2014年6月27日金曜日

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我らタクシーの業績を推し量る指標に「稼働率」という言葉がある。所有している営業車のうち、一日にどれだけのクルマが動かせているかという数字だ。
 例えば100台所有している会社が、ある一日に乗務員を乗せて出庫させた台数が89台であれば、その会社のその日の稼働率は89%である、と言う風に使われる。
 ただし、実際には他の業種と同様一ヶ月単位でタクシーも動いている為、この数字も一ヶ月の実績を元に弾き出されることが多いことを付言しておく。

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 クルマというのは、所有しているだけでやれ税金だやれ保険だと金ばかりが飛んでいくシロモノであることは周知の事実。これは自家用車に限らず我々緑ナンバーの世界でも全く同様なことだ。
 タクシーの場合、いくら客が減ったとは言え、とりあへづ街に走り出しさせすれば幾ばくかの収入がすぐに得られる。つまり所有に関わるコストはすぐに回収出来るというわけだ。
 その後はそのまま会社の収益となって反映される。しかも乗務員への人件費は基本的に歩合。タクシー会社に中小企業が多く、しかも中々潰れない理由はここにこそあるのである(潰れるとしたら、それは全く別の次元の理由に依る)。

 しかし、それはあくまでクルマを転がしてくれる乗務員あっての話。クルマが勝手に街中へ繰り出して金を稼いで来てくれるわけではないので、ハンドルを握る人がいなければ、そのクルマはただ金を無為に垂れ流すだけの役立たずとなる。

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 ここで話は件の稼働率云々に戻るわけだが、実はタクシー会社というのは、常に何台かは乗務員の乗っていないクルマ、すなわち「遊んでいるクルマ」が必ず存在しているのである。
 何故乗っていないか。理由は様々ある。担当する乗務員の体調が悪くて欠勤されたか、あるいは待遇や人間関係その他諸々の理由で辞職している者が相次いでいて慢性的に人間が足りないか、もしくは事故やトラブルに遭ってそもそも動かせない状態なのか。
 いずれにせよ、稼働率100%を誇る会社などまず皆無なのである。

 もちろんこのままで良いわけがない。
 稼働率という観点から見た損益分岐点は、恐らく80%あたりであろうと言われており、意外と高い。これを下回るとクルマに関する持ち出しばかりが多くなり、赤字を覚悟しなくてはならない。
 だからこそ会社は乗務員に(そんなにカネも渡さないくせに)稼げ稼げと尻ばかり引っ叩くし、甘い言葉巧みに(毒々しいくらいに)華々しい求人広告をばしばし打って人を確保しようとする。
 しかし、引っ叩こうと人を呼ぼうと、人を大切にしない会社はどんな手を打とうと伸びやしないのである。その場は上手く乗り切れても、ツケは必ず後日回って来る。
 やたらと求人広告で目にするタクシー会社がいたら、その会社は間違いなく稼働率低下に喘いでいる=待遇が悪い会社と考えて良い。

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 画像はある日の我が営業所の車庫。
 ごらんの通り、遊んでいるクルマがずらりと並ぶ様は壮観でさえある。

 待遇が悪いばかりに、人は集まらないばかりか逃げられる一方。
 後に残るのは、大して稼がなくとも(つまり会社から大して遇してくれなくとも)食べて行ける、ワタクシのようなやる気のない人間ばかり。
 当然売上は伸び悩み、職場の空気は沈滞し、クルマの確保にすら四苦八苦するような状況が生じる。

 会社は相当焦っているようで、我々乗務員に対し「新人を紹介して欲しい」キャンペーンを打ち出している。詳細は省くが、要は一人紹介につき200000円を支給するというものだが、それでも人は集まらず……。
 当たり前だ。ウチのようなふざけた待遇の会社を紹介なんかしたら、間違いなくその者から恨まれ、呪われ、祟られることになるだろう。たかが200000円の為にそんなリスクを誰が払うか。

 場当たり的な策を打つより、抜本的な待遇改善を切に臨みたいものだ。
 これでは何の為の値上げだったか分かったもんじゃない。080310

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