もちろんこれは、中国による国際法を無視した挑発が一番の元凶だ。日本側としては、中国船による尖閣周辺への侵入は、いわゆるグレーゾーンの問題であると されている。しばしば、日本政府から持ち出される例として、多数の武装した漁船が領海侵犯したり、一部の漁民が不法上陸したりする場合だ。

 しかし、今の中国の海軍、警備局、漁民(民兵)の一体化は、とてもグレーゾーンとはいえないと思う。形式的には漁民を装っているが、事実上民兵であり、真っ黒の、軍事行動そのものである。

 こう考えると、領海侵犯の際には無害通航権など認めずに、武力行使のできる自衛隊の防衛出動(自衛隊法第76条)とういのが本来の姿だろう。

 では日本はどうすればいいのか。公船や漁船の領海侵犯であれば、一定の手続きの上、拿捕(だほ)してもいいだろう。

 また、尖閣周辺には米海軍用の射爆撃場が2カ所ある。久場島の「黄尾嶼(こうびしょ)射爆撃場」と大正島の「赤尾嶼(せきびしょ)射爆撃場」である。

 いずれも1978年6月以来使用されていないが、この際、米軍に使ってもらってはどうだろうか。ここまで尖閣周辺への中国の侵入が続くと、日本政府も対応策を考えておいたほうがいい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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